緑谷出久はウルトラマンと出会う。   作:魔女っ子アルト姫

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胎動する計画、厄災。

会場から離れて談話室へと移動。その事で各国要人達は、話したかった人物がいなくなってしまった事でナイトアイへと集まっていくのだが……当人としては、子供相手に集るよりも此方で引き受けるのが一番だろうという考えで、PLUSの為の行動をし続けるのであった。流石にキングはナイトアイのフォローへと回ったが。

 

「……っという訳でして、確かに50メートル級特空機の目を見張る長所は大出力ですけどその分デメリットもある訳です。なので、それをカバーする役割としてウルトラスーツと個性にカバーをお願いしているって訳です」

「ほうほうっ……これは目からうろこだな」

「確かに。あんなでっかいひな人形があったら役目なんざねぇよなんて言ってた連中に聞かせてやりてぇな」

「そして―――ぶっちゃけくそ高ぇです。こんなの運用出来るのは色々と修羅な舞台になってる日本だからこそです」

「色々込み過ぎてて何だかもう察するわね」

 

世界初の怪獣災害発生国、立て続けに起こる災害に出現する怪獣、その危機に呼応するかのように現れるウルトラマン……様々な意味で初めてが詰まっている国として、改めて名が知れ渡った日本。そんな日本への支援として各国は様々な物資や支援、技術提供が盛んにおこなわれている。某国はこれを日本は悪用している……と主張しているが……そんな事する暇あるなら、PLUSの充実へと充てると一蹴し世界からもでしょうね!!と言われている。

 

「それで特空機唯一の泣き所が航続距離です、アートデッセイ号が完成するまでは専用ブースターで飛ばすって案も準備してあったんですけど、結局間に合いませんでしたからね」

「ムゥッ……となると矢張り50m級は合わないか……」

「ですからこんなの如何です?」

 

発目が提案しパソコンに表示するのは特空機というには酷く小さい、人間とでも比較可能な程に小型化されている物で7~8m程度サイズに纏められている。

 

「これはっ……」

「ある意味でのウルトラスーツの原型、アーリー・ウルトラスーツとも言うべき存在です。まあプロト特空機でもこの場合はOKなんでしょうけど」

「プロト……今のスーツよりかなり大型ね」

「ええ、この頃のはパワーセルがまだ出来てなくて動力源の小型化がなかなか進みませんでしたから。後今ならこのサイズの歩行制御ソフトの開発は出来ますから、運用コスト的にもお手軽だと思いますよ?」

 

曰く、グルテンと出会ったばかりでまだまだ宇宙の技術にも馴染めずにいた頃に考えていた物で、徐々に慣れて行った結果として洗練、パワーセルの開発、そして今のウルトラスーツと、ブッ飛ぶ勢いの恐竜的な進化と、躍進を成し遂げたて来たとの事。

 

「ウルトラスーツにそんな歴史あったんだ……発目さんその辺り全然話してくれなかったのに」

「何だ相方に話してなかったのか」

「いやだって今で手一杯な人に過去の事話しても、何か嫌味っぽく受け取られません?」

「あ~分かる分かる、うちの国にも多いのよねそういう懐古厨なご老人方が……」

 

と深い溜息と共に遠い目をするチョウ。軽くながらも話を聞いているが、中国は中国で最近までかなり……PLUS関連の話はかなり、揉めていたらしいのでそれが顕著なのだろう。

 

「ウチの政府の上の人間もかなり頭が固い奴らばっかりなのよ……地球防衛とか人類の為って言うのを全然理解しないで、自分達の利益を追求とするくそ爺共ばっかりなのよ……何が偉大な我が国があのような生き物でもない怪物に負けないよ……根拠は何よ根拠は」

「少々口が悪いですよ、ですが此処ならだれも咎めません。思う存分吐き出してくださっても構いませんよ、皆さんも良いですよね?」

 

目配せを光士がすると全員が頷いた。パーティなんだから無礼講という事で関係ある話以外の事は忘れてやる、と言われてチョウは心から気が楽になった。

 

「有難う……多大な犠牲を払って偉大な祖国を作った我々の言葉を聞けば良いって勢いなのよ、どんだけ長生きのつもりよ。確かに年上を敬うのは当然よ。だけどね、今国を背負っているのは私達なのよ。過去に縋って生きる老人に、今を邪魔する権利なんてないっての……」

 

