緑茶風少年   作:アユムーン

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よ、ようやくクリスマス。年内に間に合わなかった・・・

明日お正月話、いけそうなら行きます!

後、タグ追加してみました。
コメントしてくだった方ありがとうございました!


来るわ聖夜、明かせよ本心

街のあちこちからクリスマスソングが流れる時期になった。

 

そして今日がクリスマスイブである。

 

ここに至るまでそれなり色々なことがあったが、気づけばここに来て半年以上経っていた。

 

「(ほーんと色々あった・・・)」

 

普通こういうことは年の瀬に考えることだと思うが、少しお店の手が空いている今、今年のことを振り返っていた。

 

「(列車でココアに会って、ここで千夜に店主さん、シャロ、青山さんに会って、ラビットハウスでリゼさんとチノちゃんに会って、マヤちゃんメグちゃんにも出会った。本当にたくさん出会いがあった・・・)」

 

たくさんの出会いに思いを馳せていた、しかしその表情は重い

 

「(きっと来年もすごく楽しいだろうな・・・けど)」

 

数日前、実家から年末年始は帰ってくるように、という連絡が来た。

 

本当は行きたくない。

 

帰るよりも、ここで過ごしていた方が何倍も楽しいに決まってる。

 

けど、

 

「(ワガママ言ってここに来てる身だ。礼儀はしっかりとしないと)」

 

義務感のようなものがエリアを縛っている。

 

その時ふと、店員側のカウンターの端に置いてあるメッセージカードに目を向ける。そこには、

 

『さぁ聖なる夜の時間だ 来るがよい!』

 

と、書かれている。

これは本日ラビットハウスで行うクリスマスパーティーの招待状だ。

 

「さぁエリア君、今日の仕事は早めに切り上げてパーティーに行くわよ!」

 

千夜は今日のパーティーをすごく楽しみにしている様子で、朝から張りきっている。

 

「シャロちゃんとエリア君とのコントもいいわよね。一発芸も今日のためにいくつか仕込んでいるの!」

 

ほら!花鳥風月ー!と扇子を振り回して舞う千夜、本当に楽しそうだ。

 

「・・・エリア君?どうしたの?」

 

「・・・なんでもない、片付けしてくるね。」

 

暗い顔をしていたようだ、千夜に心配されてしまったので、これでは行けないと、仕事に打ち込む。

 

しかし、自分が暗い顔をしていることも、今笑顔で接客ができていないことも・・・今エリアは分かっていない。

 

 

・・・甘兎庵の仕事が一段落、店主と千夜のお父さんにお店を任せて、エリアと千夜はラビットハウスへ

 

「クリスマスプレゼント忘れてない?」

 

「うん、ちゃんと持ってるよ。」

 

「・・・エリア君、ちょっとごめんね」

 

ぴとっとエリアの額に手を当てる千夜

 

「?千夜?」

 

「熱はないわよね?しんどくないかしら?なんなら今日のパーティーお休みしてもいいのよ?私看病するわ」

 

「・・・ごめんね、本当に今は大丈夫。実は友だちとクリスマスパーティーするの初めてだから緊張してるんだ。」

 

「そうだったの?」

 

嘘ではない、かといって完全に真実でもない。

 

「さぁ行こう。皆待ってるよ。」

 

・・・ラビットハウス

 

「うわぁ、大盛況だな。」

 

「ごめんねー、パンケーキが人気みたいで」

 

ラビットハウスは大盛況、人で溢れかえっていた。

 

「よしっ、それじゃあ延長業務といきますか。」

 

「そうね、甘兎組の力、お貸しします!」

 

エリア、千夜はエプロンを借りて、ラビットハウスの手伝いを始める。

 

途中パーティーに来たシャロ、メグ、マヤも含めて皆で手伝い、騒がしい店内となった。

 

・・・

 

「夕焼けの糸お待ち!」

 

厨房を手伝う千夜がナポリタンを作り、ホールのメグに渡す。

 

「は、はい!えーと夕焼けの糸のお客様~?」

 

「マヤちゃん、それはあそこ。俺が行くよ。」

「こら千夜ぁ!勝手にメニュー名変えない!」

 

千夜のメニュー名改編に即座にエリアとシャロがサポートに入る。

 

「すばやい連携・・・あれは戦場でも通用するぞ!」

 

「リゼちゃん!ここは一種の戦場だよ!甘兎組に負けないように頑張ろう!」

 

・・・

 

「チノー!次はこのコーヒーお願い!」

 

「はい、マヤさん、その前にこちらをお願いします。」

 

机の上にずらり並ぶコーヒーの数々

 

「これは一気には無理だよ!、あっエリア!運ぶの手伝って!」

 

「え!?あ、うん、分かった・・・」

 

