緑茶風少年   作:アユムーン

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長らくお待たせしてしまい申し訳ありません。

ここでまた一旦本編はおしまいとなります。ですが後2、3話特別編を投稿しようかと思います。

最後に今回は単行本未収録のお話について少しだけ触れておりますのでご注意ください

それではご一読ください!この物語を!


ずっと隣で

それから・・・数日が経ちました

 

季節は初夏を感じさせる頃へと移り変わり、また暑い季節が始まりそうです

 

その間に色々ありましたが割愛させていただきます

 

あれからエリアは・・・

 

「この間チノとお弁当交換したの」

 

「へぇ、それは面白そうだね」

 

甘兎庵で作業をしながらフユと話しています

 

「それでエリア兄にも作ったから今日のお昼にでも食べてほしい」

 

「おぉー!猫のキャラ弁だ!」

 

「うん、チノにはうさぎだったからエリア兄には猫」

 

「ありがとう!」

 

といった様子で仲睦まじく会話をしています

 

それを少し離れた席から見ている人影が二つ

 

「ねぇ、あれはいいの?」

 

「?なんのことかしら?」

 

皆様ご存知のシャロと千夜です。

 

「色々あったじゃない、それであんた達三人がギクシャクするんじゃないかって思ったのよ」

 

「あら、この間シャロちゃんとフユちゃんとでお弁当作ったじゃない」

 

「あれはその場の勢いだったのよ!それにエリアにも渡すとは思ってなかったわよ」

 

話ででてきたフユとチノのお弁当交換の時に二人はお手伝いしてあげたのです

 

「フユちゃんからはエリア君に渡してもいいかって聞いてくれたし、大丈夫よ」

 

「・・・ならいいけど」

 

納得はしたがまだ不満げなシャロ

 

「どうしたの?」

 

「・・・なんでもないわ」

 

その不満は千夜にぶつけるべきではないと思ったのか、その日は特になにも話さずに帰りました

 

そして、次の日のフルールドラパンで

 

「やぁ、シャロ」

 

「なんでいるのよ」

 

バイトに来たシャロを迎えたのはお客としてきたエリアでした

 

そのエリアの座るテーブルにはいつもより少し多めのスイーツが置かれています

 

「店長さんがこの間のお詫びにってサービス券をくれたから」

 

シャロと喧嘩してしまったあの時から関係が戻った千夜とフユとは逆に気まずくなってしまったエリアとシャロ

 

その二人への店長からの気遣いなのだろう

 

「ついでにシャロとちゃんと話しなさいだって、いい店長さんだね」

 

「ッ!あの時はごめんなさい」

 

「いいよ、俺もごめんなさい。でもシャロの一発がなかったら気づけなかった」

 

「それであれからフユちゃんと千夜とはどうなの?」

 

「どうって、これまで通りだよ」

 

「ちゃんと元に戻ったのよね?」

 

「うん、フユちゃんは妹みたいな存在で、千夜は恋人だよ」

 

「・・・」ムー

 

納得のいく答えだが昨日と同じく不満げなシャロ

 

「なんか納得してない感じ?」

 

「・・・色々あって元鞘に収まったのならそれでいいとは思うの」

 

「うん」

 

「けど、今回私は蚊帳の外であんた達を引っ掻き回しただけだったから」

 

「いやシャロは結構中心にいたと思うんだけど」

 

「私のことはいいのよ!とにかく結局なにがどうなったのかよくわかってなくてそれがなんか・・・嫌なのよ」

 

エリアとフユが手を繋いで帰ってきたあの日、千夜からもエリアからもフユからも、元に戻ったから安心してと言われた

 

ココア達は三人がそう決めたのなら、と言いつつエリアと千夜に様々なおしおきを用意していたが・・・シャロは少し違っていた

 

今回に関しては千夜とエリアのためになにもできなかったこともあり、飲み下せないモヤモヤが胸に残っている

 

「間違ってたら申し訳ないけどそれは疎外感じゃない?」

 

そう言ってハーブティーを一口飲むエリア

 

「え?」

 

「今回ココア達にもすごく助けられたけど、詳しく俺たちの事情を知った上で助けてくれたのはシャロだよ

 

なのに最後の最後は俺と千夜とフユちゃんで全部終わらせたから、不満なんじゃない?」

 

「ッ!」

 

「まぁ簡単に言えば仲間外れにされたやきもち?」

 

「~ッ!」カァー!!

