緑茶風少年   作:アユムーン

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少しの違い、寂しい二人

前回音楽の授業の実技テストにて無事高評価をとるのことができたエリアでしたが、実はテストにはもうひとつ目的がありました。

 

それは地域交流の一貫で行われる他校に赴いて行う演奏会の参加メンバーを選定すること

 

そのメンバーに選ばれたエリアは同じく好評価をうけた音楽クラスのクラスメイトと共に近くのお嬢様学校に行くこととなりました

 

更にその日はまた別の女子高との合同での球技大会があるらしく、その球技大会の開会式の時に演奏することとなっていました。

 

その前日のこと

 

「和田ー!!!」

「!?」ビクッ

 

同じクラスの男友達に泣きながら迫られたエリア

 

「お前!お前~!!」

 

「な、なに!?なにごと!?」

 

「お前っ!明日お嬢様学校に行くって本当かよー!!?」

 

「い、行くけど・・・」

 

「変われよ!」

 

「えぇ!?で、でもピアノ弾けるの?」

 

注、エリアの学校の授業は選択制。エリアの場合は普通の五教科を受ける以外に、美術専攻のクラスと音楽専攻のクラスの2つがあります。今話している友だちは美術専攻のクラスです

 

「弾けねぇよ!!」

「じゃあ無理だね!?」

「じゃあ連れてけよ!」

「え?それは・・・いいの・・・かな?」

 

「ダメに決まってんでしょ。後落ち着けバカタレ」ゲシッ

 

「ノウッ!!?」ドシャッ

 

同じく音楽専攻クラスの女の子(バレンタインでエリアにチョコをあげた子です)が貼り付く男友達を蹴り飛ばし剥がしてくれました。

 

「和田君大丈夫?」

「あ、うん、ありがとう・・・でもコイツどうしたんだろ?」

「明日演奏会でお嬢様学校にいくでしょ?それを羨んでるのよ」グリグリ

 

倒れた男友達をぐりぐりと踏みつける女の子、上履きはちゃんと脱いでる辺りに優しさを感じます。

 

周りもいつもの光景なのか、なにも言いません

 

「だって、あそこの女子高、可愛い女の子、いっぱい・・・お嬢様高校、ごきげんようで、綺麗な女の子、いっぱい・・・」シクシク

 

なんとも男の子らしい理由です

 

「ウチ共学なんだからそんなに飢えなくても」

「これはこれ!それはそれ!」

「なんていう暴論でしょう・・・」

 

呆れるエリアに女の子が話しかけます

 

「けどまさか和田君が選ばれるとは・・・でもあの演奏を聞けば納得か」

「そ、そんなことは・・・それに音楽だってまだ始めたばっかりだから俺なんかでいいのかな・・・」

「始めた年数は関係ない、誰も思い付かなかった方法で和田君が選ばれたのは実力なんだから、当日しっかりお願いね」

「!、うん」

 

他の音楽専攻のクラスメイトからも頑張ってこいよ!、お土産よろしくな!と謎の激励と共に送り出されています。

 

「くそう・・・下宿先にも可愛い女子がいるくせに・・・」シクシク

「へぇーそうなんだ、もしかして演奏会で会えるんじゃない?」ゲシゲシ

「いるとは思うけど」

「なんか球技大会の見学もさせてもらえるみたいだし応援できるじゃん」ゴスッゴスッ

「あーそっか、けど困ったな」

「ん?なにが?」グリグリ

「応援したい子がいっぱいいるんだよね」

「え?和田君ってもしかして女誑し?」ゲシゲシ

「失礼だな、本命には純愛だよ」

「?本命?彼女でもいるの?」ゴスッゴスッ

「え、あっ!いや、ナンデモナイヨ?」

 

訪れる女子高かつ下宿先の女の子が半同棲状態の彼女だということは倫理的に言えません・・・というより普通に恥ずかしいので

 

「流石にそろそろ止めてくれない!?」

 

などと考えていたら男友達が泣きそうになっていたのでやめてあげました。

 

それでもまだ羨ましいと咽び泣く男友達にエリアはそっと甘兎庵の割引券を添えておきました。

 

女子高にお邪魔することはどうせ知っているだろうと思い、千夜達には特になにも言いませんでした

 

・・・さてさて翌日

 

「ふぃ~・・・・・・緊張したぁぁ!!」

「お疲れ様、大盛況だったね」

 

・・・の演奏会後の舞台袖でエリアは顔を押さえて安堵、そんなエリアを同じクラスの女の子が称賛します

 

