「特空機開発計画って……もうレギオノイドとゴモラがあるじゃないですか」
「良く見たまえ」
「んっ~?」
何時ものように発目の研究室にいた出久とマグナ、そんな所へやって来たナイトアイが持ってきた資料を見て思わず発目が呟くが改めて題名を見返してみる―――そこにあったのは特空機配備開発計画と書かれていた。
「配備……?」
「最近少しずつではありますが世界各国でも怪獣の存在が確認され始めている、まだ姿が確認されただけで怪獣災害を巻き起こしたわけではないが、日本での実例を鑑みて世界各国でも日本級の怪獣災害が起こる事を警戒している」
「まあ日本の怪獣災害率今の所ぶっちぎりですからねっつうか日本ばっかり狙われてる感がパネェですよね」
「それを言っちゃぁおしまいだ」
だがまあ確かにウルトラマンという作品を楽しんでいた身としては気にしてはいけない領域であったが、ウルトラマンとなった今は逆に追及すべきテーマなのではないかと真剣に考え始める。
「現在既に特空機の開発を決定している国はロシア、中国、アメリカの三ヶ国。その特空機の参考として近々来日する予定だ」
「まあ目的はレギオノイドの技術でしょうねぇ……明確なオーバーテクノロジーの塊でしょうし、技術提供とかするんですか?」
「するつもりではいるが……その辺りは政治家の仕事だ、私の仕事ではない」
レギオノイドやハーデロスから得られる外宇宙のテクノロジーは地球人が数世紀先以上の技術の塊、それを欲する者は数多い。それを求めて潜り込もうとするスパイも居る位、が、生憎PLUSのセキュリティはグルテン博士と発目、デヴィットにメリッサ、ラブラバという5人が仕上げた物。結果的にヴィランを収容する牢獄のタルタロス以上のセキュリティとなっている。
「そして既に原案を作り上げて提出して来ている」
「ああっこれですね、アメリカさんのですね……うわぁっなんててんこ盛り」
「えっ何何見せて」
発目が見ている資料を覗く込むようにして資料を見る出久、その際に距離が近くなって内心が大変な事になる発目だが何とか平静を保つ。そしてアメリカの特空機として検討されているのは―――なんともアメリカの象徴とも言える物をこれでもかと詰め込んだ夢のスーパーロボット像がそこにあった。
「武装はリボルバーにショットガン、肩にはボクシンググローブ型のショルダーガード、遠距離のライフル……うわぁ確かにアメリカと言ったらこれだって言うのばっかりだ」
「サーフボードみたいなシールドに近接格闘時には頭部が変形してガードモードに変化ってアメフトかいこれは。てんこ盛りにも程があるな、ロマン重視というのは日本人の特権的な事を想っていたのだが……そんな事無いんだね」
「いやまあ否定はしませんけど……」
「何処の世界にはロマンを愛する変態って奴はいるんですよ、此処にもいますからね!!」
『ああうんっ分かるよ』
自分を指差しながらそんな事を語る発目に猛烈な説得力を感じずにはいられない。確かにこれ以上ない説得力だ。
「中国は四聖獣をモチーフにするという話は聞いたな、一体どんな内容になるのか知らないが……兎も角少しずつではあるが地球が怪獣災害に対して一丸になって立ち向かう形が出来つつあるという事だ。それについては喜ばなければならないだろう」
口角を持ち上げているナイトアイ。特に中国がかなり協力的な姿勢を持ってくれている事はかなり嬉しい事である。中国でも怪獣の出現は確認されておりそれを危険視し早急に対策すべきという若い力が古い考えの上層部を変えたらしくPLUSの中国支部の組織編成もかなり進んでいるという話がある。だが同時に特空機に至っては嫌な話を聞いている。
「如何したナイトアイ」
「いえ……中国の特空機がやや不安でして……」
「資料はないですねぇ~……」
「噂でしかないが、何とも奇妙な物を作っているという話がある。故に……不安だ」
何でも合体機構に執心しているらしいが……珍妙な物にならない事を願うばかりである。何かと険悪なイメージが付き纏う日中関係、その改善の一歩になればと心から願う。
「兎も角来週には三ヶ国の代表が来訪する事になっている」
「来週とはまた……いやまあ大丈夫でしょうけどハーデロスとか如何するんです?」
「あれは特空機としては数えん、故に地下の隔離エリアにて隠し通すつもりだ」
