緑茶風少年   作:アユムーン

44 / 100
クリスマスシーズンにラビットハウスが大忙し!?なのにココアとリゼがバイトに来られなくて未曾有の危機に!!

エリアはエリアでとあることに大ピンチ!?

どったんばったんなクリスマス喜劇の始まり始まり!


オウトウセヨ!ラビットハウス緊急要請!

少し雲行きが怪しいとある日、チノはバイトに出掛けたココアに傘を届けるために出掛けていた。

 

ココアは掛け持ちのバイト先からもう少し続けてほしいと頼まれ、リゼは部活の助っ人に駆り出されており、しばらくお店には出られないとのことで・・・

 

「お、お店くらい私一人で回せますし・・・」

 

「震えておるぞ」

 

人手不足になるかもしれない・・・なんて不安に少し震えているチノ、頭の上にいるティッピーも思わずツッコんだ。

 

そうこうしていると、視線の先に出店を熱心に見ているエリアがいた。

 

いろいろ見ているがすぐに首を振ったり、頭を掻いたりと、納得していない様子・・・

 

「エリアさん!」

 

「!、チノちゃん」

 

思わず声をかけたチノ、そんなチノに驚いた様子のエリア、どうやら声をかけるまでこちらには気付いていなかったようだ。

 

「もしかしてプレゼント選びですか?」

 

「うっ、うん、中々決まらなくてさ」

 

「?、どうしたんですか?あせびっしょりです」

 

「あ、あはは、着込みすぎちゃって」

 

額に汗がにじみ、目が泳ぎまくっている・・・これは

 

「エリアさん、そんな嘘すぐにバレますよ」

 

「ですよね・・・」

 

明らかな嘘だ、あっさりと看過されたので正直に告白する。

 

「なにか考え事ですか?」

 

「え、えーと、実は」

 

・・・エリア事情説明中

 

「!!、そんなことが」

 

チノに事情を話したエリア、その内容にチノも驚きを隠せなかった

 

実はエリアが選んでいたプレゼントはシークレットサンタのものではない、また別のことでプレゼントを探していたのだ。

 

むしろシークレットサンタのプレゼントは即座に選んで既に購入済みとのことで・・・

 

「まぁサンタの方も最初は面食らったけどね、けどすぐに切り替えたんだよ」

 

「そうなんですか?一体誰のサンタに?」

 

「それは内緒」

 

「そうでした・・・それにしても今悩んでる方は難しいですね・・・」

 

「うん」

 

「千夜さんにこのことは?」

 

「・・・まだ伝えてない、さっき連絡来て、急いで探してたんだよ・・・はぁ、本当にどうしよう・・・」

 

頭を抱えて項垂れる、それほどに考えるのが難しいプレゼント

 

「正直クリスマスでなくてもいいからさ、なにか贈りたくて」

 

「けど、難しいですね・・・」

 

「うん・・・こうなったら皆に相談してみようかな。」

 

「そうですね。けど、今皆さん忙しいのではないでしょうか」

 

「そうなんだよね」

 

クリスマスなので、どこのお店もクリスマス商戦に勝つために手を変え品を変えて、忙しくしている。

 

ラビットハウスも甘兎庵も今大忙しなのだ、きっとたくさんのバイトをしているシャロも

 

「私もココアさんとリゼさんがいなくて・・・不安なんです」

 

「それなら俺でよかったら呼んでよ・・・って俺も忙しいかもしれないのか

 

「「・・・はぁ」」

 

思わず二人はしてため息が零れた。

 

・・・その日の夜

 

「「ごちそうさまでした」」

 

千夜とエリアが晩ご飯を食べ終わっていた。

 

「美味しかった、もうエリア君の料理の虜だわ」

 

「虜って、今日は二人で作ったでしょ?」

 

「それでもよ、そういえば今日チノちゃんに会ったの」

 

「うん、チノちゃんとは俺も会ったよ。お店大変みたいだね」

 

「そうなの、だからいつでも声かけてって言ったんだけど大丈夫かしら」

 

「うーん、チノちゃんこっちにも迷惑になるかもって思ってそうだったし、俺たちも忙しくなるかもだし・・・」

 

「そうよね、・・・それよりチノちゃんに会ってたの?」

 

「うん」

 

「この間シークレットサンタのプレゼントは用意したって言ってたのに、今日もおでかけしてたのね。どこに行ってたの?」

 

「え?えっと・・・」

 

千夜的にはエリアが自発的にお出かけするようになって、良い傾向である・・・と考えての言葉だったが、エリアは目的が目的なので上手く答えられない。

 

もちろんエリアだって隠すつもりはない・・・が言いづらいことなのだ

 

その様子を見た千夜はまたエリアの身に何かあったのでは、と心配の様子

 