エリア達が行っているのは合奏ではないので、舞台上で選ばれたメンバーが一人一人演奏したのですが、それはもう緊張しまくりましたがなんとかこなせました。

 

かくして無事に演奏会が終わり、女子高とお嬢様学校の生徒達がバタバタと忙しなく移動し始めています

 

「けど、もったいない。なんで弾き語りにしなかったの?」

「んー、あれは確かに武器だけど必要な時以外はしまっときなさいって先生が」

「ふーん・・・それより応援いかないの?私はこっちに進学した友達がいるから応援にいくつもりだけど?」

「あー・・・うん、行こうかな、一応」

 

この後は自由行動!!帰るもよしっ!応援するもよし!問題を起こさない限りは好きにしなさい!!・・・という先生のお言葉に甘えてエリアはフラフラと千夜を探すことにしました。

 

「千夜が出るのは確かバトミントンだっけ?」

 

バレーボールです。

 

・・・一方その頃のココアと千夜はクラスメイトのカノとレイと共にテニスに出場するシャロと委員長の元へ向かっていました。

 

「いや~、それにしてもまさかエリア君が来るとは思わなかったね」

「えぇびっくりしたわ・・・」

「ありゃ?千夜ちゃん知らなかったの?」

「うん、そんな素振りも全く」

 

エリアは知っているだろうなと思っていましたが、二人は演奏会にエリアが来ることを知りませんでした。

 

企画したのは今テニスコートでテニスをしている委員長なのですが、そこまで詳しく告知をしていなかったようです

 

「サプライズだったのかな?けどかっこよかったね」

「えぇ、すごくかっこよかったわ・・・けど」

 

テニスの試合はシャロがリゼ直伝の核ミサイルショットをかまして絶好調・・・しかしもう意識は先程のエリアに向いています。

 

エリアの演奏はバッチリ聴きましたし、ミスがあったとも思えませんが・・・どこか浮かない顔の千夜

 

「?どうしたの千夜ちゃん?」

「えっと・・・あのねココアちゃん・・・」

 

確かにココアの言う通り演奏をやりきったエリアはかっこよかった

 

だけど、そう思ったのは自分達だけではない

 

「周りの子達もエリア君のことがかっこいいって・・・」

 

そう、女子高ということもあって男の子は珍しく、かなりの人数の女の子がエリアのことをカッコいいと呟いているのを耳にしてしまったのです。

 

「あちゃー・・・やきもち?」

「!、ち、違うわ!これはその・・・ジェラシー?」

「それを世間一般でやきもちっていうんだよ?」

 

高度なツッコミを返されたところでようやくテニスの決着がついたようで、結果はシャロの勝ち。

 

勝利を決めたシャロに話しかけようとしましたが、お嬢様学校の子に囲まれてしまったので話しかけられませんでした。

 

そしてそのすぐ近くでもうひとつ人だかりがあります。

 

「?シャロちゃんは大活躍だったけど、あっちはなんだろう?」

「シャロちゃん特売とバイトで体力あるものね・・・ってあれは」

 

「先程の演奏すごかったですわ!」

「どこで習われたのですか!?」

「あ、宇治松家の婿だー!」

「あのこれ!連絡先です!」

 

「あの、ちょ、離して・・・」

 

お嬢様学校の生徒とココアの学校の生徒がエリアを囲っています

 

よく見ればかなり羨まに見えますが、若干人見知りがあるエリアからすれば溜まったものではありません・・・しかし

 

「・・・」ゴゴゴ・・・

 

「ち、千夜ちゃん!?落ち着いて!?ほら!エリア君困ってるだけだから!それに早く助けないと!」

 

それを知ってか知らずか、後ろに阿修羅を背負った千夜がユラユラと近づいていきます

 

このままじゃどっちにやられてもエリアがまずいと、ココアが動きましたが・・・

 

「ちょっ!ストップ!!エリア目回してるから!」

 

そんなエリアの手を取ったのは他でもないエリアでした。

 

「シャ、シャロー!!」

 

ようやく出会えた知り合いかつ助けてくれたシャロの手を取って感謝するエリア

 

「ちょっ近い!?あー・・・ごめんなさい。この子ちょっと人見知りなところがあるから勘弁してあげて?」

 

周囲に落ち着かせるためにも説明を行うシャロ

 

「そうなんですの?そうとは知らずごめんなさい」

「それにしても桐間さん、その方とお知り合いなのですか?」

 