 

恐らく核心を突かれたのだろう、シャロの顔は真っ赤になる

 

「やっ、違っ」

 

「いやそのリアクションは違わないでしょ」

 

「うぅ~///」

 

「いやまぁ、大切な幼馴染みのことなんだからそうなる気持ちは分かる

 

それにシャロがどう思っていようと俺はシャロのおかげで自分の間違いに気付けたから感謝してるよ。

 

それでもやっぱりシャロにはちゃんと話さないとだよね」

 

「えっ?」

 

「あの日のことを詳しく話すよ」

 

そうしてエリアはあの日のことを語った

 

「本当に元に戻っただけだったのね」

 

当事者のエリアからより詳しく話を聞いた

 

結論エリアは千夜を愛していて、フユのことは大好きという、ただそれだけのこと

 

「うん、最後の方はシャロも知ってるでしょ?」

 

そうしてまたハーブティーを一口飲む

 

「えぇ、あんたが馬鹿なこと仕出かしたことはね」

 

「それは否定しない、フユちゃんに気付かされたから」

 

カップを持ったまま慌てることなく受け答えるエリア・・・いつもならもう少し恥ずかしがったりするはずなのだが・・・

 

「・・・なんか冷静ね」

 

「そう?」

 

「今回のことでまた進化したってこと?」

 

「んな人をポケモンみたいに・・・けどまぁそんなことだよ」

 

そうしてカチャッとカップをソーサーに戻す、そうして香ってくるハーブの香り・・・

 

「今回のことはさ、結構混乱してた」

 

まず妹のように思っていたフユの告白

 

そして不本意ながら千夜とフユを天秤にかけることとなったこと

 

「好きってさ、好きだけじゃないんだ

 

だって甘いものが好きっていうのと友だちのことが好きっていうのは違うでしょ?」

 

「それはそうでしょ」

 

「そうなんだよ。だけど俺は好きにも種類があるんだってことと、その違いをよく分かってなかった

 

千夜も好きだし、フユちゃんのことも好きだし、皆のことも好き

 

だけどそうじゃない、俺がずっと一緒にいたいって想って、愛してるって気持ちを伝えたのは千夜だ」

 

「!」

 

「千夜に告白した時にそう思っていたはずなのに、フユちゃんに告白されてぐらついた」

 

「それはずっと妹のように思ってたフユちゃんから、言われたから?」  

 

大切な存在だったからこそ、エリアの精神的なショックは大きかったのだ

 

「うん、これがもしも学校の友だちとかだったら俺には愛してる恋人がいるってすんなり言えたと思う。そんなことないと思うけどね」

 

「ありえるわよ・・・」

 

「え?」

 

「な、なんでもない!それで?」

 

「うん、とにかくフユちゃんだったから傷つけちゃいけないって思ったんだ。それで咄嗟に千夜がいるからなんて言い訳を使ってしまった」

 

「エリア・・・」

 

「だけどそれは違った、本当に大切なら傷つけない言葉を選ぶんじゃなくて・・・ちゃんと想いに答えないといけなかった。俺はそれを知っていたのに、忘れていた」

 

これまでも何度も思ったこと、それを忘れてしまうほどにエリアも動揺していたのだ

 

ましてや今回は気持ちを伝えて受け止めるのではなく、伝えられた気持ちを断る必要があったのだから、動揺するのに無理はない

 

「思い出せたのならいいじゃない。でもそれで自分も傷ついてもいいの?」

 

「それでも構わないよ、だからちゃんと答えた。千夜を愛してるからフユちゃんの気持ちには答えられないってね」

 

「そう、気付けたのね」

 

「うん・・・あむっ、シャロや皆のおかげだよ」

 

そうしてスイーツを頬張り、幸せそうな表情を浮かべるエリア

 