「お、俺が飲むんじゃない俺が飲むんじゃない俺が飲むんじゃない・・・」ガクガクブルブル

 

「生まれたての小鹿じゃん!」

 

「エリアさん!前見て歩いてください!」

 

・・・

「甘兎で働くところは見てるけど、一緒に働くのは始めてだな。」

 

空いた机を素早く片付けるリゼ

 

「そういえばそうですね。」

 

リゼが片付けた机を素早く拭くエリア

 

「なかなかいい動きじゃないか、なにかしてたのか?」

 

溜まった洗い物を洗っていくリゼと

 

「なにもしてませんよ。ただ同僚がよく休むので鍛えられたんです。」

 

その洗い物を拭いていくエリア

 

「す、すごい、なにも言わずに連携してるよあの二人」

 

驚くココア

 

「くぅ、リゼ先輩とあんなに近くで・・・うらやましい」

 

・・・

「このパンケーキってココアが作ったの?」

 

エリアが運ぶのはクリスマス限定のパンケーキ

 

「うん、パン作りの応用だよ!美味しそうでしょ?」

 

「うん・・・すごい美味しそう・・・うん・・・」ジィーキュルルルン・・・

 

とても美味しそうなパンケーキに目を奪われるエリア

 

「え、エリア君?食べちゃダメだよ?」

 

「分かってる、分かってるよ・・・うん・・・」ジィー・・・

 

「ふりじゃないからね!?本当にダメだよ!?後で作ってあげるからね!?」

 

「し、シロップ増し増しは?」

 

「かけ放題だから!ちゃんと前みて歩いてー!」

 

・・・そんなこんなで

 

「それではおつかれ!メリークリスマス!」

 

かんぱーい!!

 

業務終了、お楽しみのパーティーの始まりである。

 

「はい!エリア君お待たせ!シロップ増し増しだよ!」

 

「!!いただきま「はい、ストップ」んがっ!」

 

ココアのパンケーキに手を伸ばそうとしたが、千夜に阻まれる。

 

「デザートは最後、それにエリア君なにか忘れてるわよね?」

 

「うっ」

 

「なにを忘れてるのよ?」

 

「これよ」

千夜の手にあるのはシーザーサラダ

 

「サラダ?」

 

「ほら、エリア君、口開けて」

 

野菜をこれでもかと刺したフォークをエリアに向ける。

 

「んー!んー!」

口を閉じて首を振って拒否するエリア

 

「?エリアさん、野菜苦手なんですか?」

チノがその様子を見て聞く。

 

「煮たり、焼いたりすれば平気なんだけど、生はどうしても嫌みたいで」シュッシュッ

 

「チノちゃんと一緒だねー」

 

「っ!ココアさんも同じです!」

 

「っ!っ!」サッサッ

迫るフォーク避けるエリア

 

「キリがないわね、リゼちゃん」

 

「んー、かわいそうだけど仕方ないか」ガシィッ

 

「!?」

 

「もう動けないだろ」

リゼに後ろから羽交い締めされる。

その際背中に当たる柔らかい感触は・・・

 

「まっ、待って!?リゼさん!!?当たって「えーい」むぐぅっ!!?」

 

止めよう口を開いたときにそのままサラダを突っ込まれる。

 

「!!?!!!!?」モグモグ

 

「でも口に入れたら絶対吐き出さないのがえらいわよね」

 

なんとか咀嚼しているエリアの頭を撫でる千夜

 

「あの二人って恋人同士みたいだよねー」

 

「恋人っていうかペットと飼い主じゃね?」

 

「それ以前千夜さんも言ってました。」

 

チマメ隊の鋭いツッコミが刺さるなか、エリアはなんとか嚥下することができた。

 

そして、楽しい時間はあっという間に過ぎていき、各々帰り道を進む。

 

マヤとメグは迎えを呼んだリゼと共に

 

帰る家がほぼ同じエリア、千夜、シャロは一緒に帰る。

 

「楽しかったわねー、こんなに素敵なプレゼントももらっちゃって」

 

「そうね、私のプレゼントがリゼ先輩に渡ったし、いいことだらけだったわ・・・」

 

「そうだね。」

 

プレゼント交換で回ってきたプレゼントを嬉しそうに眺める。

 

「さぁ、クリスマスが終わったら今度はお正月よ!甘兎庵の本番はむしろここからなんだから!頑張りましょうね、エリア君」

 

楽しくて忘れていた。

 

「・・・実はさ、千夜」

 

あぁ・・・嫌だなぁ

 

「?」

 

「俺実家に帰らなきゃいけなくて」

 

本当はここにいたいのに、離れたくないのに

 

「あら、そうなの?でもエリアの実家て都会の方でしょ?暫くかかるんじゃない?」

 

