緑茶風少年   作:アユムーン

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シャロの意外な一面編


彼女が街にいる意味

職人の集まるエリア(地域、地帯、地区の意味)に来た一同

 

様々な工芸品に目を奪われる

 

特にテンションの高いのはシャロ、いつもの節約家はどこへやら、あれこれ爆買いしている

 

「いっぱい買ったね」

 

「磨かれた作品には敬意を払いたいの」

 

「気持ちは分かるよ、素晴らしい作品にはグッズやイベントという形でお金を落としたい気持ち」

 

うんうん、と頷くエリア

 

「でしょう!?」

 

「うん!」

 

エリアとシャロ、この二人の共通点はうさぎに好かれること、そしてこういった作品に対する愛情、作品の形は違えど分かり合えているようだ

 

「しかし、この旅行ではシャロの色んな一面が見れるな」

 

楽しそうなシャロを見て、この旅行で見られたシャロの色々な一面について話す

 

例えば、今のように浮かれている姿や頼れる姿、お嬢様の仮面を被った姿や、カフェインで酔った姿など・・・色々な一面があるシャロ

 

皆それぞれ好きなシャロがいるようで・・・

 

「私はお嬢様の仮面を被ったシャロちゃん好きだけど、エリア君は?」

 

「んー・・・頼れるシャロかなぁ」

 

「エリアの場合はそうなる場面が多いもんな」

 

「そうですね、けどやっぱり俺どんなシャロも好きだよ」

 

「なっ!?なにを「シャロちゃん?」ひぃぃぃ!!」

 

エリアのストレートな発言に対して照れる暇もなく、千夜に怯えるシャロ

 

「どんなシャロだってシャロだもん、なんなら今新しい一面がみられたって平気へっちゃらだよ」

 

「そうだねー、他にも意外な一面を隠してるんじゃ・・・」

 

そんなことには気づかず、話続けるエリア

 

もちろんシャロに好意があるわけではなく、あくまで友愛である

 

同い年でもココアと千夜は同じ性格、考えの持ち主なので、いつも自分とは違う目線で相談に乗ってくれたり、助けてくれたりするシャロの存在はエリアにとって特別なのだ

 

「もう見せるもの見せ尽くしたわよ、隠すものなんてなにもないわ!」

 

・・・

 

職人エリアを抜けて、次の目的地を決めようとなった時だった

 

「あっ私この後ちょっと用事が」

 

「一人でどこへ?」

 

「別に親に会うだけよ」

 

「そういえば、この辺がシャロのご両親が働いてる場所だっけ?」

 

「そう、だから旅行前に会う時間作ってたのよ」

 

「お寿司とか美味しいもの食べるのかな?」

「食べないわ」

 

「「私たちもご挨拶したーい」」

「「だーめ/ダメだよ」?エリア?」

 

ご一緒したがるマヤとメグを止めたのはシャロとエリア

 

「前に聞いた、普段あんまり会えないんでしょ?だから楽しんできてね?」

 

そういうエリアの顔は笑っているけれど、少し寂しそうだ。

 

「!・・・あんたにそれ言われるとキツいのよ」

 

「あっ・・・ごめん」

 

もちろんエリアはそんなつもりではなかったが顔に出てしまった。けどそんなことはシャロは分かっている、だから・・・

 

「けど、ありがとうね。」

 

エリアの気遣いが嬉しかった。ちゃんと笑顔で応える。

 

「!、うん、いってらっしゃい!」

 

・・・シャロと別れ、千夜とココアとエリアは喫茶店に寄り、残りメンバーはもう少し店を見て回ることになった。

 

喫茶店に向かう途中のこと、

 

「シャロちゃんのご両親の話、あんまり聞いたことなかったなぁ」

 

「年に何回か帰ってきてるわよ?」

 

「初耳!」

 

「そういえば今年のお正月は家族といたんだっけ?」

 

「そうだったわね、実は仕事の都合でここに引っ越すつもりだったんだっけど、お嬢様学校に受かったからあの街に残ったの」

 

その際、甘兎庵で暮らすことを提案したそうだったが、シャロはそれを拒否したそうで・・・

 

「甘えず、自分に厳しくする姿・・・幼なじみとして誇らしいわ」

 

「そっかぁ、もしかしたら千夜とシャロと俺と三人で甘兎やってた可能性もあったんだね。まぁ今はもう甘兎組は結成したけど」

 

「なにそれ楽しそう!私もいれて!」

 

「そうね、ココアちゃんがいた可能性もあったのよね・・・そうなれば甘兎は天下御免の最強喫茶店だったわね」

 

「いいね、最強フォームっぽい!」

 

「私たちが揃えばハイパームテキだよ!」

 

・・・そうこうしていると喫茶店についたので少しのんびりしていると

 

カランカランカラーン!

