緑茶風少年   作:アユムーン

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無理無茶上等?そんなの許しません!

「・・・で?後輩の悩みにうまく答えられず?」ゴゴゴ・・・

「ましてやその後輩と喧嘩して?」ゴゴゴ・・・

「挙げ句の果てにはどうしたらいい?ですって?」ゴゴゴ・・・

 

上から怒っているシャロ、リゼ、千夜

 

フユもエルもメグも三人にとって大切な妹分兼後輩・・・そんな後輩の力にうまくなれなかったなど言語道断

 

メグとの一件を知っている千夜とシャロも詳しく話を聞いて怒り心頭、先輩としてリゼもそれは許せない!と怒っています

 

とはいえ三人はそれだけで怒っているわけではないのですが・・・そんな三人の前には・・・

 

「ご、ごべっ、ごべんなざい・・・」エグエグ

 

正座して大泣きするエリアがいます

 

「「「あ・・・」」」

 

「え、エリア君!?流石にメンタルやられ過ぎじゃないかな!?」

 

エリアが落ち着いたところで今回のお話が始まります

 

・・・

 

高校生(リゼは違いますが・・・)組で勉強会をするからその時に皆でエリアの悩みの相談をしよう!というココアの提案通りに当日を迎えました

 

外はあいにくの雨ですが予定どおりに全員甘兎庵に集まりました

 

そうしてエリアの相談を受けたところで冒頭に繋がり、今に至ります

 

「で?今のところのエリアはどうしたらいいと思うんだ?」

 

「まずメグちゃんに謝っ「それはマヤちゃんとチノちゃんが対応に当たってるわよ」、それならエルちゃんの悩みを「それは私が聞いたよ!もう大丈夫!」ならフユちゃん「それは場合によってはアンタ一人じゃ無理だから却下」じゃあどうすればいいのさ・・・」

 

一応考えていたことは全て解決&保留にされました

 

「そうだな、今しなくちゃいけないこと・・・それはここだ」

 

そう言ってリゼが指差すのはエリアの胸

 

「お前が今の自分の無理を自覚することからだな」

 

「無理?」

 

「そうだ・・・ピアノの件で頼った私がいうのはあれけど最近のお前結構無理してるぞ」

 

「!」

 

「フユちゃんと再会してピアノのテストに演奏会、リゼ先輩の指導、それから・・・」

 

シャロがあげていくここのところのエリアのやったこと、そして・・・

 

「お母さんのことね」

 

最後に千夜から告げられた言葉に息を呑む

 

「ッ!・・・それはっ」

 

なんでもないと強がっていた一件であるが、もう乗り越えた一件・・・それでもあれは心に大きな傷跡を残した

 

「だけど、エルちゃんとナツメちゃんのために新しい目標を立てたのはえらいよ」 

 

いつか皆に演奏を聴かせて、皆で演奏をするという目標

 

後悔をこれからへの希望へと変えたのは間違いではないと、ココアは賞賛する

 

「ココア・・・」

 

「そうね、エリア君は本当に強くなったと思う」

 

一番近くで見守っていた千夜も同意する

 

「実際私もエリアに誘われてからピアノの練習にも身が入った・・・けどこの目標はエリアの負担が大きい」

 

まだまだとはいえいつものメンバー内においてエリアが一番音楽に精通してるのだから負担が大きくなるのは当然のこと

 

そして少しでも早く目標達成するために・・・まだ足元すら見えぬ母の域へと達するために練習を頑張っている

 

「けどそれで最近寝不足でしょ?最近のアンタ、隈ができてるわよ・・・朝もバイト中も眠そうな顔してるの気づいてないの?」

 

シャロの指摘通り、最近のエリアは更に音楽の練習にのめり込んでいた・・・それこそフユとの一件で悩んでいる状態でも練習を行った程だ

 

そんな生活の始まりはエルとナツメと約束した一件の時からであり、最近は睡眠時間を削って行っているのだ

 

