基本的にこの小説って甘兎庵が関わらないと書きづらいんですよね。千夜が動かないとエリアが動かない・・・というわけで今日はいつもと視線を変えて、エリアの視点からどうぞ
エリアside
甘兎庵絶賛営業中、今日も様々なお客さんが来ます。
中には悩みをもったお客様もいらっしゃいます。
実はこのお店、時にはそんなお客様のお悩み相談なんかも受けたりするんですよ?
今日はそんなお客様と私、エリアと同級生の千夜の相談室の様子をお届けさせていただきます。
case1青山さん
「すみませーん、1名なのですがー」
今日いらっしゃったのは常連の青山さん。
小説家の方でよくここで執筆していらっしゃいます。
初めて会ったときは美人でびっくりしたなー
「いらっしゃいませ、あ、青山さん」
「エリアさんこんにちは・・・あら?今日はレトロモダンな衣装なのですね?」
「ん?あぁ、これは今月レトロモダン習慣なんです。」
「市松模様の羽織がいいですね。では今日は抹茶とクリキントンスパーキングをお願いします。」
「はい、ただいまー」
商品をお盆に乗せて、運ぶ。
「そういえば今日は千夜さんはいらっしゃらないのですね。」
「さっきあんこがカラスに拐われちゃって、追いかけています。」
「そうなんですか、さて」
青山さんの座るテーブルに原稿用紙が広げられた。
相変わらず真っ白だけど
「今日もさっぱりです・・・今日も閃きを求めて色々なところに行ってみたのですが。そういえばエリアさんはこの街のご出身ではないのですよね?」
「?、そうですけど?」
「私も同じなんです。生まれはここではなくて、高校からここに越してきたんです。」
「そうなんですか」
「良ければここに来たときの話を聞かせていただけませんか?今度はワクワクする冒険のお話が書きたいんです。」
「えーと、そうですね・・・」
ここに来た時の話・・・ココアと出会った話や千夜との日常、チノちゃん、シャロ、リゼさんとの話をする。
「素敵なお話ですね、ではなぜこちらの街にいらしたのですか?」
「!、えっえーと・・・それは」
「・・・すみません、あまりずけずけと聞くものではありませんね」
「ごめんなさい・・・」
「気にしないでください。私は小説を書く際にモデルを立てて、書くことが多いです。ですがそれは、その人のことを全て暴いて、赤裸々に書いていいということではありません。
なので、エリアさんが話したくないのならそれは私が書いていいことではないのでしょう。」
「青山さん・・・」
「暗くしてしまって申し訳ありません。追加で三宝珠をお願いできますか?」
「はい、ただいま。・・・あっそういえば」
お仕事のお手伝いができなかったので、隣に住んでいるカフェインで酔うバイト戦士のことをお話しました。
帰り際にはありがとうございます、と言われました。
そういえば、どんな本書いてるのか聞くの忘れたなぁ・・・
case2 チノ
今日来たのは喫茶店ラビットハウスで働くチノちゃん
よくあんこに会いに甘兎に来てくれます、けど、今日はいつもと様子が違います。
「実は最近私の学校の友達がラビットハウスに来てくれるのですが、その友達とココアさんとリゼさんが仲良くなって、私だけ置いてけぼりな感じなんです。」
「置いてけぼり?」
置いてけぼりとはどういうことでしょうか?
「それぞれ仲良くなっていて、私が入る隙間がなくて、それでなにかもやもやするんです。」
「それって嫉妬してるんじゃない?」
千夜がそういうと、
「しっと?誰にですか?」
「自覚がない!」
チノちゃんは首をかしげています。
「その友達とココアとリゼさんにじゃない?」
「これが嫉妬なのですか?ただ皆さんが私のこと忘れてしまっているみたいでした、それがもやもやするんです。」
立場は違うけど・・・これだけは言える
「・・・皆忘れてないよ、あのねチノちゃん」
椅子に座るチノちゃんと目線が合うように話す。
「忘れられるのってすごく寂しいと思う。けどね、忘れる方だって寂しいんだよ?気付いたら大切なものがなくなってて、次には忘れたことすら忘れてるのってすごく辛いんだ。」
俺がそうだったから
「だから忘れないように、近くにいるんだよ。
それで時々忘れないでねって声をあげなきゃ」
「忘れないように近くに、ですか?」
「うん、近くでこうやって話すのでもいいし。挨拶でもいいね。そういった時間の積み重ねが絆になるんだと思うよ。」
「私にできるでしょうか?」
「今できてるじゃない、絶対大丈夫!」
「そうそう!それに寂しいならウチの子になっちゃいましょ!」
「あ、それいいね」
千夜の言葉に同意、やっぱり寂しい思いするならウチに来ちゃえばいいと思う。
「ややこしいことに!?」
最後はグダグダだったけど、チノちゃんは心が軽くなりました、と言って帰っていきました。
後日、千夜から解決したみたい、と聞いて一安心しました。
case3 シャロ
今回はお店ではないですが、シャロ家からお送りします。
