「ィィィィィィィィイイイイイイイイイイイヤッホォォォォォオオオオオオオ!!!!」
光の国に木霊する喜びの雄叫び、歓喜の祝福を全身で表現するかのように文字通り飛び回っている一人の女性。女性というには女性らしさが欠けているが……兎に角一人のウルトラウーマンが極めて喜んでいる様を一人のウルトラマンが何処か冷めたような瞳で見据えていた。
「如何だい如何だい如何だい!!遂にっ完全復活!!アサリナさんの驚異の再生だぁぁぁ!!!」
「驚異なのはヒカリさんの技術力であって君じゃないだろう」
「良いんだよ、マグナの中に居続けた僕の魂の力というか精神力というかその辺のあれやこれやのお陰なんだからさ!!」
「ハァッ……また騒がしくなるなぁ……」
本当の意味での復活を遂げたアサリナ、命の固形化技術とマグナの協力、そしてノアのメダルの力を解析した末に完成した新技術を組み合わせた事でアサリナは完全な復活を遂げた。少し前まではまだ復活しきれておらず、実体化が出来るようになった程度だったが、今度は本当のウルトラウーマンアサリナとの復活が叶った。
「如何したん如何したんだいマグナァその瞳はぁ~?そうかそうか久しぶりの僕の美貌に目が眩んでしまったんだね、んもうエッチなんだからぁ♪」
「調子に乗るのも大概にした方が良いと思うが、というか美貌という点ではカトレア王女の方が上だろ明らかに」
「良いんだよほそけぇ事はぁ!!」
「君、なんか地球の文化に触れ過ぎだな。私が言うのも何だが」
目の前であらぶっている親友に何処か辟易しているかのようなマグナ。アサリナの復活は光の国中に伝わっており、カトレアとの婚約の次はアサリナの復活だと結構な騒ぎになっている。光の国では英雄扱いを受けているマグナの親友であり、彼を庇って亡くなった筈の優秀な女戦士として伝わっていた。一部ではカトレアとの問題が起きるのでは……という事も心配されていたが
「問題などは一切無いっ!!何故ならばマグナ殿は既に王族入りしているような物なのだぁ!!つまり側室としてアサリナ殿を迎え入れる事など容易いのだぁっ!!」
ウルトラマンサカキの一喝によってそんな不安も払拭され、改めて明るく雰囲気のままアサリナの復活が祝われる事になったのだが……マグナにとっては溜息と心労の下になっただけであり、自分を間に挟んでアサリナとカトレアの痴話喧嘩に巻き込まれている。
「じゃあ―――マグナ、僕と結婚しようか!!」
「え~……」
「すっげぇテンション低いけど何でぇ!!?」
アサリナは異常なまでにテンションが低いマグナに驚きが隠せなかった。何故ならば地球では並行同位体である自分と彼が結ばれた結果として生まれた子供のマグヌスの事があるのだから当然此方でも!!と思っていたのだろう。だがマグナ的にはそんな気持ちにはなれない。
「正直な事言うけどさアサリナ―――私は君に女性としての魅力を感じてない」
「えっ―――いやいやいやなんかあるでしょ!!?」
「ないな」
「即答されたぁ!?」
親友として頼もしい、隣に居てくれると頼もしい、背中を預けられると言った戦友的な事ならば幾らでも上げられるのだが……正直、女性としてのそれはハッキリ言ってしまうと皆無なのである。
「だって、日常的に鍛えるから模擬戦に付き合ってくれとかエースさんの切断技を参考にした必殺技を見て!!とか言ってくるんだよ君、それの何処に女性的な魅力を感じろと?」
「いやそれはその、いやでもなんかあるでしょ!?戦ってる時の僕のファイティングスタイルに見惚れるとか、美しさを感じるとか!!」
「君のファイトスタイルって良くも悪くも絶対に諦めない泥臭い物だからなぁ……」
分かりやすく言えば昭和のマン兄さん的な戦い方をするのがアサリナなのである。スタイリッシュやビューティフルとはかけ離れてしまっているものなのでそこに見惚れると言う事はあり得ない、戦士として見習うとか参考にしようとかならば思うのだが……。
「並行世界の私は何で君と結婚したんだろうって思う位だよ」
「そんなに僕って女としてあれなレベルなの!!?」
「生まれてくる性別を間違ってきたと思う程度には」
「絶対的な指摘をされたぁ!?」
思わずその場に倒れこむかのように凹んでしまうアサリナ。だがこれが自分としての本音なのだからしょうがない、実際勇士司令部の同僚にも同じ意見を持つ者はいた程だ。それはそれで女としてではなく、男として扱っても文句言わない所か対等に扱ってくれてるみたいで気が楽だとアサリナも言っていたせいなのもあるが。
「なんてことだ、じゃあ僕はマグナに女として見られていなかったという事なのか……いや、そもそも女として認識すらされていなかった……!?」
「私をなんだと思ってるんだお前は、少なくとも女性だとは思っていたよ。それにそれが君なんだろう、自信を持て。どんな誹謗中傷だろうと称賛だろうが、結局他人の感情でしかない、大事なのは君自身が何を想って何をしたいかだろう」
「―――うんだよね、じゃあマグナ僕と結婚して!!」
「…………えっ~…………」
「すっげぇ沈黙された!?」
もうカトレアとの婚約が解消出来ていない所に来てしまっている時点でお腹がいっぱいなのに、更にアサリナが自分の側室になってしまうという事でもう色んな意味でキャパオーバー。本音としては遠慮したい、欲を言えば婚約も解消したい。そして暫く一人で宇宙を旅したい、出来れば出久の所に遊びに行きたいとすら思っている。
「カトレア王女との婚約だって私としては結構納得出来てないのに……」
「成程、つまり僕が君を落とせばいいって事だね!!それなら問題ないさ、これまで通りにカトレア王女と一緒にアタックし続けるから」
「君の場合のアタックと言われると如何しても純粋な物理攻撃を想像してしまうんだけど」
「ちょっと好い加減酷いよ!?僕だって泣くよ!?」