緑茶風少年   作:アユムーン

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チマメ隊受験&結果編


闘いを終えた者達へ

本日はチマメ隊の受験日

 

「いらっしゃいませー、甘兎神社にようこそ~」

 

それに合わせて甘兎庵は神社習慣を開始した、お祓い神頼みなんでもござれ、千夜は巫女、エリアは神主の服装です。

 

「なんとかかんとかかしこみかしこみ~!」ブンッブンッ

 

手作りのおおぬさをブンブン振り回すエリア、視線の先にはこれまた手作りの祭壇・・・パッと見怪しい宗教である、もちろん祈っているのは

 

「チマメ隊現役合格~!!」

 

「必死すぎでしょ・・・」

 

お客さんがココア、リゼ、シャロだということをいいことにこれでもかと祈るエリア、もはや祈りなのか呪いなのか分からない

 

「でも、エリアに負けてられないな・・・チマメ隊が合格しますように!」パンパン!

 

リゼもまた祭壇に手を重ね、お祈りしました。

 

「形だけでも、祈った方がいいよな」

 

「勉強いっぱい付き合いましたからね」

 

「ワタシも同じこと考えてた!」

 

「それじゃあ皆でお祈りしましょうか」

 

「「「「せーの」」」」

 

皆でもう一度お祈りをしようとしたが・・・

 

「「「今年もみんなで沢山遊べますよーに」」」

 

「受験のことじゃないの!?」

 

ココア、千夜、リゼは遊ぶことを祈っていました。更に、

 

「この祈り届けぇぇ~!!!」ブンブン!

 

「アンタはそろそろ会話に入ってきなさい!」

 

エリアは絶えずおおぬさを振り回し、祈っていました。

 

・・・で

 

「ふぅ、このくらい祈れば大丈夫か・・・あれ?ココアとリゼさんは?」

 

「とっくに帰ったわよ・・・気づいてなかったの?」

 

「祈ってたからね」

 

「昨日はお百度参りしてたものね、きっとお願い事届いたわよ」

 

「はぁ・・・、アンタがそこまで必死になってどうするのよ。チマメちゃん達が大切なのは分かるけど」

 

「えーだって、俺受験のことあんまり覚えてないからさ」

 

「「え?」」

 

「ただ漠然と勉強して、気がつけば受験してて、受かってて・・・達成感とかなかった。だけど、チマメちゃんがすごく努力して頑張ってたの知ってるからさ、報われてほしいと思うじゃん」

 

自分が覚えていない忘れてしまった努力をチマメ隊が行ってきたところを見てきた、だから報われてほしいから応援したかったのだ

 

「エリア・・・」

 

「そうね、特にエリア君はリゼちゃんと同じ三人の先生になったものね、応援する気持ちも全力なのね?」

 

「そう!お布施もおいたし!きっと大丈夫!!」

 

そこに・・・カランカラーン

 

「「こんにちはー!」」

 

「いらっしゃいま、あら!チノちゃんマヤちゃんメグちゃん!」

 

制服姿の二人がやって来た。

 

「試験終わったの?」

 

「うん、エリア!頼んでたのある?」

 

「もちろん!ちょっと待ってて!」

 

エリアは厨房に入っていった。

 

「?なにか頼んでたの?」

 

「チノだけさ、エリアの料理食べたことないっていうからお昼つくってもらうように頼んでたんだ!」

 

「!、マヤさんだってまた食べたいって言ってたじゃないですか」

 

「私もまた食べたかったから、お願いしたんです」

 

それからしばらくして、沢山のお皿を持ってエリアが戻ってきた。

 

「縁起のいい食べ物調べたんだ、召し上がれ!」

 

机の上にたくさんの料理を並べた。

 

「おいしそー!!それじゃあ」

「「「いただきますっ!」」」

 

美味しそうに食べてくれるチマメ隊ににっこりのエリア

 

「あ、いっぱい作ったから千夜とシャロも食べてよ」

「いいの?」

「うん、そのつもりで作ったし」

「じゃあいただくわ・・・うん、美味しい♪」

 

「なんでおむすびなんですか?」

「縁結びの意味を混めたおむすびだよ、目指せ一番星で梅干し、苦難を避けるで鮭、喜ぶで昆布、具にもこだわってるんだ」

「いい塩加減で美味しいです!」

 