シャロの胸にモヤモヤはもうなかった

 

今回のことで傷ついたこともあっただろう・・・だけど

 

「ちゃんと前に進めたのね」

 

「うん、俺も皆もね」

 

それがちゃんと分かって、エリア達が笑えているから、悪い意味でなくもうどうでもよかった

 

「このハーブティー美味しい、おかわり」

 

「はいはい、今日はなに飲んでたの・・・ってこれは」

 

「ん?スーっとして美味しかったよ」

 

「なるほど、冷静なのはこれのせいね」

 

「?」

 

今日のハーブティーはミント、エリアの冷静さの理由はこれだった

 

・・・

 

所代わり、ラビットハウスでは

 

「ふーん、なら今エリアはラパンにいるのか」

 

「えぇ、昨日サービス券を貰ったってはしゃいでたの」

 

「一緒に行かなくてよかったんですか?」

 

「あれからシャロちゃん、エリア君に負い目を感じてるみたいでそろそろ仲直りしてほしいの」

 

本日お休みのココアを除くラビットハウスのメンバー+千夜がラパンにいるエリアについての話題で話していた

 

「そういえば私たちのエリアと千夜へのおしおき一通り終わったけど、シャロの件はどうなったんだ?」

 

なにがあったのは割愛させていただきますが千夜は甘兎ゾーンなしでもハッチャけられる時間が伸び、エリアは目覚めてはいけないなにかに目覚めそうになったと言わせていただきます

 

「そうね、再会一番で・・・

 

『エリア、私を思いきり叩きなさい。そうじゃないとアンタと家族には戻れないのよ』

『走れ◯ロス!?』

 

・・・というやりとりをして、もちろんエリア君はそんなことできないってそのままずるずるとね」

 

「な、なるほどな。まぁあの二人なら大丈夫だろ」

 

「そうね」

 

「千夜さんはあれからエリアさんとどうですか?」

 

「元通り、私はエリア君の恋人でフユちゃんはエリア君の妹、それに戻ったわ」

 

「・・・それが一番よかったんですよね」

 

「チノ?」

「チノちゃん?」

 

どこか浮かない顔のチノのことに気付く二人

 

「フユさんも話している時は変わりありませんが、授業や休み時間では時々遠くを見ているというかポヤーっとしている時間が増えた気がします」

 

フユと同じクラスのチノは普段のフユを見る時間も多い・・・が

 

「確かに考えることもあると思うがエリアと千夜とはいつも通りに話したりできてるんだろ?なら大丈夫なんじゃないか?」

 

端から見るとなにを考えているのか表情が読めないフユだが、過去それと同じだったチノには感じるものがあるようだ

 

「ち、違うんです!、ただフユさんは大丈夫なのかな、と思ったんです」

 

「そうか・・・とはいえどうすれば「なにも言わなくていいのよ」えっ!?」

 

腕を組みどうするか考えようとしたリゼを制して千夜が答えた

 

「今はきっとなにかを言われても返って気を遣われるだけよ」

 

「そ、そうかもしれないが冷たくないか?」

 

「大丈夫、フユちゃんは強い子よ。だってあのエリア君の妹なのよ?」

 

「「!」」

 

「今は信じる時間なんだと思うわ。当事者の私が言えたことではない、だけど今回のことを乗り越えてフユちゃん、ううんフユちゃんとエリア君はまた一つ強くなる」

 

「進化、だな」

 

「そうね、だからチノちゃんは見守ってあげて」

 

「私は、ですか?」

 

「えぇ、フユちゃんのあこがれはチノちゃんなんだもの。だから今は見守ってあげて?フユちゃんはちゃんとチノちゃんにも答えを教えてくれるわ

 

それに、その他のことはお姉ちゃんが何とかしてれるわ」

 

「それって・・・はいっ!」

 

千夜の言わんとすることが分かったチノ

 

「これは一本とられたよ。それにしても千夜も進化してるんだな」

 

「あら?そうかしら?」

 

「はい、以前より凛々しくなっていますよ」

 

以前よりも心が強くなった気がする

 

「そうね、そうなら嬉しいわ」

 

