緑茶風少年   作:アユムーン

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エリア帰還編・・・心配する皆を他所に、なにごともなく戻ってきたエリア、またひと悶着あるようで?


この日以降報連相については徹底しています

エリアの単独行動にショックを受けつつもココアとチノはなんとかホテルに到着

 

呪われた洋館のようなホテルに驚きつつも、皆と合流することができた

 

「み、皆!エリア君がっエリア君がー!!」

 

「落ち着けっ!エリアからのメッセージは確認したからなにがあったのか話してくれ!」

 

「え、えっとね・・・」

 

それからエリアと別れた時のこと、どこへ向かったのかは分からないこと、そして今は連絡がつかないこと、状況を整理した。

 

「そうなの、やらなきゃいけないことやってくるって言ったのね?」

 

「うん、けどこんなにいきなりだとは思わなかったよ」

 

「せめてどこにいるのか聞けていれば・・・すみません」

 

「いいのよ!二人は悪くないじゃない!悪いのはエリア!」

 

勝手に出ていったエリアにご立腹のシャロ

 

「けどメッセージには明日くらいには合流しようねって書いてるし、明日には帰ってくるんじゃない?」

 

「けどもう夕方だよ?いまどこにいるんだろう・・・」

 

「単独行動は隊の雰囲気を悪くするというのにアイツは~!」

 

「ちゃんとどこかに泊まれているのでしょうか・・・」

 

各々心配している・・・そこで

 

「皆、今日はもうご飯食べて寝ましょう」

 

「千夜ちゃん!?」

 

千夜の一言に皆が驚く

 

「心配だけど、エリア君だってそこまで子どもじゃないんだもの、意味もなくこんなことをしたとは思えないわ」

 

「!、そうだな、多分今頃目的地に着いてるだろ」

 

少し冷静になったリゼ、思い出したのは今朝の会話・・・そう、この都は彼の地元、迷子にはならないだろうし、知ってる顔だっているかもしれない、そして目的地はきっと・・・

 

「そうですね・・・って先輩?なんで目的地に着いてるって分かるんですか?」

 

「えっ?それは、ほらもう時間も経つし」

 

「そういえばエリア君ここまでの道教えてくれたけど、その時途中の商店街のこと知ってるっぽかったよねチノちゃん」

 

「はい、現にそこの八百屋はエリアさんのことを知っていました・・・暫く見なくて心配してると・・・あれ?」

 

「?なんでこの辺の人がエリアのこと知ってるの?」

 

「そもそも、エリアさんなら知らない場所に来たら絶対にはぐれたりしないようにするよね?それなのに単独行動っておかしいよ」

 

そしてジッ、と皆の視線がリゼに集まる。

 

「・・・リゼちゃん?なにか知ってるのね?」

 

「し、知らない!私は知らないぞ!!?」

 

「そのリアクションは完全にアウトよ?さぁ・・・言いなさい?」

 

「っ!、エリアとの約束なんだ、だから言えない」

 

「予防線を貼るのは上手ねエリア・・・どうする千夜?」

 

「そうね・・・やっぱり寝ましょう」

 

「えぇ!?ここまできて!?」

 

「いや、私が言うのもなんだけどいいのか?心配とか」

 

「だから私だって心配よ?けど、エリア君は合流するって言ってる、それに・・・」

 

首にかけていたネックレスを握りしめる。

 

「自分の力でやらなきゃいけないことがあるとは聞いてたわ、それからちゃんと帰ってくるって約束したもの・・・だから今は信じる時間」

 

本当なら近くで支えてあげたいけど、今はいないから信じるしかないのだ

 

千夜の言葉に返せる者は誰もおらず、そのままその日は休むことに・・・

 

・・・そして翌日

 

エリアは帰ってきて来なかった

それなら皆で待とう・・・という雰囲気だったが

 

「予定通りに出掛けましょう、だって勿体ないじゃない」

 

千夜の一言に再び皆が驚く

 

「それにエリア君が帰った時に皆が予定中止して待ってたりしたら、自分のせいで~って言うと思うの」

 

「そ、それはそうかも」

 

「そうでしょ?さ、行きましょ」

 

そう言って準備に向かった千夜・・・残された皆は千夜が心配しすぎておかしくなったのではないか?と思ったが、千夜の言うことも一理あるので各々予定通り行動することに

 

それでもその日は皆、エリアのことが気がかりだった

 

