超獣。嘗てウルトラマンAによって倒された異次元人ヤプールの手によって生み出された怪獣を超える怪獣、それらは超獣製造機と言われる物によって地球上の生き物と宇宙生物を融合させた上で改造を施し全身に武装を追加した生物兵器らの事を指す。既にその黒幕であるヤプールは倒されているのだが……ヤプールは生命体のマイナスエネルギーを吸収する事で何度も復活しその脅威を向け続けている……そしてマグナはそれと対峙した事がある。
それこそがUキラーザウルス、それも復活したヤプールが光の国への復讐の足掛かりとして他の星で研究されていた人工太陽に目を付けそれを吸収する事で大幅強化を行って地球への侵攻を企てようとしていた。それはマグナ、マックス、ゼノン、ネオス、セブン21に阻まれる事になったのだが……超獣は未だに宇宙の何処かに漂っているヤプールの怨念から生まれて続けているという話まである程。その超獣の一角でもあるバキシムが降臨してしまった。
「おおっまさか保須での一件を悔やんでいる時にこんな機会に出くわすとは!!!博士此処から撤退しつつもデータ収集しましょう緑谷さんとマグナさんのお邪魔にならないように努めましょう!!」
「それには賛成だけど本当にブレないね発目ちゃんは……それじゃあお二人ともお任せしてもいいですよね!?」
と聞いてくるグルテンに頷いて返事をすると二人は圧縮解除したホバー式のボードに飛び乗るとその場から高速で去っていく、それらを見つつも出久は構えを取りながらもマグナリングを胸に抱いた。
「マグナさん、行きましょう。僕はもう覚悟は出来てます!!」
『言っておくが超獣は普通の怪獣や宇宙人とは全く次元が違う、超獣は紛れもない生物兵器。完全に倒しきるまで攻撃を止める事は出来ないよ』
「分かってます、僕は―――ウルトラマンマグナの相棒です!!」
『―――随分と立派な口を利くようになったじゃないか、よし行こう!!』
バキシムの前へと溢れ出していく光、それらへと威嚇するような声を上げつつも戦闘態勢を取り続ける。輝く光の中から巨人が―――姿を現す。
「ディァッ!!!」
大地を轟かし、大地を抉らんばかり勢いで地面が舞い上がった。まるで爆発のような土煙の中から姿を見せた光の巨人、ウルトラマンマグナ。立ち上がると同時にバキシムはゆっくりと進撃しつつも両腕からバルカン砲を連発していく。だがそれらを受けようともマグナは身動ぎ一つしないままそのままバキシムへと向かって行く、それを見ると即座に攻撃を中断しながら今度は両腕の間から真紅に輝く破壊光線を照射する。
「デュオ!!」
素早い攻撃の切り替え、それに素早く右手からエネルギーバリアを作り出して光線を防ぎつつも逆に押し返すかのように突き進んでいく。そしてバリアをそのまま腕の間へと叩きつけんばかりの勢いで押し付けるとエネルギーが暴発したのかバキシムの両腕がスパークを起こしてしまう。
「ギュアアアアアッッッ!!?」
「ディアア、シャアア!!!」
怯んだ隙を見逃がさず、アッパーがバキシムの顎を捉える。近接戦においてマックスの上を行くマグナ、そのパワーは近接戦でこそ真価を発揮すると言わんばかりの超パワーは自分よりも巨体である超獣の身体を浮かび上がらせてしまう程。だが相手も超獣、ダメージを受けても怯む事もなく恐怖を覚える事もない。すぐさま反撃だと言わんばかりに腕の棘でマグナへと殴り掛かる。
『負っけるもんかぁぁぁ!!!』
『そうだその意気だ!!』
『何のぉぉ!!!』
咄嗟に両腕をバキシムの内側深くに差し込んでガードする、だがフリーになった身体へと噛みつこうとしてくる。だがそれを回避しつつも頭と右腕の間で挟み込んで受け止める、出久の反射に近い行動だったがいい行動でもある。
『マグナさん、あのこの状態でも個性って使えるんでしょうかぁ……!?』
