緑茶風少年   作:アユムーン

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あ、ありのまま今起こった話をします・・・

千夜とフユとエリアが甘兎でキャッキャする話を書いていましたがいつの間にか変にシリアスになっていたんです・・・なにを言っているのか分からないかもしれませんが謎に筆が進んでしまった私にもよく分からないんです・・・

だけど決してフユが苦手とかじゃあないんです。むしろフユは結構好きなんです。ただこの子とエリアの関係はシリアス抜きに話せない感じなんです。そんな片鱗を感じながら・・・今回のお話しをどうぞ


仮面に隠せぬその本心とそれを受け入れる器

今日の物語は久々に甘兎庵で始まります

 

さて、今日の甘兎庵は?

 

「今日は仮面Day、和カフェだけど遊び心でお客さんを和ますのよ」

 

そう言う千夜は兎の耳と花が付けられた仮面を着けています

 

「結構楽しいかも」

 

もちろんエリアも仮面を装着、悪魔と契約しそうな仮面・・・というかお面を着けています

 

以前怪我した足もすっかり治っています

 

「最近はあんまりイベントやらなかったものね~」

 

「色々忙しかったからね~」

 

テストに球技大会にリゼへの音楽指導などが終わり・・・本当に、本当にようやく色々と落ち着いたので久しぶりのイベントです

 

「お客さんの仮面の用意は大丈夫?」

 

「貸出の仮面はちゃんと消毒したし、プレゼント用に作ったあんこのマスクもバッチリだよ」

 

「うんうん、じゃあ限定メニューの方は?」

 

「全知全能~仮面のプロミス~もバッチリさ!」

 

「よろしい!それじゃあ後はお客さんを待つだ『コンコン』!、早速来たわね!は~いどうぞ開いてますよー」

 

店内に響く控えめなノックの音、早速お客さんが来たようだ、千夜が対応に向かう

 

「でもなんでノック?・・・っていうかあんこがいない、またカラスに拐われたのかな」

 

よくお散歩に行ってはカラスに拐われるあんこ、しかしいつもいつの間にか帰ってきているのであんまり心配していません・・・などと考えていると

 

「ふざけた接客してごめんなさい!!」

 

今度は千夜の大声が響いたので振り向くと・・・

 

「どうしたの千夜?あ、フユちゃんとあん、こぉぉ!?」ガッ!

 

「エリア兄!?」

 

あんこを抱いたフユがいました。そしてそのあんこはエリアの顔へと突撃してきました

 

「その子空から降ってきたから届けに来たの・・・エリア兄の友達?」

 

「友達というかもはや親友よ」

 

「否定しづらいんだよなぁ・・・とにかくいらっしゃいませ」

 

顔面をモフりモフられながらエリアはフユを席に案内するのだった

 

・・・で

 

「フユちゃんが笑ってくれない?」

「そうなの!遊び心出しすぎてドン引きされてるのかしら・・・」

 

先程からフユの接客を行っていた千夜が相談します

 

先程からフユのリアクションが低いのでそう感じたそうです。そこでエリアがフユの様子を一瞥し、告げます

 

「あれ緊張してるだけだよ」

 

「え?」

 

「あとその眼鏡にツボってる、それからあんこのことも気に入ってるみたいだしね」

 

「な、なんで分かるの!?」

 

「え?なんとなく」

 

「な、なんとなく・・・?じゃあ別にここが嫌ってことはないのかしら?」

 

「そりゃそうでしょ。ならちょっと待っててね・・・フユちゃーん」

 

そう言うとフユの元に近づいたエリア、千夜からはその後ろ姿しか見えないが・・・

 

「?、どうしたのエリア兄?」

「見ててね~・・・はいっ!」

「!!!」ブハッ!!? 

「フユちゃん!!?」

 

その一言の後、フユが吹き出して笑い、机に突っ伏してブルブル震えています

 

「ほら、笑ったでしょ?」

「笑ったわ!?笑ったけどいったい何があったの!?」

「フッ、フフッ、エリア兄、それ、反則っ」ガタガタブルブル

「そんな震えるほど面白かったの!?エリア君何したの!!?」

 

・・・そんなこんなで千夜はチノでこういった経験持ちのココアに連絡、他にお客さんもいなかったのでエリアはフユと話すことにしました

 

「はい、お茶とサービスの羊羮・・・落ち着いた?」

 

「うん、でもエリア兄の鉄板ネタ久々に見た・・・」

 

「まぁウケてたのフユちゃんだけだったけどね。それよりありがとうね、あんこのこと拾ってくれて」

 