・・・そうして喫茶店巡りをしていた千夜とチノがホテルに帰る途中

 

「エリアさん帰ってきてるでしょうか」

 

「さぁどうかしら」

 

「・・・千夜さん、本当に心配していますか?」

 

以前は心配しすぎて、泣くほどだったのに・・・と、今の千夜の様子を見てチノは疑問を覚える

 

「それはしてるわよ?けど、エリア君は帰ってくるって言ったもの、私は信じるだけよ」

 

心配している素振りなど感じさせずなんてことなく答える千夜、心からエリアを信じているのが伝わってきた

 

培ってきた時間が今の二人の強さを表しているようだ

 

「・・・千夜さんすごいです」

 

並大抵の絆とは比べられない信頼関係に感心するチノ

 

「そうかしら?さっ、着いたわ。私たちが一番かしら?」

 

「そうかもしれませんね、入りましょう」

 

そう言ってドアを開けると・・・

 

「あ、お帰りー!」

 

ニコニコ笑顔のエリアが出迎えました、ソファに座りお菓子を食べている。

 

「今日のご飯まではまだかかるって、おかし食べる??」

 

そう言って手に持っていた某棒型のチョコレート菓子を差し出す

 

「いえ、晩御飯まで待っています」

 

「そうね、それに今日一日喫茶店巡りしてたからそんなにお腹空いてないの、部屋で休もうかしら」

 

「そっか、ならご飯の時間になったら呼ぶね」

 

「では、また後で」

 

そういって二人はそれぞれの部屋に入りました。

 

・・・それから暫くして、今度は自転車で街を探検していたリゼ、マヤ、ココアが帰ってきました

 

「おかえりー!」

 

「ただいまー!いやー!楽しかったよ自転車!」

 

「ココアはそうかもね~!」

 

「私は散々だったよ、恥ずかしい」

 

「?なにかあったの?」

 

「実は人数分自転車が無くてさー・・・ぷぷっ、写真撮ったから見る?」

 

「見たい見たい!」

 

「待て!その携帯渡せ!」

 

「わわっ!マヤちゃん逃げるよー!」

 

「おー!」

 

「待てー!!」

 

「ホテルで走っちゃダメだよーっ!・・・って聞こえてないか」

 

・・・そして最後にバレエを観に行っていたシャロとメグが

 

「おかえり・・・!!二人ともすっごい似合ってるね!」

 

ドレスコードがあったのか、ドレスに身を包むシャロとメグ

 

「!、本当ですか!?このドレスはシャロさんが貸してくれたの!」

 

「そうなんだ、シャロもよく似合ってるね」

 

「ありがたく受け取っておくわ・・・色々ショックだったけどね・・・」

 

そっと胸に手を当てて、どこかに遠い目をするシャロ・・・

 

「?なにかあったの?あ、そうだ大広間に行ってごらんよ。今チノちゃんがコーヒー入れてるんだって」

 

「そうなんだ!折角だからこの格好のまま優雅なティータイムにしようかな?」

 

「コーヒー以外の飲み物もあるみたいだよ」 

 

「そうなの?それなら行こうかしら、エリアは?」

 

「俺はもうちょいここにいるよ、晩御飯になったら行くね」

 

「ならまた後でね」

 

そう言って皆大広間へ・・・そして

 

「「「「「「「いやちょっと待って!!?」」」」」」」

 

皆慌てて出てきました。

 

・・・で

 

「いやーホテルに来たら皆出掛けたって聞いたから、折角だしお出迎えしようかなって思って」

 

大広間に集まり、エリアの話を聞きます

 

「今回聞いていた皆様の人数は八名、この方を合わせたらぴったりでしょう」

 

「なのでお迎えさせていただきました」

 

そう言うのはこのホテル『ロイヤルキャッツ』の支配人と副支配人

 

「そうかもしれないけど・・・着いたのなら連絡しろよ」

 

「皆楽しんでるのに邪魔したくなくて、ごめんなさい」

 

「けど、エリア君が無事でよかったよ。どこに行ってたの?」

「列車が発車したあの時何て言ってたんですか?」

「それに昨日はどこにいたのよ?」

「そもそもやらなきゃいけないことってなんだったのさ?」

 

次々出てくる皆からの質問に答えていく

 

「まず、チノちゃんの質問からあの時聞こえてなかったのかな?行ってきますって言ったんだ。別に普通の挨拶でしょ?」

 

「でも、あんな急に笑顔で手を振られたらお別れみたいで・・・うぅ~」

 