お店のカウベルが響きます、なんとなく三人ともその方向を見ると

 

「美人な人だねー」

「うん、けどどこかで見たような?」

「!、あの人もしかして・・・」

 

店にやって来た美人な女性を見て、三者三様の反応・・・だが千夜は何かに気づいた様子、その時

 

「ママぁ!」

 

「「「!?」」」

 

今度はよく聞き知った声が聞こえた・・・今度はその方向を慌てて見る、そこには

 

「「「(シャロ/ちゃん!?)」」」

 

先ほど別れたはずのシャロがぱぁっと明るい顔で来店してきた美人な女性に手を振っている・・・っていうママって!?

 

「千夜、もしかしてあの人って」コソコソ

「うん、シャロちゃんのお母さんよ」コソコソ

「ってことはまさかの同じ喫茶店にきちゃったの?」コソコソ

「そうなるね、とにかく気づかれないようにしよう」コソコソ

 

息を潜めて、二人の様子を伺う。

 

普段のシャロでは考えられないほど母親に甘えるシャロ

まさに意外な一面

 

「昔は寂しがり屋だったけど、最近はこんな姿見なかったわ」

 

「やっぱり滅多に会えないって寂しいよね」

 

「そうね、離れてるから反動があるのよね。家族の前なら誰だって違う一面はあるわ」

 

「ちょっとわかるかも・・・そういえば千夜ちなんのお婆ちゃんとお父さんは和菓子職人だけど、お母さんは?」

 

「あ、俺も詳しく聞いたことないや。なんか色々飛び回ってるんだっけ?」

 

「言ったことなかったかしら?「あら、千夜じゃない」お母さん」

 

「「え?」」

 

千夜のお母さんの話題に触れようとしたらまさかのご本人登場

 

千夜によく似たお母さん・・・いや、千夜がお母さんに似ているのか?とても落ち着いた雰囲気の女性である。

 

「バイヤーのお仕事で各地を巡ってるの」

 

「大親友のココアです!」

 

「話はいつも千夜から聞いてるわ、千夜と仲良くしてくれてありがとね、ココアちゃん・・・それから」

 

「あのっ、初めまして。私今甘兎庵でお世話に「和田上凛彩君でしょ?」えっ?」

 

「あなたのことも千夜からよく聞いてるもの、それからお母さんからもね、問題ありだけどそれなりにやる気のある子だってね?お母さんが褒めるんだもの、ずっと会ってみたかったわ・・・うん」

 

ココアとエリアの頭をひとしきり撫でた千夜のお母さんは・・・

 

「二人ともかわいくて買いつけちゃいたい」

「いつでも甘兎庵へ」

「仕事熱心なところがそっくりだよ!」

「かわいいって・・・男なのに」プクー

「あ、そうだ千夜、エリア君はいつお嫁にくるのかしら?」

「お母さん!?」

 

そんなふうに騒がしくしていると

 

「千鳥!?待ち合わせ時間には少し早いみたいだけど」

「早いくらいいいじゃない」

 

シャロのお母さんがこちらに気づきました。どうやら千夜のお母さんと待ち合わせしていた様子です。

 

「あの二人ってどういう関係?」

 

「シャロちゃんのご両親は陶器職人なの、私のお母さんはその商品を売るバイヤーなの、お仕事仲間ね」

 

「へぇー」

 

しかし目の前の二人の会話は仕事仲間以前に仲良しの友だち・・・千夜とシャロを見ているようだ、そんな風に仲良く話ながら二人は打ち合わせのために席を離れました

 

「なんか、いいね」

「そうだね」

 

エリアとココアはその光景を見て、なんだかとても安心した・・・と同時に忘れていた

 