「豚カツ・・・なんでこんな大量に、太っちゃうじゃない・・・」

「やっぱり受験にはカツかなぁって・・・でもこれって受験の前に食べるべきかな?」

「疲れた頭にはガッツリしたのが効くんじゃないかしら?」

「そうそう!揚げたてサクサク♪ほらシャロも!」

「うぅ、美味しい・・・」

 

「でもよかったの?お祝いがこれって・・・」

エリアが不満そうに聞きます・・・

 

「なんで?こんなに美味しいのに?」

 

「いや美味しいって言ってくれるのは嬉しいけどもっといいものお願いしたってよかったんだよ?俺たちで協力してお祝いだってしたのに・・・それなのに俺の料理なんて、いつでもいいのに・・・」

 

「お祝いは結果が出てからしてほしいです。そのために受験頑張って、卒業旅行も計画してるんですよ?」

 

「けど・・・」

 

「いいんです!私たち皆エリアさんの料理のファンだから!」

 

「うぅ~千夜、シャロこの子たちいい子すぎる」

 

キラキラした笑顔のチマメ隊に泣きそうになるエリア

 

「なんでそうなるのよ・・・千夜もなにか「もぐもぐ?」なんで千夜が一番頬張ってるのよ!?」

 

「はい、お茶・・・まぁ結局俺が祝いたいだけなんだけどね」

 

「けど、まだ結果も分からないし「それでもだよ」え?」

 

「三人が頑張ってたのはよく知ってるからさ、こんなこというのはあれかもだけど、ここまで頑張ったことをまず褒めたかったんだ」

 

「エリアさん・・・」

 

「本当によく頑張ったね。」

 

「「「!!」」」

 

エリアがチマメ隊三人の頭を撫でる、全員驚いた表情に

 

「え?ごめん、嫌だった?」

 

「い、いえ、そんなことは・・・」

「むしろもっとやってほしいです」

「そうじゃなくて!エリアからこんなことするの珍しいじゃん」

 

「そうかも、けどそれだけお祝いしたくてさ」

 

三人がお店に来たとき、やりきった顔をしていた。エリアはそれが嬉しかった。

 

きっとまだ不安はあるだろうけれど、今日この日まで頑張っていたのを知っているから・・・

 

「俺なんかが言えることじゃないけど自信をもってほしいんだ。ここまで頑張ってきた自分のことを、それから誇ってほしい、自分達はこんなに頑張ったんだぞって」

 

そのきっかけになれば、と思ったのだ。

 

「そ、そんなことされたら・・・」

「私たち・・・」

「我慢できませんっ!」

 

ガッ×3

エリアに飛び付く三人、なんとか倒れず受け止めた。

 

「わわっ!「「「エリア/さん!!」」」な、なに?」

 

「苦いものが苦手な人用のコーヒーの完成まで協力、それからいつも優しく見守ってくださってありがとうございます!」

 

「捨て生徒になった時に拾ってくれてありがとう!クリスマスのゲームはこれから本格的に攻略するから一緒に遊んでね!」

 

「私が迷っていた時に勇気の出る言葉をくれてありがとうございました!これからもっともっといろんなこと教えてください!」

 

三人から贈られるエリアへの感謝の言葉、そんなこと言われたら・・・

 

「おれのほうごそがまんできないじゃん~!!、」

 

大泣きするのは無理もない・・・

 

結局その日はエリアを泣き止ませるので皆大変でした・・・

 

・・・そして合格発表の日・・・の少し前

 

「(あぁ受かったんだろうか、ないとは思うがもしも落ちてたりしたら何て言うべきなんだそもそもこの間の時点で合格したような雰囲気になってしまったよね?やばい、絶対顔合わせ辛くなるよこれ・・・)あー緊張する」ザッザッザッザッザッ

 

「エリア君落ち着いて?流石にその量の砂糖は危険だわ」

 

甘兎の仕事をしていたがエリアは放心状態、饅頭の餡にこれでもかと砂糖を突っ込んでいました。

 

「はっ!?なぜこんなに砂糖が!?」

 

「これは重症ね・・・もう少しで上がりだから気分転換にラビットハウスに行きましょう?」

 