そう言うとあんこは、お?呼んだ?と言わんばかりにエリアの体を登り、頭の上に到着しました

 

「あんこ、エリア兄と本当に仲良し」

 

「うん・・・俺がこの街に来てからできた初めての友だちだからね」

 

頭上にいるあんこを優しく撫でる

 

「けど、この子は仏頂面だけど可愛いから、ちょっと羨ましい」

 

「?、フユちゃんは可愛いよ?」

 

首をかしげて何を言ってるの?という視線でフユを見るエリア

 

「えっ!?///そ、そんなこと、ない」

 

顔を真っ赤にしながら否定するフユ

 

「いやいやいや、可愛いでしょ」

 

「か、可愛くない!」

 

「可愛い!お兄ちゃんが言うんだから間違いない!!」

 

「こんな時ばっかりお兄ちゃん面しないで!エリア兄の方が可愛い!」

 

「いや、俺は可愛くないでしょ・・・」

 

「おまたせ・・・って一体なんの喧嘩なの?確かにエリア君は可愛いけど」

 

「いや、千夜の方が可愛い!」

 

「ふふ、見てフユちゃん、私の恋人がこんなに可愛い」

 

「・・・え?」

 

「「ん?」」

 

「エリア兄と千夜さんが・・・恋人?」

 

驚きの表情を浮かべるフユ

 

「そうだけど」

「エリア君言ってなかったの?」

「うん」

「そうなの・・・!!?」

 

その時、千夜に電流が走る!!

 

まさか・・・フユはエリアのことが好きなのでは!?・・・と

 

なにを馬鹿なことを、と笑う前にまぁ少し聞いてほしい

 

まずフユとエリアは幼馴染みである

 

恋愛ものにおいてまず幼馴染みというのは強烈なアドバンテージをもっている。共有できる大切な思い出があるというのはかなり大きい

 

そしてフユにとってエリアは憧れよ存在であり、エリアもフユのことを覚えているということ・・・互いに忘れたことはなかったのだ

 

なによりこの街で奇跡的な再会を交わしたのだ・・・これで始まらないラブコメがあるのか?いや!ない!!

 

千夜はなにも悪いことはしていないがもしもそうだとしたら気まずい、気まずすぎるし、フユから見れば泥棒猫ではないか!!

 

「そ、そのフユちゃ「千夜姉?」!?」

 

言いづらいがなんとか切り出そうとした千夜の耳に聞こえてきたのは自身を姉と呼ぶフユの声

 

「なんで千夜がお姉ちゃんなの?」

 

「だってエリア兄の恋人だから、お姉ちゃんでしょ?」

 

「・・・家族ならそうなるけども」

「私エリア兄の家族になりたい・・・だめ?」

「ッ!それは「いいわよ!歓迎するわ!!」千夜!?」

 

今まで千夜にも妹的な存在(チマメ隊+シャロ)はいた、だがこうして姉と呼ばれ慕われることはない

 

今だけならココアの気持ちがよく分かる!これは嬉しい!!

 

「フユちゃんなら大歓迎!なんならウチにいらっしゃい!!」

 

「えぇー」

 

「やった、これで両家公認の家族の仲」

 

「和田家当主は納得してないんだけど・・・あんこはどう思う?」

 

「・・・」ペシペシ

 

エリアの前髪の辺りをペシペシと叩くあんこ

 

「あーそっか・・・うんうん、一理あるね」

 

「千夜姉、あれなにしてるの?」

「エリア君はあんこと意志疎通ができるの。だから話し合ってるのだと思うわ」

 

「え?まぁ家族ぐるみの付き合いではあったけどさ」

 

「そうなの?」

「うん、昔一緒に旅行に行ったりしたよ」

 

「え!?あーうん、まぁ昔はその・・・一緒に風呂入ったり「エリア兄!」!?」

 

またも顔を真っ赤にしながら、今度はエリアを叱るフユ

 

「エリア君、それはないわ・・・」

 

千夜からはドン引きした視線に送られながらも続けた会議の結果

 

「あんことの会議の結果、とりあえずフユちゃんを甘兎一門に加えることに決まったよ」

 

「あんこにそんな決定権があるの?」

 

「あるわね、なにせ私がこうして接客に自信があるのも、招き兎のあんこのお陰なのです!」

 

「招き猫ならぬ招き兎・・・!?」

「あんこ居候じゃなかったんだ」

「・・・」ガジガジ

「や、やめて!?前髪噛まないで!?」

 

そうして明かされたのは千夜とあんこの出会いのお話

 

「へぇー・・・ビラ配りしてた昔の千夜の緊張を解してくれたんだ・・・シャロの頭に落っこちて」

 