「あ、あんた達・・・」

 

「あっ」

 

ブルブル震えているシャロがいることを

 

「い、いつからそこに・・・」

「最初から」「でも偶然だよ?」「すぐに出ようとしたよ」

 

「あーもうっ!絶対聞いてたんでしょ!?イヤッさいあくっ!消えたい!」

 

母親に甘える姿を見られて、恥ずかしがるシャロ

 

そのシャロに気にしなくていい、むしろ新しいシャロを知れて嬉しいと伝えるココアとむしろもっと知りたいと伝える千夜、そしてエリアは

 

「・・・」

 

黙っていた

 

「・・・なんか言いたいことあるなら言えば?」

 

「いや?なんにもないよ」

 

「目が泳ぎまくってるね」

「あれ、なにか言いたい時の癖よ」

 

「言いなさい!チクチク攻撃するくらいなら一思いにやりなさいよ!」

 

「だって、今俺が思ってること言ったらまたシャロに気をつかわせちゃうし・・・」

 

以前リゼにも言われ、今日はシャロにも言われたことを思い出す

自分が家族関連のことを話すのは相手に気を使わせてしまうのだ

 

「っ!ごめん、そういうつもりで言ったんじゃないから安心して?」

 

「分かってるよ、けど言わない。だってさっきの時間はシャロにとって触れられたくない時間だったと思うから、ごめん」

 

頭を下げるエリア

 

もちろん幻滅なんてしてないし、面白がって皆に言いふらすようなマネはしない

 

・・・が偶然とはいえ、シャロにとっては触れてほしくない、見られたくない一面を見てしまったこと。そしてなにより二人の時間を邪魔してしまったのではないかと、エリアは思っているのだ

 

「・・・はぁ、顔上げなさい」

 

「?」

 

「ていっ!」

 

ゴスッ

いつかと同じシャロの鉄拳がエリアの腹に炸裂した

 

「ぐっ!?」

 

「エリア君!」

 

「うじうじしすぎ、今更そんなこと気にする間柄!?こっちはエリアの黒歴史まで知ってるんだからね!?」

 

「人の過去を黒歴史にしないでくれる!?」

 

「エリアがそう思ってるように私も別にさっきのことそこまで気にしてないわよ!そりゃ死ぬほど恥ずかしかったけどね・・・けどそれだけ、今更私たちの関係は変わらないでしょ?」

 

「シャロ・・・」

 

「だから言ってみなさい?どんな言葉でもどーんと返してやるわよ」

 

「・・・あのさ、もしかしたらシャロってここにいたいんじゃないかなって思ったんだ。ここならご両親いるでしょ?」

 

「そうね・・・それにシャロちゃんが好きなものだってここには沢山あるし・・・」

 

「そうだね、それにやっぱりお父さんお母さんと一緒がいいと思う・・・ね?俺がいうと重いでしょ?」

 

「はぁぁ・・・重い、本当に重いわよ」

 

「ほらぁ・・・」

 

「あのね?今私があの街にいるのは私があんた達を選んだからよ」

 

「俺たち?」

 

「そう、いつもいつもこっちを振り回すわ、面倒事を投げてくるわ、やきもきさせられるわで、心労は多いけどね・・・それでも私はあんた達を選んで、あの街に一緒にいるの!もっと感謝しなさいよね!」

 

「っ!・・・うん!」グスッ

 

「なんで泣くのよ、ほら顔拭きなさい」

 

「だってぇー」

 

エリアだって、シャロにはいつも面倒かけてる自覚はある。

 

なにかあったらまずシャロに相談しよう、と考えてる所もある、だけど、甘えっぱなしでは申し訳ないな、とも思ってもいるのだ。

 

だけど、シャロはそれを受け入れた上で、皆と一緒にいたいと言ってくれた、それが嬉しかった

 

「だってじゃないわよ、本当に全く手のかかる弟ね」

 

「弟はやだー!」

 

「なんでよっ!?どう考えても弟じゃない!」

 

「じゃあ私はお姉ちゃんね!」

「ずるいわココアちゃん!私もエリア君のお姉ちゃんになりたい!」

「そこ!脱線しない!」

「友だちがいいー!」

「エリア君!?この旅行で家族になるんでしょ!?」

「さぁ!ご唱和ください!姉の名を!」

「あーっ!もう!うるさーい!!」

 

