緑谷出久はウルトラマンと出会う。   作:魔女っ子アルト姫

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最難関へのパスポート

努力と苦労、色々な物を積み重ねながら時間は過ぎ去っていく。それはウルトラマンであるマグナにとっては正しくそうだった筈だろう、ウルトラ族と地球人たちの寿命は何百倍も違う。時間の感覚も異なっている筈だが気付けば当たり前のように地球の時間に適応している彼はいる、それは元々が地球人だったからだろうか、それとも相棒と過ごす地球の一日一日が非常に充実していて楽しい物だからだろうか。光の国へと送る報告書も出久との毎日を書くようにもなっている辺り自分も如何やら地球での日々を楽しんでいたウルトラマン達を笑えなくなってきているらしい。

 

『これは銀十字軍直行かもな』

 

と笑い事ではない筈のことを笑ってしまう、故郷の友人達は帰って来た時にどんな顔をするだろうか。地球の感想を聞くだろうか、それも良いだろう、そんな事を期末テストの出久を応援しつつ考えるのであった。これはあくまで出久の試験なのだから自分が手出しする事は出来ない、まあ自分が手を貸す事もなく出久ならばきっと上手くやる事だろう。それは今日まで彼の頑張りを見続けてきた自分が一番分かっているのだから。そして筆記試験が終わりをつげ、いよいよ―――最も重要とも言える試験、実技試験が始まろうとしていた。各自がコスチュームを纏う中、その前に集結したのは多くの先生たちだった。

 

「それじゃあ実技、演習試験を始めていく。当然だがこの試験でも赤点はある。林間合宿行きたけりゃ、みっともねぇヘマはするなよ」

 

そう、試験の後にはある意味楽しみなイベントでもある林間合宿が待っているのである。赤点を取ったら学校で地獄の補修だという話もあるのでより一層に皆気合が入っている。だが明らかに先生の数が多い。相澤にエクトプラズム、セメントスにミッドナイト、13号にパワーローダーと雄英が誇る教師陣が集結している。試験はロボを使った物だと聞いていたのだが―――と思った生徒達の心情を先読みしたかのように相澤の捕縛布の中から小人のような白いネズミが飛び出してきた、そう雄英の校長である根津が現れた。

 

「今回から内容を変更しちゃうのさ!!」

『校長先生!!?』

「昨今のヴィランの活性化、それらを鑑みてより実戦的な内容へと変更するのさ!!」

 

試験をロボから対人戦、つまり教師との対決へと変更。ヴィランの活性化を警戒してより実戦的な物に変更し、より高みを目指した教育の為との事。

 

「ペアの組と対戦する教師は既に決まっている。動きの傾向や成績、親密度…その他諸々を踏まえて独断で組ませてもらったから発表してくぞ」

 

発表されていく組み合わせ、それらがこれからの試験の命運を分けるという事になるのだから皆が緊張した面持ちで自分のパートナーが誰になるのかを聞き取ろうと神経を尖らせていくのであった。そして舞い込んできた出久の番、そのパートナーは……

 

「緑谷と―――爆豪がチームだ」

「カッちゃんと!?」「デクとだぁ!?」

 

とそれを言われた本人同士が一番驚いていた、まさかの組み合わせに驚愕し続けた。だが其処で終わらせるなんて事はあり得ない、続いて対戦する相手が教師が発表されるのだが直後に頭上から何かが降ってきた、それは見事なスーパーヒーロー着地をしながらゆっくりと立ち上がりながら自分達を威圧するように見下ろしてきた。

 

「私が、する!!」

「「オールマイトが!?」」

「協力して勝ちに来なさいよお二人さん」

 

不敵に笑いながらオールマイトがそう問いかけてきた、やれるもんならやってみなと言いたげなそれに驚き続けていた出久と爆豪は一瞬で笑みを浮かべながら互いに歩み寄ると背中を任せるように立ち直しながらすぐさま構えを取って見せた。それは何なら今直ぐ始めたって俺達は構わないんだぜと言いたげなそれにオールマイトだけではなく教師全員が笑みを溢したのであった。

