今日の甘兎庵は少し騒がしい
「ていっ」
「やぁっ」
「腕を上げたな、そろそろ50%の力を出そうかな」
「望むところ、私もまだ30%の力しか出してないの」
忍者衣装に身を包んだココアと千夜が刀をもって闘っています
キン!コン!カーン!
「喫茶店で店員がチャンバラしてます」
「小学校の休みかよ、エリアー止めなくていいのー?」
「うん止めるよ・・・こほんっギャーギャーギャーギャーやかましいんだよ、発情期ですか?コノヤロー」
「エリアさんが反抗期に!?」
その日は甘兎で勉強しに来ていたチマメ隊に頼まれたエリアは青い波の模様が入った白い着物を着て、木刀を引っ提げてた侍になり、騒ぐ二人を止めました。
頭の上には『定春』と書いてある首輪を着けたあんこが乗っています
・・・
「それにしてもエリアのコスプレすごいね、これヅラ?」
「ヅラじゃない、かつらだ!」
エリアの髪はいつもの明るい茶色ではなく、白髪になっていました
「エリア君のは前に使った服だけど今は時代劇に影響されて忍者フェア中なのよ、皆に甘兎忍法を魅せてあげるわ!」
「度肝抜いちゃうよ!」
「ここ喫茶店ですよね、エリアさんもノリノリですね」
「もう慣れてきたし、思いきってやっちゃった方が楽しいもんだよ」
「そういうものなんですか・・・ウチも何かするべきでしょうか?」
「!、チノちゃん!それならぜひ魔法少女チノちゃんに!」
「!、私はやりません!!」
・・・そこに
「こんにちはー」
お客さんがやって来ました
「!、忍者接客来るか~?」
マヤは千夜たちの忍者になりきった接客に期待しましたが・・・
「あ、いらっしゃいませー!」
「素に戻るのかよっ!?」
あっという間にいつもの折角に戻る千夜、マヤは少しがっかり・・・
「いらっしゃいませ~、今日のおすすめは宇治金時丼です~」
「!?ご飯にあんこがかかっています!?」
エリアは若干役になりきって接客していました。進めているのものはゲテモノでしたが・・・
・・・
「なんだ、折角だから忍者になりきった接客みたかったのに」
「ごめんね、でも自分ではない自分になりきるのって難しいのよね、リゼちゃんやシャロちゃんはすごいわ」
「エリア君も上手だよね!」
「俺の場合はお手本になる役があるからね」
「!、二人ともその格好で宣伝したら一目が引けそうだよね!」
「流石にこのまま街へ行くのは勇気が・・・ね?エリア君?」
「俺は別にいいけど」
「!?」
「なんなら行ってこようかな、確かに宣伝にはなるし」
身内の前ならはっちゃられる千夜と身内の前でなくてもはっちゃけられるエリア、対照的な二人
「エリアさんはこういうことに乗り気になるんですね」
「うん、楽しいからね。千夜もビラ配り行こうよ」
「私もそう思う!ここの楽しさが広まらないのは勿体ないよ!」
普段から千夜とエリアからいろいろ教わっているメグが千夜を応援
「メグちゃん・・・」
「そ、それにね?ちょっと耳貸してくれる?」コソコソ
「なにかしら?」
「このまま行っちゃえばエリアさんと二人っきりになれるよ?」コソコソ
「!!」
そう、エリアと千夜は帰る場所こそ同じだが二人っきりということはあんまりない
家では二人以外に家族がいるし、お店ではお客さんがいるしで二人っきりということはあんまりないのだ
・・・これはチャンス
「ありがとうメグ姫!御意!城はおばあちゃんに任せていざ参るわよー!」
早速走り出した千夜、とても騒がしい
「忍ぶ気のない忍者だ!」
「忍びなれども忍ばないってね、それじゃあ行ってきまーす」
エリアもその後を追う。
・・・
「甘兎庵でーす!」
エリアは張り切ってビラ配り、少し離れたところではココアとチノから照れ隠しできるアイテムこと仮面を着けてビラを配る千夜、照れも消えたのか元気に話している姿を見て一安心・・・そんな時でした
「ぐぁぁぁ!!」
ゴロゴロゴロゴロンッ!