更に騒がしくなり、周りの視線が生暖かくなったので・・・一旦ホテルに戻ることにしました。

 

ホテルへの帰り道

 

「ごめんね、シャロ・・・」

 

「いいわよ、この後ご飯食べに行くけど夜まで時間もあるし、ママもお仕事あるみたいだし」

 

「安心してねシャロちゃん、夜はもうホテルからでないつもりだから!」

「なんならお泊まりしてきてもいいのよ!朝帰りも多めに見ちゃう!」

 

「当たり前よ、これ以上邪魔したら承知しないわよ」

 

「うん、だからシャロ、今度こそ楽しんできてね?」

 

「えぇ、お言葉に甘えて。だけどちゃんと帰ってくるから安心しなさい。」

 

「?本当に泊まってきてもいいんだよ?色々積もる話もあるだろうし・・・」

 

「そうね・・・けど、今の私の帰る場所は皆がいるあの場所なのよ」

 

「!!」

 

「エリア、あんただけじゃないのよ。あんただって皆の帰る場所になってるんだから、誇りなさい。」

 

「うん、ありがとうシャロ」

 

「分かったならいいわ、さ、帰りましょ?」

 

そうして四人並んで帰る、自分達が帰る・・・帰りたい場所へ

 

・・・その日の夕方、ホテルにシャロのご両親が迎えにきました。家族揃っての食事に出かけるシャロはとっても楽しそうに出掛けていきました。

 

その笑顔が嬉しいけど、なんだか不安だったエリアと千夜

 

「千夜、寝ないの?」

「エリア君こそ、眠そうよ?」

「そんなこと・・・ふわぁぁ・・・ないよ?」

「あくびでてるじゃな・・・ふわぁ・・・」

 

ホテルのロビーでシャロを待っていました。沢山歩いたので疲れて眠いですが・・・とにかくシャロを出迎えたくて

 

「嬉しかったんだ、シャロに俺を含めた皆のいる場所が帰る場所だって言ってもらえて」

 

「そうね、私はずっと不安だったの・・・もしかしたらシャロちゃんが木組みの街に残ったのは私が心配だったからなんじゃないかって・・・けど違った、シャロちゃんは自分の意思で皆がいるここにいることを選んでくれてたのね・・・嬉しかったわ」

 

「俺たちシャロのこと大好きだね」

「えぇ、そうね」

 

そのままうとうととして・・・そのまま・・・

 

・・・

「ただいまー・・・ってココア?なにしてるの?」

 

「シャロちゃんしーっ、ほら見て?」

 

毛布をもったココアが指差す方には

 

「ぐー・・・しゃろー、またちやがぁ・・・ぐぅ」

「ほらみてしゃろちゃーん・・・ぐぅ」

 

「ね、寝てるの?こんなところで?」

 

待ちくたびれたのかソファで眠りこける二人がいた。

 

「二人ともシャロちゃんのこと待ってたみたい、きっとシャロちゃんにおかえりって言いたかったんだよ」

 

「そんなのいつも言ってるじゃない・・・おバカね」

 

口では悪態をついているが、その顔は

 

「シャロちゃんすごく嬉しそうだね」

 

「なっ!・・・そうかも」

 

「シャロちゃんきたら起こそうかなと思ってたんだけど、どうしよっか?」

 

「そうね・・・!、ねぇココア面白いこと考えたんだけど」

 

・・・翌朝

 

「皆おはよう・・・ってなんだこれ」

「おっはよー・・・ってなにこれ」

「わーすっごく仲良しさんだ!」

「記念に一枚撮っておきましょう」

 

そう言ってシャッターを切ったチノ、そのレンズには

 

ココア、シャロ、千夜、エリアの順でソファに座って仲良くもたれあいながら眠っている・・・そんな光景が映っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




喫茶店こそこそ話

シャロとエリアは持ちつ持たれつという言葉がよく似合う二人で、うさぎのことや色々な相談など・・・互いに苦手なことはカバーしあっています。

「エリアのこと?あんなの手のかかる弟よ」
「シャロのこと?一番頼りにしてる友達かな」

なんだかんだ、信頼しあってるようですよ?
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