 

 

数日前。学校の一室では教師らが集まりA組の演習試験によるペアの検討が行われていた。そこで一番の課題とされていたのが出久と爆豪のタッグであった。

 

「にしてもよぉ緑谷と爆豪を組ませちまっていいのか?体育祭の優勝準優勝ペアだぜ。別れさせるのがベターなんじゃね?」

「僕も同感です、こういう事はあまり言うべきではないでしょうがこの二人のペアは尋常ではない強さになると思いますが」

 

マイクの言葉に同調する意見を述べる13号だがそれに関してはほぼ全員の教師が同意見だった。だが敢えてこの二人を組ませたと相澤は言った。

 

「確かにこの二人は実力、個性と共に凄まじい。高いフィジカルと強い個性、そして一見直線的で力押しに見えるが戦闘においては機転を利かせる上に応用も取る爆豪。他の追随を許さない様な圧倒的な身体能力、エネルギーの放出による光線や飛行まで可能な上に頭の回転も相当に速い緑谷。A組でも個性だけではなく肉体面でも優れた最強のコンビであり、プロでもすぐにでも活躍できるでしょうが敢えてこのままで行きます」

 

圧倒的な強さを誇る上に格上との戦闘経験が少ないと判断しその経験を積ませるためにこの二人にした、そしてその超強敵としてぶつけられる事になったのがオールマイトが抜擢された。

 

「今回は経験を積ませる事がどちらかと言えば目的です。立派な壁となって下さいよオールマイト」

「ウムッ任せておきたまえ!」

「うんうんやる気があって結構だね、でも試験という事を忘れちゃだめだからね」

「わかってますとも校長先生、私だって何時までも新米教師という訳ではないのです!!」

 

と厚い胸板を叩きながら自信満々に応えるオールマイト、何故あそこまで自信満々なのか。オールマイトは立派な先生になる為の参考書を読み漁ったりそれを授業で実践したりしているので以前よりも良くはなっているという自負があった、きっとグラントリノにも胸を張れるはずだと……それがこれから試されるという事だろう。

 

「そして教師陣はこれを付けて試験に臨む事になるぞぉ~ジャジャジャジャーン!!超圧縮重りぃ~!!」

『どっかで聞いた事があるような言い方をするね……この地球にも青いネコ型ロボットが居るのか……』

 

言い方はさておき、生徒達が戦闘を視野に入れる為の処置やハンデとして教師陣はサポート科制作の超圧縮重りを装着する。体重の半分を身体に付ける、酷く古典的だが動きは鈍くなる上に体力もその分削られていく事になっていくのでかなり有効な手段、それをテクターギアで味わっている出久は直ぐにその効力の凄さを理解した。

 

あっやべ思った以上に重い……因みにっデザインはコンペで発目少女のが入選したぞ!!」

「発目さん!!」

『本当に何処にでも出てくるね彼女……』

 

何処かからか、私来てます!!という声が聞こえてくるような気がしてきた。出久のコスチュームも彼女製のものへと変わっているのもあるだろうが本当にここ最近、彼女の存在感が薄れたという日がないような気がしてきた。

 

「おいデク、今テメェが出来る事を全部吐きやがれ。相手がオールマイトだろうと関係ねぇ、勝ちに行くだけだ」

「まあカッちゃんならそういうと思ったよ、じゃあカッちゃんも全部出してよね」

「ったりめぇだろそれでオールマイトに勝てると思ってねぇよ」

 

そう言いながら二人は早速作戦会議を始めていく、そんな姿に見送ったオールマイトはこれは壁になりがいがあると思いながらも準備体操をしながら試験を楽しみに待つのだった。そして―――試験の時間となった時、出久&爆豪 VS オールマイトの期末試験とは思えないほどの激戦が始まるのであった。




「ちなみに私、サポート科での試験で提出新しい強化外骨格で首席でした!!尚、実験は全部緑谷さんにお願いしました☆」 by発目
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