「えぇ、それ以来ウチに住み着くことになったの・・・今思えばあの頃からシャロちゃんは兎に好かれてたのね」

 

「ナイスお仕事、甘兎庵のビックボスの称号をあげよう」

 

「あら、ノワールちゃんとお揃いなのね」

 

「でも素敵な出会い・・・私も誰かの助けになれればいいのに」

 

「いつかなれるわ、フユちゃん憧れのエリア君だって初めからできた訳じゃないのよ?」

 

「そうなの?」

 

「うん、自分では笑ってるつもりでも皆からは笑ってないって言われたりしたよ」

 

「!、私も、上手く笑顔ができない。皆にたくさんアドバイスもらってるのに・・・」

 

それを気に病んでいるのか、表情が沈んでしまったフユ

 

「・・・そっか、だけど大丈夫だよ」

 

ぽふっ、そのフユの頭を優しく撫でる

 

「フユちゃんの笑顔が素敵なことは俺たち皆知ってる」

 

「!!」

 

顔を上げたフユの頬を今度はふにっと千夜が触れ、頬を少しだけ上げる

 

「こんな風に、ね?」

 

「慌てなくていいんだよ。ゆっくりいこう」

 

「!・・・うん」

 

「でもどうしてもっていうなら甘兎流のお仕事手伝ってみる?やってみたいわよね?」ズズイッ

 

「なんならウチに永久就職しちゃう?」ズズイッ

 

「急に勧誘の圧がすごくなった」

 

・・・そして

 

「こんにちはーっ!陰ながら様子を見に来たよ!!」ばーん!

 

先程千夜から相談を受けたココアが早速チノを連れて甘兎庵へやってきた

 

そんな二人を出迎えたのは千夜でもエリアでもなく

 

「フユちゃん!バイト体験してるの!?」

 

着物の甘兎庵の制服に身を包み・・・

 

「・・・」コク

 

あんこの口許をプリントしたマスクを装着したフユが出迎えた

 

「わわっ!すごい!キュートな笑顔ができてるね!」

 

「ココアさん、あれマスク」

 

そんなこんなでココアとチノを席に案内したところで千夜とエリアも

 

「今日はマスクデーだから楽しんでってね~」

「はい、二人の分のマスクね」

 

二人で揃いのあんこの目元をプリントしたアイマスクを着けて、合流した

 

「姉妹と兄妹に見える!」

「でしょでしょ」

「ウチの末っ子のフユちゃんです」

 

その後はココアとチノも含めてマスクデーを楽しみ・・・

 

「甘兎・・・自由で楽しいね」

 

目元しか見えていないが、フユが笑顔になったのが分かった二人は

 

「よかったー!ドン引きされてなくて!!」

「えぇ!?」

「あーやっぱりまだ気にしてたか」

 

「ずっと不安だったの?朗らかマイペースに見えたのに・・・」

「出る時は大胆に出れるけど落ち着くとこうして一気に感情が帰ってくるんだよ。ほーらよしよし」ナデナデ

「エリアく~ん!!」

 

撫でるエリアにじゃれる千夜

 

「・・・」ズキッ

 

それを見たフユの胸にちょっとした痛みが走った

 

「?・・・」サスサス

「ん?フユちゃんどうかした?」

「!?な、なんでもない!」

「も、もしかしてわたしの貧弱メンタルにガッカリして!?」

「ち、違うよ・・・えっと・・・だいじょうぶ」

 

千夜がフユにしたように、今度はフユが千夜の頬に触れて笑顔を作る

 

「甘兎も千夜姉もこの街も・・・これからもっと好きになる・・・私っ外で招き兎してくる」

 

「!ねぇ、エリア君・・・」

「うん、よかったね」

 

照れて外に行ってしまったが・・・フユが心を開いてくれた気がして、二人は顔を見合わせて笑い合うのだった

 

外に行ったフユが装着していたあんこのマスクを見てシャロが気絶するまで、後10秒・・・

 

・・・

 

夕暮れ、気絶したシャロは店で千夜に任せて帰るフユを送ることにしたエリア

 

「今日はどうだった?」

 

「うん、甘兎自由でとっても楽しかった」

 

「そっか、またいつでもおいでよ」

 

「うん・・・」

 

「今度は俺のおすすめのデザートを「エリア兄」?どうしたの?」

 

「この間チノに聞いた、いつか皆で演奏・・・コンサートをするって」

 

「!、うん・・・俺が母さんの音を越えることができたらやりたいんだ」

 

「そこに私いてもいい?」

 

「え?別にいいけど・・・どうしたの?」

 