「そうだね・・・あっでも受験生の前では落ちるとか滑るとかは禁句なんだよね?言葉のチョイスにも気を付けないと・・・」ガッチャンガッチャン

 

「気にしすぎよ、だからしっかり前見てお茶いれて?」

 

「ふぇ?あっちぃ!!?」

 

・・・千夜と共にラビットハウスに行くと、そこにはいつものメンバーが揃っていました

 

マヤもメグも試験の手応えはバッチリと話しており、もう合格ムードになっていました・・・しかし

 

「そっそそっそうなんだ!しっししっ心配ないね!」ガタガタガタガタガタガタ

 

「エリア!?なんでそんな震えてるんだ!?」

 

「受験生並の震えじゃない・・・エリアの気持ちも分からなくないけど流石にそろそろ落ち着きなさい、アンタが緊張してたらチマメちゃん達に移るでしょ?」

 

「はっ、確かに」

 

「全然平気だよ、それよりエリア、この間自分に自信もってって言ってたのに~」

「そうですよ~エリアさん、自分の生徒に自信もってー」

「でも、本当に皆さんにはお世話になりました・・・ありがとうございます」

 

「そっかぁ、なんかごめんね?俺が不安になってもしょうがないよね?」

 

「そうそう、エリア君はどっしり構えてないと」

 

ガッタガタに震えたエリアの持っていたカップから溢れたコーヒーを拭く千夜、チノはすかさずおかわりのコーヒーを注ぐ。

 

「じゃあ今日はこの辺で!」

「おいしかったよー!」

 

「またね」

 

マヤとメグが帰りました。残ったメンバーは・・・

 

「私たちの教え方が良かったんだな」

「チマメ隊は出来る子だもの」

「自分の生徒が巣立つみたい」

「感動だね~」

「姉バカです・・・エリアさん?」

 

「あー・・・ごめん、ちょっと頭冷やしてくる」

 

そういってエリアも外へ・・・その後ろ姿を見てチノも朝から何度も確認している受験結果が届くポスト覗きに着いていきました。

 

そしてドアから出ようとした時・・・ドシンッ!

 

「っ!、エリアさん?」

 

ドアの前でエリアが立ち止まっていました。

 

「あ、チノちゃん、ごめんね」

 

「大丈夫です。それより立ち止まってどうしたんですか?」

 

「いや、あれ」

 

エリアが指差す方には・・・

 

「なんで素直に言わなかったのさメグ、正直自信ないって」

「マヤちゃんこそ、あんなに勉強付き合ってくれたのに言えるわけないよ・・・」

「ふたりとも・・・」

 

マヤとメグが店前で体育座りで項垂れていました。

そして・・・

 

「私も自信なくなってきた・・・」

「チノちゃん!?」

 

チノもそこに並びます。

 

そこから三人の口から出てくるのは不安の言葉ばかり・・・

 

「なんだ、三人も不安だったのね」

 

「そりゃそうだよ・・・」

「でも言えませんよ・・・」

「あんなに親身になってくださったのに・・・」

「くやしい、くやしいよ」

 

「ちょっと待って、経験的に今の状態はまずいよ」

 

こうマイナス思考に陥ったときの厄介さは身をもって知っているので慌てて慰めようとする

 

「ほら!案外受かってるかも!自信もって!」

「そうは思えないんです・・・エリアさんに自信持てと言われたのにこんなのですみません」

「で、でも人知尽くして天命を待つって言うし!頑張ったんだから!」

「頑張るのは当たり前なんだよ・・・けど頑張りは結果に100%反映はされないんだよ・・・」

「うぐっ、とにかく元気になってよぉ・・・」

「ごめんなさい、エリアさん今は無理かも・・・」

「うぅ・・・こんなことならあの日あんなに言わなきゃよかった、せめて結果がでてからにすれば・・・」

 

試験日にエリアが送った言葉が今になって重荷になってきている。

あの時嬉しかった言葉も今は完全に重石である。

 

正直、エリアは結果がどうであれ、努力を評価したいのだが・・・受験生からしたら結果が全てなのだ、今のエリアの言葉は届かない

 

いったいどうすれば・・・と悩んでいると・・・

 

「実は私うっかり地元の学校に落ちた事がありまして」

 

「「「「青山さん!?」」」」

 

