緑谷出久はウルトラマンと出会う。   作:魔女っ子アルト姫

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雄英、PLUS見学。

「お前達行儀良くしておけ、此処から先は世界的にも注目を集めている場所だ。雄英の恥になるような事は……ああいや問題はないか、それ以上のマッドがインパクトを打ち消す」

 

二日後、バスに揺られながら行くA組。その後に続くようにB組のバスも行く中で相澤が一応注意を飛ばしておく。まあ発目という存在のインパクトに隠れてしまって逆に何とも思わないというのも十分にあり得てしまうのが非常に頭が痛い所である。

 

「あれっなんか……街の雰囲気変わってない?」

「言われてみたら……」

「道行く人たちも顔つきが、いえ何もかも変わってきてますわ」

 

そんな言葉に思わず焦凍と爆豪は俺達と同じ事感じてやがると懐かしさに浸る、そして相澤が皆に告げる。

 

「既に此処はPLUSの敷地内、今通っている街自体がPLUSの基地建設の為だけに作られている。基地周辺を囲むように街が形成されて現場作業員や隊員、それらに人間向けの店舗が占めている」

「まっ街を作ったぁ!?」

 

思わず声を上げる上鳴、ヒーロー向けの街や商店街という物は存在する。だがそれでも一つの組織の為だけに設立された街なんて聞いた事がない、PLUS基地周辺の街は通称防衛町と言われている。そこにある全てがPLUSの為に存在していると言ってもいい、隊員向けのあらゆる事がこの街で完結させられる。ウルトラスーツの調整の為に一時的に滞在したエンデヴァーやホークスもこの街を体験したが―――

 

『調整の為に今後も利用させて貰う』

『週一で来て良いっすか?』

 

という程に気に入っている。そして遂にバスは基地の敷地内へと足を踏み入れる事になり、窓から覗ける景色に思わずヒーロー科の皆が零したのは溜息にも聞こえる呆然とした言葉にもならぬ音に近しいそれ。そんな姿に何度も来ている焦凍と爆豪はその反応を見て楽しんでいた。

 

「これがPLUSなのか……」

「雄英が小さく思えるってどんな所だよマジで……」

 

「おやおやおやっA組はこの程度で驚愕するなんてPLUSの力を侮っているのかねぇ!!特別隊員が居るというのにも嘆かわっ―――」

「こりゃ凄いわぁ……」

「お前の手刀の速度もすげぇよ、俺見えなかったぞ今」

 

とバスから次々と降りながら感想を述べていく皆、途中B組も到着し物間が最早定番となりつつある毒舌というか嫌味全開を語ろうとするが隣に居た拳藤が即座に首に手刀を打ち込んで黙らせる。入学直後からやっている為かその動作も熟練となっており、手刀の速度が見えないレベルにまで達している。そんな事をしていると―――

 

「あれ、ヤオモモなんか音聞こえてこない?」

「音ですか……本当ですね、言われなければ気付きませんでした」

 

耳郎は個性の関係ゆえか気付いた、何かが遠くから迫ってくるような音を感じ取った。それは徐々に大きくなってきているようにも感じられる、そしてそれは頭上からゆっくりと降下するように現れたのであった。各部に美しい結晶を携えている機械仕掛けのウルトラマンのようだった。

 

「うぉぉぉぉぉぉなんだ何だよ!?PLUSで研究開発中のロボットとかかなんかか!?」

 

とB組から熱血に溢れた声が響く中でそれを見て焦凍と爆豪は酷く哀れそうな目を向けていた、それを見た切島が如何したんだよと尋ねると同情に塗れ切った声色で二人は言うのであった。

 

「また増えたのか……緑谷、好い加減断る事を覚えた方が良いぞ」

「……デク、お前弱み握られてねぇだろうな」

「いや握られてないよ……というか一応これ僕が志願してやってるから」

 

そんな言葉と共に頭部装甲が開閉してそこから苦笑いをしている出久の顔が露わになると思わず一同から驚きの声が溢れたのであった。

 

「致し方ないさ出久君、今までの事を考えれば致し方ないと君も思うだろう」

「まあ分からなくはないですけど……此処まで言われます?」

 

そこへ苦笑している光士が現れ出久と共に礼をする、完全にシンクロしている動きをしながら客人を歓迎する。

 