「良いんですか、モルスさんは別に特空機扱いで良いって言ってましたけど……」
モルス所有のハーデロス。惑星死滅神とも呼ばれるそれはそれに相応しい性能を誇っているフェンサー・ゴモラどころかレギオノイド・フェンサーですら完全に凌駕する力を秘めている。というのもモルスという宇宙人の中でも指折りの力を持つ操縦者が居るので負担などを考えずに調整されているので異常な性能を持っている。が問題なのはその技術、レギオノイドだけでも十分過ぎる物なのにハーデロスのそれはやばい。
「当然モルスの事も伏せます、彼が擬態可能なタイプである事に安心してます。まあ出なくてもウルトラスーツとして押し通すつもりでしたが」
「まあモルスはモルスで十分協力的ですからね」
「ハッハァ!!いいぜ来いよぉつ氷炎ボーイにダイナマイトガイ!!もっとこの俺様に全力をぶつけて来いよぉ!!もっと楽しもうぜ!!」
「言われなくても全力を見舞いしてやるぜモルス教官……!!」
「そのでけぇ口を直ぐに叩け無くしてやる!!」
「良いねぇその勢いっ若ぇってのはそうじゃねぇといけねぇよなぁ!!」
だとしても彼が宇宙人であると知っているのは極僅か、地球ではまだ宇宙人を受け入れられるだけの認識が広まっていない。下手にその事を公表すれば異形系個性への偏見を生む可能性があるとしてナイトアイの頭を悩ませる事象の一つとなってしまっている。そんな事など露知らず、九州ではメトロン星人ジェイツが九州名物、博多ラーメンに舌鼓している事は伏せておこう。
「政府からは鏑矢諸島にも特空機配備検討要請があり頭が痛い……」
「鏑矢諸島にですか」
怪獣保護区として既に世界中から注目が集められている鏑矢諸島、既にウルトラエナジーシールドで諸島全体を覆われており怪獣が外に出る事はない。バードンの後にも保護した怪獣は二体。モグルドンそしてシャザック。特にシャザックは子連れの怪獣だったが、此処でも口田の心を込めた説得が通じて家族揃ってのお引越しとなり、のんびり子育てをしているとの事。
「いやぁにしても口田さん大活躍ですよね……ぶっちゃけ言いますけどヒーローだとどう活用するんだろうと思う部分多かったんですけど、PLUSだと超活用先あってご本人もびっくりでしょうね」
「でも喜んでたよ、口田君に取って怪獣は大きな動物と同じって認識らしいから」
「しかしそこに特空機の配備、ですか……まあそういう事でしょうね」
「ええ、そういう事です」
隠し事をせずに言うなれば怪獣が暴れてシールド外に出てしまった時に駆除する為の戦力確保……という事だろう。酷く一方的で勝手な考え方かもしれないがそれだけ怪獣に対して不明な点が多すぎるせいだろう。此処から詰めて行くしかないだろう。
「そう言えばホロボロスはどうするんですか?獅子ヶ谷で寝てるままですけど」
「何処かのヴィランが刺激しないとも限らないもんね」
「出来れば移動させたいが……あの凶暴性と強さだ、鏑矢諸島での怪獣たちの兼ね合いも考えるとまだ難しいだろう……いっその事島一つを専用にするぐらいを考えなければいけないかもしれないな……ああそうだ鏑矢諸島向けのツアーの案が政府から来ていたんだったな……其方の対処もしなければ……」
「……ヒーリングパルス、行っときます?」
「……ご迷惑にならなければお願いします……」
望んでいる上にやり甲斐もあるし胸を張れる仕事なのは分かっている、だが政府が色んなアプローチを掛けてくるので司令官代行の自分の負担がかなり強くなってきている。早く司令官に就任してくれる人を探さなければならない、こうなったら指揮官としては無能でもいいが交渉などが優れているだけでもいい……と思えて来た。
「もういっその事、私がセブンさんみたいに隊長就任でもするかなぁ」
「いやそれはそれで困ると思いますよマグナさん」
「だよね、そうなると私が出久君にジープしないといけないし」
「そっち!!?」
無能だけどそれ以外で優秀……ペンウッド卿かな?人望もあるし、何だかんだで正義感強いし適任かも。
アメリカの特空機、元ネタは二種類のロボット。まあ隠す気ないけどねこれ。だって絶対分かる人にはもんこれ。
中国は……まだ未定、イメージ的にはスパロボかな。でも私の中だと中国のスーパーロボットって言ったら勇者ロボしか出てこないんだよなぁ……。