いつの間に青山がいました。

 

「学校っていつの!?」

「それよりここが地元じゃなかったの!?」

 

「さぁ、いつの話でどこが地元でしょ~」

 

とぼける青山

 

「そういえば前に地元はここじゃないって言ってましたっけ?」

 

「あら、エリアさん。ネタバレは感心しませんよ?」

 

「ネタバレって・・・」

 

「ふふっ、でも一つ言えることは、どんな道を歩んだとしても私はこの街で小説を書いていたと思います。」

 

青山からの言葉、そう道は一つじゃない、落ちたってなんとかなる

かもしれない、そういったたくさんの道があったとしても・・・一つに繋がっているのかもしれない

 

そう考えたら、

 

「先が分からないのに落ち込んでてもしょーがない!」

「そうだね、気分転換にいこっか!」

 

なんだが元気がでてきた、マヤとメグが立ち上がり、チノの手をとる。

 

「私は仕事が!」

 

「あ、俺変わるよ。行っておいで」

 

「ありがと、エリア!それじゃあしゅっぱーつ!」

 

楽しそうに出発したチマメを見送った。

 

・・・

「青山さん、ありがとうございました。あの三人元気付けてくれて」

 

「いえいえ、でも私いいこと言えてたとおもいませんか?」

 

「はい、すごく勇気を貰えました・・・けど」

 

たくさんの道があって、けどそれが一つに繋がっている・・・それなら

 

「俺もそうなんですかね?俺はここにいれることが奇跡だと思ってます。もしもあの時こうしていたらここにいなかったんじゃないかって思うんです。」

 

体育座りで空を見上げる。

青山の言ってることを否定するつもりはない、けどどうしてもそう考えると不安になってしまうのだ。

 

「そうですね、エリアさんは奇跡が重なって今の道にいるかもしれませんね・・・けどエリアは分かっているはずですよ?」

 

「え?」

 

「?私に話してくれたじゃないですか、千夜さんに言われたことですよ?」

 

「千夜に・・・言われたこと・・・!」

 

『まだ何も終わってないの、これから始まるの』

 

あの日言われたことが甦る。

 

「確かにエリアさんのこれまでは奇跡の連続だったかもしれません。もしかしたらここ、ラビットハウスに下宿していた道や私の助手になるなんて道もあったのかも、はたまたこの街に来なかった・・・なんて道もあったのかもしれませんね?」

 

「はい、俺はそれを選びそうになってました。」

 

「そうですね、けどどの道を進んでいても、それはあくまでも長い人生のたった一歩・・・エンドマークまではまだまだ続きます。全ての道が一つに繋がるのはまだまだ先です。」

 

「そうですね・・・これからが始まりですもんね」

 

「はい♪エリアさんの人生はまだまだこれからです。私がこんな風に思えるのはエリアさんより少し長く生きているからです。だからエリアさん、しっかりと上を向いて生きましょう」

 

「はい!」

 

・・・数日後

 

メグが甘兎に受験結果の通知を持ってきてくれた、暗い顔をして通知を渡すメグ・・・千夜とエリアはまさか・・・と思いながら結果を見ました・・・

 

しかし、そこに書かれている文字は合格の二文字

 

千夜は不安にさせるようなドッキリに対してツッコミをいれ、メグもそれに返して、最後には抱き合って喜びました。

 

エリアはそれをみて涙をぬぐい、どこかに向かいます。

 

メグは何も言わないエリアに不安を感じ追いかけました・・・エリアが向かった先は・・・

 

「神様ーー!!!!ありがとぉぉーーーー!!!!!」

 

手作りの祭壇に向かって狂喜乱舞、おおぬさを振り回して舞っています。

 

「エリアさん!?」

 

「感謝と喜びの舞だから、気にしなくていいわ・・・あっエリア君今連絡が来たわ、チノちゃんとマヤちゃんも受かったって」

 

「うぉぉぉぉぉぉーーー!!!!」

 

エリアの舞は数時間続いたとさ♪

 




喫茶店こそこそ話

甘兎庵でエリアに感謝の気持ちを伝えたチマメ隊、その後もちろん他の姉たちにも感謝の気持ちを伝えにいきました。

付き添ったエリアはそのどれもで涙を流したとか・・・
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