全員が椅子に座り、エリアの方を向いた。
先ほど凛にはエリアの身の上話を軽く伝えた(号泣されて、抱き締められました。千夜が怖かったです)
「それで旅行の初日・・・皆と別れて俺は家に行った・・・違う、家に帰ったんだ」
話は旅行の初日に戻る。
・・・駅から降りて、目的地である家に到着した
連絡はしていない、完全なアポ無し訪問
普段ならまず連絡するが、今回は急遽決めたことだったので、できなかった。それに旅行メンバーとの連絡を絶つために、携帯の電源も今は切っておかなければならない。
本当はまだ少し怖いけど、大丈夫だと信じてポケットから鍵を取り出し・・・差し込んだ。
ガチャリっと、鍵が開け、ドアを開いた。
「・・・ただいま」
誰もいないのだろうか・・・静か「えっ誰!?泥棒!?」ではなかった
「っ!?エリア君!?」
慌ててエリアを出迎えてくれたのは清治の妻、手には・・・
「包丁!?」
「あ、ごめんなさい・・・お昼ごはんの準備してて」
・・・
「はい、どうぞ、昨日の残り物でごめんね?」
「い、いえ、いただきます」
食卓に並べられた料理をいただく、残り物とは思えないほどに美味しい
「けど、エリア君が来るのなら清治さんも伝えてくれたらよかったのに、そしたらもう少し豪華なごはん用意してたわ」
「いえ、今日はその・・・連絡してなくて」
「!、そうなの!?・・・ってよくよく考えればそうよね。ここはエリア君の家だもの」
「?」
「だって家に帰るのにわざわざ連絡する必要なんてないでしょ?」
「!、清治さんからなにも聞いてないんですか?」
以前、別れ際に自分は清治に、もうここは自分の家ではないと、直接ではないが伝えてしまっていた。
それでもあの時清治はいつでも帰ってきなさいと言ってくれた。
「?なにかあったの?、それに今日は清治さんはお仕事だけど・・・なにか用事があったのかしら?」
「いえ、あの、清治さんが帰ってくるまでいていいですか?」
「当然よ!あ、エリア君のお部屋、掃除してあるからそこで待つ?」
「!、ありがとうございます。けど、その前にちょっと挨拶してきます。」
そう言ってエリアは両親の元・・・仏壇のある部屋に行きました。
お線香を立てて、甘兎庵の羊羮をお供えし、手を合わせる。
「(ただいま父さん母さん・・・ううん、久しぶりなのかな)」
あのハロウィーンの不思議な出来事を思い出す。
あれは夢だったのかなんだったのか分からない、けど確かにあの時エリアは両親に会い、抱き締めた。
父はずっとエリアの近くにいてくれたらしい、だけどハロウィーンの日に母と共に行ってしまった。
今頃あちら側で仲良くしているだろうか、そして自分のことをきっと見守ってくれている・・・
「(母さんのお姉さんに会ってきた、素敵な人だったよ。撫でてもらったり、ご飯も作ってもらったりしたんだ。
母さんもおんなじことしてもらったのかな?それで俺にもしてくれたんだよね)」
あの日食べたシチューの味は、母が作ったシチューを思い出した。
それからよく料理を一緒にして・・・それからパンをよく作ったわ、というのがココアの母から聞いた話。
「(最近さ、俺料理してるんだ。父さんと一緒に勉強した料理・・・皆おいしいって言ってくれる。最近は作れるものもいっぱい増えたんだよ。今なら父さんにも勝てちゃうかも)」
最近和菓子も含めて、振る舞うことが増えた自分の手料理、皆が美味しいと言ってくれた。次はこんなのはどうかな?とレシピを教えてくれた。千夜とは一緒に台所に立つことが増えた。
「(あの時はごめんなさい、もうここは帰る場所じゃないとか言って・・・けど、やっぱりここは・・・)」
自分が育った家なんだ、と伝えて自分の部屋へ向かう
・・・
自分の部屋に入る、前に来たときと全く変わっていない・・・押し入れを開き、昔遊んだおもちゃが入った箱を取り出した。
中には以前ゲームセンターで遊んだカードゲームのデッキ、昔遊んだゲーム、古ぼけた漫画など、たくさんの思い出の品が出てきた。
一つ一つに思い出があり、笑みが溢れる。
確か中学に上がる頃にこの箱に入れたのだ。
その時父に「もう中学生だから、こういうのは卒業して、家の手伝いもっと頑張るよ」と、伝えた。
その時エリアは父を助けたくて、喜んでほしくて言った
けど、それを伝えた時の父は悲しそうだった。
「(その時はなんでか分からなかったけど・・・父さんはきっとそんなことしてほしくなかったんだよね)」
なによりも自分の幸せを願ってくれていた父、エリアが自分の気持ちに蓋をして、好きなものを封印してしまったのが、悲しかったのだろう・・・
「ほんと、俺ってバカだ」
自分が我慢して、誰かを幸せにしようとしたって本当の意味で幸せにできることなんてありえないのに
千夜とココアの文化祭の時身に沁みて分かったこと
誰かを助けたいと幸せにしたいと思うのなら、自分も大切にして、そして幸せにならなくてはならないのだ
犠牲の上にたつ幸せなんて・・・意味はない
・・・
そのままふらり・・・と父と母の部屋だった所に入った。
そこにはダブルベットと机がある・・・?
