まぁこういった妄想を形にするのが二次創作だと思いますので・・・ご一読していただければ幸いです
後個人的に芹彩のお話しを書いてみたかったのでやりました!!
それは小学生の時の話でとある長期休暇の時だった
転校が多く、周りの子達も家柄目当てで・・・私たち双子の世界は二人だけの世界になりつつあったころのことだ
そんなある日で父が呼んだ音楽の先生がいた
その人は開口一番でこう言った
「はじめまして!和田芹彩(わだせりな)です!今日から一週間貴女達に音楽を教えるわ!・・・でもぶっちゃけ帰って息子を愛でたいから帰っていいかしら!?」
「なにを言ってるんだ!?」
「でも帰っても息子はお義父さんとお義母さんに連れられて旅行に行ったからいないの・・・それで家にいてもあまりに空しかったので本来この仕事を受けていた隣にいるこの旦那サマから委託されてきました!!」
「そんな裏話話さないで!?」
子どもでも分かるハチャメチャ具合、でもこの人が皆と出会うより前に唯一、私達の世界に飛び込んできた人だった
時は戻り・・・現代、ラビットハウス
「そっか・・・エリア君のお義母さんは二人の音楽の先生だったんだ」
「はい」
ナツメとエルの向かいに座るエリアと千夜、その様子を遠目で伺うココア、チノ、リゼ
ナツメがリゼにアコーディオンを教えた時にエリアからピアノを習ったことを話した
その時にナツメの言った「血筋なんですね」の一言から現在に繋がったのだ
「でもなんで今まで言ってくれなかったの?」
「名前やエリアさんのピアノの曲、それから以前持ってらしたギターに見覚えはあったんですけど、確信が持てなかったんです」
「でもリゼさんにとにかくエリアに話してあげてくれって言われて」
「そうなの・・・どう?その先生はお義母さんなの?」
先程から黙っているエリアに問いかける
「話しを聞く限りは母さんと父さんだと思う。それに一週間くらいおじいちゃんおばあちゃんと旅行に行ったこともあるし・・・けどそんなことがあったとは」
「話を止めて悪いけど、ご注文のコーヒー持ってきたぞ」
リゼが注文していたコーヒーを持ってきてくれた
「けどナツメ、先生がスパルタで音楽はやめたって言ってなかったか?」
「!、もしかして母さんがなにか?」
「ち、違います!スパルタだったのはその後の音楽の先生です!エリアさんのお母さん・・・芹彩先生は楽しい音楽を教えてくれたんです」
・・・
そんな初日、自己紹介を終えてから
「まずは私の実力を知ってもらおうかしら」
そう言ってピアノの前に座った芹彩
鍵盤に手を置いたその時・・・
ピリッ!
「「!」」
芹彩の雰囲気が変わった
「怖がらなくていいよ」
「「え?」」
その二人の様子を察したのか隣にいた芹彩の旦那・・・清正が声をかける
「芹彩は普段はあんなだけど音楽にかける想いは本物、そしてこれから始まるのは楽しいコンサートだよ」
♪~♪~♪~・・・そうしてピアノの音が響く
聞いているとワクワクしてきた、なんだか身体と心が弾んでくる・・・!!