今だって手を繋いでいるし、とても仲良しなのは見てとれるが、他校でかつ男子なのだから特別な関係であるのは一目瞭然

 

「それはその・・・腐れ縁?」

「幼馴染みというやつですか?」

「いや、それは別にいて」

「ならただならぬ関係というやつですか!?まさかお付き合いなされてるとか?」

 

キャーキャーと色めき立つ周囲、色恋大好きな女の子がたくさん揃えばまぁそうなりすが・・・

 

「ま、待って!それはそれで別にいるから!?」

「また別にもう一人!?ならば三角関係!!?」

「あーもう!だから「家族ですよ」なっ!?」

 

シャロの手を繋いだまま、エリアがにこやかに答えます。

 

「シャロ曰く俺は弟らしいですけど俺にとってシャロは家族と変わらない存在です。

 

それに俺には心に決めた人がいるので、そういった関係ではありません」

 

ニコリと、笑顔でいいきったエリア

 

「そ、そんな心に決めた人なんて・・・」テレテレ

「あ、よかった千夜ちゃん止まった」ホッ

 

頬を押さえてしゃがみこんだ千夜と一息ついたココア・・・しかしエリアの発言は間違ってない、間違ってはいないのだが・・・

 

「この状態でその言葉のチョイスは間違ってるでしょーが!!?」

「えぇ!!?」

 

「言ってることはよく分からないけど素敵ー!!」

「どなたか存じませんがこんな一途な純愛を向けられてるなんて羨ましいー!!」

「桐間さんのことを家族って・・・それはもう親友や男女の垣根を越えた関係ということですかー!?」

「心に決めた人と桐間さんとで・・・やはり三角関係ーー!!」

 

案の定もっと大騒ぎになってしまいました

あらぬ誤解が余計に広がっています

 

「・・・」スクッ

「ち、千夜ちゃん?」

 

目を伏せて立ち上がる千夜、そのまま・・・

 

「そろそろバレーの時間よ・・・体育館に行きましょう」

「う、うん・・・大丈夫?」

「えぇ大丈夫よ?」

 

最後にもう一度くるり、と囲まれているシャロとエリアに向き返り・・・

 

「この借りは試合で返すわ・・・」

「落ち着いて!シャロちゃんはテニスだから!?それにそんな不純な気持ちじゃ駄目だよ!」

「大丈夫よ、敵チームにわさびまんじゅう差し入れるだけだから」

「スポーツマンシップに則って!?」

 

・・・で、バレーコートで遂に試合が始まりますが・・・

 

「・・・任されたならみんなは私が守る!」

「来たわねシャロちゃん・・・懺悔の用意はできているかしら?」

「な、なんできちゃったのシャロちゃん!!」

 

バレーには出場しないはずのシャロがおり、ネット越しに千夜とココアと睨みあっていました。

 

「な、なによ!?バレーに欠員が出たから来たの!!」

「だとしても!だとしてもだよっ!シャロちゃんが欠員になる可能性もあるんだよ!?」

「どういうことよ!?」

 

試合が始まる前からわちゃわちゃしておりますが・・・応援席では

 

「三人ともがんばれー!!」

「千夜ー!」

「甘兎魂見せつけちゃえー!!」

 

マヤ、メグと共にエリアが応援しています。

 

その他にも反対の応援席ではナツメとエルが、チノとフユはコートの近くで応援しています。

 

「エリア君いつのまに・・・」

 

「私が案内したのよ、あそこなら迷うことないでしょ」

 

ついでに近くにいたマヤメグにエリアの世話をお願いしました。

 

「距離をとらせたことについてはナイスだよ!」

 

「だから一体なんなのよ・・・とにかく!やるからには手は抜かないんだからね!!」

 

「もちろんっ!真剣勝負だよ!ね!千夜ちゃん!・・・千夜ちゃん?」

 

「シュッ・・・シュッ・・・」ブンッブンッ

 

アタックの練習か素振りを繰り返す千夜

 

「やだ!?殺る気いっぱい!」

「やる気があるのならいいじゃない」

 

そんなこんなで試合が始まりました

 

・・・

 

シャロのアタックをココアと千夜が二人で防ぐ、白熱した試合が続きます

 

シャロは本当はバレーはやりたくなかった

苦手だからとか、そんなことは理由ではない

 

「(別に寂しいわけじゃないけど、私の事気にもせず楽しそうに・・・)」

 

