緑茶風少年   作:アユムーン

6 / 100
暖かい評価やコメントの数々・・・誠にありがとうございます。

当面の目標はクリスマスにクリスマス回をいれることが目標です。

目指せ有言実行!

本日は箸休め、軽めのお話をどうぞ


追いかけっこは家の前で終わりました。

「ふっ、くっ・・・」

 

ホールの仕事に慣れてきた今日この頃、エリアは練りきりの練習をしていた。

 

和菓子の細かな作業に集中しているようだ。あんこもエリアの気合いを感じているのか、今日は離れたところから様子を見ている。

 

「よ、よし。ようやく形になりそうだ・・・」

 

机の上に置かれているのは失敗の嵐ともいえる惨劇、しかしようやくまともなものができそうだ。

 

「最後の、ここを・・・「エリア君!シャロちゃんが大変なの!!」あぁっ!!」

 

最後の作業をしようとしたその時、外の掃除をしていた千夜が慌てて店内に帰ってきた。

 

それと同時に驚いたエリアが手に持っていた練りきりは無惨な姿に

 

「あ、あぁ、折角できそうだったのに・・・・・・おいしい」

 

無惨な練りきりは美味しくいただいたが、少し泣きそうになっていた。一方あんこは「あ、終わった?」という感じでエリアの近くに寄ってきていた。

 

「練りきり食べてる場合じゃないわ!これを見て!」

 

千夜に渡されたチラシには

 

『~心も体も癒します~ fleur-de-lapan Open』

 

と言う文字がバニーガールのようなイラストと共に書かれていた。

正直かなりいかがわしいよねこれ、by作者

 

「それで、これがなんでシャロさんと?」

 

「シャロちゃんが今度からここで働くって!きっといかがわしいお店なのよ!」

 

シャロはお嬢様高校に通っているがあくまでも学費免除の特待生として通っている。

 

実際のところはお家を見ればお察し・・・という感じでバイトを掛け持ちしてるとかなんとか

 

カップを選びに行ったときには知らなかったが、シャロはそれがかなりコンプレックスらしく、ココア、チノ、リゼには内緒にしている。

 

「こ、これは確かに・・・」

 

「怖くて本人に聞けないの!どうしよう」

 

「明日行ってみたら?」

 

「えぇ!?」

 

「当たって砕けろって言うし」

 

「砕けちゃダメじゃない!」

 

「それならココアさ、おっほん、ココア達と一緒に行ったら?」

 

「え?エリア君はこないの?」

 

「明日どっちかがお店抜けると大変じゃない・・・ソレニワタシモゲンゼンナダンシナノデ・・・」

 

「??とにかくお願いしていいかしら?」

 

「まかせて」

 

・・・そして翌日

「ふ、ふう・・・ようやくできた」

 

お客が減ってきたので再び練習、本日は大福

 

お店の大きさを参考に作っていたのだがこれが難しい

餡と餅の分量を均一に、なおかつ餅を巻くのもまだ慣れていないので難しかった。

 

「これを店主さんに食べてもらおう」

 

昨日に引き続き失敗の数はそれなりにある・・・が、合格点をもらえる自信のあるものができた。手にのせた大福も心なしか輝いて見える。

 

「!乾燥する前に包んでしまおう、ラップは「エリア君ただいま!」「遊びに来たよー!」あっ!!」

 

グシャッ

 

・・・

「・・・」ズーン

 

「この大福美味しいね!ちょっと形が歪だけど」

 

「でしょう?訳あり商品だからお安くするわー」

 

シャロの所から帰ってきた千夜と、そのまま甘兎庵にやってきたココアの声に驚き、大福は無惨な姿に

 

「はぁ・・・それで、シャロさんはどうだったの?」

 

「制服が素敵なハーブティーの喫茶店だったわ」

 

「うん、ウサミミの可愛い制服だったね」

 

「ハーブティー?」

 

「そう、シャロちゃんからお土産でハーブティーをもらったから淹れましょうか。」

 

・・・

 

「へー、これがハーブティー・・・」

 

「これはシャロちゃんがよく飲んでいたものね」

 

「ふーん・・・んぐぅっ!?」

 

早速一口と飲んでみたエリア、突如苦しみだした。

 

「!!?エリア君!?」

 

「あ、これ苦かったわね。ごめんなさい」

 

「に、苦・・・甘いの・・・」

 

大福を手に取り食べる・・・が

 

「!!?」

今度は驚いた表情を浮かべる。

 

「ど、どうしたの?」

 

「そういえば今日シャロちゃんが、ギムネマは飲んだら暫く甘味を感じなくなるって言ってたわね。」

 

「あ、そういえばそうだっけ?私も飲んだけどもう大丈夫だったから忘れてたよ・・・あれ?」

 

「ヒグッエグッ・・・」ポロポロポロ・・・

 

「え、エリア君!?なんで泣いてるの!?」

 

「多分苦いのが嫌で甘いの食べたのに甘いの感じないから苦いのが残ってるし、大好きな甘いものなのに美味しくないのでショックなのね」

 

「うっ、うぁぁぁぁーー!!!」

 

「エリアくーん!!?」

 

遂に本格的に泣き、走ってどこかにいきました。

 

・・・フルール・ド・ラパン前

 

「ふぅ、ようやく終わったわ。皆急にくるんだもの、けどまぁ楽しかったけど「みっ、見つけたぁ・・・」ん?エリアじゃない、どうしたの?」

 

バイト終わりのシャロの前に来たのは息絶え絶えのエリア

 

「こ、このっ・・・この悪魔めー!!」

 

「え、えぇ!?」

 

泣きながらシャロを追いかけるエリアと逃げるシャロ、木組みの家と石畳の街は今日も平和です。

 

・・・甘兎庵

 

「あれ?そういえばお土産のハーブティーの他にギムネマを持って帰るって言ったのは千夜ちゃんじゃなかったっけ?」

 

「うふふ、ココアちゃん?もっと大福食べる?」

 

「ち、千夜ちゃん?」  

 

その日エリアの嫌いなものにギムネマ・シルベスターが追加されたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




喫茶店こそこそ話

千夜がギムネマを持って帰ったのはイタズラだけではなく、放っておくと甘いものばかりを食べるエリアへのお灸だったらしいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。