「前はそれを不摂生だとからかったけど・・・もう度を越してるって自覚しろ」

 

「・・・そんなことは「あるよ/あるのよ」!」

 

エリアを除いた一同の声が重なる

 

チマメ隊とフユ、エル、ナツメが気付いているかは知らないが、少なからずここにいるメンバーはエリアが無理をしているのに気付いていた

 

ただ無理をする理由は分かるから見守っていたがメグとケンカした時点で高校生組は見守る姿勢から変わり、少しエリアを叱り、自覚させることを決めた

 

「よく考えたらメグと喧嘩してる時点でおかしいんだよ」

 

「うん、それは私もシャロちゃんもおかしいな、と思ってたの」

 

「メグちゃん寝取られる・・・まではアンタなら言いそうだけど、それをメグちゃんに直接言った時点でおかしいわ」

 

「私も思った。前はエリア君のお姉ちゃんとして厳しめのことを言っちゃったけどやっぱりおかしいよ」  

 

ここで皆の疑問が再び浮上する

 

それはなぜエリアが些細なことでメグとケンカをしてしまったのかということ

 

いつものエリアなら少し拗ねたとしても、まずはメグの服を可愛いなどと言って褒めていたはずだ

 

そうならなかったのは

 

「なにがあったはしらないけど、フユちゃんの憧れであるエリア君自身が、自分に不安を覚えることがあったから」

 

「そしてそんな状態でラパンで労働返しをしたメグを見て、他に行ってしまうかもしれないという不安を感じてしまったのが原因だな?」

 

「そんな2つの不安がある状態で話したから、メグちゃんとケンカになっちゃったんだね?」

 

「・・・うん」

 

ココアの言うとおり、今回のメグとのケンカは今までとは違う

 

しかしよくよく考えるとエリアがそんなことをするはずがない

 

つまりなにかしらの不調があるのは間違いない、ここまででそれに当たりそうな事柄はたくさんあるのだから

 

「だから、まずは自分が疲れてるってことを自覚しろ」

 

「けど・・・あの目標のことは俺がやらなきゃいけないことなんだ、俺が自分でやりたいって始めたことだから、やらなくちゃ」

 

膝の上に乗せた拳を握りしめる

 

ここまで言われて、確かに思うところはあるけど・・・それでも、やり遂げなければいけないことなのだ

 

皆のためにも、自分のためにも

 

心配して自分を止めようとしてくれている気持ちはもちろん分かる

 

分かるけど・・・やめられない

 

そうして申し訳なさから伏せた目をそっとあげる・・・すると

 

「いや、別にやめなくていいぞ?」

「むしろ早くしてくれる?こっちも色々あるんだから」

「そうだね~今千夜ちゃんとシャロちゃんと賑やかしの特訓してるところだからね!早く披露したいんだ!」

「だからこれからも頑張ってほしいわ」

 

「え、えぇ?」

 

皆からかけられたのはむしろもっと頑張れの声

 

「こ、ここはこう、頑張りすぎって止めるところじゃない?」

 

「え?止めてほしいの?」

 

「いや、そうだけど「ならいいじゃない」そうなんだけど」

 

千夜の言葉になんとも拍子抜け・・・といってはおかしいかもしれないが正直ここまでの話の流れ上頑張りすぎッ!と怒られるのではないかと思ったが・・・?

 

「最初に言っただろ?『自覚』をしろって」

 

「もうアンタ自身、無理してたなって分かったでしょ?」

 

「それから無理をしすぎて、もしも倒れたりしたらエリア君の大切な家族はどうなるのか・・・分かるでしょ?」

 

「!・・・うん」

 

ココアの問いかけに思い出すのは去年の文化祭の時のこと

 

あの時は周りの制止も聞かずに無理をして、その結果倒れて皆によけいに迷惑をかけてしまった

 

二度としないと決めた出来事

 

「ちゃんとそのことをエリア君は分かってる、だから自覚さえすれば大丈夫よ。ちゃんと自分のことを大切にしてあげられる」

 