ピアノを演奏する芹彩がチラリとこちらを見てニコッと笑う。その笑みはこっちにおいで、一緒に遊ぼうと、誘ってくれる子どものようで・・・
「「すごい・・・」」
自分達もやってみたい、自然にそう思った
・・・
「やっぱりエリア君のお母さんはすごい人だね」
いつの間にかエリア達が座るテーブル席の近くにいたココアがうんうんと頷く
「確かに。前々から思っていましたがエリアさんのお母さんは何者なんでしょうか?」
そしてその後ろにいたチノが聞いてきたが・・・
「何者って・・・普通の主婦だったけど」
「けど元々お家が音楽家の家系なのよね?」
「うん、母さんの家がそうなんだ」
そして百の橋と輝きの都にあるエリアの実家も元々は祖父母の家だった。エリアが小学生になった頃に祖父母が亡くなり、その家を譲り受けた和田一家が住むこととなったのだ
そしてそれ以前はより音楽に特化した家だったのだが・・・
「防音の部屋とかあるよ。グランドピアノとかでっかいアンプとかあったけど母さんが邪魔って売っちゃってた」
「そ、それはかなりいい物だったのでは?」
「うーんどうだろ・・・けどいい値段で売れたらしくて焼き肉食べに行ったよ。食べ放題じゃないやつ」
「や、焼き肉・・・」
「けどお父様に聞いたら学生時代は数々の賞を総舐めし、高校卒業後は有名音楽大学入学、音楽家として更に飛躍していましたが一身上の都合で引退し入籍してたそうです
その学生時代、本人は音楽会の王蛇と名乗っていたそうです」
「いつもまずはじめに祭りの場所はここかぁ?と言っていましたよ~」
「なんでそこを選んだ母さん!?」
「が、学生結婚・・・わ、私もそろそろ?」
「千夜、夢見てるところ悪いが続き話してもらうぞー」
いつの間にか全員集まっていたが、気にせず話を進める
・・・
二日目は一緒にピアノを弾いた
「ねぇ!二人はどんな曲が好きなの?」
その日は芹彩一人だった
「べ、別にないです・・・」
「私は昨日の曲がカッコよくて好き!」
照れてごまかすナツメとは対照的に目を輝かせて答えるエル
「え、えへへ~!そう~??あの曲は私の息子も好きで~?どうしてもって言うのなら教えちゃおっかなぁ~!??」
これ以上なく嬉しそうな顔をして楽譜を取り出す
「「じゅ、準備してる」」
「という冗談は置いておいてまずはこのワーク通りにやりましょ。やっぱりこういうのがあるのならこれが一番」
「その辺はしびあ?なんですね!」
「エル!?」
「んー・・・清正曰く私は教えるのには向いてないタイプらしくて、だから絶対にこれを使えって
・・・けどこれからも貴女達が音楽を続けていつかあの曲を弾けたら素敵よね!!じゃあそのために始めましょ!!」
「「!、はい!」」
そうしてワーク通りに進められる授業がしばらく続いた
毎回最後には二人のリクエストを聞いて曲を弾いてくれた
・・・
「教えるのには向いてない・・・か。その辺も親譲りか」
残念な目でエリアを見るリゼ
「な!?でも俺の父さんは音楽教師ですし!?俺にだってその才能あるはずですし!?」
「そういえばエリア君のお父さんってなんのお仕事してたの?」
「母さんが高校の時はその学校の音楽の先生、それから母さんの通った音楽大学の教授?ってやつになって、それからはその仕事続けてたみたい」
「じゃあずっと芹彩先生と一緒だったんですか?」
「うん、研修で行った高校で母さんに出会って、そのままそこに就職して大学にもついていって、大学在籍中に俺を産んで結婚したんだって」
「そうなんだ~・・・んん?じゃあ一身上の都合って」
「俺が産まれたからだね、確か母さんが二十歳の時に産まれたんだって」
つまり、高校生の女子と恋に落ち、大学にも引っ付いて、そのまま妊娠させた後に・・・結婚したと?
「あの、人様の親をあんまりこういいたくないんだが・・・エリア父けっこうその・・・」
それを察したひきつった表情のリゼ
「待って!?恋人になったのは母さんが大学生になってからだから!?」
高校でなんやかんやあって芹彩を応援するために大学教授で働くために努力したらしい
そのなんやかんやの間に芹彩の猛アタックがあったらしいが・・・
「いや、生徒に手を出してるし・・・」
「うぐぅっ」
それを言われるとなんとも言えない
「け、けど!こんな素敵な子が産まれたのよ!?ほら見て!誰がどう見ても健康優良児!!」
「でもピアノやゲームでしょっちゅう夜更かししてるんだろ?」
「そして無類の甘いもの狂いで生野菜嫌いの偏食家ですね」
「ここ数年、私服は同じ服のローテーションしか見ていないね?」
「衣食住フルアウトですね!」
「エル!?本当のことだけど!言っちゃダメ!?」
「違うもん、なにか理由がないと夜更かしはしないもん・・・野菜も焼けば食べれるもん・・・パンツとかはちゃんと変えてるもん・・・」グスグス
「エリアくーん!!」ダキッ
泣き出すエリアを抱き締めて慰める千夜
「そんなにいじめなくていいじゃない!こんなに泣かせて!」プンプン!