時刻は夜ですが、私と千夜でおじゃましています。
家主のシャロはベットに頭を押し付けて悶えています。
「あーん・・・むぐむぐ、それでなにがあったの?」
ラビットハウスからとこの間のお礼です。とチノちゃんから貰ったパンを食べながら聞く。
「シャロちゃん、ココアちゃん達、家バレ、オッケー?」
「オッケー」
なんだそんなことか
「あぁ恥ずかしい!こんな家見られて・・・」
「「慎みがあっていい家だと思うけど」」
「だから!二人して同じこと言わないでってば!」
「でもわかったでしょ?お嬢様じゃなくてもみんな幻滅したりしないわ。シャロちゃんはシャロちゃんよ」
そう言って千夜は紅茶を入れたカップを置いた。
「けど3人だけの秘密がバレちゃってちょっと残念かも」
「あーそういえば、俺と千夜しか知らなかったっけ?あれ?俺って最初から知ってたけどいいの?」
「エリアには誤魔化しようがなかったでしょ?」
「確かに」
「はぁ、もういいわ。今日貰ったパン食べるわ・・・ってエリア!?たくさんあったメロンパンは!?」
「食べちゃった」
「あ、私もいただいてるわ」
「ちょっと!!?」
食べちゃったのは悪かったけど、帰る時にもまだ怒っていたシャロ、お詫びに後日3人でやけコーヒー巡りに出かけました。
酔ったシャロにしこたまコーヒー飲まされて死ぬかと思いました。
case4 千夜
またまたお店ではないですが、今回は千夜
どうにもココアがホームシックで落ち込んでるだとか
「私、親友なのになにも聞かされてないわ・・・それに今日ココアちゃんが来たときにも気付けなかったし」
シャロからそのことを聞いたらしい千夜はショックだったみたいです。
「千夜も前に悩み言わなかったんだからおあいこだよ」
「うっ!」
「それでシャロ巻き込んでさっきまで漫才の練習してたでしょ。ココアを笑わせるためとはいえバイト終わりで疲れてるシャロを巻き込んじゃダメだよ。」
「うぐっ!」
「大体漫才って・・・素人がやってもスベるだけだよ。いつぞやの鎧着て挨拶した時みたいに」
「ぐはっ!」
ぱたり、と千夜が倒れた。言い過ぎたか
「・・・けど、ココアが元気ないの心配だね。俺も力になれることある?」
「!、それならとっておきのネタがあるの!!」
「だから漫才から離れて!?」
翌日、ココアの前で千夜と漫才しました。ココアは楽しかったみたいで最終的にはトリオ漫才になりました。
case5 リゼ
そしてお話は甘兎庵に戻ってきます。
今日のお客さんはリゼさんです。
先ほど私と千夜の携帯にリゼが特攻すると、ココアから連絡が来ました。
「この店はやらせない!」レッカバットウ!!
「待て待て誤解だ!」
お店の小道具の聖剣片手に挑んでみましたが、2秒で締め上げられました。いたた・・・
それで、今日リゼさんが来たのは、今度助っ人で行う劇の役作りに来たそうです。
おしとやかな役なので千夜とシャロに学びに来たのはいいけど・・・おしとやか?二人が?
疑問を抱えた俺を置いて、二人は奥へ行き、着替えて戻ってきた。
「おぉー・・・」
白いワンピースに着替えて髪型もいつもと違うリゼさん。
「すごい似合ってますね!」
「あ、あんまり見るな。」
そこから千夜と途中から来たシャロにより、役作りの指導が始まった。
指導の方ははしょらせていただきますが、概ねうまくいってたんじゃないかなと思います。
これは俺の出番はないかな・・・と思っていたのですが、
「やっぱり、こんなの柄じゃないよな。役も断るよ。」
色々あってリゼさん、疲れてしまったみたいです。確かに自分と真逆のことって疲れますよねって痛い痛い、リゼさんとシャロ頬をつねらないで・・・その時でした
「やりたいことを諦める必要がどこにあるんでしょう」
「えっ?」
ちょうど来ていた青山さんの一言にリゼさんが止まった。
「そうですよ、リゼさん楽しそうでしたよ。劇も楽しみにしてるんじゃないですか?」
俺も思ったことを言ってみる。
「・・・あぁ。実はそうなんだ。」
それなら、続けるしかないでしょう。
「だったらやってみましょう!できないならできるまで俺たち付き合いますよ!」
「エリア・・・ありがとうな」
その後しばらく練習しました。
でも結局劇を見に行ったシャロから聞いた話では原作ではおしとやかなキャラでしたがリゼさんの性格にあったキャラに変更された脚本だったそうです。
本人は少し残念そうでしたが、写真で見せてもらったリゼさんはすごく輝いていました。
・・・
これで最後かな?ここのところ相談事が多かったな。
そんな最近のことを思い出しながら開店準備、さて、そろそろお店を開く時間だ。
今日は千夜が映画に行くので、いない分頑張らなくては!
カランカラン♪
さぁ今日も玄関が開かれる。
「いらっしゃいませ!甘兎庵にようこそ!」
喫茶店こそこそ話
千夜が休みで抜けてる分は基本的にエリアが埋めています。
その分エリアには強制的に休みをとらせるのが甘兎の共通認識になっています。