緑谷出久はウルトラマンと出会う。   作:魔女っ子アルト姫

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地球最大の決戦。

ゼッ……ト"ォ"ォ"ォオオオオンッッッ!!!

 

進路上にある物全てを踏み潰しながら進撃する姿、それが生き物が行う平然の行い。だがそのスケールが余りにも巨大すぎる故に災害となり人間の世界を犯していく。唯動くだけ、それであらゆる物を破壊し尽くす様は正しく怪獣、人間の手に負える規模を遥かに超越したそれは災害と呼ぶにふさわしい。

 

「急げ急げ!あの馬鹿でかいのに潰されてぇか!!」

「大丈夫だっ俺たちがみんなを避難させる!!」

 

ルート上にある町々の人々はヒーローの誘導を受けながら避難を行う、幸いだったのが九州での一件を受けて全国に怪獣災害対応マニュアルが全国に配布されていた事だろう。まだ日が浅く練りも浅いがそれでも人々の命を守る為の行動を取らせるには十分過ぎる程の効力を発揮する代物。そして地球を守ろうとするのはPLUSだけではないのも事実。ヒーローも自分が出来る範囲で守れるものを守るとしている。

 

「アートデッセイ出撃準備!!ファイターチームは全機出撃準備、緑谷は発目君と共に行けっ!!」

「ミーは!?」

「ジャックも発目君たちと共に。新型ファイターを貴方に預けます!」

「OK!!」

 

PLUS基地では今までにない程に大きな防衛行動が行われようとしていた。編成が終わっている3基編成のファイターチームが3チームが基地からの出撃し、それに合わせてアートデッセイ号にそして特空機も出されようとしていた。基地から出撃していくファイターと共に地上へと飛び出した新型の発目専用のファイター、ファイターとしては酷く巨大。大型輸送機であるピースキャリーを改造した新しい発目専用機・フェンサー・ファイター。

 

「All check,green.Power system actuator,on.Fighter Fencer,standing by.キングさんに出久さん準備は良いですよね!?」

「OK!!何時でゴーね!!」

「こっちもOK!!」

「よしっ発進!!」

 

押し込まれたレバーと共に推進器が火を噴いて空へと昇っていくのと同時に基地からアートデッセイ号が発進する。その横に着くようにしながら空を駆けるPLUSが誇る戦力、目的地までをオートにしつつ発目は専用機である本当の意味の準備を進めていたのだが―――自分達よりもずっと先に戦闘区域にて爆発が起きている事に気付いた。

 

「自衛隊のF-15J編隊ですね、一応怪獣災害想定多目的弾頭はある筈ですからある程度は……」

「Look!!」

 

その時、空に無数の爆発が起きた。それは花火のように煌びやかにそして華やかに空を彩る芸術品と化していた。美しいのは当然だろう……それは命が散らす最後の輝きなのだから。レーダーに目をやると先程まで反応があったF-15の反応が全て消え失せており、出久は顔を青くしてしまった。

 

「え、F-15J編隊全滅……」

「マジですか!!?」

 

ファイターは自衛隊と合同で訓練を行う事も多い、故に自衛隊パイロットの練度も身を持って知っている。通常のF-15でPLUSファイターと戦える人達が撃墜されたというのが信じられなかった。それだけ今回の怪獣が異常とも言える、マグナはこの結果にある種の納得を浮かべてしまい舌打ちをする。流石はハイパーゼットンというべきだろう。

 

「あっでも全機ベイルアウトを確認、ヒーローに救助されたって!!良かった……」

「そこは安心する所ですね……っとうわぁい!!?」

 

咄嗟に操縦桿を切る。巨大な機体が一気に斜めに傾く、だがそれによって迫ってきた火球の回避に成功する。同じようにファイター各機も同時に回避行動に入っていた。ゼットンの黄色い発光機関から放たれる暗黒火球、それまでは鎌による攻撃だったが戦闘機の動きが速い為に火球に切り替えたのだろう。故にF-15もそれに対応しきれなかったのだろう。

 

「くぅぅぅっっ!!!キングさんっ少し操縦変わって貰っていいですか!?」

「OK!!ミーに任せておきな!!このスイートファイターに傷一つ付けさせないぜ!!」

 

解析に専念する為に操縦権をキングへと一時委託する、すると途端に機動が変化していく。発目の拙いそれとは比べ物にならないキレ、一度避けただけに過ぎないのにその時点で暗黒火球のスペックの大体を測れたと言わんばかりに巨体を見事に操っていく。

 

「今の発射間隔に発射時点での距離とチャージまでの時間……っキングさん出来る限り近づいてから一気に離脱できます!!?」

「アハァ!デンジャラスな頼みね、そう言うの―――大好物ね!!!」

 

