緑茶風少年   作:アユムーン

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前回無事結ばれた二人

そんな二人の始めての共同作業・・・生暖かく見守ってあげてください・・・


決めたぜ覚悟、離すな絆

旅行最終日の夜、ホテルロイヤルキャッツ、広間

 

そこには青山と千夜とエリアを除くメンバーが並んで何かを待っている様子で椅子に座っていた。

 

そんな皆の前には一つの長机と椅子が2つ

 

ガチャッ、広間のドアが開かれ、青山が入ってきた。

 

その瞳は真剣そのもの、並ぶ皆の前に立ち、一礼

 

「皆さんお待たせしました。これより宇治松千夜、和田上凛彩の交際報告会を始めさせていただきます。」

 

そう青山が告げると再びドアが開き、エリアと千夜が広間に入ってきた。

 

皆の前にある椅子に辿り着くまでにカシャッ!カシャッ!と皆のスマホで写真を撮られる。

 

そうして二人も一礼し、椅子に座る。以前写真は撮られ続けている。

 

「それでは和田上凛彩さんからご挨拶をお願いします」

 

「はい」

 

椅子から立ち、皆の方に目を向けて・・・

 

「皆さまお集まりいただきありがとうございます。

 

この度、私和田上凛彩と宇治松千夜さんは結婚を前提としたお付き合いをさせていただきました。

 

今回はその報告としてこの場を用意させていただきました。よろしくお願いします」

 

・・・さて、皆さまからどういうことだよというツッコミが来たところで、今何が起こっているのかをお話ししたいと思います。

 

・・・めでたく想いが結ばれたエリアと千夜

 

嬉しくて嬉しくて、手を繋いで帰っていました。

 

もちろん手には指輪があります。

 

さて、そこで二人は気づきました。

 

このまま帰ったら絶対からかわれるよなぁ・・・と

 

振り替えると自分達のことで皆やきもきしてただろうし、面倒をかけたという自覚もある。

 

だからこそ、このような形になったことを皆にも伝えるべきだと思うのだが・・・

 

「このネタで暫くはからかわれそうよね」

「うん、いじられるだろうね」

 

皆は自分達に気を遣って二人きりにしてくれると思う・・・がその前に確実にいじってくるだろう。

 

特に今まで振り回してきたリゼとシャロとチノの振り回され隊、そして小悪魔なマヤとメグが

 

(ココアに関しては付き合いだした二人のことを尊重し、二人から距離をとりそうなので、離さない確固たる決意を胸に刻みました。)

 

さて、正直今まで見てきた側(私たちを含む)からすれば受けて当然の報いではあるが・・・この二人、人をいじるのは好きだがいじられるのは恥ずかしくて仕方がない

 

ならどうするか?

 

「エリア君こんな時こそ先制攻撃よ」

「よし、早速青山さんに連絡だ!」

 

青山に知恵を借り、文章を推敲してもらう。

 

そしてSNSのグループに送信

 

『皆さまには日頃からお世話になっておりますがこのような形でのご連絡申し訳ありません。(まずは普段からのお礼は大切ですby青山)

 

この度和田絵凛彩と宇治松千夜は結婚を前提としたおつきあいをすることとなりました。(伝えたいことは簡潔にしましょう!by凛)

 

つきましては本日の~時より、婚約報告会をロイヤルキャッツ広間にて行います。(いいでしょうby支配人)』

 

と、いうことでこうなりました。

 

「どこの芸能人!?」

リゼとシャロのツッコミは知らぬまま、メッセージを送ったエリアと千夜は仲良く帰りました。

 

・・・で、こうなりました。

 

「それでは質問の時間とさせていただきます。質問がある方は挙手を・・・あら、全員ですね・・・」

 

ビシッと全員の手が上がります。

 

「それでは右から順にお願いします」

 

「はいっ!こんにちは!保登出版の者です!」

 

一番手はもちろんココア、手にはメモも持たれており、ノリノリである。

 

「この度は交際おめでとうございます!私からはお二人のこれまでの馴れ初めを聞かせてください!」

 

「わかりました、では私から

 

私はいつも彼女から手を差し伸べてもらっていて、私が思い悩んだ時には率先して助けてくれたと聞いていました。

 

もちろんその時一緒になって私を助けてくれた友人たちに感謝しております。

 

