緑谷出久はウルトラマンと出会う。   作:魔女っ子アルト姫

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最終戦、出久 VS 爆豪

『さあ遂に来た来たやって来た!!盛り上がれテメェら!!いよいよトーナメントの決勝、FINAL LAST GRANDだぁあ!!』

 

飯田と出久の勝負に触発されたといわんばかりに爆豪は常闇との準決勝に快勝した。今まで無敵に近い戦いを繰り広げていた常闇も個性との相性もあったのか爆破に一方的に押され続ける結果となり敗北となってしまった。そして―――いよいよ待ち侘びられていた時がやって来たのであった、雄英高校体育ラストトーナメント最終戦、決勝戦。その熱気に飲まれあらゆるものが興奮している、既にステージの上に立っている二人はそれらに気を配れる事もなく、目の前に相手の身に集中し続けている。

 

『ヒーロー科、爆豪 勝己 VS ヒーロー科、緑谷 出久!!奇しくも同じA組同士の対決だ!!しかもこの二人幼馴染っていう話だぜ!!それが決勝の舞台で雌雄を決する超絶熱い展開になってきやがってZEEEEEEEEEEE!!!!!』

『煩い黙れ。だがまあどっちも相当な力を持った者同士だ、如何なるか見物なのは事実だな』

『おおっやっぱりそう思うよなMr.合理主義のイレイザー!!』

 

実況解説の言葉に更にヒートアップしていく観客たちを尻目に二人は至って落ち着き払っていた、いや心は熱くなっているが頭の中は酷く冴え渡っているというべきなのだろう。無用な考えなど昇らせる事もなく唯々集中し続けている、二人にとっては周囲の喧騒などもう耳にも入っていない所か周囲を認識すらしていないレベルに集中してしまっている。

 

「それでは両者、準備は良いわね……!?」

 

主審(ミッドナイト)の言葉が唯一、両者に届く声となり戦闘態勢を取った。溜めに溜められた集中力、高められた純度をそのまま活かすかのように爆豪は両手で小規模の爆破を起こさせながら構えを取り、出久は深呼吸をしながらもまるでイズティウム光線を撃つかのような動作をしながら半身を反らしながら腰を落としたフォームを取る。それが答え、それを見届けると大きな声で幕を開けた。

 

「それでは試合開始!!」

 

開始の瞬間、両者はロケット噴射さながらの勢いを伴って突撃した。一直線に激突するかのような勢いで迫り、ギリギリ身体が掠る様なタイミングで身を捩らせながら互いによけながらも背後を取ると同時に振り向きながら同時に腕が唸りを上げた。

 

「「ッ―――!!」」

 

荒々しく猛々しい、爆破の勢いを細かく使用する事で腕の振りの速度を底上げさせながら本来あり得ないタイミングでのフェイントや本命を織り交ぜながら格闘を行っていく爆豪とワン・フォー・オールで身体能力と神経伝達速度を上げてそれらに対応しながら捌きながら防御をメインに置きながらも動きを窺って行く出久。全体的に凄まじい速度の飯田との戦いとは違って此方は異常なまでの技と速度のぶつかり合いとなっている。

 

「デクぅぅう!!!」

 

小手先の物では上手くカウンターの隙を作られるだけだと理解したのか、爆破を複数回に分けながらも上手く手の動きを見切らせないようにしながらも不意に爆豪の全身が爆破によって浮き上がった。全身を使った膝蹴り、これは捌ききれない。ならばお前は如何するといわんばかりの獰猛な笑みの奥にあった答えに、笑いながらも更に続ける。

 

「だよなぁお前ならそうすると思ったぜぇ!!」

「グッ!!!」

 

飛び上がったそれを防ぐ為に十字受け、だがそれは予想していた。そうしなければ防ぐ事は出来ないだろう、だがそれはお前の的確で素早い動きを殺す事でもあるんだといわんばかりに両腕が後ろへと向くとそこで一気に爆破によって加速して出久が押し込まれる。十字受けを崩さん勢いと自身を場外にしようと言うのか、そんな気概にあるそれを受ける出久。