「ここ使ってないのか?、てっきり二人の寝室にしてると思ってた・・・」
最後にここを訪れた時は父がまだ生きていた時だ、その時からベットのシーツや、机、カーペットなど全く変わっていない
「ベットも窓も・・・埃溜まってない「清治さんよ」!」
後ろから声をかけられた、声をかけたのはもちろん清治の妻
「この部屋とエリア君の部屋は自分が掃除するからって、私を近づけさせなかったの。最近になってやっと掃除が任されるようになったかしら、いつでもエリア君が帰ってこられるようにってね」
「!・・・そうなんだ」
全く気づかなかった、気づこうともしていなかった
清治は本当に自分の帰ってこられる場所を守ってくれていたのだ。それなのに自分は・・・
「そういえばここにたくさん楽器があるんだけどもしかしてエリア君のお母さんのものかしら?」
両親の部屋の押し入れを開くと、思い出の楽器達が眠っていた。
「はい、母のです」
たくさんの音を奏で、エリアと母を楽しませてくれていた楽器達、清治はこれも大切に置いておいてくれたのか
バイオリンやフルート、ギターにキーボード・・・ほかにも鈴にマラカス、等たくさんある。
「少しだけ調べたんだけど、ここにある楽器で結構いいものみたいで、このままじゃ宝の持ち腐れなのよね・・・エリア君弾けるかしら?」
「いえ、俺は楽器とかやったことはなくて」
「けど、音楽家のお母さんの血を継いでるんだから少し練習したら案外で来たりして!」
「・・・かもしれませんね」
数日後この予想は大当たりし、エリアは見事にピアノを演奏しきった。
・・・そして夜
「ただいまー「おかえりなさい」!!、エリア君!?」
清治が帰ってきた、今度はエリアが出迎えた。
突然現れたエリアに驚いている清治
「今日はどうした「清治さんはやくっ!今日の晩御飯はエリア君も手伝ってくれたのよ!」そうなのかい?」
「は、はい」
「そうか・・・話はご飯の後にしよう、それからエリア君おかえり」
「!、はい!ただいまっ!」
以前なら交わせなかった挨拶ができた。
その挨拶も甘兎庵で思い出すことができたこと
・・・夕食後
「なるほど、友だちと旅行でここに」
「この辺なら観光するところ遊ぶところもたくさんあるものね、それで近くに来てくれたからここに?」
「はい、それもあって・・・それから」
「?なにかあるのかい?」
「・・・以前帰ってきた時には失礼な態度をとってしまい、すみませんでした。」
きっと気にしていないだろうが、それでも今日ここにいたら、清治が自分のためにたくさん色々なことをしてくれていたのがよく分かった。
よく分かったから、自分の態度がどれだけ失礼だったのかも、よく分かった。
以前タカヒロに教えてもらった最大限の礼節をこめて、頭を下げた。
「!」
「以前?お昼の時も言ってたけどなにかあったの?」
「いや、なんでもないよ・・・それよりエリア君頭を上げなさい。」
「けど「じゃないと私は許すこともできないじゃないか」!」
「きちんと目を見て話そう。それから私はエリア君にお礼が言いたいんだ」
「お礼?」
「電話でお礼はさせてもらったけど、やはり直接言いたくてね。ほらあれだよ」
そういって清治が指差す方にはエリアが贈ったぬいぐるみがある
「清正からは自分に似て不器用なところがあると聞いていたが、そんなことはないようだね」
「えぇ、とっても上手でかわいい兎だもの」
「いえ、何度も指に針刺したり、縫い目間違えたりしたんです。その度に友達が治療とかこうすればいいって教えてくれて・・・」
「そうなのかい?いい友達だね」
「はい、俺自慢の友達なんです。」
胸を張って友達だと言える。
もう自分が彼女達に釣り合っていないなどという考えはもっていない、自分は彼女らと等しい場所でありたい。