思いっ切り愚痴っているが聞くものが聞けば激怒するのも当然な内容だが、その内容にも納得が行く。PLUSの設立同意にも中国国内若者達が立ちあがった末に漕ぎ着けられた。だが、まだまだ国内のバランスはとれていない不安定な状態で、ごたごたも多い。そんな情勢で長官に就任した彼女の負担は、相当大きいだろう。

 

「苦労してんなぁ……」

「今度、ロシアと中国合同の話し合いでもしようぜそんときには、最強に美味いロシア料理とウォッカで胃袋癒してやるぜ」

「そう言って貰えるとちょっと楽しみ……っと、それなら中国の方も出さないと卑怯よね」

 

そう言いながら持って来ていたUSBを発目に渡す。そのファイルにアクセスすると二機の特空機のデータが映し出された。小型ではあるがそれでも20m級のロボット。白虎がモチーフになっている為か、腕部に鋭い爪と身体に比べて大きめの腕と足を持っている白緑の機体。龍が青龍がモチーフにして、荒々しい龍の頭部と尾そして翼が特徴的な青金の機体。

 

「おおっ随分進んでんだ!!やっぱ世界で人気な四聖獣持ちの国はちげぇな!!」

「って言いたい所だけど、これも頭の固い連中を説得するためにモチーフにしたような物だから何とも言いずらいのよねぇ……でもねこれを見て欲しいのよ。これが私達の意地よ!」

 

と胸を張りながら見せたのは二機が合体した形態であった。片方は龍が全面に出ている姿、一方は虎が全面に出ている姿。資料を確認するとそれぞれが変形しつつ合体しそれぞれの武装が腕などを形成して今の姿となるらしい。

 

「いやね、ぶっちゃけ言っちゃうとね」

「もしかしてあのレディ……若い方々がPLUSに参画したかったのってこういうロマンを形にしたかったからって事なんじゃ……」

「えへっ♪」

 

勿論です♪と言いたげな笑顔を向けてくるチョウに流石のマグナも唖然とした。確かに自分もこういうロマンは大好きだが、現実にそんな理由を持ち込んで大体なことまでするなんて考えもしないだろう。

 

「だってロボットよ!?それなら変形させたいじゃないっ合体させたいじゃない!!そんなチャンスを実現するチャンスを棒に振るなんてありえないじゃない!!だから全力で老害共を私は抑え込むつもりよ!!目指すのは日本のアニメーションの再現よ!!」

「ハッハハハハハ!!!こりゃ面白れぇや!!おいベートこりゃ中国支部とは仲良くやれそうじゃねぇか!?」

「まあ話が分かるという意味なら分からなくも無いが……ちゃんと仕事はするんだろうな」

「するに決まってるわよ! じゃないと、予算が降りないじゃない!!」

「そこ!!?そこなんですか!!?」

「いやぁ……何か以前の私の別ベクトルみてぇな人が、長官にやってますね」

 

「なんか……色んな意味で、この地球の未来が不安になってきたのって私だけなのかな……?」

 

 

 

 

「ドクター如何だ」

『ほっほっほっ!!良好じゃ、良好じゃよ!!ゼットンを放ったのは矢張り大成功じゃったわい!!』

 

何処でもない何処か、何もないそこに死柄木は足を踏み入れながらそれを見つめていた。新たな力を手に入れる前にこれの結末を見届けなければいけない、徐々に鼓動は強まり間もなくこの世に生まれ出でようとしているそれ。不定形状の塊だった何かはゼットンが生み出した物を糧にして人のような形を取り始めている。

 

「にしてもゼットン……俺気に入ってたんだが、勿体なくなかったか、随分強いんだろ」

『さあのう。案外宇宙怪獣の中じゃあまだまだの域なんじゃないかの、奴もそこまで喋っておらんかったしその程度なんじゃろ』

「それはそれでムカつくな……お前にゼットンを捧げた価値があるのか、さっさと見せてくれよ―――なぁアウローラの子」

 

その言葉を口にしたとき、一際鼓動が強まった。鼓動は強くなりそのペースを維持し続ける、間もなく目覚めるとドクターがほくそ笑む中死柄木は確かに見えた。それを、纏い続けているそれの奥で蠢いている影の瞳を。何処までも暗く、何処までも冷たく、何処までも……表現できる言葉などないと言わんばかりのそれを見た時震えてしまった。そして―――確かに聞いてしまった、その声を。

 

 

―――我が、母の名を呼ぶのは誰だ……?




連合、ゼットンの価値把握しきれてなかった。

まあアウローラが親切に教えてなかっただけなんですがね。
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