「シュワァァッチ!!!」
「ダァァァッッ!!!」
空へと開けられた時空の穴、そこから降り注ぐ二つの光は大地へと降り立った。光は即座に人の姿となって周囲を見渡し始めた。
「此処が出久君先輩がいる星……」
「無事だと良いんだが……」
それはウルトラの父のメダルの力を使って所在を明らかにし救出へとやってきたマグナとハルキであった。ノアのメダルを使う事で空間転移を行う為のワームホールを作り出し地球から離れたこの星へと到達した。直ぐに二人の捜索を始めるのだが―――ウルトラ・フォー・オールの共鳴が起こった為に早急に発見する事が出来た―――がその時に見たのはボロボロの出久を介抱する発目の姿があり二人は大いに焦った。
「出久君―――流石に私でも怒る事はあるって事を知ろうか……?」
「いやあのその……マグナさんが助けに来てくれるって言うのは分かってましたし信じてましたからあの、時間を稼ぐ為にそれしかなかった訳でして……」
「それは時間稼ぎじゃなくて捨て奸っていうんだよ!!守るって言いながら最終的に彼女を危険に晒すような事をして何が守るだ、馬鹿も大概にしろ!!」
話を聞くうちにマグナは怒りを露わにしながら出久に本気でキレた。時間稼ぎをするならば猶更、出久の取った手段は真逆の手段。既に深いダメージを受けていた状態でそんな事をすれば稼げる時間はたかが知れており、長く見積もっても3分しか稼ぐ事が出来ない。助けが来るまで時間を稼ぐと言っておきながら最悪、3分しか稼げずに死んでいたかもしれない事をやっていた出久に流石のマグナも許容できなかった。
「出久君先輩流石にそれはまずいですよ……確かにそいつが強いのは察しますけど、攻撃が通じないなら通じないで回避し続けるとか色々あったと思いますよ……それは時間稼ぎじゃなくて自殺の域ですよ……」
『いやぁ……ウルトラマンの俺が言える事じゃないで御座いますが、ちょっとやりすぎてありんすよぉ……』
「イージーフュージョンについても結構私事細かく説明したと思うんだけどなぁ……記憶違いだったかなぁ?あれはウルトラマンであるガイ君だからこそ出来る事であって一応普通の人類こと、ホモ・サピエンスである君が出来る物じゃないってさぁ……?」
「あ、あのマグナさん出久さんは私の為に此処まで無茶をしたんです。だからこの責任は私にもある訳ですからその辺りで……」
「黙らっしゃい!!君と出久君の責任が同価値な訳ないでしょうが!!」
何とかマグナの説教を抑えようと試みる発目であったが如何やらそれは完全に無意味。これだけの無茶を平然と行う出久の精神性にも問題がある、今回ばっかりは確りと説教しなければこれからも同じような事を繰り返し続けて何れ確実に破滅する。十分な経験を積んでいる戦士でも危険な行為を未熟な者が行うなど言語道断!!
「いいかい出久君、今回の事はナイトアイやオールマイトにグラントリノにも確りと言っておくからみっちり説教を受ける事を覚悟しておくように!!!今回という今回は私も庇わん!!」
「ううっ……はいっすいませんでした……」
穏やかで優しい師匠というイメージがあるマグナだが締める処は確りと締める、寧ろ今までは出久が優等生且つ基本的に言いつけを守ってきたので説教とは基本無縁だっただけなのである。一通り小言を終えると溜息と共に目線を合わせながら出久に言う。
「だけどまあ……私の想った通りに護り抜いた事は称賛に値する、相当な戦いだった事は此処を見れば一目瞭然。よく耐え抜いた」
僅かに笑いながら困った相棒だなと苦笑するマグナに出久は何処か嬉しくなってしまった。そんな時だった―――
「いやぁ~最高の気分だ、こんなにいい気分なのって何千年振りだろうなァ~負けちまったけどいい最高の闘いだった!!」
満足気な陽気な声と共に光が集って行く。そして光は次第と形となっていきそれは人となった、その形を見て出久と発目は思わず絶句してしまった。それは自分達が確かに倒した筈のモルスがストレッチをしながら完全に再生を終えていたのだから。
「出久君先輩もしかして此奴が!!」
「そ、そうですよ出久さんの光線で間違いなく吹っ飛んだはずなのに……!!」
「いやぁマジで死ぬなんて300年振りだったぜ、あんちゃんに嬢ちゃん―――最高の一撃だったぜ!!」
サムズアップ且つ満面の笑みで此方を褒めてくるのだが、ハルキは思わず二人の前に立って戦闘態勢を取る。だがそれを見てモルスは両手を上げる。