「うん、だから年末年始はお休み「エリア君」!、千夜?」

 

「・・・年末はともかく年始は早く開くの、だからバイトさんの人数も少なくて、人手が足りないの。」

 

「そう、なんだ」

 

「だから、エリア君にいてほしいわ」

 

「!」

 

「ちょっと千夜、流石にそれは「ごめんね、少し静かにしてて」!」

 

シャロの言葉を遮って、エリアの瞳をまっすぐに見つめる。

 

「必要ならおばあちゃんにお願いして、家の人に連絡してもらいましょう。大丈夫、きっとなんとかなるわ」

 

「で、でも・・・」

 

「『エリア君は』どうしたいの?余計なしがらみはなしにして?」

 

千夜の言葉が響く。

他でもない、自分自身がどうしたいのか、本心は・・・

 

「・・・いいかな」

 

「エリア君?」

 

「年末も年始もお世話になってもいいかな?俺頑張るから」

 

「もちろん、シャロちゃんも来てくれるでしょう?」

 

「えぇっ!?いや、私も年末年始は忙しいんだけど!?」

 

突然の指名に慌てるシャロ、その様子を見て

 

「あはは・・・ありがとう」

 

思わず笑みをこぼして、お礼の言葉が出た。

 

・・・宇治松家、千夜の自室

 

エリアが風呂に入っている間、千夜はシャロと電話していた。

 

『ねぇ、さっきのあれなんだったの?いくらなんでも他所のお家のことに首突っ込むのはどうかと思うけど?』

 

「そうね、やっぱりそうかもしれないわね」

 

『そうかもしれないわねって・・・だったらなんで』

 

「話してる間、エリア君ずっと下向いてたの。あれは何かに迷ってる時とか、嫌なこと考えてるときのエリア君の癖なのよ」

 

『!、だからあぁ言ったの?』

 

「うん、けど最終的に決めたのはエリア君よ。私は逃げ道を作ってあげただけ」

 

『・・・まだエリアのことなにも分からないからなにも言えないけど、それでいいのかしら?』

 

「それも分からないわ、けど逃げたっていいじゃない。

 

辛いなら、苦しいなら逃げてもいいじゃない。

 

エリア君は自分で逃げるって決めた、だから後悔はないはずよ。」

 

『はずって・・・』

 

「エリア君が笑ってたから私はひとまずそれでいいと思うわ。

 

それでもいつまでも逃げられるとは思わない、いつかきっと向き合わなきゃいけない時がくる。

 

その時は逃げ道をあげるんじゃなくて、一緒に進んであげたいの。」

 

『・・・そうね、ねぇ千夜』

 

「なぁに?」

 

『前はエリアは友だちって言ってたわよね。』

 

「えぇ、もちろん今もよ?」

 

『本当に?』

 

「え?」

 

『千夜が友達思いなのは知ってるわ。でも今の千夜は本当にエリアを友達として助けたいの?』

 

「・・・何いってるのシャロちゃん?」

 

『だから「ごめん千夜少しいいかな?」エリア?』

 

千夜の部屋にエリアが訪れたようだ。

 

「えぇ、いいわよ。ごめんね、シャロちゃん。お話はまた今度お願い『ちょっと千夜!』」ピッ・・・

 

電話を切った。

 

「お待たせしてごめんなさい、ちょっと電話してて」

 

「そうなんだ、ごめんね。それからさっきはありがとう、店主さんにお願いしてもらって」

 

「いいのよ。おばあちゃんもそういうことは早く言いな!ってすぐに電話かけてくれたじゃない。」

 

「うん、だから年末年始もよろしく。それから・・・これ」

 

「!、これって」

 

「えっと、千夜にはたくさんお世話になったから・・・そのプレゼント・・・です。」 

 

手渡したのはラッピングしたプレゼント、エリアから千夜に贈る個人的なプレゼントだ。

 

「ふふふっ先を越されちゃったわね。」

 

千夜は少し大きめのラッピングした箱を、戸棚から取り出して渡す。

 

「!、千夜」

 

「私からもエリア君にハッピークリスマス。

 

皆には内緒にしないといけないわね。」

 

「・・・うん、ありがとう」

 

なにも相談していないのに交換されたプレゼント

 

それに込められた想いがなんなのか、今の二人はまだ知らない。




喫茶店こそこそ話

エリアからのプレゼントは簪、お店で千夜がお店の簪をさして使っているを見て、似合うものをプレゼントしたいと思ったそうですよ。かなり迷ってさがしたそうです。

千夜からのプレゼントはZライザー(ウルトラマンのおもちゃ)、土曜日の朝のお家のテレビを独占するわけにいかず、いつもスマホで見ている姿を見て好きなのかな?と思って購入したそうですよ。
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