そう思っていたら、この旅行では彼女たちのことを家族だと思うようになっていた。
「あのぬいぐるみにあんな思いを込めてくれたのも嬉しかったよ。」
「!、そうだ、えっと今何ヵ月でしたっけ?」
「まだ3ヶ月くらいであんまり目立たないけど・・・触ってみる?」
「へ?「ほらほら」うわっ」
12月に分かった妊娠、そして今は3月・・・まだそこまでお腹は目立たないけど・・・
「分かるかしら?少しだけ膨らんでない?」
「は、はい・・・ここに」
ここにいるのだ、まだまだ小さいけどエリアの従兄弟が
「最近はエコーもできるから、ほら見てこの写真!ここが赤ちゃんで、心臓ももう動いてるって!こんなにちっちゃいのに凄いね~」
愛おしそうにお腹を撫でている。その顔は紛れもなく母親の顔だった。
自分の母もこんな風に自分を撫でてくれていたのだろう・・・そうだ
「あの、男の子か女の子かとかって」
「流石にまだ分からないわ。けどどっちでもいいわね、どっちだって絶対に可愛いもの!」
「そうだなぁ、どんな名前にしようか今から考えてて「あのっ!」?どうかしたかな?」
「ちゃんと男女別々で名前考えてあげてくださいね?」
「?もちろんだが?」
「なら、よかったです。」
どんな名前だとしてもその名前は両親から命の次に与えられる素敵なもの
少し笑えるような名付けられ方をした自分だってそう感じるのだから、きっとそうなのだ
・・・
その日は泊まることになり、積もる話もあるでしょう?と清治とエリアはリビングで二人きりになった。
学校のことやお店のこと、友達のことを話した。
「この間はあまり話ができなかったから、今日は普段エリア君がどんな友達と一緒にいるのか知れてよかったよ」
「俺もお話しできてよかったです」
「・・・もう大丈夫かな」
「?」
「実は清正から託されたものがあるんだ」
そう言って戸棚から出してくれたのは封筒、そこに書かれているのは・・・
「エリアへ?・・・!?」
宛名は自分の名前、送り主は・・・
「そう、それは君のお母さんからの手紙だよ。
いつかエリアに渡そうと思ってる、とのことだった。」
「けど、なんで清正さんに?」
「その手紙はエリアに向けたものだけど、僕が持ってたら読みたくなってしまうから預かってほしいと言って預けてきたよ。」
「父さんがそんなことを?」
いつだって誠実でかっこよくて、真面目を絵に描いたような父だったのに・・・
「もう言ってもいいだろう・・・清正は君の前ではカッコつけてたんだよ。カッコいい大人ってやつになろうってね」
「カッコいい大人?」
「コーヒー飲めないのにエリア君の前では飲んでたね、あいつはどっちかっていうと甘いもの好きなのに」
「それは俺も同じです」
「ニチアサなんかは絶対に見逃さなかったね、大人になっても見続けてたよ、エリア君も好きになった時は大喜びしてたよ。結局エリア君と見たりすることはなかったみたいだけどね」
「・・・それも同じ」
「顔立ちが自分そっくりなことも喜んでたね。でもエリア君の前ではお母さんに似てるところばかり褒めてたんじゃないかな?」
「はい、この髪色のこと褒めてくれました」
「きっと自分に似てて嬉しいなんて照れて言えなかったんだよ。本当にあいつは・・・」
そう言う伯父の顔は昔を思い出して、懐かしんでいる笑顔だ
そしてそんな伯父の口から話される父は自分の知らない父のこと
「こうやって清正のことをエリア君と話すのは初めてだね。」
「はい」
「・・・君のお母さん、芹彩さんが亡くなった時に私は清正に実家に戻ってくるように伝えたんだ。この家は元々芹彩さんのご両親の残したものだったからね。」
「はい、お爺ちゃんとお婆ちゃんがくれた家だって聞きました・・・」