千夜はめちゃくちゃ気にしているが・・・協力して戦うココアと千夜の姿を見たシャロは・・・ネットを挟んでそこから世界が違うように感じてしまった

 

普段会っている時は感じないそれ、でも今日は学校が違うからそれを感じてしまう

 

「(だからバレー選ぶのは嫌だったのよ)」

 

その時ふと思う

 

「(私がこんなになってるのなら・・・エリアは?)」

 

エリアも学校は違う、更に今までの自分のように近くにリゼがいたり、マヤとメグが近くにいるわけではない

 

エリアもこんな風に感じたりするのだろうか・・・等と考えていると

 

「シャロッ!!!」

「!?」

 

思考の海に潜っていたシャロを引き戻したのは件のエリアの声、そして目前迫るのはバレーボール

 

ベシコーンッ!!

 

「「シャロちゃーん!?」」 

 

額に強烈なアタックがヒット、思わず目を回して後ろに倒れる

 

「千夜ちゃん!?流石にやりすぎだよ!?」

「ち、違うわ!?本気で当てようなんて思ってないわ!!」 

 

慌ててシャロに駆け寄る二人・・・の近くで

 

ズンッッ!!!

大きく何かが落ちた音がした、その音の方を振り向くと

 

「・・・」

 

応援席から飛び降りたのかエリアがいた・・・しかし

 

「あ、足が・・・」

 

「「エリアくーん!!?」」

 

落下に耐えきれなかったのか足を抑えつつも、シャロの近くに駆け寄り

 

「ココア、千夜、保健室に連れていこ」

 

スッとシャロを抱き上げて立ち上がる

 

「え、えぇ!シャロちゃん!保健室までナビして」

「ケガ人にナビらせるなんて・・・っていうか下ろしなさい!?」

「いいからジッとする!頭揺らさない!」

「はやく行こう!」

 

そうしてドタバタと保健室に向かいました

 

・・・

 

たどり着いた保健室でしたが、保険医がいなかったので湿布を拝借しシャロのおでこに貼ってとりあえず寝かせました

 

「はいエリア君も湿布!着地した時に足首痛めたでしょ!?」

「あ、バレた?けど大したことないよ」

「もう!慌ててたとはいえおバカさん!!」

「そこまで言う!?」

 

シャロの眠っているベットの隣でエリアの治療も行う

 

ココアも千夜もエリアも大慌てでシャロの所に駆けつけてくれた。

 

そしていつもと変わらず騒いでいる姿を見てつい先程まで感じていた寂しさはどこかに吹き飛んだ

 

「アンタ達全員おバカすぎるわよ、笑い泣きしちゃったわ」

 

そしたらなんだか泣けてきた、流れる涙は笑い泣きと誤魔化して、笑う

 

「なーんだよかった!」

「私たちも横になっちゃう!」

 

そう言ってシャロの両隣にココアと千夜が飛び込んできた

 

「ほんっと仲良しだねぇ」

「!」

 

その様子を椅子に座って眺めるエリア、この状況には流石に入れないのかニコニコと笑っている・・・が、その笑顔にほんの少しの翳りがあるのを見たシャロ

 

「ね、ねぇエリア「よーし!リゼちゃんへのお土産話は四人で保健室でサボったことに決まり!」そんな情けない話をするなー!!」

 

エリアに声をかけようとしましたが、ココアの爆弾発言に大慌て、立ち上がり三人を引き連れてコートに戻りました。

 

その胸にもう寂しさはないけど、同じ寂しさを抱えているエリアの事が少しだけ心残りでした。

 

・・・

 

バレーボールを無事に終えて、チノ達の応援をし・・・ようやく球技大会が終わりました。

 

ここまで来たのだから皆で一緒に帰ろう!とココアに言われたので門の前で着替ている皆を待つエリア

 

「いってて・・・」

 

着地した時に痛めた足がまだ少し痛む・・・だけどシャロのケガが大したことがなくてよかった、と安堵していると

 

「やっぱり、結構痛めてるんじゃない」

 

「!、シャロ、早いね」

 

「まぁね・・・明日も痛むのなら病院行きなさいよ」

 

「うん、そうするよ」

 

「けど、ほんっとにバカね。下手すれば大怪我してたところなのよ!?」

 

慌てていたとはいえあまり褒められたことではない、結構な高さがあるというのになんの躊躇もなく飛び降りたのだ

 

「あーうん、もうさっき先生に怒られたから勘弁して・・・」

 

