「皆さん今回は非常にグレイト、有難う御座いました。アートデッセイ号艦長として改めてお礼を述べさせてもらうよ」
現地での作戦が無事に終了した事でA組の面々は基地へと戻る事が出来た。交代で基地からはハルキがレギオノイドに登場して現地の復興作業班として向かっていった、そして改めてミーティングルームへと集合が掛けられてそこではナイトアイの隣でジェントルが仰々しく頭を下げていた。
「現地では復興作業が既に開始されている、早ければ3日で漁港も活動を再開し元の生活が送れるようになる」
「3日!?早くないっすか!?」
「それも我らがレギオノイド・フェンサーのお陰さ、流石の個性でも難しい規模という物が存在する。だがそれをレギオノイドが補強する事素早い作業が行える!!加えて個性を使えば復興も上手く行くという、上手く使い分ければ人類はまだまだ強くなれるという訳さ!!」
「カッコいいわジェントル!!」
と胸を張りながらも決まった……!!とポーズを取るジェントルとそれにメロメロなラブラバという何とも面白い構図が広がっているが、A組からすれば初見のアートデッセイ号の艦長がコントを始めれば困惑するという物。
「ジェントル艦長、御高説も良いですが貴方は貴方でやる事があるでしょう?」
「おっとそうでした。それではナイトアイ参謀、我々はバードンの監視任務へと向かいます」
「ウムッ頼んだ」
「お任せください」
と礼をした二人は去っていく。その言葉にもあったように浅間山へと戻っていったバードン、その事が何処までも気がかりだった。それも併せて説明する為に此処に集めたのである。
「改めて礼を言わせてほしい。初の怪獣災害現場への派遣、極めて危険場での任務をよくぞやり遂げてくれた。心から感謝を述べさせてほしい」
「よしてくれって参謀、俺達はヒーローとしてやるべき事をやったまでっすよ!!」
「切島さんの言う通りですわ。それにこれからの時代を担う私達が怪獣災害現場を見れたのは財産ですわ」
「あのっそれで口田君は如何してるんですか?」
と次々とそんな意見が出てきた事への感謝を浮かべていると飛んできた来た一つの質問。それは当然今回の一件を解決に導いた英雄の事だった。現在口田はPLUSの敷地内でリドリアスと共に居る、一応出久を護衛に付けているので問題はないだろう。
「彼は今敷地内の一角で待機しながらリドリアスの相手をして貰っている、何せあの怪獣は人類が共存出来るかもしれない中でも随一の存在だからな」
「えっそうなんすか!?」
「そう言えば緑谷少年もそんな事言ってたな……」
と同席していたオールマイトもそんな言葉を漏らす。良いパスだと思いながらモニターを切り替える、そこにあったのは酷く古びた文献のような物だった。そこは多くの人々が暮らす上を飛ぶ巨大な鳥、リドリアスの姿が描かれていた。
「これは近年発見されたで太平風土記という古文書だ。此処には古来よりこの星に住まいし命について記されていた。私はこれを地球に住む怪獣なのではないかと解釈し調査を依頼していた、その中にこの李土里明日という記述を発見した」
この存在はマグナもナイトアイから知らされた時には酷く驚いてしまったのである、太平風土記。地球各地の様々なウルトラ戦士や怪獣関連の伝説や伝承が記載されている。そこには怪獣と人間は共存共栄しており、リドリアスはその中でも極めて縁深い存在であったと記されている。他の怪獣の記述については現在解読作業を行っている。
「相澤先生、私は口田 甲司君にPLUS特別隊員になっていただきたいと思っておりますが如何思いますか」
「……此方としては当人とご家族の同意があれば問題はないと思います」
「いやぁそれにしてもでっかいですねぇ……48メートルで体重は5万6千トンですか。バードンに比べちゃったら小さいですけどそれでも大迫力ですねぇ!!」
「キィィィィッッ?」
「大丈夫だよリドリアス、唯君の事を調べてるだけだからね!!」
テストエリアの一角、草原を模しているエリアに降り立ったリドリアス。初の人類に友好的な怪獣として様々なデータの収集が開始されている、自分に向けられている機材に興味を示しながら首を傾げ観察するような仕草をしている姿は今まで危険な存在として捉える事が出来なかった隊員たちには酷く新鮮な物だった。そして口田の言葉には確りと従っており大人しく座っている。
「それにしても……まさかこの地球にもこんな大きな鳥がいるなんて……」
「太平風土記によりますと如何やら一定の周期で休眠に入るらしいですよ」
「しっかしまさかこの地球にも太平風土記がねぇ……私はそっちの方が驚きだよ」
光士はそんな言葉を言いながらも自分の方を見ながら顔を近づけてくるリドリアスを軽く撫でてあげる。気持ちよさそうな声を上げながら喜ぶリドリアスに周囲からはおおっ!!という声が沸き上がった、本人からすれば特段大した事ではないかもしれないが口田以外の人間にも確りと懐いて接する事が出来るケースとしてこれは後世まで記される事となる事を彼は知らない。
「あの光士さん……リドリアスはこれからどうなるんですか……?」
「普通に考えれば元の生息域に戻してあげるというのが普通なんだけど、口田君そこで相談だ。リドリアスにお引越しの提案をしてくれないかい?」
「お、お引越しですか……?」
今回の一件にて人間とも共存できる怪獣の存在が明確した上に此方の対応次第では説得などを行う穏便に済ませる事が発覚した。その事が大きく関係して一気に怪獣保護区の制定が決定する事になった。
「つまり口田君の活躍が決め手になってちょっとお偉方が一気にその気になってくれたんだよ」
「僕が……でもいやそんな……」
「君の勇気が決め手だったんだよ、あそこで襲いかかってきたバードンへ説得のための言葉を掛けるなんて並大抵の事じゃない。オールマイトでも出来ない事で君にしか出来ないオンリーワン、正しく必殺技だね」
「僕の、必殺技……」
そう言われると照れながらも胸に手を当てながら嬉しそうにする口田、それを見たリドリアスは何故か嬉しくなったのか声を上げながら翼を動かしている。
「そこで口田さん、相談なんですけど保護区域となった鏑矢諸島って名前になったんですけど、そこにリドリアスを連れて行くまでPLUSに留まってくれませんかね。島の方には大急ぎで必要な設備なんかを整えますからそれまでこの子の相手というかなんというか……それをお願いしたいんですよね」
「僕なんかで良いなら……リドリアスとも一緒に居たいし」
「キィィィィッッ」
嬉しそうにする両者にこの世界の明るい未来を見たような気分になった。ただ怪獣を倒すだけではなく共に歩めるようになる、それこそが目指すべき道筋。この世界がコスモスの世界のように成れたら良いなと心から思いながら―――世界は大きな転換を迎えようとしている。