言いきるや否や泣くチノ、どうやら結構ショックが大きかったらしい

 

「チノちゃん!もうっ!エリア君ごめんねしなさい!」

 

「!ごめんねチノちゃん!」

 

「な、泣いてません!」

 

「いや、泣いてるだろ・・・それで?残りの質問にも答えろよ」

 

泣いているチノを抱き締めるリゼに諭され、続きを話す。

 

「残りの三人の質問は一気に答えます。行った場所は俺の実家、泊まったのもそこ、やらなきゃいけないことってのは・・・まぁ色々」

 

「色々ですか?」

 

「そう、色々、今はまだ言えないけどね」

 

「ちゃんと話すって言ってたじゃない!」

 

「ごめんシャロ、皆が揃ったらちゃんと話す。どうしても青山さんを含めた皆で話しがしたいんだ。」

 

「青山さん?」

 

「うん、青山さんにはお世話になったからあの人を除いて話すことはできない」

 

「そうなのね・・・どうする千夜?」

 

先ほどから黙っている千夜に視線を向けるシャロ

 

「青山さんがいなきゃ話せないって言うのは分かったわ、青山さんに色々相談してたものね。私は待とうと思うわ、皆は?」

 

「千夜ちゃんがそういうならそうするよ」

 

「私もそうする、一番気になってる千夜が待つんだしな」

 

「ありがとう千夜「でもね?」ん?」

 

スッと椅子から立ち上がり、エリアの前に立った千夜、そして  

 

 

 

 

パシィンッ!!!

 

 

 

 

「「「「「「「!!?」」」」」」」

 

乾いた音が響く、その音は・・・

 

「・・・え?」

 

「エリア君がやらなきゃいけないことのためにお家に帰ったのも分かるし、それがどうなったかを話すのにはまだ全員が揃ってないからっていうのも分かったわ・・・けど心配かけたのは許せない」

 

千夜がエリアの頬を叩いた音だ。

千夜から綴られる言葉は酷く冷たく、顔は鋭くエリアを睨んでいるようだ

 

そんな顔の千夜を見るのは初めてで、エリアは動けなくなった

 

「だからちゃんと謝って、事情が話せなかったとしてもこんな単独行動を起こされたら今回の旅行の意味がないの、皆の旅行を滅茶苦茶にしかけたのを自覚して」

 

「っ!」

 

「心配するのは当たり前って前に言ったわ、だけどそれは心配かけていいってことではないでしょう?こんなこともう二度としないで」

 

「は、はい」

 

「ちゃんと、皆に謝って」

 

確かに皆に甘えすぎていた、皆なら分かってくれて、帰ってきたら笑って許してくれるんじゃないかって・・・勝手にそう思っていた

 

けど違う、心配するに決まっている、そこまでは想像できたからちゃんとメッセージをいれたが、そんなんじゃ足りなくて当然だ

 

それ以上に自分の単独行動によって、皆の旅行を台無しにしかけたこと、そう考えると申し訳無さが込み上げてくる

 

「・・・勝手に単独行動をとって心配かけてごめんなさい」

 

椅子から立ち、きちんと頭を下げて、皆に謝った

 

会話の途中でしたような謝罪ではなく、反省を込めて心からの謝罪

 

「うん、許すよ。だからもうしないでね?・・・千夜ちゃんも、ね?」

 

「・・・」

 

なにも答えない千夜、心なしか・・・震えてる?

 

「千夜?」

 

シャロが気になったので、千夜の顔を覗いてみると・・・

 

「っ~~!!」プルプル・・・

「千夜ぁ!?」

 

目に涙を浮かべて、唇噛み締めて振るえている千夜、それを見たシャロの絶叫を聞いて顔をあげるエリア

 

「ど、どうしたの!?」

 

「手、痛いぃ・・・」

 

しゃがんでエリアの頬を叩いた手を抑えている

 

「し、支配人さん!氷を「もう持ってきています」速い!?」

 

慌てて支配人に氷をもらい冷やすエリア

 

「ご、ごめんね千「すっごく心配したのよ!?」!?」

 

泣いている千夜に声をかけたが、遮って千夜が叫ぶ

 

「でもエリア君のこと信じるって決めてて、それから皆には少しでも安心してもらおうって必死で心配してないようなふりして、それでもエリア君が帰ってきたらちゃんとお話聞いて泣いてたら慰めようって考えてたけど・・・エリア君笑ってるから安心したわ!