「おい、よく見てみろ、そいつ今千夜に抱き締められて喜んでるぞ」
「!」ギクッ
「あの・・・話、続けますね」
・・・
そうして残り三日になった・・・その日は
「あら?ナツメちゃんは?」
いつも通りに始めようとしたがナツメがいなかった
「えっとナツメちゃんは・・・その・・・」モジモジ
「?」
・・・件のナツメは自分の部屋にいた
「・・・」グスッ
芹彩とのレッスンは楽しい・・・だけど、こういうことはエルの方が上手で、なんだか少し嫌になってしまった
今日も芹彩は来てくれたが・・・今日はやりたくない
だからこうして部屋に閉じ籠っている・・・のだが
ガチャッ!!バンッ!!
「ナツメちゃん!!?」
「!?」ビックゥ!?
大きな音をあげて芹彩がやってきた
「せ、芹彩先生」ビクビク
もしかして来なかったから怒っているのではと思ったが・・・
「え、エルちゃんからナツメちゃんが高熱で倒れたから今日は絶対隔離って聞いたけど心配で!!!」
「エルぅ!?」
半泣きになりながらやってきた芹彩からの説明は明らかな嘘だった
・・・で
「なーんだそっか、レッスンが嫌だったのね」
隣り合ってベットに座り、今日何故レッスンに来なかったのかを話した
「ごめんなさい」
「?なにか謝ることしたの?」
「え?でもレッスン行かなかったから・・・」
「なんだそんなこと?別にいいわよ。あーナツメちゃんになにもなくてよかった」
「な、なんで怒らないの?」
「?だって、やりたくないのなら仕方ないじゃない。ナツメちゃんは別にお仕事で音楽やってる訳じゃないでしょ?ならいいじゃないたまにはサボっても」
「そうなの?」
「そうなのよ。ふわぁぁ・・・今日はもうお昼寝にしましょう」
欠伸を溢したと思ったらナツメを抱き締めてベットに寝転ぶ
「わ、わわっ」
「あのねナツメちゃん。私昔からそれなりに音楽が得意だったの・・・けどね、私の両親は私の好きに音楽をさせてくれなかった。好き勝手に弾くな、編曲するならあーしろこーしろ煩くて音楽嫌いになって中学の時に猛反発したの!やってられるかっ!!ってね」
「・・・」
「で、高校は薦められた音楽の学校じゃなくて特に有名でもなんでもない田舎の高校にいって普通の高校生になった
そこは私の両親が音楽家だなんてみーんな知らない、好きに演奏しても歌っても誰も怒らない、むしろすごいっ!て褒めてくれた」
「楽しかった?」
「えぇ、とっーてもね
それから二人のお姉ちゃんができたの
一人は私がお腹を空かせてた時にパンをくれたの、某餡パンのヒーローみたいだったわ
もう一人は私の弾くピアノ、ギター、バイオリン、全部に合わせて歌ってくれた
全力で甘えさせてくれる憧れのお姉ちゃん」
「・・・」
「お姉ちゃん達は目をキラキラさせながら私の音楽を聴いてくれた、素敵な出会いがあって応援してくれる人と出会えた
それから私の音楽を聴いてくれる色んな人にキラキラしてほしい、私はそんな顔が見たくて音楽をもう一度始めた
・・・けど聴いてくれる人が増える度にそれだけではやれなくなった。求められること、我慢しないといけないこと、好きな人とも一緒にいれないこと、たくさん辛いことがあった
・・・お父さんとお母さんはこうなるのが分かってて、そうなってほしくなくて色々言ってきたんだって今になって思うわ」
「・・・」
まだ幼い自分にはまだ分からない言葉も多かった・・・だけど、なんだか辛そうに見えた
「それから楽しくなくなった。音楽は好きだけど楽しくなくなった。今のナツメちゃんと一緒」
「・・・」
「だからね、またやめちゃった」
「!」
「やめて、普通のお母さんになった」
「普通の?」
「そう普通のお母さん。毎日子どものお世話をしてご飯を作って、お洗濯して、お買い物にいって・・・その繰り返し」
「・・・」
「けどね、なんとなく口ずさんだ歌を息子が聴いてそれをもっと聴きたいって言ってくれた。その瞳がキラキラしてたの、それは私が見たかったものだった」
「・・・そうなんだ」
「それで、ナツメちゃんとエルちゃんに音楽を教えるのは元々私の旦那様のお仕事だった。けど変わって貰ったの」
「どうして?」
「どうしてだと思う?」
「先生の息子がいないから?」