「今日エリア兄、私が家族になりたいって言ったら少しだけ困った顔してた」

 

「ッ!・・・ごめんね」

 

「ううん、あれは私も悪かった」

 

「そっか・・・けどなんていうかやっぱり俺にとって家族ってさ、一つのハードルみたいになってる

 

もちろんそのハードルを越えられないから仲良くしないとかはしない・・・ただ俺には二つの家族がいるから、それを大切にしたいんだ」

 

「二つ?」

 

「うん、一つは血を分けた家族」

 

父、母、叔父に叔母、そしてまだ見ぬ従兄弟

 

「それから、たくさんの時間を交わして家族になった皆」

 

ココア、チノ、リゼ、シャロ、マヤ、メグ・・・そして千夜

 

家族と呼べて、家族と呼んでくれる存在

 

「・・・そうなんだ、大切なんだね」

 

「うん、すっごく」

 

「・・・」シューン

「フユちゃん?」

 

落ち込んでしまったフユを見て心配になるエリア

 

「・・・私、エリア兄の家族になれない?」

「!」

 

「エリア兄が本当に困っている時に助けなかったから、私は家族になれない?」

 

今日エリアとその周りにいる人たちのことを知れた

 

ココアとは親友、チノは先輩後輩、シャロとは持ちつ持たれつな不思議な関係、そして千夜とは恋人・・・自分の知らないエリアがたくさんいた

 

そこで思ってしまったのだ・・・自分はどうなんだろう?

 

幼馴染み?妹みたいな存在?・・・けどたくさんの時間と試練を共に超えて重ねてきた皆とエリアに比べたら自分はひどく脆弱に見えて・・・

 

「・・・それは違うよ、あの時俺にも助けられる余裕はなかった」

 

「けど、それでもなにか、できたんじゃないかって・・・エリア兄とまた会ってからずっと考えてた」

 

もう話さないと決めていた過去の後悔を呼び覚ませてしまった

 

その後悔はエリアが母に感じている後悔と同じ

 

なにかできたんじゃないか

もっとなにかしてあげられたんじゃないか

こうしてあげればよかった

 

そんな後悔、フユに感じてほしくない・・・だけど

 

「・・・今、俺がどうこう言ったって、きっとその後悔はフユちゃんに残り続けると思う。それこそ時間をかけて俺のことを忘れでもしない限り、ずっと」

 

自分がそうだから、きっとそうなのではないかと思う

 

もちろん自分とフユが違うことは分かってる、これからの長い時間でフユがどう変わるのかなんてまだ分からないのだから

 

「!、そんなのやだ「だったら」!」

 

だけど、少なくともフユがまだエリアと繋がっていたいと思ってくれているのなら・・・贈れる言葉がある

 

「だったらその後悔を俺も背負うよ。一緒に後悔を抱えたまま一緒に行こう?」

 

「!」

 

皆が自分を救ってくれた言葉をフユに贈る

 

「家族とかうんぬんは置いといて、これからたくさん同じ時間を重ねよう?楽しい時間をたっくさんね」

 

甘兎庵やラビットハウス、フルールドラパンだけじゃない・・・この街ならどこででもそんな時間を作っていける

 

「きっとそういう時間が、もう一度俺達を兄妹にしてくれると思うんだ」

 

でも正直別に家族じゃなくたっていい、幼馴染みでも妹でもなんでもいい・・・今の時点でエリアにとってフユは大切な存在だ

 

「どんな関係かなんてなんだっていい。それを比べなくていいし、それは比べるものじゃない・・・皆は皆、フユちゃんはフユちゃんだから」

 

「エリア兄・・・」

 

あの頃と同じ優しい声色のエリア・・・だけどそれを語るエリアの顔はあの頃よりも大人のように感じた

 

「もう着いちゃったね」

「あっ・・・」

 

ブラバの前に着いた、今日はここでお別れだ

 

ここはフユが帰る場所・・・だけどフユより一歩だけ前に出て振り返って、手を差しのべる

 

「だけど言ったでしょ?この街にようこそ、歓迎するって・・・だからこれからよろしくねフユちゃん」

 

二人の時間は始まって、止まっていた

 

けど再会してまた始まったのだ

 

後は「これから」また時間を重ねていけばいい

 

「!、うん!!」

 

自然とそうしていきたいと想い・・・フユはエリアの手を取ったのだった

 

 

 




喫茶店こそこそ話!

今回また少し進んだエリアとフユの関係ですが・・・

「なんだろう・・・エリア兄と千夜姉見てたら胸がチクチクする・・・」

いくらこそこそ話でも人の心のことを話すのはよくありませんね・・・
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