「さあさあこちらへどうぞいやまさか博士からお話を聞きまくっていた光の巨人のご本人とお会い出来るなんて凄い光栄ですよ全くえっとマグナさんでしたっけなに飲みますか!?」
『いえお構いなく、私ではなく私の相棒である出久君にお願いしようかな』
「畏まっ!!」
翌日の昼休み、再び合流して話をする事になった一同。流石に食堂は難しいので談話室を借りてそこで話をする事になった、事前の調査でこの部屋にはカメラや盗聴器がないことを発目の発明品で明らかになったのでマグナ自身も姿を現しての話になった。
「す、凄い……マグナさん以外の宇宙人なんて初めてだ……」
「それは有難う、でも僕としては光の国の方と出会えている君の方がよっぽど凄いとは思うよ」
緊張した面持ちをしたままマグナの隣に座りながら目の前でソファに腰を下ろしながら酷く理性的で温和な声色で話しかけてくる目の前の宇宙人に目を向ける。そこにいるのは健啖宇宙人とも呼ばれるファントン星人のグルテンがいる。マグナ曰く友好的な宇宙人であり星全体の人々が陽気な性格をしており地球人がコンタクトして友好的に成れる代表例としても推せる存在、特に日本人は上手くやっていけると思っている。
「さてさてまずは食事をしながらにしようか、ご飯はいいよねぇ……心と身体を満たしてくれるんだよねぇ……本当に、いいよねぇ……」
「はいはい今準備しますから待ってくださいね博士~!」
と発目は持ってきたと思われる鞄を開けるとそこには明らかに質量や大きさとして入りきらない様な重箱が入っていた。
「ええっ!?どうなってるのそれ!?」
『成程、ファントン星人お得意の圧縮技術だね』
「ええ。あれは入れた物を圧縮して小さく出来るんです。しかも質量まで小さくして元に戻す時に何の影響も起こさない私の自信作です」
ファントン星人と言えば先ず上がるのがその突出した技術力。様々な分野に秀でているがその中でも圧縮技術は宇宙の中でもトップクラスと言える、その凄さはあの暗黒宇宙大皇帝の先兵として送り込まれてきた先兵、インペライザーの自己修復を完全に無力化するまで小さくすることも可能にする。近年でその技術を生命体にも応用可能にして身体の内部へと直接入って治療を行えるようにする研究まで行われていると聞いた事がある。
「凄い技術力って何ですかこれ満漢全席かこれぇ!?」
ファントン星人の凄さに目を見張りながらテンションが上がりそうになる出久だったが、その前に少し離れた所に広げられたシートの上にこれでもかと広げられた料理の数々。和食のフルコースに日本では定番のおかずがこれでもかと並べられている光景、思わずあんぐりと口を開けて呆然としているとグルテンはそれでは少し失礼と……マグナに断るように頭を下げ、了承を得てから料理の前に座り込むと―――何やら不思議な踊りと共に何か神様への祈りのような物を上げ始めた。
「あ、あの発目さんグルテンさんは一体……?」
「何やら博士の故郷のファントン星は食べるという事を神聖な行為と捉える特殊な文化を持ち食前には神様への感謝の祈りと踊りを行ってからご飯を食べるみたいですよ。何時もあんな感じなんですお気になさらず、緑谷さんは何を食べますか此方からお食事にお誘いした訳ですから何かお好きな物を言ってください博士の許可は貰ってますよ」
「そうなんだ……成程確かに健啖宇宙人だ……えっとそれじゃあかつ丼をお願いします」
「畏まっ!!」
かつ丼を受け取った所で出久はそれを食べつつもグルテンの祈りが終わりまで発目に話を聞く事にした。
「博士って呼んでるけど発目さんとグルテンさんはどんな関係なの?」
「単純明快ですよ私は博士に色々と師事を貰いながら日々ドッ可愛いベイビーを生み出しているのです!!」
「ベッベイビー……?」
「私は自分の作った物に愛情を込めているのです!!」
『成程良い心掛けだね、日本には八百万の神という概念があるが宇宙にもそれに準ずるものはあるよ。何れ君のベイビーが自らの意志を持って君へ感謝する日も遠くないかもね』
「おおっそれは興味深いお話を聞いちゃいましたよ流石は光の巨人様!!」
嬉しそうではあるが何処か危なげな声を漏らしながらもロボットも良いなぁと思ったりしている彼女にグロテス星人の仕業で巨大化した御神体のコダイゴンやその系列のコダイゴンジアザーを話したら喜びそうだなぁと思いつつも流石にやめておこうと思ったりするのであった。
『それでグルテン氏との出会いは?』
「いやぁ本当に偶然だったんです。私が偶然試作型の宇宙観測衛星ベイビー13号に突然舞い込んできたのは博士の乗った宇宙船からのSOSでして私は未知との遭遇やら色んな興奮の中でなんとか博士の船の進路を自宅近くの山の中へに誘導したんですよ。そこで色々あって行動を共にしてるです」