 

『自分の長所を全て把握しているタイプだな爆豪君は』

「やっぱり、凄いねカッちゃんは……でも!!」

「うぉっ!!?」

 

爆豪の体勢が崩れる、何があったのか。咄嗟に、素早く出久は踏ん張っていた脚から力を抜きながらも上半身を反らしたのだ。半身がそれながらも足が宙に舞いながらも地面と平行なるように攻撃を受け流した。余りにも勢いをつけすぎたからか、空中で慌てながらも前に爆破を起こして制動を掛けつつも振り向くとそこには跳ね起きながら構えを取り直す姿、それを見ると自分らしくないような高揚が溢れて来てしまった。

 

「ウラァァァァッッ!!!」

 

腕を振りながらの連続爆破、宙を舞う汗へと爆破が連鎖させるようにさせて中距離にも対応させた爆豪のその場の思い付き。だが如何に練度が低かろうと爆破というだけで一定のダメージが期待出来る上に爆豪のそれは初めてとは思えないほどに爆破のスピードも威力も凄まじい物だった。それに舌を巻きつつも迫りくる爆破を連続でバク転して回避する。

 

『爆豪連続爆破で緑谷を追い立てるが、緑谷も連続で避ける避ける避ける避けるぅ!!!』

 

だがどんどん追い込まれている事も事実、回避すればするほどに場外が迫りくる中遂にそれが訪れようとした時の事―――

 

「シェアッ!!」

『ととととと、飛んだぁ!!?』

 

出久にとっての切り札に近いそれ、空への飛行を切った。爆炎を切り裂くように飛び上がった出久は上から光弾を連射しながら爆豪へと攻め続ける、が

 

「テメェだけが飛べるわけじゃねぇんだよデクぅ!!」

「知ってるさ、分からないわけがない!!」

 

爆豪にとっては空も自らの領域も同じ。爆破の勢いで空を駆け抜ける事が可能、故か地上戦から一変、今度は激しい空中戦が巻き起こる事になった。

 

『エレキングの一件から飛行訓練を積んだとはいえ、君のそれはまだまだ不十分だ。飛行可能時間は3分程度だろう』

「十分過ぎる、行くぞぉぉ!!!」

「来てみやがれデクがぁ!!」

 

USJでのエレキングとの遭遇戦、あの時の飛行でいかに自分にとって飛行が泣き所なのかを改めて感じた出久は今日までに飛行訓練を課してきた。その甲斐もあってか不完全ながらもウルトラマンと同じ飛行が可能となった、だがそれは3分間だけ。それ以上飛行しようとしたらまた自分のエネルギーを放出するようにして飛ぶしかない、爆豪相手にそれは自殺行為に等しい故に飛行時間の確保は僅かのみだが出久にとってはそれだけでも満足できる時間だった。

 

「SWALLOW SMAAAAAAAAASH!!!」

爆破強襲(エクスストライク)ゥゥゥッ!!!」

 

空中でムーンサルトスピンからのキック、爆破による勢いで加速しながらの飛び蹴りが激突する。その衝撃は周囲に拡散しスタジアムがビリビリと揺れている。それぞれが相手の蹴りを蹴るかのように身を翻しながら後方へと飛び退きながらも再度加速しながら今度が拳のぶつかり合う。

 

「君には負けない、カッちゃん!!」

「ハッでかく出るにははえぇんじゃねえのかデクゥ!!!」

 

その場で静止するかのような攻防の後、互いがもつれ合うようにしながらも地上へと落下していく。その間にも激しい爆破と殴打音が木霊しながらも爆音と爆煙を纏いながらも墜落するが、それを突き破るかのように二人が飛び出していく。全身傷だらけになっているのにも拘らずその表情に痛みや苦しさは一切滲み出しておらず、互いの武勇を讃えるかのようなスッキリしたような笑みが浮かび続けている。

 

「まだまだ、行くぞデクぅ!!」

「来いカッちゃん!!」

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