千夜の足元に向かって、人が転がってきました
「!?ラパンっ?(の格好をしたシャロちゃん!?)」
「くっ、こんなところで転ぶなんて・・・あっ!ごめんなさい!営業の邪魔でした!?」
千夜と同じく宣伝をしていたシャロ、どうやら転んでしまったようです。急いで立ちましたが、目の前にいるのが千夜だとは気づいていない様子です。
「!、シャロ大丈夫「お互い仮面営業大変ですね」むぐっ」
転んでしまったシャロを見つけたので駆けつけたエリアの口を慌てて塞ぎ・・・後ろを向いてコソコソ話す
「エリア君!今シャロちゃんは私たちだって気づいてないみたいなの!」コソコソ
「?それがなんなの?」コソコソ
「おもしろいからこのままでいきましょう!」コソコソ
「いや面白いって・・・でも俺仮面ないからすぐばれるよ?」コソコソ
「しゃくれるのよ、しゃくれとけばなんとかなるわ」コソコソ
「あ、あのー?大丈夫ですか?」
「あ!ごめんなさい!ちょっとこの後の相談していて(低めの声)」
「次どこを回るか相談してました」(しゃくれ顔)
言われた通り顎をしゃくるエリア
「?そちらのかたは?何故変顔を?」
「ど、同僚です!変顔はこういうキャラなんです(低めの声)」
「それにしても、なんで走っていたんですか?」(しゃくれ顔)
「ちょっとしたイベントで子ども達と追いかけっこをしていたんですけど高校生一人が張り切っちゃって・・・」
指差す方を見ると・・・
「私につづけー!」
「わぁ、子ども思いの素敵な高校生ですね!(低めの声)」
「あれ一番はしゃいでない?」(しゃくれ顔)
よく見知った高校生・・・リゼが子ども達を率いて走っていた
「うっ、バイト疲れで目眩が・・・」
「!、大丈夫ですか!?」(しゃくれ顔)
シャロが倒れそうになる、かなり疲れているようだ・・・そんな状況で子どもがこちらを発見してしまう
「エリっ・・・甘党侍!この人をお願い!」
「え?この人そんな名前なんですか?」
「よく分からないけど任せて!」(しゃくれ顔)
シャロを抱えて茂みに隠れる、そこに遂にリゼが来た!
「誰だ!?」
「わっ、我が名は大泥棒イナバ!」
焦った千夜が新たなキャラクターとして参上!
「我が宿敵ラパンのお宝は私が奪った!欲しければ捕まえてみよ!」
「えっ!?新キャラ!?」
「かっこいい!」
「大丈夫ですか?」(しゃくれ顔)
「助かりました・・・って、あの人大丈夫ですか?っていうか突然のライバル!?貴方もですか!?」
急展開に混乱するシャロ、一方千夜は子ども達から逃げている
「幼なじみの和菓子娘に似てます、けどその子は運動苦手で死にそうになるだろうしあんなに走らないか・・・」
「あー、あれは多分もう死にそうになってるかも、ちょっと助けてきます」(しゃくれ顔)
千夜を救うためにエリアも参戦!
「大丈夫かイナバ!」
「!、来てくれたのね甘党侍!!」
「わぁ!また新キャラだ!!」
「!男のキャラ!?刀持ってるから侍なの!?」
甘党侍の参戦にも大喜びの子ども達
「ここは俺に任せろ!てめーら!俺のこの剣が届く範囲は俺の国だ、無粋に入って、俺のモンに手を出すなら叩っ斬らせてもらう!」
モデルとなったキャラクターになりきって木刀を構える
「そ、そんな俺のモノだなんて・・・」
「ほらっ、イナバ今のうち!」
「はっ!・・・甘党侍時間稼ぎありがとう!さぁ!私が集めたお宝に目を眩ませなさい!」
袖から取り出しだモナカをばらまく、皆はそれに夢中!
「イナバに甘党侍め、心が盗まれそうだ」
「へっ!甘いもんあれば世界は平和になるんだよ・・・!イナバ!戻ってきたみたいだぞ!」
「そうね、皆の目は盗んだ、後はラパンにバトンタッチ!」
「えぇ!?ちょっと!?人気も盗まないでよ!」
復活して戻ってきたラパンことシャロにバトンタッチし、二人は退散する
「「紙吹雪の舞!」」
帰り際にビラを振り撒く
「冬のもちもちおもち祭り!開催中です!」
「忍者もでます!今ならおまけで大泥棒と侍も!」
「「ぜひ!甘兎庵へ!それでは!どろん!!」」
エリアは疲労が限界の千夜を背負って今度こそ退散!