「おっとお仲間さんの御到着かい、だがもうご安心しないさ。おりゃもうあんちゃんと嬢ちゃんに手を出す気はねぇぜ、此処まで完膚なきまでブッ倒されちゃ素直に負けを認めて引くってのが筋ってもんだろう。こんなにいい気分なんだ、宇宙の絶景でも見ながら一杯やりてぇもんだ」
「戦う気はないって、本当なんだろうな!?」
「マジもマジよ、何だったら俺様武装解除だって喜んでしちゃうよ」
そう言いながら両手を頭の後ろで組む姿を見せて戦意がない事を示すモルスに対してマグナは質問をする。
「超一流の殺し屋、宇宙ヒットマンのモルス……まさかこんな超大物に出久君が勝ったとはなぁ……」
「いやぁ俺様ってばやっぱり有名人ねぇ♪いや俺様もまさかあんちゃんに負けるとは思わなかったぜ、これでも慢心とかせずに全力でやったんだぜ?あ~あ、こりゃ仕事の為に別の手段みつけねぇとなぁ……というか俺様も駄目だな、嬢ちゃんが目的だったのに嬢ちゃんの事考えずにブッパしてたし俺様もまだまだだな!!ダァハハハハハ!!!!」
マグナでさえ知っている超一流の殺し屋、とんでもない相手と戦っていた事が明らかになって益々頭が痛くなってきた。
「それで君の仕事の目的とは何だ」
「この地球に居る宇宙人を仕留めてくれって依頼さ、冷酷非道残虐無慈悲なアウローラって奴をな」
「―――何っアウローラ……?」
「ああ、惑星サピエンティアの奴からな。なんでも故郷の人工太陽を悪用しやがった大悪党に報復して欲しいって依頼をして来たんだよ。んで金掛けて色々調べたらこの次元に地球に居る事を何とか突き止めたんだぜ」
惑星サピエンティア……その名前を聞いたマグナは聞き覚えがありまくって思わず頭を抱えてしまった。その星はアウローラの手によって復活した、ヤプールが宿ったUキラーザウルスによって、壊滅一歩寸前まで突き進みそうになった星。マックス、ゼノン、ネオス、セブン21と共にUキラーザウルスを倒し平穏を取り戻した筈だが……
「んでよ、この地球を調べたらその嬢ちゃんがすげぇ技術力持ってるから相棒の改造依頼しようと思ってちょっちご同行願って訳さ。まああんちゃんを巻き込んじまったけどな」
「あ~あのモルス……確かにアウローラは地球にいた……だけどねあの……私と出久君がもう倒してしまったんだ」
「―――はっ?えっはっはい!?いやいやいやちょっち待てよ旦那、冗談は良子ちゃんだぜ!!」
「「「(古い……)」」」
思わず大きな声を上げながらマグナに詰め寄る。
「いやいやいやだってアウローラって野郎はレイブラッド星人の継承者を名乗る位のやべぇ奴だぞ!!星一つを丸ごと実験場にしてとんでもねぇ事したりヤプールっつう悪意の塊みてぇな奴を復活させて、人工太陽を取り込むようなバケモンを作り出した位なんだぞ!!」
「ああうん、そのバケモン……Uキラーザウルスを倒した一人でもあるからね私」
「ハァッ!!?いや待てよあれを倒したってまさか旦那ウルトラマンな訳!!?」
「ああ、マグナという」
「……マジモンじゃねぇかぁぁぁ!!?惑星サピエンティアじゃアンタと後4人のウルトラマンは星を救った大英雄って祀り上げられてんだぞ!!?というか何、あんちゃんまさかウルトラマンの相棒とかそんなポジの人!?」
「あっはい、そんな感じの人です」
「ファアアアアアアアアアアアアッッッ!!!?俺様ってばなんてあんちゃんと闘ってんだよぉ!!?やっべぇマジで興奮して来たわ!!えっちょっと旦那握手してくんね!?」
「あれ君本当にあのエースキラーって呼ばれてるモルスだよね?」
「モチコース!!」
という訳で普通に生きてますモルス。まあサデスもオーブトリニティに斬られまくってたのに生きてるぐらいだし、生存しております。
惑星サピエンティア。
マグナが過去最高のやばいと断言した任務の舞台となった惑星。光の国に近い科学力を持っており、テラフォーミングの為に研究されていた人工太陽がUキラーザウルスに吸収されて惑星規模の危機を迎えた。マグナが光の国に不在の間に正式に光の国と国交を結び友好星となった。
そんなサピエンティア星人の誰かが故郷に危機を齎した元凶であるアウローラを許せずに宇宙有数のヒットマンであるモルスに依頼を出し、モルスがヒロアカ次元の地球へとやってきた。
因みに、マグナ、マックス、ゼノン、ネオス、セブン21は星を救ってくれた大英雄として祀り上げられており1年に一度、星を救ってくれた戦士達と光の国に感謝を捧げる祭りが催されている。その中心には5人の像が祀られているとモルスが語るとマグナは全力で頭を抱えた。