「んー・・・それもあるわね、けどそれだけじゃないのよ?」
「・・・分かんない」
「正解は私がやりたかったからよ」
「えぇ!?」
「ふふふっ分からなかったでしょ?」
「そんなの分からない!」
「ごめんね、最近なんだか誰かをキラキラさせたいって思ったの。今はまだ息子も小さいからできないけど今度はね音楽の先生になりたい。だから今回はその練習のつもりだった」
「そうなんだ・・・」
「けどね!ナツメちゃんエルちゃんと会って教えたらそんなことどうでもよくなって楽しかったの!!だって毎日二人共キラキラしてたもの!」
「わ、私も?」
「えぇ!失敗しても諦めず頑張っててキラキラしてたわ!!」
「・・・けど今日は」
「そうね、でもいいじゃないたまには休んだって明日また頑張れば」
「明日も嫌だったら?」
「なら明日もお休みね、コンサートでもしましょ?」
「コンサート?」
「私のコンサートよ。好きな曲を好きなだけ演奏するの。途中でおやつ休憩をいれたりして楽しむの」
「それ楽しそう!」
「ならお昼寝してからやっちゃいましょっか・・・それじゃあおやすみー」
そう言ってから本当に寝てしまった、気づけば自分も寝てしまっていた
目覚めた時には反対側でエルも眠っていた
・・・
「それから本当にコンサートをしてくれたんです。どんなリクエストも答えてくれて、その日は夕飯まで一緒にいてくれて・・・すごく楽しかったです」
「優しいお話ね」
「うん、母さんらしいや」
「そこからの二日間もすごく楽しかったです。たくさん教えてもらって・・・最後の日はナツメちゃん泣いてたもんね?」
「え、エル!それは言わないでよ!」
「お別れが寂しかったのね」
そんなほっこりエピソードににっこりの千夜
「あ、あのこのことはマヤには言わないでください・・・」
「言わないし、マヤちゃんはそんなことでは笑ったりしないよ」
「!・・・そうですか」
「それでなにか話があるんだよね?」
話がすんだところで本題を切り出した
「そうだ、折角だからエリアに聞きたいことがあるんだろ?」
リゼも思い出したかのようにエルはナツメに聞いた
「はい!あの・・・」
「芹彩先生は今どこにいますか!?」
「「「「!!」」」」
「私たちあの時のお礼が言いたいんです。けどどれだけ調べても見つからなくて・・・だけどエリアさんなら知ってますよね!」
「私は芹彩先生のあとの先生が厳しくて続かなかったんですが・・・それでもあの時は本当に楽しかったんです。だからまた会ってお礼を言いたくて・・・」
「それは、あの・・・その・・・」
「チノちゃん、落ち着いて」
恐らく二人と会って一年経たずして芹彩は病に侵され亡くなった
二人はそれを知らないのだろう
「エリア君・・・」
皆がエリアに視線を向け・・・遂にゆっくりと話し始める
「・・・いないんだ」
「「・・・え?」」
「もういないんだ。今は空の上にいる」
その言葉を表す意味が分からないほど子どもではない
「「!!」」
「だからもういないんだ、ごめんね」
「あっ、あの・・・」
「ごめんなさい!私たちそんなつもりじゃ!!」
慌てるナツメに対して即座に謝罪の言葉を述べたエル
「大丈夫、分かってるから」
伝えられた方も辛い、だけど伝える方も辛い
だけど今は自分が暗くなってはいけない
散々練習しただろう、頬を上げろ、喉を広げて言葉を述べろ
「ありがとう、昔のことを二人が覚えててくれて、母さんのことをそんな風に想ってくれて嬉しい」
二人の気を病ませるな、感謝と後を引かせない言葉を選べ
「また母さんのこと教えてほしいな。俺母さんと音楽の思い出ってあんまりないからさ、もっと二人の話を聞きたいんだ」
・・・
それからナツメとエルが帰り、店内にいるお客は千夜とエリアだけになった
ラビットハウスの三人は気を利かせてカウンターの方にいてくれている
沈黙が広がる店内で、千夜がそれを破るために切り出す
「・・・泣かないの?」
「泣かないよ」
「泣いてもいいのよ?」
「泣くことじゃないから」
「でも、辛かったでしょ?」
「まぁね。けどあの二人に比べればマシ・・・は違うね、慣れてるから」
今の伝えた辛さより母が死んだあの日の方がもっと辛かった