「もしかして言いづらいことなの?」

 

「ち、違うんだ、えーと『♪~♪~♪~』!」

 

なんと説明すればいいのか分からず、困っているとエリアの携帯が鳴った。着信相手は・・・

 

「チノちゃんだ、ごめんちょっと出るね」

 

チノからの電話に出る。

 

「もしもし、チノちゃんどうしたの?」

 

「エリアさんっ!今近くに千夜さんはいらっしゃいますか?」

 

「うん、いるよ 俺たちに用事?」

 

「はい」

 

「分かった、今スピーカーに変えるね」

 

スピーカーに変えて、机の上に置いた。

 

「それでどうしたのかしら?私たちに用事ってもしかして」

 

「ラビットハウスのお手伝いかな?」

 

「はい・・・実は」

 

今ラビットハウスはたくさんお客さんが来ているらしい

 

なんでも、ラビットハウスを凛に取材してもらい、紹介された雑誌が刊行されて、今月いっぱいは忙しくなりそうなのだ

 

しかし、ココアは現在も疲れて寝てしまうほど忙しく、リゼも同じく忙しい、マヤやメグだって受験勉強がある・・・千夜とエリアだって忙しいに決まってる・・・だけど

 

「ダメでもいいから聞いてみたいんです。千夜さん、エリアさん、支援要請です!どうかラビットハウスを助けてください!」

 

ダメ元のチノからのSOS、それを聞いて二人は・・・

 

「千夜」

「エリア君」

 

二人の視線が重なる。

 

チノの気持ちは分かった。

きっとココアとリゼが店の現状を知ったら無理をしてでもお店に出ようとするだろう。

 

例えそれを断れたとしても、二人の心には引っ掛かりが生まれる。

 

チノはそれを望んでいないのだ、二人が思い切りやりたいことをやれるように何とかしたがっている。

 

・・・だから

 

「俺絶対に無理しないって約束する。こっち(甘兎庵)でもあっち(ラビットハウス)でも絶対にしない。」

 

エリアの約束と

 

「私もそうならないようにエリア君のことしっかり支える。だからエリア君も私のこと支えてくれるかしら?」

 

千夜の決意が

 

「もちろんだよ、だから」

 

「「二人で一緒に」」

 

今一つになる

 

「・・・えっと、それでどうでしょうか?」

 

「あっごめんね、チノちゃん」

 

「私たち二人とも行けるわ!」

 

「!、ありがとうございます!」

 

「ただこっちの仕事もあるから、交互になると思うけどそれでもいいかな?」

 

「もちろんです!助かります!」

 

「それじゃあ詳しい時間とか、送ってくれるかな?こっちと照らし合わせて出れる時間送るよ。」

 

「分かりました!本当にありがとうございます!」

 

ピッ!・・・

 

「さて、これから忙しくなりそうね」

 

そういうが、千夜の顔はどこか嬉しそうだ。

 

「うん、そうだね」

 

エリアも同じ気持ちだ、チノが自分達を頼りにしてくれている、それがなんだか嬉しかった。

 

そして

 

「(チノちゃん、きっとすごく悩んだろうな・・・)」

 

皆のことを考えると助けが呼びづらいと言っていたのに、素直に皆にヘルプを出せたのだ

 

皆なら応えてくれると信じて

 

だったら・・・自分は?

 

「(皆を信じてるから、助けてもらいたい。

 

 皆に信じてもらえてるから助けたい。

 

 俺も・・・)千夜、あのね?」

 

・・・翌日

 

「よしっ、今日は千夜とチノがラビットハウス行ってるからこっちは俺が頑張るぞ!」

 

甘兎庵の仕事に精を出すエリア

 

「エリア」

 

「!!店主さん」

 

「無理はするんじゃないよ」

 

「!!、はい!」

 

以前は自分が頑張らなくては・・・と、自分を追い詰めていたが今は違う。

 

千夜や店主だけじゃない、ここにはまだまだ働いている人がいる。

 

自分一人が頑張る必要はない。頼ればいいのだ。

 

「皆の声を聞いて、ちゃんと協力します!」

 

「・・・その顔なら大丈夫だね。ならしっかりやりな!千夜の抜けた穴を埋めれるのはアンタしかいないんだよ!」

 

「!!!、はい!!」

 

・・・その日の夜

 

「ラビットハウスどうだった?」

 

「えぇ、新鮮な気分だったわ。ほらこんな感じだったの」

 

千夜に見せてもらった写真にはチノとシャロと千夜が並んでいる楽しそうな姿が・・・

 

「甘兎・フルール・ラビットハウスの看板娘隊よ!」

 

「ははっすごいな、これは」

 

「エリア君は?今日大丈夫だった?」

 