・・・
「お疲れ様!二人ともカッコよかったよー!」
宣伝をしっかりしてから退散した二人ココアとチノと合流した
「はぁっはぁっ・・・やりきったわね」
「だね、疲れた」
「ありがとうエリア君、急だったのに合わせてくれて」
「いつものことだよ、それにしてもはっちゃけたねー」
「うんうん!アクティブな千夜ちゃんかっこよかったー」
「ちょっと楽しかったわ」
「エリアさんもセリフカッコよかったですよ」
「ありがとうチノちゃん、なんか勢いだったけど俺へんなこと言ってなかった?」
「熱烈なセリフだったよ!」
「そ、そうね・・・いつかはその、素面で聞きたい、かしら・・・」
エリアの俺のモノ発言を思いだし、真っ赤になる千夜
「?千夜真っ赤になってる。そんなに疲れてるの?」
「ち!違うのよ!でもイナバも甘党侍も今日限りの営業ね・・・」
「そうだね、どっちも原作キャラじゃないし・・・「それは勿体ないです」え?」
声のする方を見ると・・・
「せっかくインスピレーションが沸いたのに」もぐもぐ
先ほどばらまいたモナカを食べている青山がいた。
「エリアさんのキャラクターは確か既存のキャラクターでしたね、それなら私の方で新しいキャラクターを作りましょう。モデルはエリアさんでいいでしょうか?」
「え?それって・・・」
・・・後日、甘兎庵
「千夜!エリア!これみて!」
マヤが持ってきた雑誌を見てみると
怪盗ラパンシリーズ最新作!
義賊対決!怪盗ラパンVS大泥棒イナバ
「青山さんの怪盗ラパンの新作にイナバ登場だって!」
「千夜さんがモデルってこと!?それにこのイナバの後ろにいるキャラクターってもしかして!!」
「今はまだ秘密だけどもう一人新キャラクターでイナバに関係があるキャラクターだって!すごいすごい!これならもっと甘兎アピールできるじゃん!」
「本当にやってくれたんだ・・・ほら、シャロも見なよ」
バイト前に店に来ていたシャロにも雑誌を勧めるが
「いいわよ」ツーン
すねている様子で、どうやらこの間の件を怒っているようだ
「まだ正体黙ってたこと怒ってるの?」
「そうじゃないけど・・・ラパンより人気になったらゆるさない!」
「いや、どこにライバル視してるの・・・けどこれで甘兎にラパンに対抗する武器ができたね」
「そうね、それに甘兎とフルールでコラボなんて出来たりするかしら?」
「そんなのごめんだわ!」
「そうだ・・・ねぇシャロ」
「?なに?」
「これ渡しとくね」
「なにこれ・・・!お弁当?」
「バイトで疲れてるんでしょ?よかったらバイト前に食べて?」
この間、バイト疲れで目眩がするほど疲れているのを知ったのでお弁当を用意したのだ
「エリア君早起きしてこれ作ってたのね」
「うわー!美味しそう!」
「いいなー」
「二人の分もあるよ、勉強終わったら食べようね♪」
「「わーい!ありがとう!」」
「~~っ!ありがとうエリア」
「どういたしまして。さて、じゃあそろそろ始めようか千夜」
「えぇ、そうね・・・」
「?なにするの?」
「もうすぐなにがあるでしょうか?」
「?・・・!バレンタインですか?」
「そう!バレンタインなのよ!」
「そのために!今から新メニューを開発して・・・」
「「バレンタイン商戦を甘兎が制するのよ」」
燃える二人は厨房に進んでいく・・・その後ろ姿を見て
「バレンタインに燃えるのはいいけど・・・千夜ったらバレンタインの意味分かってるのかしら・・・」
どうなるバレンタイン!?
喫茶店こそこそ話
甘党侍の代わりとなるキャラクターは青山とエリア、そして千夜の三人で相談しながらつくっているそうですよ!
・・・決まっている設定ではイナバに忠誠を誓うキャラクターだとか?