緑谷出久はウルトラマンと出会う。   作:魔女っ子アルト姫

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指導&過去話

サー・ナイトアイとオールマイトの和解、それはワン・フォー・オールの事情を知っているグラントリノ達からしても願ってもない出来事だった。この事に一番喜んでいたのは当事者でもあるナイトアイだったが肝心要のマグナは自分は何もしていないと彼からの礼を受け取ろうとはせずにこれから一緒に戦えることを楽しみにしているとだけ述べていた。その言葉に報いる為に眼鏡を輝かせながら全力を尽くす事を誓い、先ずその第一歩を踏み出す事にした。

 

『―――オールマイト、貴方の弟子の指導方針や指導内容、試験での出来事などなどを全て余さず私に話してください。この際ハッキリ言っておきますが貴方は名監督ではないのですから私が基礎からタップリと叩きこませて頂く事にします』

『それはいいね、オールマイトの新米教師っぷりもいよいよ卒業の時が来たようだね』

『そうしてくれるとアタシとしても安心出来るねぇ』

『同意だな』

 

その第一歩というのはオールマイトに対する様々な事を叩きこむ事であった。マグナという偉大な存在が居るとしても出久の直接的な師は彼本人なのだから彼のレベルアップは必要不可欠、そんな重要な存在のレベルは酷くお粗末という事が今回の試験で露呈した。流石にナイトアイもこれを見逃す事が出来ない、教師として活動するならば他の生徒達の成長にも関わってくるのだから確りと学んで行って貰わなければならない。未来を担う子どもたちの育成、これもマグナと共に戦う事を意味するのだからナイトアイは一切の加減をする気がない。仲直りを免罪符にする気0のサイドキックに冷や汗を流すオールマイトを見る事になった。

 

『サイドキックの貴方ならばきっとオールマイトの弱点を的確且つパーフェクトに補えるでしょうね、では御手数でしょうがお願いします』

『ええっお任せを……それではオールマイト、早速ですがこの後時間を……!!』

『ア、アハハハハ……お手柔らかに……ね?』

『却下です』

 

初めての休日、出久は自室でのんびりとしていた。というよりも出久と爆豪にのみ与えられた特別休暇に等しいそれはオールマイトとの試験で受けた疲労やらダメージを回復させるために与えられた物、この日は夏休みも近いという事で雄英も珍しく午前授業なので余り恩恵は感じられないかもしれないが出久は普段ではできない様な9時起きをして酷くリフレッシュした気分になりながらも満喫していた。

 

『この時に覚醒した怪獣こそ大魔王獣と恐れられるマガオロチだったんだ。此奴は成体になると惑星に住んでいる全ての物や生命体を喰らい尽くして死の星へと変えてしまう、正しく星をその物を喰い尽くすというとんでもない存在なんだ』

「ひえっ……とんでもなくやばそうな奴じゃないですか……」

『いや全くだよ、私もゼノンから話を聞いて驚きを隠せなかったよ。大急ぎで任務を終わらせて救援に向かったんだ』

 

その満喫方法というのはマグナの過去の体験談、ウルトラ戦士に与えられた任務の話を聞いたり残っている記録映像を見せて貰う事だった。別次元のスケールで展開されていく話や戦いの規模、それらは刺激的且つスリリングな物ばかりで出久は聞き入るばかりだった。

 

『そして無事にマックスを救い出した上でマガオロチの撃破、そして惑星ミカリトを救う事が出来たという訳だよ』

「本当にマグナさんの世界って凄い事ばっかりですね!!?星まで食べちゃう怪獣が居るなんて……というかマックスさんやっぱり凄すぎませんか!?いやリブットさんとかゼノンさんとかも凄いと思いますけどそんなやばい細胞に侵されてるのに三日も耐えたりするのって凄すぎません!?」

『うんそれは私も思うよ、元同僚としてはあの万能最強感はやばいと思う』

 

因みに当時、マグナが請け負っていた任務というのが暴走状態に陥っていた改造キングジョーの破壊任務であった。何処かの宇宙人がペダン星から奪ったキングジョーにゼットンを組み合わせるというとんでもない事をやってくれたおかげで様々な星で暴れ回っていた。流石にマグナ一人では苦戦していたが、ゼノンが来てくれたおかげで何とか切り抜けられた。

 

『それよりも君にとっては明日の方が楽しみなんじゃないのかい、クラスの皆とお買い物なんだろう?』

「じ、実は結構楽しみにしてます」

 

携帯にやって来ていたメッセージ、それはクラスメイト皆で林間合宿に備えて買い物に行こうという誘いであった。出久としては友達からの誘いは酷く嬉しく速攻で行くという返事を返してしまった。明日だというのに今からワクワクして溜まらない様子。

 

「林間合宿も楽しみだけどその前の準備がこんなにも楽しみなんてなぁ~……」

『お祭りの当日よりも準備をしている最中の方が楽しいという人もいるらしいからね、それに類似するような物と考えればいいのかな』

「ああそれですね!!」

 

そんな風にワクワクしている相棒ににこやかな物を向けつつもマグナ自身もそれを楽しみにしているので何も言えなくなるのであった、なので次の話に映る事にした。

 

『さて次はどの話が良いかな……折角だから以前一緒になった事があるトライスクワッドの話でもしようか』

「トライスクワッド、なんかチーム名みたいですね」

『みたいじゃなくてチームなのさ。ウルトラマンタイガ、フーマ、タイタスの三人のウルトラマンで結成された個性溢れるチームだよ』

「何それ凄い興味深いんですけど!?」

 

 

 

―――さあ、準備は出来た。この力に勝てるか見物だなマグナ……。

 

 

 

―――あれがこの宇宙の地球……よし、直ぐに行くか。




遂に、遂にゲストウルトラマンの足音が聞こえてきたかも……!?

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