「うん、クリスマス限定メニュー『究極の聖夜』もいい感じだったし、問題ないよ。」

 

「お店じゃなくて、エリア君のことよ?プレゼントのことなにか決めた?」

 

千夜のいうプレゼントは、チノと会った時に探していたプレゼントのこと、昨日千夜にも事情を話したのだ。

 

「あーそっちか・・・まだなにも」

 

「あのね?今日チノちゃんとシャロちゃんと話してて思い付いたんだけど、プレゼント、あの子ならどうかしら?」

 

「?あの子?」

 

「あの子よ!」

 

千夜が指差す方には部屋に飾ってあるZライザーと、プロガントで千夜とシャロからもらったおもちゃと・・・もう一つ

 

・・・翌日

 

「さて、今日は俺だな」

 

休日であったが、午前中のラビットハウスを手伝うこととなったエリア

 

「服装なにも決まってないんだよな・・・バーテンダーの衣装か最悪私服にエプロンでも大丈夫かな?」

 

そういってドアを開けると・・・

 

「・・・」ぶわっ

「なみだーっ!?」

 

「なにこの状況・・・」

 

泣いているチノとあんこ、ワイルドギースを頭に乗せたメグとマヤが慌ててチノを慰めていた。

 

・・・

「なるほど、皆の制服に感動して泣いてたのか」

 

実は昨日はラビットハウスにお泊まりしていたあんこを頭に乗せて、エリアが言った

 

昨日の千夜とシャロの制服も緑と黄色いラビットハウスの制服、そして今のマヤとメグもそれぞれをイメージしたカラーの制服なのだ。

 

「な、泣いてません!今の時期大変なのに二人が来てくれてビックリしたんです!」

 

「それはチノもでしょ?それからエリアおはよー!今日はエリアも来るの?」

 

「うん、二人もなのかな?よろしくね」

 

「はい!遂にエリアさんとお仕事できて嬉しいです!」

 

「!、そっか、じゃあメグちゃんのお手本になれるように頑張るよ。それじゃあ早速着替えてくるね「あ、あの!」?チノちゃん?」

 

「これを昨日ココアさんに渡されたんです。」

 

そういってチノから手渡されたものは・・・

 

・・・

 

「ど、どうかな?」

 

チノから渡された制服を着たエリア、ココアが作ったというその制服は・・・

 

「すごい!カッコいいじゃんエリア!」

「ビシッとして大人っぽーい!」

 

黒っぽいシャツに黒のズボン、そして白の腰巻きエプロン

 

しかし、ただのシャツではなく襟や袖に金色のライン、エプロンにも同じようなラインが入っていた。

 

「サイズは大丈夫ですか?ボタンが取れかけたりしていませんか?」

 

「うん、大丈夫だよ。それにしてもいつ準備してたんだろうね?」

 

「分かりません。けどその制服と昨日千夜さんとシャロさんが着ていたのは母の作りかけをココアさんが作り上げてくれてたんです。今マヤさんメグさんが着ているのはリゼさんが用意してくれたそうです。」

 

「そっか、これ俺のイメージっぽくて好きかも」

 

「お似合いです・・・あれ?エリアさん指どうしたんですか?」

 

エリアの指にはいくつも絆創膏が貼られている。

 

「これ実はね・・・」

 

チノにこっそり耳打ちする

 

「!、すごく素敵だと思います!」

 

「でしょ?千夜が考えくれたんだ、それから作り方も今教えてもらってるところ。指は何回か針刺しちゃったんだけど、千夜が大袈裟に貼ってるだけだから問題ないよ」

 

「よかったです・・・エリアさん、マヤさん、メグさん」

 

「?どしたのチノー?」

 

「今日はよろしくお願いします、その意味を込めて・・・」

 

チノが手を差し出す・・・それを見て

 

「!、なるほど」

「チノちゃんから珍しいねー、ココアさんの影響?」

「ちっ違います!ただやる気をいれようと思ったんです!」

 

マヤとメグがその手に自身の手を重ねる。

 

「えっと、俺も入っていいのかな?チマメ隊の邪魔じゃない?」

 

「なに言ってんのエリア!」

「そうですよ!私たち四人揃った部隊がありますよ!」

「!、そうか!なら俺も」

 

エリアも三人の上に手を合わせる。

 

「さ、チノ!号令よろしく!」

 

「はい!チマメェー隊!出動です!」

 

「「「おー!!」」」

 

四人で手を上げて、気合い完了!本日のラビットハウスはいつもより賑やかに営業中!

 




喫茶店こそこそ噂話

エリアが探していたプレゼントは千夜の提案で手作りのプレゼントになったそうですよ。数が多いのでクリスマスには間に合いそうにありませんが・・・今一生懸命製作中だそうです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。