 

けど、今日の心配してた皆のこと考えたら許せなかったの!だから叩いちゃったごめんなさい!!」

 

「いや、それは俺が悪「そうよ!」いや、そうなんだけど」

 

「本当は最後まで泣かないつもりだったの・・・だけどエリア君見たらもう我慢できなくて・・・うっうぅ、うわーん!!」ガバッ

 

「うわっ!」

 

エリアに飛び付く千夜、ガシャっと氷のうが音を立てて床に落ちる。

 

「叩いてごめんなさい!けど私っ、本当に心配してたの!!」

 

「・・・うん、分かってるよ、俺もごめんなさい」

 

「ぐすっ・・・いいわ、許してあげるから、もうちょっとだけこうさせて・・・うぅ・・・」

 

「ありがとう千夜」

 

謝罪を受け入れ許す

心配かけた分、互いに感謝する

 

二人が決めた約束ともいえる二つのこと

 

以前と違うのは、エリアが千夜からの抱擁を黙って受け入れて、慰めるように頭を優しく撫でる

 

それを見守る一同

 

「あの日と逆だな、今度は千夜が慰められてる」

「そうですね、全く成長してるんだかしてないんだか・・・」

「けど、あんな風に全力で怒って、泣いてができるのってすごいよね」

「本当にお似合いの二人です」

「この旅行で私たちもあの二人みたいになれるかな?」

「なってみせようよ!あの二人だけじゃなくて、皆で!」

 

その後、「お話はすみましたか?夕食ができてると言ったでしょう」と、初耳ではあったが支配人が夕食を運んできてくれた、それを副支配人が素早く配膳していく。

 

「さぁ二人とも!泣くのはおしまいにしてご飯にしよう!」

 

千夜とエリアの手を引いてテーブルへと引っ張るココア

 

「そうね、いっぱい泣いてお腹空いちゃったわ」

 

「うん・・・ありがとう皆、本当に、ありがとう」

 

エリアからの感謝の言葉、それを聞いて皆目を見合わせ、ふふっと笑顔がこぼれた、そして

 

「「「「「「「どういたしまして!」」」」」」」

 

その日の夕食はとても楽しいものとなった

 

・・・その日の夜

 

今回このホテルで二人部屋を四部屋、そして一人部屋を一部屋借りた

 

一人部屋にいるのはもちろんエリア

 

荷物の整理をしていると・・・コンコン♪

 

「?はーい」

 

控えめにドアをノックされた、誰だろう?と思いつつ、ドアを開けると

 

「!、千夜」

 

「遅くごめんなさいね?ちょっと眠れなくて、お話したいの」

 

「・・・うん、俺もしたいな」

 

・・・二人並んでベットに腰かける

 

「ほっぺたちょっと紅くなってる・・・ごめんねエリア君」

 

「ううん、千夜に怒ってもらわなきゃ俺気づけなかったから・・・むしろありがとう」

 

怒ってもらわないと、自分がしかけたことに気づかないところだった、そう考えると感謝しかない

 

「え?ありがとうってことはエリア君もしかして・・・そういった趣味が?」

 

「!?違うよ!?俺Mじゃないよ!?」

 

「そう?なら安心だわ」

 

「なにが安心?」

 

「こっちの話よ?それでどうだったの?叔父さんと会って上手くいったかどうかだけでも教えてくれないかしら」

 

「・・・うん、うまくいったのかな?よく分かんないけど、やっと吹っ切れたって感じかな」

 

「ならよかった・・・もしもなにかあったらどうやって慰めようかって沢山考えてたの、そう考えたら寝付けなくて」

 

「俺も荷物整理しながらどんな風に伝えたらいいかなって考えてた」

 

「けど、エリア君が元気で本当に良かった」

 

「うん、ありがとう。会いに行った時さ・・・一人だけど一人じゃなかったんだ」

 

「なぞなぞ?」

 

「うーん・・・そういうことにしとこうかな、話す時に答え合わせをしよう」

 

「なら、考えておくわね・・・ふわぁぁ」

 

「眠くなってきた?」

 

「うぅん、今日はまだ寝るのは勿体ないわ、今日ね?チノちゃんと喫茶店巡りをしたの」

 

「そうなんだ」

 

「知らないコーヒーとか、ケーキとか沢山あったわ。それに面白い店員さんもいて、店内もおしゃれだったり若者に人気のお店なんかにも行ったの」

 