そしてその時から彼女のことを意識し始めて今に至ります。」

 

「私は彼の真面目で頑張り屋なところに惹かれました。

 

それからどんなことでもただ許すのではなく、相手の気持ちをしっかりと受け入れた上で相手を許すことができる、そんな彼の優しさに触れたのがきっかけです。」

 

「ありがとうございます!帰ったら記事にしようね!クラスの皆にも教えなきゃ!」

 

「「それはやめて」」

 

・・・

 

「それでは次はそちらの紫の方」

 

「紫の方って・・・えーっとこの度は交際おめでとうございます・・・なぁこれほんとに言わなきゃだめか?「ダメだよリゼちゃん!」はぁ・・・週刊ミリタリーの者です。」

 

なんか軍隊関係の雑誌の記者が来たが・・・続ける

 

「二人の仲のよさは以前から知られていましたが、お互いの好きな所と苦手な所がありましたらよろしくお願いします。」

 

「分かりました。

 

まず好きな所は夢に熱心な所です。その情熱や熱意にいつも引き込まれていて、彼女の考えるアイデアのどれもが素晴らしくて大好きです。

 

苦手な所は知らず知らずにその奇抜な発送や勘違いや思い込みで人を巻き込んでしまう所ですかね。それで振り回される人も沢山いるので・・・まぁそんなところも好きですが」

 

「私は先程も申し上げた通り真面目で頑張り屋な所です。苦手なことにも逃げずに挑戦している姿が好きです。そんな彼に何度も助けてもらいました。

 

苦手な所・・・というか直してほしいことは重大な問題程自分一人で抱え込んでしまうことでしょうか?それでこちらも対応が後手に回ってしまうことも多いので」

 

「なるほど・・・で、御託はいい、お互いの外見(フェチ)の部分は?」

 

「・・・綺麗な髪と胸」

「・・・妬ましい位に細い腰回りと時々見える鎖骨とうなじ」

 

「正直でよろしい」

 

・・・

 

「つ、次の方」

 

「はーい!チマメチャンネルの三人からです!交際おめでとうございます!」

 

「お二人の告白シーンが見たいです!」

 

「再現VTRよろしく!」

 

某動画配信者のような3人から飛んできた重めの質問・・・ってもはや記事にじゃない

 

「うぐっ!」「エリア君頑張って!」

 

記者会見というこちらの領域に引きずり込んで有耶無耶にしてやろうという作戦が読まれていたようだ

 

向こうのより洗練された領域がこちらを侵食し始めている・・・

 

・・・エリア、千夜再現中・・・

 

「わぁ~すてき!!指輪のプレゼントなんてロマンチックー!!」

 

目を輝かせるメグ

 

「なにか隠していませんか?」

 

終わり方に疑問を感じるチノ

 

「そうだそうだ!本当に指輪渡して終わりなんですか!?」

 

言及するマヤ

 

「「なにもないです!!」」

 

顔を真っ赤にして否定する二人

流石に最後のを皆の前では無理でした。

 

・・・

「そ、それでは最後・・・」

「そ、そちらのブロンドの素敵な彼女・・・」

 

「既に満身創痍ね・・・さて、この度は交際おめでとうございます。月刊ラパンの者です」

 

最後に来たのはシャロ、ここまでのノリには乗っているが目はとても真剣である。

 

「お二人の仲の良さや結ばれた経緯やその瞬間についてよく分かりました。その上でご質問します。

 

もしも相手が自分を裏切ったり、自分を置いていったりしたらどうなさいますか?」

 

「「!!」」

 

「おいシャロっ!「ごめんなさい先輩、この二人には聞いておかなきゃいけないことなんです」お前・・・」

 

試すようなシャロの質問

 

シャロはこの二人のことを今まで一番近くで見てきて、応援してきた。

 

千夜がどれだけ悩んで苦しんできたのかを知ってる

 

エリアがどれだけ過酷な道を乗り越えたのかを知ってる

 

二人が強く強く想いあってることを知ってる

 

だからこそ、試したい、試さなくてはいけない

 

この男に大切な幼なじみを託すことができるのか

幼なじみにこの男を受け入れることができるのか

 

最後の確認だ・・・それに対して二人は

 

「「・・・もしも彼女/彼・・・千夜/エリア君が俺/私を裏切ることがあったり、置いていったりしたら・・・」」

 

