緑谷出久はウルトラマンと出会う。   作:魔女っ子アルト姫

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顕現する狂気

「高速剣戟戦仕様アタッチメント:AGUL接続完了。全パワーセル直結、システムオールグリーン……!!アグルさん―――大海の力、お借りします!!」

「レイオニクス……って事か、だったら最初から飛ばすぞ!!ギンガさん!!エックスさん!!痺れる奴、頼みます!!」

 

その姿を露わにすると同時に展開される青いスーツ、そしてオーブリングから溢れる光と共に発目から受け取ったアイテムを纏うガイ。それは正しく今回身に宿したギンガとエックスの力と親和性の高い物で体育祭で使用したモンスアーマーを発展応用させた物らしく、ガイとしてもかなり扱いやすさを覚えている。

 

「稲妻光煌くその姿!電光雷轟、闇を討つ!!」

『「光を宿す、大海が如く!荒れ狂う光の嵐!!」』

 

モンスアーマーがガイのウルトラマンの力と共用しつつ出力を上げながら稲妻のようなエネルギーが溢れ出しながら轟を巻き上げる。構えを取りながら同時にマントを翻しながら首元から競り上がってくる装甲の内側から瞳を輝かせながら出久はマグナに主導権を渡しながら共にガイに合わせたような口上を名乗った。それを目の当たりにしながらアウローラは「ク、クカカカァッ……」両腕を拘束しているように伸びている鎖を鳴らしながら乾いた不気味な笑いを響かせた。

 

「さあ祭りの始まりだ、血祭りにあげてやる!!」

 

巨大な大鎌、アウローラデスサイズを軽々と持ち上げながら一気に駆け出しながら一閃する。振るわれる度に空気が切り裂かれ、真空の刃が乱れ飛び彼方此方を傷付けて行くがそれらを全く躊躇しない。脳無格納庫が如何なっても良いと言わんばかりの行動に驚きながらも対応する。

 

「ヴゥァ!!」

「ドゥア!!」

 

低く唸り響くような声を響かせながら両者は大鎌を振るってくるアウローラへと立ち向かう。巨大且つ鋭利な大鎌、それをガイが受け止めつつもそこへ蹴り込んでいくがアウローラはそれを読んでいるのか取り回しが悪い筈の得物を自在に操りながら巧みに防御を行いながらも逆に掌底を浴びせ掛けるがその上から飛び掛かってくるように迫るマグナへと大鎌を差し向ける。

 

「ディアアアア!!!」

「ゥェア!!」

 

右腕から伸びた青白い光で形成された刃、アグルソードとアウローラデスサイズが激突する。火花を散らしながらも迫りながら、激しい剣戟が繰り広げられる中へガイも突撃しながら両腕から光の刃を伸ばしたギンガエックスセイバーで斬りかかる。

 

「アハハハハハッ愉しいな愉しいな愉しいなぁ!!矢張りウルトラ戦士との戦いは心が躍るなぁ血が滾るなぁさあ死ね今すぐ死ねたった今死ねぇ!!」

「ぐっなんだこいつ、さっきから言動がころころと変わりやがる!!」

 

不気味な程に言葉に統一性がなく、人格が幾つも存在し代わる代わる話しているような相手にガイは気持ち悪さを覚えながら大鎌に掴み掛りながら捻りながら抑え込む。そこへ左腕から鞭のように伸びていく蛇腹剣を振るって全身を切り刻むマグナ、その攻撃に一切の躊躇はなく冷静かつ大胆、そして迷う事もなく叩きこんでいくのに抑え込んでいるガイには一切攻撃が当たらない。それに舌を巻きながら鎌を抑えたまま肘打ちを加えるが、狂った叫びは止まらない。

 

「クカカカカカ!!やりますなァオーブッ!!」

「長物相手はレイバトスの時に経験済み何でな!!」

「ではこれは如何だ、アウローラ・ヘルシックル!!」

「シュオッ!!」

 

無理矢理跳ね除けながら鎌へとエネルギーを溜めるとそれを一気に振るう事で放出しながら刃を飛ばしてくる、それに対抗するようにガイはマグナの前に出ながら両腕にエネルギーを溜めながらそれへと拳を放つ。エネルギーの刃はガイの一撃によって砕け散って四散しながら格納庫内を破壊していき脳無へと直撃した爆発を起こしながら炎上する。

 