「Prowess Luster Unique Spirit Fencer、PLUS Fencer本部へようこそ。職員の一人として皆さんを歓迎させて頂きます」

「特別隊員の身ではありますが、同じく歓迎します」

 

頭を上げた出久にA組は久しぶりに会う学友の姿に何処かホッとしてしまったような気分になってしまった、だが同時にB組はある事を想う。緑谷 出久という人間は此処まで凛々しく猛々しく思えるような人物だっただろうかと自分の中にある物との相違に違和感を覚えてしまった。

 

「緑谷ぁっ!!お前PLUSばっか行きやがって偶には授業出ろよ!!」

「ごめん峰田君、僕もそうしたいけど僕じゃないとダメな事とか色々あって……だから最近はリモートで授業を受けさせて貰ったりしてるんだ」

「それでも出来れば顔が見たいわ緑谷ちゃん、そんなに大変なの?」

「そんな所かな梅雨ちゃん、これだって僕がテスターになって開発されてるからね」

 

指で軽く胸を叩きながら纏っているウルトラスーツを示す、皆が興味津々といった表情でそれを見つめている。

 

「場合によってはこれはヒーローにも貸与する事を想定しているから今は扱い易さとかを重視してるから、というか皆も着用体験をする事になるよ」

「マジで!!?そんなカッコイイの俺達も使っていいのか!?」

「純粋に他の人の意見も欲しいしね、後心配を解いておくと発目さんが関わってるけどリミッター部分とかは他の人が確り組んでるし僕も協力してるから大丈夫だよ」

 

それに胸を撫で下ろすB組、それに安心感を抱けばいいのかそこに至るまで苦労した出久に同情を向ければ良いのか分からなくなるA組。そんな所に登場したのはその元凶とも言うべき人物、プロヒーロー業界認定のマッドサイエンティスト、発目であった。

 

「やぁやぁやぁどうも皆様ようこそ御出でくださいました、私と出久さんと光士さんで御案内をする事になりましたぁ~」

「そういう事になっちゃいました。まあ僕からしたら見学する事なんて一つもないから妥当だとは思うけど……」

「ウルトラスーツについては出久君なんて研究開発の第一線に要るようなもんだからね」

「いやぁっ私には出久さんが必要ですから♪」

 

とウィンクする発目とそれを受けて笑いが出てしまう出久にA組は全力で同情した、そしてB組は体育祭などで発目がやった事などを思い出し漸く出久への同情を向ける。復活した物間ですらそれは同じであった―――が、此処で一部の女子は気付いた。

 

「(あれっ発目さんもしかして……お化粧しとる!?)」

「(あっ本当だ!!薄いけど口紅もしてる!!何で!?)」

「(ケロッ本当……驚きだわ)」

 

と彼女らからしても発目が化粧をしているというのは途轍もない衝撃だったのだろう。そして出久の隣に立っている彼女が自然としている髪の毛を弄る仕草が如何にも一部の女子は気になっていた。僅かにだが出久の方を見ようとするのだが外している姿にも驚く。

 

「それじゃあ出久さんどっから案内します、整備エリアとかですか?」

「いやなんでいきなりそこなの、まずはミーティングルームでしょ」

 

「(それにだって、前まで緑谷さんって呼んでたはずなのに出久さんに変わってるわ……!!)」

「(ウチらが知らん間になんか進展しとるん……!?)」

 

何やら女子陣の中で何かの炎が燃えている事に気付くが、何となくその理由を察した光士は敢えて何も言わなかった。

 

「ではまずはミーティングルームへとご案内しそこでPLUSの活動内容は方針などのご説明、その後にはウルトラスーツのテストも体験して貰う事になってますのでお楽しみに」

「それでは行きましょうか、レッツゴー!!」

「ってうわっ何で僕を引っ張るの発目さんんんっ!!?」

 

「「(なんか近いっ……!!)」」




「(ス、スーツ着ててよかった……着てなかったらもうやばかった……)」
「(スーツ着て貰っててよかった……出久さんの腕に胸押し当てちゃうところでした……いや一周回ってこれはチャンスを潰してしまったのでは……!?)」

「(やっぱり近い、近いよデク君と発目さんっ……!!)」
「(これはっもしかして、もしかしちゃうわ……!!)」

『『これはっ修羅場の予感!!』』
「(なんかウルトラ・フォー・オールが騒がしいな……)」
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