「うん、その二人も芹彩さんが君が小学校に入ってから亡くなってしまったからね・・・」
「・・・」
「暗い話にしてすまない、けどまだまだ幼かった君を抱えてあの清正が生活できると思えなかった。あいつ昔から家事手伝ったりしなかったし」
「そうなんですか?」
「そう、「僕不器用だから兄さん任せた」って逃げてたよ」
「そうなんですか・・・でも母さんの手伝いとかしてましたよ?」
「そう、芹彩さんと出会ってからは少しましになってたんだ。家事手伝ってるなんて信じられなかった。
それでも、あいつ一人でエリア君を育てるのは無理までとは言わないけど、厳しいんじゃないかと思ってたよ。」
「・・・」
「もちろんあいつも私も君が重荷になるなんて考えてなかった。ただ私は二人が辛い思いをするのが嫌だったんだ。」
「けど、父さんは?」
「「兄さんの気持ちは嬉しいし、ありがたいけど僕はエリアと芹彩と過ごしたあの家を捨てられない」泣き疲れて寝てる君を抱き締めて、仏壇をジッと見ながら言っていたよ、今思えば芹彩さんと約束してたんじゃないかと思うよ。」
「父さん・・・っ」
涙が溢れてくる。
「それからは君の知っての通り、不器用だけど精一杯君のために頑張っていた。けど、エリア君が清正を手伝いたいって言った時にはどうしようって泣きついてきたよ」
「なんで父さんが?」
「エリア君には自由でいてほしかった、家のことや親のことなんか気にせず、思いっきり遊んで寝て、元気でいてほしかったんだ・・・けど、次第にちゃんとエリア君の意思を尊重できるようになっていたね。」
「家事とか勉強とかいっぱい教えてくれました。」
「そのうちエリアが優しくてやばい、天使すぎる、既に僕より料理上手いんだけどとか、電話かけてきたよ。
それだけ君との生活は楽しかったんだね。それからいつも言っていたよ。
芹彩がいなくなって、心に穴が開きそうになった
けどエリアがその穴を埋めてくれた、満たしてくれた
何度も何度も言っていた」
「俺が?」
「そう、君は清正の心を救っていたんだよ。
・・・そして清正が亡くなった時、私は君の心に穴が空いてしまったんじゃないかと思った。」
「!!」
「君を引き取って、この家を守ったのは決して同情なんかじゃない、清正が大切にしていたエリア君を守りたいと思った。それから・・・君の父親の変わりになれたら、なんて思ってしまっていた。」
「っ!・・・それはっ「エリア君私はね」?」
「ずっと君に謝りたかったんだ」
「!!・・・なににですか!?清治さんは俺のわがままを叶えてくれたのに!なのに!、なのに、俺は・・・貴方を裏切ったのに・・・」
「・・・裏切ってなんていないさ、当然だと思う」
「えっ・・・」
「結婚して、妻ができた。そして今新しい家族ができそうで、まだ気が早いかもしれないけど、私は父親なのだと自覚したんだ。
それと同時に清正がどんな気持ちで君を守ろうとしてたのか、それも分かった。
誰かが誰かのかわりになんてなれないのにね、私も馬鹿だ」
自分の妻、子どもに向ける最大の愛情
それを今まで与えられる立場から一転して、与える立場になった
それと同時に相手から返ってくる愛情は堪らなく愛おしい
「私は君にそんな愛情を一度も向けたことはなかった・・・違うな、向けられなかった。君を見ていると清治を思い出してしまった。だからどこかあいつとエリア君を重ねてみてしまっていた、だから君がなにかに悩んでいても・・・清正なら大丈夫だったから、なんて考えて向き合おうとしていなかった。」
だから
「君が・・・命を捨てようとした時、清正と君は違うんだと初めて気づいた。
本当にすまない、私は君を傷つけていた・・・申し訳ない」
頭を下げて謝罪する清治