「オッとぉいけないいけない、ついつい気分が乗ってしまった。此処の番人をお願いされたのに守る物を一つ壊しちゃったよ、あ~あまあしょうがないよねぇどうせ此処にあるのは量産タイプだし」

「協力関係じゃないのか……?」

「いやいやいや正確に言えば互いが互いに利用しあってるってだけよ、この身体も態々エレキングを上げた見返りに用意して貰った物だし」

 

それを聞いて出久は息をのんだ。エレキング、USJで梅雨や峰田と共に襲われた30m級の宇宙怪獣。それも矢張りこのアウローラの差し金だったという事なのか、同時にその代わりに得た肉体というのも気になったがそれについてはマグナが即座に答えを出す事が出来た。レイブラッドの継承者、これを加味すればどういうことなのかも分かる。

 

「あの時、お前は確かに死んだ。だがそれは肉体的な意味でだな、貴様あの時に魂だけ抜け出て生き延びたのか……!!」

Exactly(そのとおりでございます)!!!流石はマグナ君、聡明だねぇ頭の回転が速いねぇ」

「そうか、確かレイブラッドは……」

 

ヤプールやヒッポリト星人さえも恐れた何万年にも渡って宇宙を支配していた全知全能の宇宙人、究極生命体レイブラッド星人。既に肉体は滅び去り亡霊に近い精神体で活動し嘗ての全盛期の肉体を取り戻すべく様々な暗躍をし続けた。そのレイブラッド星人も様々な怪獣やロボットなどを依り代にし活動していた。それになぞるならば……アウローラ自身も同じ手段を用いる事で生き延びたという事になるのだろう。

 

「そうさマグナ、お前がアサリナという犠牲の果てに生き延びた直後にお前は俺を殺してくれた。それは間違いないさ、だがこれでも俺はしぶとくてなぁ……こうして生き延びたって訳だ。そして俺はレイオニクスとして、レイブラッドの力を存分に扱った―――これとかな」

 

そう言いながら見せ付けたのはベリアルのメダルであった。既に存在しないベリアルの力を内包したメダル、それを生み出したのもアウローラの力。

 

「だが此奴の力は不安定で弱くてな、だからこそ強い怪獣で無理矢理安定させてやる必要があるんだよ」

「アークギャラクトロン……!!」

「そうか、だからあの二体を使ったのか……」

 

そゆこと、と小ばかにしたような態度を取りながらもアウローラはデスサイズを消しながらその手に新たな得物を握り込んだ。それを見たオーブは驚いた、何故ならばそれは光の国で開発されたゼットライザーであったからだ。

 

「まさかと思ったが、お前が如何してそれを持ってる!!?」

「私を舐めない方が良いよぉっ……色々と手段を使ったのさ。さてそろそろ次の良からぬ事を始めるとしようじゃないか!!」

 

そう言いながらもアウローラはゆっくりと下がっていくながら闇に紛れようとする、それを許すかとガイとマグナは追いかけて行く。そして直後―――ヒーロー達による脳無格納庫制圧が開始される、のだが最悪の事態は重ねり続けて行くのであった……追い付いた先ではアウローラはゼットライザーへと自らのカードを差し込んで起動させた。

 

 

AURORA ACCESS GRANTED

 

 

「さあマグナ、雌雄を決すとしようじゃないか―――お前の為に取って置きの怪獣を今日の為に認めてきたんだ、大きな拍手で出迎えてくれよ……そして感謝してくれよ。お前をアサリナの元へと送ってやるよ」

「貴様ぁ!!」

「させるかぁ!!」

 

走り出す両者、だがもう間に合わない……宙に浮かび合った3枚のメダルは自らの意志を持つかのようにゼットライザーへとセットされていく。そしてアウローラ曰く、取って置きであり最高最悪の存在へと昇華されていく。

 

―――ベリアル、異次元超人、滅亡邪神。

 

〔BELIAL〕〔MAGNA KILLER〕〔HYPER ELEKING〕

 

―――さあ殺してやる、殺してやるさマグナァ!!!

 

LIGHTNING MAGNA KILLER(ライトニングマグナキラー)




さあアウローラが遂に取り出した切り札―――ライトニングマグナキラーのエントリーだ!!ベリアル陛下、対マグナ用のマグナキラー、そしてなんとハイパーエレキングという飛んでも3セットにて登場する怪獣。巨大な相手にマグナと出久、ガイは勝てるのか。待て次回!!

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