緑谷出久はウルトラマンと出会う。   作:魔女っ子アルト姫

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暴走する科学

『さあ障害物走は今トップは予想以上の大混戦っつうかなんかすげぇ事になってねぇか!?A組が独走状態を作ったかと思ったらサポート科の発目 明が一気に追い上げたっつうなんかその発目から轟に爆豪、あと緑谷が全力で逃げてるみたいな事になってんぞぉ!?』

「みたいじゃねぇ!!!ガチで逃げてんだぁ!!」

「巻き込まれたくねぇっ……!!」

「置いてかないでぇ!!」

 

トップ独走中の3人、轟、爆豪、緑谷。だがそれらを恐れさせる存在が今体育祭では最も恐ろしいのかもしれない。今現在第二関門の巨大な峡谷のザ・フォールへと到達しているのだが……一気に爆破で身体をぶっ飛ばして谷を横断する者、直ぐに崩れるように調節した氷の橋の上を滑り渡る者そして……

 

「いやぁ見てくださいよ緑谷さんこのベイビーなんて飛行能力まで付けたんですけどエネルギーロスが大きくて改善すべき点なんですよですから緑谷さんの飛行を参考にさせて欲しいんですよだから今此処で飛んで貰えませんかねぇ」

「いやいやいや僕のあれだって普通に不完全でロス酷いから参考にならないから!!」

「いえ大丈夫ですよその辺りを判断するのは此方ですからハリーハリーハリーハリーハリィィィッッ!!!」

「ちょっと勘弁して貰えませんかねぇ!!?」

 

谷の途中途中のポイントを跳躍し続けて谷を突破する出久の隣にピッタリと張り付くかのようにして迫ってくる発目、彼女は彼女で装着しているそれが飛行能力があるのが平然と飛行して出久と並走している。しかもその間も自分の発明品の次、その次の次の話をし続けているから爆豪と轟からしたら不気味でしかない。もしかしたら彼女にとっては今回の体育祭は試作品の実験代わりであり本当はウルトラマンの力を使える出久のデータ収集が目的になっているのかもしれない。

 

「あっそうでした折角なので緑谷さんの援護して恩でも売って気兼ねなく私に協力して貰えるようにしちゃえばいいんですよねサスが私って天才ですねという訳で―――標的確認&ターゲットロックオン!」

「「ッ!?」」

「えっちょ発目さん!?」

「ついでに稼働データ確保も兼ねちゃいましょう~光子砲発射ぁぁぁっっ!!」

 

ザ・フォールを突破し間もなく第三関門へと到達しようとした時に爆豪と轟が恐れていた事態がやって来てしまった、発目の魔の手が迫って来たのである。彼女からすれば出久の順位を上げるのに協力しちゃえば出久は自分のお願いを聞いてくれ易くなるだろう、そして光子砲のデータ収集程度の事しか考えていないのだがその標的となった二人からすれば溜まった物ではない。

 

「だぁぁぁぁっあのくそ女何なんだぁクソがぁぁぁ!!!」

「今回、ばかりは同感だぁ!!」

 

背後からホバー移動しながら迫ってくる発目、その背中から伸びる砲塔からはアヴェンジャーの30㎜を連想されるような音を立てながら周囲へと光子砲弾をばら撒いてくる。精度が悪いのかバケツの水をぶちまけたかのようなばら撒きっぷりになっているのが唯一の救いだが、それがそれで逆に前に進みづらくなっており二人の速度が大幅に低下し回避に徹するしかなくなってきた。

 

「おおっこれはこれは精度改善のために有益なデータが取れそうです流石は緑谷さんのクラスメイトさん流石ですねぇ有難うそして有難う貴方方の勇姿は光子砲の中で燦然と輝き続ける事でしょう!」

「だったらこれ止めろやボケがぁ!!」

「いやぁすいませんパワーセル使い切るまでフルオートにしちゃってので無理ですねぇそして駄目押しのチャージショットをここで一発!!」

「「ふざけんな!!!」」

 

思わずハモりながら怒鳴り、振り返ってしまった二人の間をすり抜けた光子砲弾は第三関門へと着弾するとまるで燃料気化爆弾でも叩きこんだかのような爆風と爆音、巨大な爆煙を上げて燃え上がった。これは第三関門に仕掛けられている仕掛けに誘爆した結果であり、本来の威力ではないのだが二人からしたらそれは全く分からない。そしてそれを見て思わず血の気が引く二人、仮にもあんな威力の物を躊躇する事も無く相手にぶっ放せるなんてどういう神経をしているのだろうか……と。そして更なる一撃が飛んで来そうになって来た時―――

 

「発目さんストップストォォォップ!!?分かった分かりましたから僕は進んで発目さんの発明の実験台になってじゃなくて協力させて貰うからもう撃たなくていいからもう色々とやばすぎるからもうやめて!?体育祭の後にもう発目さんが満足するまで付き合うからぁ!!」

「分かりました止めますぅ!!」

 

爆豪と轟を救う為に自ら進んで地獄へと足を踏み入れる事を決心した出久、発目のぶっ飛びっぷりは理解しているしその実験もやばいのは承知済み。だが二人を救うにはこれしかない……!!と承諾してしまった、発目は満面の笑みを浮かべながら光子砲を仕舞いこみながら不気味な笑い声を上げながらスケジュールを脳内で組み立てている。

 

「緑谷の奴大丈夫なのか本当に……」

「……おいデク、お前死ぬんじゃねえよな……?」

 

柄にもなく本気で出久の事が心配になってきた二人、それに対して出久はもう心の底から諦めながらまるで仏の様な笑みを浮かべながら大丈夫だよとだけ答えるのであった。どうあがいても大丈夫じゃない事だけは理解した二人はこの時ばかりは本気で出久に感謝しつつも深い罪悪感を覚えるのであった。

 

「ほら取り敢えず今はほら、先に進もうよ。丁度関門が発目さんのお陰で全滅してるみたいだからさ……今は体育祭に集中しようよ!!後の事はほらうん、二人は無視していい訳だしさ!!」

「「(いや出来ねぇよ……)」」

 

無理をして笑顔を作っているのがバレバレな出久に本気で罪悪感を覚えてしまう爆豪と轟、この後4人揃って関門を突破してゴールを潜るのであった。その時、発目も揃って4人が同時にゴールしたのが二人なりの謝罪だったのだろうか……。

 

続く第二種目は騎馬戦。障害物走の順位によってポイントが振り分けられ、3~4人程度でチームを組んでそのポイントの合計が高かった上位4チームが次の種目―――即ち本戦とも言えるトーナメントに進める事になる。そして1位となった物には1000万ポイントが渡されるはずだったのだが、4人同着だったのでそれを4分割して250万ポイントがそれぞれに渡される事になった。出久は誰と組むかと悩んだのだが……発目が絡んできたのでほぼ強制的に組む事になり、後はクラスメイトである麗日と常闇と組む事になったのだが……ここでも彼女はそしてこの後の種目でも発目は大暴れをする事になった。

 

「フッフッフッこの私特製のロボットアーム、ウルトラアームがお相手しちゃいますよ!!」

「発目さんまだそんな物を持ってたの!?」

「で、でもすごい頼もしい!!」

「狂気の技術……だがそれらも正義が使えば正義……」

『というかそのアーム、私からしたら結構複雑だなぁ……まるでUキラーザウルスの触手のようだよ……』

 

発目の活躍もあって無事に騎馬戦を突破出来た出久なのだが……この日から爆豪と轟から何やら優しくされるようになってしまった。




発目さん大ハッスル。この小説で一番強化されたのはマグナと一体化した出久君ではなく発目さんだった……?
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