帰り際だった自分の学校の音楽の先生に見つかり、問題起こすなって言ったでしょうが!!とそれはもう怒られました

 

けど、女の子を助けたのはグッジョブ!お嬢様学校の方からはお咎めなしって言われたし、学校には黙っといてあげるわ、とも言っていましたが・・・

 

「けど、ありがとう」

「!、気にしないで」

「でもまぁそのおかげで更にあらぬ噂が広まってるわよ」

 

颯爽と現れ、シャロを抱き上げたエリアを見た生徒がやっぱりあの二人は~!!と騒いでいたのだ

 

「あ、あはは。ほら人の噂は七十五日っていうから」

「二ヶ月半は長いのよ!全く面倒なことに・・・ねぇエリア」

「ん?」

 

さっき保健室で聞けなかったことは二人きりの今なら聞きやすい

 

「アンタ寂しくないの?」

 

「!・・・なにが?」

 

誤魔化すような笑顔・・・だが

 

「とぼけない」

 

シャロには効かない、エリアのこんな笑顔は何度も見てきたのだから

 

「あはは、うん。こういう学校の行事の話とか聞くとちょっと寂しい」

 

「・・・そうよね」

 

あの二人がそんなことするはずないが、なんだか仲間外れにされているそんな気分になってしまうのだ

 

楽しかった行事の後、夕暮れの街並み、帰る人達、それらがなんだかもっと寂しさを感じさせる

 

「けど今日は楽しかったよ?なんだか皆の青春にお邪魔した気分」

 

「なにそれ、青山さんの真似かしら?」

 

「うん、割とファンだからね・・・でもさ、俺達ってさ結構仲良しでしょ?」

 

「ま、まぁそうね」

 

「俺達が知らない千夜やココアの一面を学校の友だちが知ってるみたいに、俺達だけが知ってる二人の一面はたくさんあると思う」

 

「!」

 

「学校じゃできないことだってたくさんしてきたでしょ?」

 

「えぇ・・・本当色々あったわね・・・」

 

エリアとココアがこの街に来た二年で本当にたくさんの事があった

 

「アンタが突然帰ったかと思えば泣いたり、一人になりたがったり、泣いたり、いなくなったり、泣いたり、急に音楽始めたり、色々あったわね」

 

「その節は誠に申し訳ありませんでした」

 

「まぁ過ぎてしまえばただの思い出よ・・・けどその通りね」

 

「それに逆に言えばココアと千夜が知らない俺達だってあるわけなんたからお互い様でしょ。そこで競いあうわけじゃないけどさ」

 

「えぇ、せいぜい悔しがるといいわ」

 

同じ寂しさを抱えるもの同士、分かり合えた

 

やっぱり寂しさは感じるけど、それを埋め合わせるくらいの思い出が自分達にはある

 

「「シャロちゃーん!!エリアくーん!!」」

 

遠くからココアと千夜の声が聞こえる

 

「ついでに学校の探検してきたわー!!」

「お土産にここのパンフレットもらったよー!リゼちゃんへのお土産にしよーっ!!」

 

遅いとは思っていたけど、まさか探検していたとは・・・全く

 

「多分こんな感じがこれからも続くさ」

「そうね」

 

そして寂しさを感じさせられても、そうなったら直ぐにあの二人は駆けつけてくる・・・だから

 

「ほんと、勝手にどこかにいくんじゃないわよ?」

「もう行かないよ・・・ここが俺の帰る場所だから」

「そうね、私たちが選んだ場所だものね」

「なんかあっても・・・これからも変わらないさ」

 

だから皆で帰ろう

 

寂しかった分を埋めて、楽しい気分になって、皆で一緒に

 




喫茶店こそこそ話

球技大会終了後、エリア自室にて

「そういえばなんか今日の千夜えらくシャロに挑戦的だったけどどうしたの?ボールぶつけてたし」
「!、あ、あれはわざとじゃないのよ!?」
「いや、わざとだったら引いてるよ・・・で?どうして?」
「そ、それは・・・その・・・」
「まさか、俺とシャロが変な噂になったからってやきもちやいたとか?・・・まさかそんなわけないよ・・・」
「~~~!!」←顔真っ赤
「あー・・・うん」

理由はどうあれ、女性に恥をかかせてはいけない(青山からの教え)ので

「今日一緒に寝る?」
「ねるぅ・・・」
「絵本の読み聞かせ・・・する?」
「するぅ・・・聞くぅ・・・」

そうして夜は更けていったとさ☆
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