緑谷出久はウルトラマンと出会う。   作:魔女っ子アルト姫

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PLUS参謀の宣言。

その場に現れたナイトアイの姿を見た者は自分の中にあったナイトアイとの違いに驚くだろう。その身に纏うPLUSの制服ゆえだろうか、いや違う。明確に違うのである、クールだがユーモアを愛するヒーロー・ナイトアイではなく人類を守るという明確な使命を果たす為に日々戦い続けている戦士の姿は巨悪と戦うオールマイトのそれと瓜二つ。

 

「昨今、PLUSへの様々な意見が飛び交っている事は重々承知の上。様々なヒーローが参加の名乗りを上げているのは嬉しい悲鳴と感じております、それだけ怪獣災害への認識が徐々に強くなっている表れでもあると……ですが同時にそれがPLUSが有力なヒーローを奪っておりヴィラン活性化の要因と指摘する声もある事も、そして元ヒーローでありながらそんな状況から目を反らし参謀にして司令官代行の席に着く私への風当たりについても」

 

いきなりすぎる言葉に公安委員会の会長も驚きの顔を作っていた。彼を招待したのは自分だがそれでもPLUSの事を考えればその辺りの話題は上手く避けるだろうと思っていたのだがナイトアイはそれに真正面から挑みかかった。

 

「では問います。既存のヒーロー体制で怪獣災害に対応出来るのですか、出来ないからこそPLUSという新しい枠組みが生まれ今それは明確な成果を出しながら人類防衛の要としての機能を作り始めている。その為には優秀な人材が必要となってくるのは必定とも言えます、現状それらをヒーローに求めすぎてしまった結果というのは正しい指摘です。故にPLUSは現役ヒーローへの参加をより明確かつ厳格化し制限をします」

 

既に想定済みであった、だからこそ必要となってくる取り組み。そして場合によってはヴィランが怪獣災害匹敵級だと認定された場合には即座に応援を出す準備が政府との会談によって進んでいる事を発表する。

 

「そして場合によってはプロヒーローへのPLUSの実働部隊が着用しているウルトラスーツの技術提供も検討中です」

「おっそれってあれだろ、あのいい感じにイカれてる発明女のあれか」

「言い方はあれですがそうです」

 

そりゃいいなとミルコは素直に好印象だった。本人としても使ってみたいという思いがあったらしい、加えてウルトラスーツの技術提供はヒーローの力の底上げにも繋がっていく。ヴィランへ流れるかもしれないという危険性も無くは無いが……その辺りはPLUSが誇る技術者たちが重要部分をブラックボックス化する予定なので問題ない。

 

ヒーロービルボードチャートの会場は圧倒されていた、そこに集うのはヒーローだけではなく報道関係者も大勢いた筈なのに彼らは言葉を口に出来なかった。聞きたかった事をナイトアイが自ら答えているのもあるが、その迫力に圧されている。

 

「そして今、対怪獣特殊空挺機甲、通称特空機が実戦でも十二分活躍出来る事を示す事が出来た。これで漸く私達はウルトラマンと共に戦う事が出来ると我々一同(PLUS)は歓喜している。背中を見つめる事しか出来なかった我々が隣に立てる事に」

「ウルトラマンが私達を救うのではなく、共に戦うか……」

 

思わずそんな事を呟き口角を上げるホークス、そしてナイトアイは自らが元ヴィランであるジェントルをスカウトした事を絡めながらある事を言った。

 

「平和を守る為の組織がヴィランを入れるのか、矛盾だろうと耳にしました。矛盾、何が矛盾なのか。人の考えの数だけの矛盾がある、私はその方が好意的だ。PLUSで参謀を続けている中で一つの事を掲げています、それは相手を信じる事です。誰にでも出来る事ですが私はそれを中心に据えています、それが出来なければ人間(我々)は永遠に平和を手に入れる事なんて出来ない―――人を信じる心を失わない限り、平和をその手に掴む為に常に歩き続ける、私は彼を信頼している。彼に何かを言いたければ全て私を通して貰おう」

 

怪獣という人知を超え最早自然のそれと変わらぬ物に戦いを挑むPLUS、その参謀たる彼が最も大切にしているのは誰もが出来るが大切な事。それが出来なければ平和なんて永遠に夢物語、人間にとって一番難しい事かもしれないがだからこそそれに向かって歩き続ける事を宣言する。

 

「PLUSはこれからヒーローと共に世界の為に戦って行く、それは変わらない。人々の心に光を灯しそれに希望を抱けるような世界を作る為に―――さて私に言えるのはこんな所だろうか、君の御眼鏡には適ったかな」

 

そして振り向きながら問いを返すナイトアイにホークスは笑顔と共に拍手でそれに答えた。それに続くようにオールマイトが、エンデヴァーが拍手を行う。その輪は次第に大きくなっていき会場全体を包み込むほどにまで巨大な渦となった。その中で返されたマイクがエンデヴァーへとパスされる。

 

「ああそうだ、今俺達は転換の狭間に立っている。様々な意味で複雑となりつつある時代だからこそ、ナイトアイの言う通りに前に進まなければならない。ナイトアイ、必要ならば声を掛けろ。このエンデヴァーは何時でもPLUSの力になってやろう」

「おっと一人だけでカッコつけるのはズルいぞエンデヴァー!!それは私とて同じさっ!!」

 

力強いエンデヴァーの言葉、それに続くようにオールマイトも名乗りを挙げる中でナイトアイは思わず苦笑ながら言ってしまった。

 

「エンデヴァーは心強いですが、オールマイトにはPLUSの何をお願いしたらいいんでしょうかね……指揮官として考えても圧倒的にエンデヴァーの方が心強いのですが」

「うぐっ!?ま、まああれだよ……そのえっと……こ、広告塔?」

「貴様それでいいのか」

「まあある種優秀だからなおさらですね……」

 

マイクが拾っていたそんなやり取り、それを聞いたヒーローは思わず笑った。それは単純にそんな会話へなのか、ユーモアを愛するナイトアイが変わっていない事か、それとも―――ヒーローと共に戦う新しい姿への安心感なのか。分からないが先程までのそれとは違った雰囲気が生まれたのは確かだった。




―――次は何処にしようかなぁ……。

無造作に投げられたナイフ、それは広げられていた地図のある地点へと突き刺さった。それは―――

「うん決めたっ―――次は此処に決めたっ♪」

九州。
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