エリアが初めて病院で目覚めたあの日、
初めて清治がエリアに怒鳴って叱ったあの日、
清治は初めてエリアを見つけた、
そしてエリアは自身を見失っていたのだ
「私はエリア君と向き合うことが怖くなっていた。君に恨まれているんじゃないかと思っていた。それでも私にも家族ができた時にこのままではいけないと、思ったんだ・・・だから君に帰ってくるように伝えたりしたんだけど、結局このざまだ」
清治も後悔していた。
エリアの気持ちを理解していなかったのではないかと、
エリアと向き合うことを怖がっていたのではないかと、
ずっとずっと後悔していた、そしてそれは
「・・・けどあの時清治さんが止めてくれなきゃ、俺は今ここにいませんでした」
エリアも同じだった、だから伝えよう。
「エリア君?「それから!」!!」
「それから、色々あって今の高校に行って、働いて、友達ができて、色々楽しいこととか辛いこととか色々あったんです。そのどれもが俺を成長させて・・・進化させてくれた!」
今まで皆に進化なんて言われても否定していた
けど、薄々分かっていたんだ
成長し、進化する自分がいることを
けど皆がそのきっかけをくれたから、できたことだということも!
「ある人に言われたんです。どんな道を選んだっていつかどこかで繋がるって・・・けどそれって道を進まなきゃ繋がるわけがないんです。俺はその道を進むことすら諦めようとしていたんです。
辛くても生きて、泣いてでも進む、それをさせてくれたのは清治さんなんです。」
涙を流しながら、清治の手を取り、握りしめる。
「あの時道を進むことを諦めてたら、今はなかったんです。
あのね清治さん俺、今幸せなんですよ。
あんな風になりたいって思える憧れの人ができたんです。
それと同じで自分に憧れてくれる人がいるんです。
困った時に相談に乗ってくれる人がいるんです。
それから自分を頼ってくれる人もいるんです。
ずっと一緒にいようって言ってくれる人がいるんです。
それから・・・今新しい家族ができそうなんです。俺の従兄弟なんですけどね?」
「!!」
「俺と清治さんは今からがスタートなんです。
まだなにも始まってないから今から始めましょう。
言いたいことはちゃんと言って、心配かけてかけられてをしながら家族になりましょう・・・ううん、家族じゃなくたっていいんですよ。どんな関係だっていいんですよ。俺清治さんといっぱい話したいです。」
「エリア君・・・」
「俺の知らない父さんの話聞きたいです。それからさっきも話した俺の友達・・・は違う、実は俺に別の家族がいるんです。血の繋がりとかそういうの抜きにした、心を通わせた家族がいるんてます。その家族の話もっと聞いてくれませんか?」
「・・・そうだね、たくさん話そう。」
ズズッと二人して鼻をすすり、無理矢理笑った。
「はい!」
その後はたくさん話して、疲れてリビングで二人とも寝ていた。起きて朝御飯食べて、少しゆっくりしてそれから駅に向かった
「いつでも来なさい・・・ちがうねいつでも帰ってきなさい」
清治が見送りに来てくれた、今度いつ会えるかは分からないから、本当に伝えたいことを伝える。
「はい!」
「それに、いつかエリア君のもう一つの家族の皆にも会ってみたいな」
「はい!自慢の家族です!」
「そうか・・・!、もう時間か、それじゃあ・・・いってらっしゃい、エリア君」
「はい!行ってきます!」
今度は笑顔で手を振って、別れの挨拶をしてエリアは進む
もう一つの自分の帰りたい場所に向かって進んでいく
喫茶店こそこそ話
芹彩を亡くして穴が空いた清正の心をエリアが満たしたように、清正を亡くした清治の心を満たしたのはお嫁さんでした。
そして、エリアの心を満たしたのはもちろん・・・