職場体験後初の登校日、僅かな間しか会わなかっただけなのに揃ったクラスメイト達をみると何故か久しぶりという感情が浮かんできてしまうのは何故だろうか。自分にとっての1週間がそれ程までに充実していたという事だろうか、他の皆がどんな日々を送って来たのはか分からないが客観的に考えると自分のそれは相当に濃い日々だったと振り返る事は出来た。
「えっ~ヴィラン退治までやったの~!?」
「まあ退治って言っても避難誘導した位で戦ったわけじゃないよ」
「それでもすごいよ~」
「私も基本トレーニングとパトロールばかりだったわ。一度、隣国からの密航者を捕らえた位かしら際立ってたのは」
「「いやそれ凄くない!?」」
「やっぱり、僕の職場体験って相当あれだったのかな……」
『まあ客観的に考えたらそうだろうね』
本来職場体験はプロヒーローの空気を感じるに留める、何故ならば生徒はヒーロー達からすればお客さんという立場に近いので守るべき対象である事に変わりはない。が、グラントリノは完全にワン・フォー・オールの継承者を鍛え上げる事に集中していたのでその内容も相当な物だった。
「お茶子ちゃんは如何だった?」
「とても……有意義だったよ」
「目覚めたのねお茶子ちゃん」
バトルヒーロー・ガンヘッドの事務所に行った麗日は何やら目覚めたのか、見事な正拳突きを見せながら構えを取っている。あれはあれで特殊な感じもしなくはないが……。
「お前はMt.レディの所だったんだろ、如何だったんだよ」
「最早家政婦扱いだぜ、しかも最後辺りなんて肝心のMt.レディは事務所にいねぇことばっかりだったし」
「あ~……あの保須の一件でMt.レディは中心に居たようなもんだもんなぁ」
一時的に保須へと行っていたMt.レディだが、
「あのMt.レディがよ、窓の外を見ながら頬杖付きながらため息ついてたんだぜ!!しかも、またお会いしたい……なんて事を言ってよ!!」
「それってもしかしてMt.レディがあの保須の巨人に惚れてるって事か!?」
「あれは間違いねぇな確実に恋する乙女の顔だったぜ!!」
それを聞いて思わずマグナはやや渋い顔をしつつ頬を欠くのであった。単純に助けただけで下心があったわけでもないから少々困った事になったなぁと声を上げるのであった、これは次会った時が少し怖くなってくるかもしれないなと出久と共に苦笑する。
「でも一番大変なのはお前ら3人だろうなぁ、あの馬鹿でっかいヴィランと遭遇したんだろ!?」
そんな中向けられたのは当然出久、飯田、焦凍の三人であった。保須市にいただけではなくその場でヴィランによる攻撃などを受けている、特に飯田は入院する程度には傷を負わされてしまっている訳だから一番大変だっただろう。
「本当に驚いたよ、俺達の前では普通の人間と同じサイズだったからな。まさかあそこまで巨大化した時は言葉を失ってしまったよ」
「全くだ、個性って奴はそこが知れねぇもんだと思い知らされたぜ」
「本当だね……僕も本当に驚いたよ」
と同調するだけにしておく出久、本当は別れた後に変身してその巨大化したヴィランと一戦交えたなんて言える訳もない。そんな中で爆豪は何処か冷めたような瞳を向け続けている。
「……」
「カッちゃんは如何だったの職場体験、ベストジーニストの所に行ったんだよね?」
「くっだらねぇ時間だったぜ……何がジーンズだクソが……」
悪態をつきながらそっぽを向く爆豪、如何やら今回の職場体験は彼にとっては全く有益な物にはならなかったらしい。指名された中でも実績も地位も高い事務所であり学ぶところもあるだろうとベストジーニストの事務所を選んだのだが……ジーンズ着用を強制された上に性格を治せやら言動を正せなどばかり言われて酷くげんなりとしてしまった。
「フッフッフッ緑谷さん逃がしませんよぉさあさあこちらに来てください来てくださいちょっとお話があるんですよ良いですよ良いに決まってますよね痛くなんてしませんから多分!」
「信用がないよ発目さん!!?」
昼休み。そんな勢いの発目に連行されていく出久、連れて行かれた先の談話室では一足先に食事を楽しんでいるグルテンの姿があった。そんな光景にも慣れ始めてきたこの頃、そして発目のこれにも段々慣れている感じがして驚きが日に日に小さくなっていく事に恐ろしさすら感じつつある自分がいる。
「おおっ良く来てくださいました、マグナさん先日の保須市では大活躍でしたね。噂に名高き光の巨人のご活躍をこの目で見られて幸せな限りです」
『それはどうもありがとうございます。しかしなぜ今回はお呼びに、ツルク星人のサンプルならありませんよ』
「ええっないんですかぁ!!!!???ショックです……」
と床に手を付いてガチ凹みをする発目に罪悪感を覚えないでもないのだが……今までが今までなので残していたら何が生まれるか分からないのできっと正解なのだろう。
「実はですね、以前からお願いされていたエレキングメダルの解析ですが漸く完了しましたよ。矢張り貴方の懸念通りにこれは光の国由来の技術が大本になっていますね」
『矢張り……』
「ウルトラマンの力を宿す技術、それならば怪獣の力を宿らせる事など容易い事でしょうからね……ですがこれはまた違う技術も使われている、私も見た事がない物です」
「グルテン博士が見た事がない技術……!?」
「興味深いですよねぇ宇宙は奥深いですよねぇ」
と凹みながらも同意する発目はスルーしながらもグルテンは言葉を続けた。
「加えて今回のツルク星人の犯行、私には何か……陰謀の影があるように思えます」
「影……」
『ええ、それには同意します……ツルク星人を倒した時に感じましたが……恐らくあれもメダルによって具現化した存在、きっとまだまだ出てくるでしょう』
それはマグナの直感に等しい言葉、確証もないが……今までの経験が何かを訴えかけてきている、この地球で何かが起こり始めていると。そしてそれは明確な巨大な渦となって個性社会を脅かそうとしている。
―――さて次はこれを試してみるか、怪獣を超える存在を、お前にもなじみ深いだろう、マグナ……。
他のウルトラ戦士を登場させるべきか
-
させるべき
-
必要ない