緑谷出久はウルトラマンと出会う。   作:魔女っ子アルト姫

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変わっていくそれ達。

「あれっデク君は?」

「PLUSに行ってるってよ、つかこれで何回目だ?」

 

休日を思い思いの時間で過ごす中で麗日は出久の姿を探していたのだがその姿は何処にもなかった。そして帰ってきた言葉にはもはや当たり前になりつつあるPLUS基地への出向が告げられてしまいまたかぁっと思わずため息と共に肩を落とすのであった。

 

「でも爆豪君と轟君はおるよね」

「まあ、また発目関連じゃね」

『あぁっ……』

 

爆豪と焦凍(あの二人)がいかないのであれば出久に関するそれは間違いなく発目(それ)でしかなくあり得ない事だろう。肝心の二人は文化祭でのウルトライブ・シミュレーションでの映像を見なおしながら立ち回りの改善やそれに合わせた自分のウルトラスーツの改良案などのレポート作成を行っている。

 

「デク君、大丈夫かなぁ……」

 

その問いは一体どんな意味合いが込められているかは不明、だがそれに対してクラスメイト全員が同じ気持ちを向けたのは言うまでも無かった。

 

 

「ヘックショオイ!!」

「おおっ随分と大きいですね」

「誰かに噂されたみたい……」

 

そんな出久は噂されたとおりに発目と共に彼女の研究室に居た。現在は休息中なのか共に抹茶ケーキを突きながら紅茶を楽しんでいる。

 

「それにしても、まさか発目さんが休憩を取っている事に驚きを感じ得ない……」

「失礼な物言いですね~まあ今までの私だったら平然とやってたでしょうから特に反論も出来ませんけど」

「反論出来るような生活を送ろうよ」

「今は送ってるからいいじゃないですか~」

 

ブーたれているが、今の発目は確りと休息やら食事の時間を取るようになっている。文化祭での出久との散策、それが大きく影響をしているのか自分の体調管理なども考えている。何もしない時間を取って平和を享受するというのも悪くないと思っているらしい。それでも口惜しいと感じる事もあるがそれも平和の醍醐味だと思っている。

 

「私をこんな風にしたのだって緑谷さんなんですからね」

「ちょっとその言い方やめてよ!?僕がなんか変な事をしたみたいじゃん!?」

「何を仰いますか。私をここまで変えてるんですから変な事、つまり変えることをしてますよ」

「な、なんて屁理屈……」

 

若干顔を紅潮させていっているから余計に質が悪い。これが外で言われたら自分がなんて風に解釈されるのか考えるだけでも恐ろしい。そんな風に頭を抱えている出久を発目は酷く面白い物を見るように見つめる、これが見たかったと言わんばかりの笑顔に出久はげんなりする。

 

「しかしそうなると私もいい加減に緑谷さんから出久さんに呼び名を改めますか、もう知らない仲じゃない訳ですし」

「だからなんでそう、含みを持たせるの発目さんは!?」

「フフフッ……ご想像にお任せします♪」

「怖い!!マグナさん助けて!!」

「いやだなぁ今はハルキさんとゼットさんに稽古をつけてるからいませんってば」

 

色んな意味で慟哭を上げてしまう出久をケラケラと笑う発目、だが次第にもう諦めがついたのか好きにしてくれと白旗を上げる事にする。そんなわけで発目は出久と呼び名を改めるのだが……その時にほのかに頬を染めるのに出久は気付けずにいたのは幸運だったのだろうか。

 

「ハァッ……それで特空機の方は如何なの?」

「そっちは順調です。インペライザーとの戦闘は完全な不意打ちでしたけどそれによって得られたデータは何よりも尊いですから」

 

今こうしているのも特空機での整備作業の休息時間。発目が今取り組んでいるのはレギオノイドとゴモラの新たな出力調整ソフトの開発とシステム面の改善、そしてメリッサやデヴィッドは機体の最高出力に合わせた各部調整に追われている。

 

「でも深刻なのはレギオノイドの方ですね、動力源を一応解析して再構成した物でしたけど予想していた最高出力をあっさりと超えやがりましたから。今回で限界値は分かりましたが……それもとんでもないですから、当初設定した限界値の約4倍ですよ」

「さ、流石帝国機兵……」

「まあリミッターを施すのが妥当なラインでしょうね、元のままなら問題ないでしょうけど今の装甲やらは地球の技術で作った物ですからきっと追い付かないでしょうから」

 

ベリアルが率いた帝国、その帝国の兵士として戦ったレギオノイド。それらはウルトラマンとしては倒せる相手ではあるが地球基準で考えればあり得ない程のオーバーテクノロジーの塊。それに対応する物を作り上げるのも一苦労らしい。

 

「一時はこの動力で発電して電力供給って考えたんですけど……流石にこれはこれで暴走した時が末恐ろしすぎますからねぇ……ナイトアイ参謀に却下されました」

「いや妥当な判断だと思うよ僕は」

「まあ何れそれをリバースエンジニアリングして発目式大出力動力源を完成させるつもりですけどね!!」

「ああうん知ってた」

 

無論その程度は予測済みだったと言わんばかり、というよりもどうせその位はやるだろうという確信があった。常に自分の中にあった常識を壊すような彼女ならば何時の日必ずそんな物を作り上げてしまうだろう。

 

「というか僕は発目さんなら何時の日か、光の国行けるような宇宙船を作ったとしても驚かない自信があるよ」

「むむっ言いますね、良いでしょうそこまで言うなら絶対に作って差し上げますとも!!」

「いやいやいや僕たちの宇宙とマグナさんの宇宙は違うって話聞いてるよね!?」

「大丈夫です!!実は特空機での戦闘による周辺被害を減らす為に空間圧縮を応用したハイパー級な可愛いベイビーを開発中な訳ですよ!!それを応用すれば空間跳躍にも応用が利くかもしれないという訳でしてね!!」

「ぁぁぁぁっ……またマグナさんが頭を抱えて唸る姿が見える……」




ハイパー級なかわいいベイビー、うん、皆さん察してると思うけどあれだ。
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