「そうなんだ、すごく楽しそう」

 

「楽しかったわ、けどそれで不安になっちゃったりしたの」

 

「不安?」

 

「うん、都会の喫茶店とウチの喫茶店比べると・・・なんていうか色々と気づかされたり、ウチにはないことばっかりだったの」

 

「千夜・・・「けどね?」」

 

「チノちゃんが甘兎庵にしかない雰囲気が好きだって言ってくれたの」

 

「!、それは嬉しいね」

 

「でしょう?それで私それぞれの良さがあるんだって分かったの。ウチの場合はお茶や和菓子、それからエリア君」

 

「え?」

 

「あのね?私ずっと言ってなかったけど、エリア君が来てくれてから甘兎で働く時間がすっごく楽しくなったの」

 

「それって、同年代だからでしょ?ずっと欲しかったって言ってたじゃない」

 

「最初はそうだったわ、けど私の考えたメニューをすぐに理解してくれて、どんなイベントにも積極的に参加してくれて、苦手なことにも挑戦するエリア君がいてくれて・・・すごく楽しいの」

 

トンっとエリアの肩にもたれた千夜

 

「だからね、エリア君にずっとずっと感謝してたの」

 

「そんなの俺もだよ」

 

一番最初に出会ったのはココアだったかもしれない

 

けど、ココアに負けないくらい千夜はエリアの近くにいてくれた

 

「前にも言ったけど俺が変われたのに千夜の存在は大きいんだ、だからずっと千夜のこと・・・?千夜?」

 

「・・・」スースー

 

「ね、寝てる・・・はぁ、俺今勇気出したんだけど・・・」

 

仕方ない、とベットに寝かせてあげる

 

眠っている千夜、いい夢を見ているのかとってもいい寝顔

 

「列車でさ、この旅行で皆で家族になりたいって言ってくれたでしょ?すごく嬉しかった、けど千夜は違うんだよ?」

 

だって、君とは家族は家族でも・・・

 

「いつかちゃんと伝えるね、だから今は我慢するよ。おやすみ」

 

そう言って、部屋から出た。

残されたのはなにも知らずに眠っている千夜だけ・・・

 

・・・翌朝

 

「ん?んぅ・・・朝?ここエリア君の部屋・・・私寝ちゃってたのね」

 

エリアの部屋で目覚めた千夜、辺りを見回すがエリアはいない、もう下に降りたのだろうか?と思い、自分も降りてみる。

 

大広間に行くと、先に起きていた皆が並んでなにかを見ている

 

「?、皆どうしたの?」

 

「あ、千夜ちゃんおはよう。それがこんなところにエリア君が」

 

大広間の椅子を並べてその上に毛布にくるまって寝ているエリアがいる

 

「寝ぼけてここで寝たのか?」

 

「それにしては椅子まで並べてますね、ベットが合わなかったのかしら?」

 

「エリアさん、起きてください、こんなところで寝たら風邪をひいてしまいます」

 

「うぅーん」

 

「全然起きないねー、イタズラしちゃう?」

 

「ここは鉄板の顔に落書きだよね!ペンどっかにあるかな?」

 

「もう、メグさんマヤさん、冗談を言ってる場合では「支配人さんなら持ってるかも!行こう行こう!」ココアさんっ!?」

 

我先にとペンを借りにいったココアとマヤとメグ、それを追いかけるチノ

 

「全く・・・けど昨日は心配かけたんだし、いい薬かもな」

 

「そうですね。私も一発いれようか考えてましたし、丁度いいです。ねぇ千夜も・・・千夜?」

 

「・・・」

 

きっと自分が寝てしまったから、エリアはここで寝ているんだろう

 

無防備だったことは反省してる、それに彼が真面目なのは知ってるし、こんな形でどうにかなるのはおかしいということも分かってる

 

そもそも昨日は怒って泣いてと色々あったのに今自分はなにをバカなことを考えているのか、それも分かってる

 

そもそもなにかされたかったわけでもない・・・が、それでもなにもされないのはなにか違う

 

グルグル巡る思考の渦、そんな中で唯一引き出せた言葉は・・・

 

「・・・エリア君のいくじなし」

 

彼からなら何だって受け入れる心の準備はできているのに・・・と、落書きされるエリアを千夜は少しうらめしそうに見るのだった。




喫茶店こそこそ話

この旅行中エリアには常に誰かと行動することが義務付けられました、自業自得ですね
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