緑谷出久はウルトラマンと出会う。   作:魔女っ子アルト姫

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合宿開始

いよいよ始まる林間合宿、A組の全員はバスへと乗り込んで林間合宿の舞台へと道路を突き進んでいた。バスの中は非常に騒がしく賑やかなままで相澤が注意もしないのでそのままの喧騒のままバスは突き進んでいく。そんな中出久も楽しみながらもマグナからも話をしていた。皆との会話もいいのだが常に話しかけられるわけではないのでそんな時にはマグナと話をするようにしている。

 

『私が訓練生の時は体験惑星入植という他の惑星の環境に順応する為の長期課外学習があったね』

「(へぇっ!!どんなことをするんですか!?)』

『単純にその星の住人となって一定期間過ごすんだよ、そこで順応性を高めつつもその星に対する見解や情報を纏めてレポートを提出するんだよ。私の世代でもやっぱり地球に行ってみたいという訓練生が多かったなぁ……』

 

と昔話をしながらも過去を懐かしんでいる、マグナにとって懐かしむ時間は地球人にとっては世代どころか時代が大きく変動する時間な事は既に出久は失念しているがそんな事は如何でも良くなる程に興味深い話ばかりだった。そんな会話をしつつも懐かしむように窓の外を見れば夏の晴れ渡った空が広がっている、少し前までこの空の下で雄たけびを上げていた怪獣が居たとは思えない程の平和な光景に一息を吐いているとバスが停車した。

 

「おい、ここで一旦休憩だ。お前ら一度降りろ」

「はーいって……ってあれB組は?何処にもいねぇな」

「つうか、なんだ此処。パーキングじゃねぇな……でもいい眺め、此処で弁当食いてぇな」

 

バスはとある場所で止まった。そこで相澤が降りるように通達すると、生徒たちは疑うこと無くそれに従う。外に出て身体を伸ばしほぐしながら辺りを見渡すとそこは崖の上の何の変哲もない空き地。確かに景色の良い場所ではあるが、公衆トイレも何も無い。ただ、車が一台止まっているだけで特に何もない。特に峰田はジュースを飲み過ぎたからかトイレに行きたいと訴えるが相澤はそれをパーフェクトスルー。そこら辺で済ませろと言わんばかりの勢いのスルーである。そんな所で風鈴の音が響いた。

 

「誰だあれ……?」

「こんないい風景を見ながらラムネをやる、これも贅沢の一つだな」

 

其方へと瞳を向けてみると抜群の景色を見ながら柵へと腰掛けながらラムネを口に運んでいる青年の姿があった、ラムネの瓶が太陽の光で光を反射しつつも口元から僅かに垂れて行く雫、青年のカッコ良さも相まって非常に絵になっている中で思わず出久が大声を上げながらその青年の名前を呼んだ。

 

「えっ何やってるんですかガイさん!!?」

「よぉっ出久、贅沢をしてるんだよ。お前さんも如何だ、ほれっ」

 

名を呼ばれると軽く首を傾けながら笑みを浮かべながらラムネを投げ渡してくるガイ、ラムネを受け取りながらも何故此処にガイが居るのか分からない出久は唯々混乱していたのだが相澤がガイへと歩き出すと頭を下げた。

 

「どうも。貴方がクレナイ・ガイさんで宜しいでしょうか」

「ああそうだ」

「本日は遠い所態々有難うございます、オールマイトに代わってお礼申し上げます」

「気にしないでくれ、俺は俺の目的で来たような物だからな」

 

そんなやり取りをしつつも相澤は集合を掛ける、集まっていく生徒達へと柵に腰掛けたままの彼の事を紹介する。

 

「此方は今回の林間合宿で特別講師を務めてくださるクレナイ・ガイさんだ、彼はオールマイトが直々に依頼を出した超がつく実力者との事だ。お前達もかなり世話になるだろうから挨拶しとけ」

『宜しくお願いします!!!』

「クレナイ・ガイだ、好きなように呼んでくれていいぞ。まあ俺の方で好きにちょっかい掛けさせた貰うからな、後ラムネ欲しい奴いるか?」

 

と気さくそうに笑いながらクーラーボックスにあるラムネを指差すと欲しい~と生徒達は勇んでそれを受け取っていく、中にはガイにラムネを開けて貰いながらも飲み始めているが出久は出久である意味気が気ではなかった。特別講師、それは即ち殆ど自分へのそれだという事にも成り得るのだから。