それから色々と思い出す度の辛さの方が大きかった
だから今のナツメとエルの二人の辛さが分かる
自分に比べれば今は二人の方が辛いだろう
「マヤちゃんとメグちゃんに二人のことをそれとなく気遣ってもらうようにお願いしよう。ココアとチノちゃんとリゼさんもお願いします。」
「うん、もちろんだよ」
「二人には私から連絡しておきます」
「あぁまかせろ」
「ありがとう。とにかくもうこの話は終わり、話すことはもうないよ」
「けど「けどもなにもない」・・・」
明らかにいつもと様子の違うエリア、きっと今辛いのを必死に飲み下しているのだろう
エリアの言うとおりもう話を終わりにして、今日はゆっくり休めば明日には元気になっているだろう
辛いことを乗り越える力がエリアにあることくらいは分かってる
分かってるけど・・・
「・・・」ポロポロ
「・・・なんで千夜が泣くのさ」
「だって、エリア君が泣かないから・・・エリア君が辛いと私も辛いの」
「そっか・・・ごめんね」
ハンカチを手渡し、千夜の頭を撫でる
「ごめん、千夜に当たるつもりはなかったかど、そんな風になってたかも」
「違う・・・エリア君はいつだって優しい、優しいから・・・辛いの」
「そっか・・・じゃあお願いしてもいいかな?」
「なにを?」
「約束したでしょ?俺の背負ってるものを一緒に背負ってくれるって」
「えぇ」
それは旅行でエリアが全てを乗り越えた時に交わした約束
「だから俺の分も泣いといて、それで千夜の分俺が慰めるから」
撫でていた手をそっと千夜の顔の側面に動かして優しく手繰り寄せる
そうしてエリアの肩にもたれさせられた
「エリア君ズルい」
こうして自分が泣くための理由をくれるから
「本当にズルい」
こうやって約束を何一つと違わず本当に慰めてくれる・・・ちゃんと辛さを分けてくれる
「けど分かったわ・・・今は代わりに泣いてあげる」
「・・・ありがとう」
それから喫茶店の閉店時間までそうしていた
ココア達はなにも言わなかった、その優しさにまた感謝した
・・・次の日、通学路
いつもは楽しげに話しながら進む通学路だが・・・今日は少し暗い
「ねぇエル・・・昨日のエリアさんとのことなんだけどさ。やっぱり今日甘兎庵に行ってもう一回謝ろうと思うんだ」
そうして話題はエリアのことに
「ナツメちゃん、昨日エリアさんはもう気にしないでって言っていたでしょ?これ以上の謝罪はかえって失礼になるよ」
「!、でも・・・」
「今謝ってもそれは私たちの気持ちが楽になるだけ・・・とにかくこれまで通りでエリアさんと話すのが一「やぁおはよう二人とも」!?エリアさん!?」
そうしていると件のエリアが現れた
「昨日ことでね、様子見に来たのと・・・ちょっとお話しに来たよ」
「は、話?」
「そう、話・・・あのね」
・・・そして夕方の甘兎庵で
「それでどうだったの?」
「うん、是非だって」
朝ナツメとエルに話したこと、それに二人は是非やってほしい!と言ってくれたのだ
「場所はラビットハウスかな。今のところボーカルはチノちゃんで、バックコーラスはマヤちゃんとナツメちゃん、ダンスはメグちゃんとエルちゃん、キーボードはリゼさんで、ピアノは俺、賑やかしはココアと千夜とシャロ」
「えぇ!腕によりをかけてやるわ!」
「けどいつになるかは分からないよ?今のところ俺ができるようになるかが問題だから」
「んー・・・もうエリア君はできてると思うんだけど」
「いやまだまだだよ。明確なゴールは俺の耳で決める。」
以前リゼに語った自分の夢、いつか母のような音楽を奏でられるようになったら皆に聴かせたいという夢
いつになるかは分からないが・・・いつか必ずとその夢に約束を加えた
「いつか俺は母さんを越えてみせる
それができたらそれを皆に聴かせたい
そしたらいつか皆で演奏がしたい」
今朝ナツメとエルに話したのは三つ目の約束
それを果たすために・・・聴いてくれる誰かをキラキラさせる音楽を身に付けてみせると、エリアは胸に誓うのだった
喫茶店こそこそ話
今回少しだけ分かった芹彩さんと清正さんの出会いと馴れ初め・・・ですがそれなりに波乱万丈だったそうですよ?
その話はまたいずれどこかで・・・