『試して、見るかい!?』
『ぶっつけ本番ですけど、やります!!ワン・フォー・オール・フルカウルゥゥゥゥッッッ!!!』
出久はその時にワン・フォー・オールを発動させた、マグナの全身に光が駆け巡っていきながら身体のそこから力が沸き上がっていく。間違いなく個性が発動している、人間の個性は一体どれ程までウルトラマンの身体に力を齎すのだろうか、超獣という怪獣を超える存在が誇る圧倒的なパワーに対してマグナは徐々に腕を広げていく。
「ォォォォオオオオッッ!!!!」
「『SMASHッッ!!』」
勢いよく開かれた事でバキシムの体勢は崩れて後ろに下がった瞬間を見逃さず、渾身の一撃がその身体へと突き刺さった。激しい爆発と火花を散らしながら炸裂する一撃、それを受けて大きく下がりながらも再度破壊光線を発射しようと背中の結晶体を輝かせる。二度も喰らうかと言わんばかりにマグナは飛び上がる―――が
「ギシャアアアアッッ!!!!」
『悪いが私はメビウス程甘くはない!!!』
甘い、と今度はこっちの番だとバキシムの角が撃ち放たれた。そう、バキシムの角は強力なミサイルとしても機能する―――のだがウルトラシリーズマニアでもあったマグナにそれは完全にお見通し、回転しながらミサイルを受け流すとそのまま発射口へと逆に返してしまった。ミサイルが内部へと突き刺さりながらも大爆発してしまい内部でショートを引き起こしたのか悲鳴のような断末魔を上げながらもバキシムは倒れてしまう。
『今のによく反応出来ましたね!?』
『何、あんなの軽い軽い。それにバキシムに付いての知識も私は十分にあるからね、まだ油断はできないが……光線技でフィニッシュと行こう』
『分かりました!』
蓄積された戦士としての戦闘経験、そこに前世の知識が合わさると自分の知らない怪獣でもない限りイレギュラーな事態は起きにくい。実際任務の最中にこの知識に助けられて切り抜けてきた場面も結構あったりした。兎も角超獣は生物兵器故に最後の最後まで油断が出来ない、今のうちに止めを刺しておく必要があると地上へと降りて光線技を放とうとした瞬間だった。
「ッ!!?」
空が再び罅割れ、異空間が出現した。新しい超獣が駆けつけてくるかと思ったのだがそこからは二筋の光がバキシムへと伸びて吸収される、直後に眩い光にバキシムから溢れ出していった。
『一体何が起きているんですこれ!?』
『分からない、だが良い事でない事は確かだろう』
その予感は―――当たっていた。
何処でもない何処か、赤い異空間の中で黒い影が立っていた。そしてその手には何かが握られていた、それは青いクリスタルのような物が付いているアイテムでありそこへ何やらカードを挿入しそれを起動させると立て続けにメダルを出現させた、そこにはエレキングメダルと同じように様々な怪獣らが刻まれておりそれを次々と装填していくとそれらをスキャンしていった。
―――一角超獣、火炎超獣、満月超獣。
―――こいつに勝てるか、マグナ……!!
三つの超獣、それらの力が混ざり合って行く。だが単純な融合ではなくバキシムを素体にしてそこに他の超獣の力を加えていきそれらによって新たな存在が誕生し顕現される事となった。光が晴れるとそこにいたのはバキシムではなかった。身体から突き出した紅蓮の甲殻は酷く鋭利で頑強、背中の結晶体は刺々しくなり両腕には真紅の巨大なクローが新たに装着されていた。それらの影響か先程よりも更に巨大になったように見えるバキシムに思わず出久は驚いてしまった。そしてそれはマグナも同様であり、その姿を見て即座に理解した。これは一角超獣 バキシムの強化改良型超獣であると。圧倒的な炎を扱う
『す、姿が変わった!!?』
『パワーアップした!?こいつは確か、一角紅蓮超獣―――』