エリアの手をとって千夜が優しく諭す

 

「自分を大切に・・・」

 

「そう、それさえ忘れないでいてくれたら私たちは頑張ることをやめろとは言わない」

 

「ただ無理だけはしちゃダメなんだからね!ただでさえやらかしたことのある前科持ちなんだから」

 

「だからこそ前も言ったけど私たちを頼って!エリア君からかけられる迷惑なんて何一つないんだよ!」

 

リゼ、シャロ、ココアの言葉が胸に響く

 

自分は無理をしてはいけない

その結果がどうなるのか、自分は知っているから

 

あの目標は皆の喜び楽しむための目標であり夢なのだから・・・その笑顔を曇らせるわけにはいかない

 

「・・・ごめん皆、俺「ストップ」むっ!?」

 

開いた口は千夜に塞がれて言葉が詰まる

 

「そういう時に言うのはごめんなさいなのかしら?」

 

「ッ!・・・うん、ありがとう皆」

 

心配するのは当たり前、だから助ける

 

そして互いに感謝しあう・・・それが友だちであり、自分たち家族の形

 

「さぁ皆!今日は予定どおり勉強会をしながらお疲れエリア君を甘やかしてから色々考えるわよ!」

 

「同時作戦か!望むところだ!」

 

「ならまずはお姉ちゃんの胸に飛び込んでおいで!」ドーン!

 

「おバカ!それは千夜の役目!ほら!やっちゃいなさい!」

 

「了解!」ムギュー

「むきゅー!?」

 

文字通り千夜の胸に抱かれたエリア

 

「エリア~!?・・・あ、別に幸せそうだな、ほっとこう」

 

千夜のお山に顔を埋められたエリアが爆発しないか心配したリゼだが、よくよく考えればこの二人なら問題ないことを思い出した・・・が

 

「・・・」ゴゴゴゴゴ・・・

「しゃ、シャロちゃん?」

 

圧倒的な覇者のオーラを纏うシャロの視線の先には、顔が隠れるレベルで抱きつかれているエリア、幸せそうな千夜はいい・・・千夜はいいのだが・・・

 

「なにかしら?」バキッボキッ

「そ、そんな少年漫画のように指鳴らさないで?」

「・・・やらなきゃいけないことがあるのよ、だから」

 

ゴスッッ!!

 

「かはっ!??」

「エリアくーん!!?」

 

「自分で言っといてあれだけど・・・このやろうー!!!」

 

「うむ、いい拳だ」

 

「・・・」チーン

 

「待って!?エリア君白目向いてるから!!?」

 

シャロをなんとか落ち着かせて時間は進み、雨足は強くなってきた

 

「あ、チノちゃんからメッセージだ!・・・今日はチマメ隊とフユちゃん、エルちゃん、ナツメちゃんも合わせてラビットハウスにお泊まり会だって!!楽しそう!!」

 

「あら、それはいいわね・・・そうだ、もう雨も激しくなったし皆も泊まっていって?」

 

「悪いな」

 

「でもいいなー、妹たちが集まってお泊まりかぁ~・・・どんな話してるんだろうね?」

 

「案外恋の話だったりしてな?」

 

そういったリゼの言葉に対して・・・

 

「「そんなのまだ早い!!」」

 

と、ココアとエリアが叫んだところで視点は変わり・・・ラビットハウス、チノの部屋では

 

「実はエリア兄と・・・」ルンルン♪

「実はエリアさんと・・・」ズーン

 

フユとメグが最近のエリアとのことを話した

 

ただしそのテンションは激しく対照的である

 

「(こんな時はどうすればいいんですかココアさん!エリアさん!!)」

 

それに直面しているチノの叫びは当然のことながら二人には届かない!!




喫茶店こそこそ話!

次回!お泊まり会後編!+α!

そろそろラストが近いので・・・一輝に!大二に!サクッと決めます!ウルトラ気合いいれますよー!!
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