緑谷出久はウルトラマンと出会う。   作:魔女っ子アルト姫

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トランサー・ド・モンス。

ジェイツに指定されたポイント、それはもう既に廃墟と化している工場。完全に閉鎖されており何者かが隠れるには寧ろ好都合というべき場所。だがそれ以上に気になっている事があった、それは写真に写っていた脳無の余りにも異形すぎる姿だった。オールマイトにはそこまで分からないが出久とマグナには十二分に通じていた。タイラントを真似て脳無を作ったと言われたらそのまま納得できてしまうようなそれに奇妙な不気味さを覚えた。

 

「此処だな……よしっ行きましょう」

 

準備を整え、スーツの戦闘モードを起動させながら中へと突入していく。酷く薄暗く放棄されている機材や錆び付いたパイプなどが散乱している内部、此処に脳無が居るというのだろうか……。

 

「あのジェイツを信用していいのか、仮にも宇宙人だぞ」

「ンな事言ったら俺達だって宇宙人じゃないですか、地球人って言う」

「そういう事を言ってる訳ではない」

 

エンデヴァーとしてはジェイツを信用してしまってもいいのかという思いがあった、メトロン星人は侵略を目的としていた事がある宇宙人でありジェイツはその種族。真の目的を奥に隠していないとも言い切れない、それが態々こんな所に誘導したのは自分が地球から脱出する間の時間稼ぎなのではと疑っている。

 

「アートデッセイ号が警戒をしてますし、そう易々と逃げられはしませんよ。それに……僕はジェイツさんが嘘を言ってるとは思いませんし」

「俺も同意見だ、根拠はねぇが……何となくそう思う」

 

出久の言葉に賛同する焦凍。悪人とは思えないしとても嘘を言っているようには思えない、それは出久だけではなくマグナも同意見であった。一先ずはこの工場の是非を確認するのが先―――と思ったその時であった、何かが聞こえてきた。

 

「何か、聞こえてきません?」

「何だこの音は……」

 

ホークスの言葉に同調するオールマイトの言葉に皆が耳を澄ませると何かが聞こえた、それは何か脈動しているようにも聞こえるし何かを砕き喰らっているかのようにも聞こえる。酷く気味が悪い、用心しながら前に進む―――としたその時だった。足音と共に拍手の音色が此方へと向かって来ていた。全員が戦闘態勢を取る中で迫ってきたのは―――白衣を纏った女であった。

 

「よくここが分かったねぇヒーロー諸君、褒めておこう……と言えばいいのかな、ようこそ私の実験場へ」

「貴様何者だ!!」

「何者、ああっ何者と来るか、実に地球人らしい質問だねぇ」

 

ケラケラと相手を馬鹿にしたような態度を取りながらも眼鏡を掛けながらも身体を傾けてポーズを取りながらも喋り続ける。

 

「生憎私は私であって私でなく君達の定義する所のヴィランであってヴィランでもない。そう言うなれば―――宇宙の敵だ」

 

そう言いながら白衣を一気に脱ぎ捨てるようにしながらもその内にあった本性を明確にさせた。頭部にある二本角、金属的な輝きを鈍く放つ全身に纏った甲殻のような装甲……それを見た瞬間に思わず出久は思わず息を呑み拳を強く握ってしまった。何故ならばそこに居たのは紛れもなく―――マグナの宿敵、レイブラッド星人の継承者を自称するアウローラだった。

 

「アハハハハハッ!!いいねぇ良いねぇそのリアクション!!100点満点だよビックリしてくれたようで何よりぃ~そぉしぃてぇオールマイトォ私としては今すぐに死んでくれた方が愉快なんだけどねぇどう思う皆さん?」

「何処向いて何言ってんだこいつ……!?」

「いやはやだってさぁ聞いて火傷してる坊や、オールマイトが利害の一致で協力してたオール・フォー・ワン倒しちゃったからもう私のプラン丸潰れ、加えて私もマグナの奴に倒されちゃったからもう再生に時間掛かっちゃって掛かっちゃって」

 

その言葉に全員が震撼する。ヒーロー達からすればこいつこそが神野において出現したあのウルトラマンを一度倒した怪獣の正体、そしてオール・フォー・ワンと通じていた存在。マグナと出久からすればこれが明確にアウローラであるという証明でもあった。

 

「マグナさんと因縁があるようだな、ならば彼の恩義を果たす為にも此処で倒させて貰おうか!!」

「アハ~ハ~ン言ってくれるじゃないのぉ~ン。でも残念ながら私は予定が詰まってんのよねぇ~、だから貴方達には改造したこの子達と遊んでてもらおうかな!!Come on!!」

 

指を鳴らすと何処からともなく3体の脳無が出現した―――がそれは今までに戦った事のある脳無などではなかった。その節々がグロテスクで異常なまでに不気味な物、全身に黒い棘のような甲殻を纏った物、頭が肥大化し上半身まで侵食してしまったような物まである。

 

「こいつら……普通の脳無ではないな!!?」

「怪獣の要素を持ってるって感じですね!!」

「正解さ、報酬として貰った脳無ちゃん達に僕の持ってる怪獣の力を分け与えてみたんだよっ♡」

「全然可愛くないぞ!」

「筋肉モリモリマッチョマンのウィンクより愛嬌ある」

「言ってくれる……!!」

 

そんなやり取りをしている間にマグナは脳無を注視してどれが何の怪獣の要素を持っているのかまで読み当てるが、どれもこれも強力な怪獣ばかりだった。ガルベロスにギマイラ、レッサーボガール……何ともとんでもない面子が揃えてくれたものだと溜息を吐きたくなる程。だが同時にこれだけの怪獣の力を持つのもレイブラッド星人の継承者たる所以なのかもしれない。

 

だがそれ以上にマグナが気になっていたのはアウローラの様子が明らかにおかしい事。今までの奴とは口調やテンションが違う、今までも狂ってしまっていたかのようだったがそれはチューニングがズレているに近かったが今回は全く違う、完全に狂っている。

 

「それじゃあこの子らと遊んでてよ、んじゃバイビィ~」

「待て!!」

 

と走り出していくアウローラ、それを守るように立ち塞がる脳無たち。それに舌打ちをするがオールマイトがすぐさま指示を飛ばす。

 

「緑谷少年奴を追うんだ!脳無たちは私達が引き受ける!!」

「焦凍お前も行け!!直ぐに追いかける!!」

「くれぐれも無茶をしないように!!」

 

「はい!!」「ああっ!!」




トップヒーロー VS 怪獣脳無

そして―――出久と焦凍はアウローラと対峙する。
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