 

「(マ、マグナさん知ってました!?)」

『うん知ってたよ?というか私以外にどうやって彼にコンタクトを取ったと思うんだい』

「(いやそれは確かにそうでしょうけど!!?)」

 

オールマイトが依頼をした、という建前でマグナがガイに話を通したのである、それは当然出久の面倒を見て欲しいという事。出久の個性強化合宿ではワン・フォー・オールだけではなくウルトラマンとしての力へのトレーニングを行うつもりでいる。その為に同じウルトラマンでもあるガイにスパーリングや指導をして貰う為に来て貰ったのである。旅を邪魔をしてしまうようで気も引けたのだが「マグナさんの頼みを断る理由はありません、お引き受けします」と快諾してくれたので素直に助かった。

 

「やっほ~イレイザー!!」

「ご無沙汰してます」

 

これは予想以上の合宿になりそうだという所で新たなメンバーが到着し其方へと相澤が丁寧に頭を下げた。その相手は小さな少年を一人連れている猫のようなコスチュームを纏った女性が二人。

 

煌めく眼でロックオン!!

キュートにキャットにスティンガー!!

「「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!

「そして今回メインでお世話になるプロヒーロー・プッシーキャッツの皆さんだ」

 

見事なポーズを決めながらもヒーローらしい口上を述べる二人の綺麗な女性がそこに居た、クラス一のヒーローマニアが食いついた。

 

「連名事務所を構える4名一チームのヒーロー集団!!山岳救助を得意とするベテランチームだよ!!今いるのはマンダレイとピクシーボブだぁ!!キャリアは12年にもなるあのベテランチームのプロヒーローに遭えるなんt」

「心は18ぃ!!!心はぁ……?」

「じゅっ、18ぃ!!」

『必死かよ……』

 

キャリアが12年辺りでピクシーボブの瞳が強くなりながらも出久の顔をにアイアンクローをしながらも語気を強くしながらも自分の言葉をリピートするように強いる。それらにA組、主に男子勢は退くのだがそれをガイがやんわりとフォローする。

 

「その辺りにしてあげてくれよ、別にアンタらの事を悪く言ったわけじゃなくてそれだけ経験豊富なお姉様方だって褒めてくれてるんだ。それを素直に喜ぶのがレディってもんだぜ」

「そ、そうよねそう思うと、えへへへへっ」

『すげぇ一瞬で鎮まった……』

 

とガイの言葉を受けて一瞬で嬉しそうな顔に変貌して甘い声を漏らすピクシーボブ、ガイ程のイケメンにそんな事を言われた女性としては嬉しいのは致し方ないという物だろう。彼女だけではなくマンダレイもなんだかんだで嬉しいのか赤くなりながらも咳払いして誤魔化しているように思えるがこの後の事への説明へと移行した。

 

「ここら一帯は私らの私有地なんだけどね、あんたらの宿泊施設はあの山のふもとね」

『遠っ!!?』

「今は午前9時30分。そうね、早ければ12時前後かしらん。12時半までにこれなかったキティはお昼抜きね♪」

 

そんな彼女が指さしたA組の宿泊施設の行方、それは鬱蒼としている森の先にあった。勘のいい者ならばここで思うだろう、何故そんなに遠い此処でバスを降ろされたのかを……全員がまさかと……思い始めた辺りで相澤がニヤリと悪い笑みを浮かべながら言った。

 

「―――悪いね諸君、既に、合宿は―――始まってる」

 

直後、ピクシーボブが地面に手を当てる。そこからまるで土石流のごとく地面が盛り上がっていく。彼女の個性によって地面が操作され、A組を飲み込みながらそのまま崖の下へと叩き落としていっていくのをガイは見守りながらラムネを飲む。

 

「さてこれから始まるは合宿という名の試練だ、お前達はどんな風に突破するか楽しみだな―――少年、お前もラムネ飲むか?」

「……いる、暑いし」

「ほい」

 

ガイはマンダレイの傍に居る帽子をかぶった少年へとラムネを差し出した、それを乱暴に受け取りながらも飲み始める少年は落ちていったA組を侮蔑するような視線で見つめながら「くだらん」と吐き捨てながら車へと乗っていった。

 

「やれやれ……この地球も色々と問題が多いなぁ」




という訳でガイさんが合宿参戦です!!後劇場版に付いてなんですが、現在プロット製作中ですので以前の作品のように番外編としてあげる事を考えておりますのでご了承ください。
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