一気にスロットルをMAXまで押し込んで加速しながらもハイパーゼットンへと真正面から迫っていく。それにゼットンは暗黒火球を乱射し撃墜しようとする、だが発射のタイミングと間隔に合わせて機体を回転させながらも地面ギリギリを飛んだりと元空軍のトップガンとしての腕をフルに使って発目の要求に応えている。

 

「Hey イズゥクこいつの武装は!?」

「にっ二連装の高出力光子砲と翼部搭載型の大型弾頭ですぅゥゥッっ!!」

「OK……ゴッー!!!!」

 

それを聞いて十分だと言わんばかりに突貫する。その光景にファイターチームは本来、解析などによる後方支援機なのになんて無茶をするのかと思いながらもその卓越した操縦技術に舌を巻く、だが―――

 

グモォォォォゼットォォォォオン!!!!

 

調子に乗るなと言わんばかりに一際巨大な一対の鎌を振り下ろし、撃墜しようとする。

 

「FOOOOOOO!!!」

 

それに対してキングは咄嗟に出力、翼の向き、あらゆる物を操作しながら機体を一回転させる。バレルロールを行いながらも同時にゼットンの頭部に二連装光子砲と大型弾頭を全く同じタイミングで叩きこんだ。それに怯んだのか、それとも鎌による一撃を潜り抜けられた事に驚愕したのか僅かに体勢を崩した。そして攻撃を見事にすり抜けながら爆炎の中から飛び出しながら一気に上昇していくフェンサー・ファイターに歓声が上がる。

 

「FOOOOO!!!It's so coooool!!!」

「ッシャアッ取ったぁぁ!!ゼットンの火球の発射条件特定、全データ送信!!」

「ンググググッッッ!!?」

 

『な、なんて二人だ……』

 

常人よりも頑強である筈の出久がGに耐えているというのにこの二人はGなんて全く感じていないかのように大騒ぎをしている、特に発目なんてあの状況で解析をし続けていた。それによって得られたデータを各機に送信している。

 

「あのゼットン、一定距離に近づいてきた奴を火球で攻撃してくるみたいですね!!近接は鎌、遠距離は火球で使い分けてます!!アートデッセイ号は指定距離を取り続けてくださいそうすれば攻撃は受けません!!」

『よくやってくれた発目君!!君は後方に下がりながら引き続き解析と例の準備を!!それとMr.キング、素晴らしい操縦技術だ。是非とも指導をお願いしたい』

「ア~ハァッそれはこっちからアスクしたいね、ご機嫌なマシンで気に入ったネ!!」

「それじゃあっ……新型ファイターで準備してください、あっちはもっと素早い上にじゃじゃ馬ですよ!!」

「No problem!!男っていうのは癖がある程にバーンアップするんだぜ!!」

 

と操縦権を戻しながらも後部ハッチを開けて格納されている新型ファイターへと乗り込んでいくキング、同時に一気に後退しながら準備を進める発目。

 

「よしっ後はオートで回避運動のセットと距離を保つようにして……よしっ出久さん、同時に出て貰ってもいいですか!?」

「うんっ勿論!あのゼットンはやばいってマグナさんが言ってるからね」

『実際問題やばいなんてもんじゃないけどね……!!』

 

それを確認しながらも発目はボタンを押すと操縦席が変形していき発目の周囲に様々なボタンやレバーなどが出現していく。戦闘機の操縦系統とは全く違うそれはロボットの操縦席を想起させる。この発目専用の新型ファイターはゴモラの遠隔操作を行う為の物でもある。

 

「フェンサー・ゴモラ発進!!」

『レギオノイド・フェンサー、ナツカワ・ハルキ、行きます!!」

 

その言葉に共に開かれていくアートデッセイ号の出撃ハッチ。そこから二つの影が飛び出していく、それはPLUSが誇る特空機二機。仰向けになった状態で射出されながらも空中で体勢を変えながら着地する。着地と同時に大きく吠えるゴモラと空手の型を取るレギオノイド。そして―――

 

「マグナァァァッッッ!!!!!」

 

―――デュァッ!! ヘアァッ!! ジャッ!!

 

ULTRAMAN MAGNA LAMBDA SPIRIT(ウルトラマンマグナ ラムダスピリッツ)

 

「ディァッ!!」

「キシャアアアアッッッ!!」

「―――ッ」

 

マグナと共に並び立つ機械の巨竜と巨人、それが闘いが挑むは遥かに巨大な宇宙恐竜。如何に相手が強大であろうとも怯む事も負ける事も許さぬ、彼らは守る為にこの災厄の怪物と戦うのである。

 

 

ォォォォォォッ……ゼット"ォ"ォ"ォオオオオンッッッ!!!

 

 

降り注ぐゼットンの火球は、地球最大の決戦の開幕の轟音となった。




ゴモラの遠隔操作は機龍リスペクト。ゴモラにアブリュートゼロ……いいかも。
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