「そういう訳です、いやぁ明ちゃんは本当に命の恩人なんですよ」
と如何やら食前の祈りが終わったのか食事を開始したグルテンは口いっぱいに頬張りながらも自らの口で言葉を作る。如何やら彼は地球人換算で30目前の20代、様々な技術を学び自らの糧にすべき宇宙を旅しているとの事。彼の宇宙船は超高性能であり宇宙の次元の壁を突破する事が可能で別の宇宙にも行く事を可能としている―――のだが、次元を跳び越えた直後に最悪のタイミングで出くわしたのが宇宙の災害と言っても過言ではない超新星爆発、何とか逃れる事は出来たが宇宙船は深刻なダメージを負ってしまったらしい。そしてステルス機能を使いながら修理をしている最中に地球へと近づいていたら発目の衛星と出会い、誘導をして貰いながらなんとか地球へと辿り着いた。
「今は宇宙船の修理やらをしながら明ちゃんへの恩を返す為に技術提供やら作品を見て上げてるんだよ、まあ多分直っても暫くは地球にいるとは思いますけど」
「何でです?」
「地球のご飯が美味しいから♪」
「えぇっ……?」
『流石健啖宇宙人ですね、地球のご飯が口にあったと見える』
とマグナが聞いて見るとグルテンは満面の笑みを浮かべたまま饒舌にどれだけ地球の食事が素晴らしいのかを語りだしていく、単純な味にも多くの工夫と思い、時間が込められているのかを語りつつ特に日本食が素晴らしいと目を輝かせて熱弁する。因みに一番好きなのは親子丼とバラカツ*1との事。
「それでそちらの緑谷君はマグナさんと融合なさっているらしいですね」
『ええっまあ、今は彼と行動を共にしています』
「ほほう!!ウルトラマンと同化とは非常に興味深いです緑谷さん是非とも仲良くしてください是非ともお願いします!!」
「ちっ近いです発目さん!!?お願いですから離れて……!?」
と顔を真っ赤にしながら目をぐるぐるにして慌てる出久、それもその筈。発目のボディは八百万に勝るとも劣らずのナイスバディなのだから、そんな彼女が自分の身体など知った事かと言わんばかりにグイグイと迫ってくるだけではなく胸が当たっているのだから女性経験がない出久からしたら悶絶物なのである。
「わ、分かりましたこれ僕の連絡先ですから!!?」
「おおっこれは有難う御座いますこれは私のです!!今度是非とも私の新ベイビーちゃんの実験に付き合ってくれませんか!?ウルトラマンと一体化している貴方のデータを是非とも取らせてほしいです!!」
「え、ええっ……」
何やら人体実験的なニュアンスを受けてちょっと不安になる出久だがそれを打ち消すように良いじゃないかと言ったのはマグナであった。
『よく考えてみなさい出久君、地球以上のテクノロジーを持つファントン星人のグルテン博士の弟子とも言える発目さんが君に力を貸してくれる。それに私の事も理解してくれる協力者を得られるのは財産だ。それに―――ウルトラマンの力にも十二分に耐えられるアイテムなんかも作れそうじゃないか』
「おおおおっっ!!!?ウルトラマンの力、是非是非やらせてください!!博士良いでしょ良いでしょ協力しましょうよ!!!」
「うん是非やらせてほしいね。僕としてもウルトラマンの方々のファンだし是非とも力にならせてほしいよ」
『だっそうだよ出久君』
「そ、それじゃあお願いしても良いですかね……?」
「勿論!!!」
こうして、出久とマグナは新たな仲間であるサポート科の発目 明とファントン星人のグルテンの協力を得られる事になったのであった。そしてそれは色んな意味で大切な出会いであったのであった。
ファントン星人のグルテンさんでした。名前はXで登場したファントン星人がグルマン博士だったのでそこからヒントを得て、たんぱく質の一種であるグルテンから。似てますし健啖宇宙人には結構ピッタリな気がしてます。
コダイゴンジアザー、ウルトラマンメビウスに登場した怪獣。ウルトラ怪獣の中でも最強クラスにやべぇ奴。ギャグ回に登場した怪獣なんですがウルトラシリーズにはギャグ回に出てくる敵は強いというのがあります。どのぐらい強いのか簡単に人間で表現すると……
「最強クラスの砲を備えて自律していてファンネルの如く自由自在に飛び回る戦車を相棒にして、どんな相手でも怯ませられるハンマーと鞭のように撓る竿を武器にして光線すら利かない身体、超人的な怪力とあり得ない跳躍力、残像を残す程のスピードを兼ね備えた横綱」
という意味の分からないスペックを誇るやべぇ奴。気になる方はメビウス第12話『初めてのお使い』を見よう。
前回のサブタイトルは前回のサブタイトルはウルトラマンメビウスの第21話『虚空の呼び声』が元ネタです。