なんの合図もなく二人同時に語りだす、そして

 

 

 

 

「「一生許しません」」

 

 

 

 

 

「「「「「!!」」」」」

「それはなぜ?」

 

驚愕の発言を告げた、驚く一同・・・だがシャロは冷静に返した。

 

「千夜は俺と約束したんだ。ずっと一緒だって」

「エリア君は私に言ったもの、責任とるからって」

 

「だから、あの時の言葉を裏切るなら」

「あの時の言葉を置いて何処かにいくのなら」

 

「「俺/私は一生許さない」」

 

真っ直ぐにシャロを見つめ返す。

 

二人の瞳から伝わってくるのは覚悟

 

ここまでの過酷な道を乗り越えてようやく手を取り合うことができた二人の覚悟は生半可なものではない

 

そしてその互いの覚悟を知っていているから、

お互いのことが好きだから、愛しているから、

 

裏切りと置いていくことだけは絶対に許さない

 

「ないとは思うけど、裏切ったりしたら俺は狂うよ。捕まえて、一生後悔させるからね?」

「私も、私を置いて何処かに行ったらどこまでも追いかけるわよ?捕まえて鎖で繋いじゃうかも」

 

冗談っぽく話す二人だが・・・冗談に聞こえない

 

だけど、それでいい

 

「なら、安心ね」

 

それを聞いたシャロが笑う。

 

簡単に相手を許す、そんな関係じゃいけない

孤独にさせる、なんてこともあってはいけない

 

この二人はこのくらいで丁度いい

 

だってエリアはまだまだ気を抜いたらどこかにふらふらと飛んでいってしまいそうだから

 

千夜もエリアの為ならと、簡単に自分を諦めるから

 

ガチガチにお互いを縛って、留まらせればいい

互いに互いを縛り合う、まさに鎖縁(くさりえん)

 

それくらいで丁度いい・・・だけど

 

「いつだって相談には乗ってあげるわよ。二人だけの世界になったりしたら容赦なくツッコミいれるからね?」

 

それだけでもいけないのだ

 

「そうだよ!私たちのこと忘れないでね!」

「いつでも特訓してやるよ・・・恋愛のこと以外でな」

「私は二人の話もっと聞きたいです!!」

「そのためならいつでもお店をお貸しします」

「聞いてあげるお代はいただくけどね!」

 

その鎖だらけで留まる二人を少しだけほどいて、外に連れ出してくれる友だち・・・家族がいる

 

二人は互いを大切にすればいい、それ以上に家族達が二人を大切にすればいい、と考えるシャロだった・・・が

 

「本当にあんた達には面倒をかけら・・・ヒグッか、かけれられっエグッ!・・・うわぁぁぁん!!」

 

「「シャロ/ちゃん!!?」」

 

耐えきれなかったのか泣き出してしまった。

 

「本当に二人っが結ばれでっ、よがったぁぁぁ!!!」

 

ガタンッ、椅子を倒して駆け出し、二人に抱き着いた。

 

「シャロちゃん・・・」

「ありがとう、シャロ・・・」

 

少し苦しいくらいに抱き締めるシャロ、その苦しさが心地よく、二人はそれに応える・・・すると

 

「シャロぢゃんだけずるいぃぃぃ!!ヴェァァ!!」

「お前ら本当に人を振り回しまくってー!!」

「こっちの心配は知らない顔してー!」

「しれっと丸く収まってー!」

「幸せにならないと許さないからなー!!」

 

ドンッ×5

 

残りのメンバーも駆け出し、飛びかかる・・・そうしたら当然

 

ガッターーン!!!

 

椅子ごと倒れた。

 

「いったぁ!!?」

「きゃっ!」

 

背中と後頭部が痛む・・・が目前には涙を流しながら自分達を祝福してくれる家族

 

そう思うと、この痛みすらも心地よく感じてしまう二人だった




喫茶店こそこそ話!

「あ、私からも質問いいでしょうか?」

「青山さん!?この状況で!?」

「お二人はどこまでいかれたのですか?」

「「へ?」」

「古い言い方ならABCの何処まで?」

「「・・・A」」

「「「「「「え、えぇー!!?」」」」」」

この後結局根掘り葉掘り聞かれて、作戦はめでたく大失敗、記者会見は尋問に、そして尋問はパーティーへと続いたそうですよ?
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