そういう千夜の手には淹れたてのコーヒーがある・・・エリアほどではないがいつもなら少し砂糖やミルクを加えるそれを今日はなにも入れずに飲んでみる

 

「ふぅ・・・今日も美味しいわ」

 

その苦味が美味しく感じて、確かに少しだけだが大人になったのかもしれないと千夜は思うのだった

 

・・・

 

またまた所は変わり、ブライトバーニーでは

 

「フーユちゃん♪」

 

「!、ココ姉!」

 

いつも通りブラバで働くフユの元にココアが来店していた

 

「いらっしゃいませ、ご注文は?」

 

「ん~今日は抹茶オレかな?」

 

「トッピングは?」

 

「ホイップお願い」

 

「分かりました。少々お待ちください」

 

「よろしくね~」

 

そうして注文のものを作る間の他にお客もいないので、人目を気にせず話す

 

「フユちゃん元気?」

 

「うん」

 

「チノちゃん心配してたよ」

 

「そっか、悪いことした」

 

「うん、今度話してあげて?けどこの間お弁当交換したんだよね。美味しかったって言ってた」

 

「今度ココ姉にも作るね」

 

「ほんとに!?約束ね!それにエリア君にもお弁当を作って、それは千夜ちゃんとシャロちゃんと作ったんだよね」

 

「うん、たくさん教えてもらった。楽しかったよ」

 

「そっかそっか、最近フユちゃんのアグレッシブなところが見れるからなんだかお姉ちゃん嬉しいよ・・・だからね」

 

そう言って注文していた抹茶オレを手渡そうとした時・・・ギュッ

 

「フユちゃん頑張ったね」

 

「?ココ姉?」

 

フユの手をココアが優しく掴んだ

 

「なにかのきっかけがあったとか、恋人がいるって知っていながら告白したこととか、色々ある・・・だけどフユちゃんが悪いことなんて何一つない」

 

「!」

 

それは皆が胸に秘めていたこと、だけど引け目を感じて言えなかったこと

 

「ちゃんと傷つく覚悟して、答えを受け止めて、これからを選んだ、そんなフユちゃんはすごいよ!

 

だってあの意地っ張りエリア君の意地を曲げちゃったんだもん!」

 

だけど、ココアなら言える

 

人のセカイに恐れずに飛び込める・・・チノ曰く土足で踏み込んでいけるココアならフユの覚悟と勇気に称賛を贈れるのだ 

 

これはエリアにはできないこと

 

「だから、よく頑張ったね」

 

「・・・」

 

「今だってエリア君と千夜ちゃんには余計な気を遣わせないために頑張ってるもん」

 

「・・・」ポロッ

 

あの日以来の涙が溢れる

 

あの日の後悔と傷は全部飲み込んだけど、それでも心に残っていたモノがあった

 

それが溶けていく

 

溶けて涙になり流れていく

 

そしてそれを受け止められるのは・・・

 

「お姉ちゃんにまかせなさい!どーんと飛び込んでおいで!」

 

「ココ姉!!!」

 

カウンターから移動して、ココアの胸に飛び込んでいくフユ、ココアはしっかりと受け止める

 

「頑張った、頑張ったねフユちゃん」

 

ぽんぽん、と優しく背中を叩く

 

宥めるように、労るように、優しく優しく・・・今だけは他にお客さんが来ないことを心から願いながら、その時間は過ぎていった

 

・・・その日の夜、エリアの部屋

 

「ん~~・・・休憩するか」

 

今日も今日とて音楽の勉強を重ねるエリア、疲れもたまってきたので少し小休止をとることに・・・そこにコンコン♪

 

「?はい?」

 

ドアがノックされたので、それに答える

 

「私よ、お茶をいれてきたのだけど」

 

「お、ナイスタイミング」

 

ガチャッ、部屋のドアを開く・・・そこには当然御盆を持った千夜がいるのだが

 

「今日もお疲れさま」

「ううん、ありがとう」

 

二人を包む甘い雰囲気はずいぶん久しぶりな気がした

 

・・・そして二人で並んで座り、お茶を飲む

 

「ココアちゃんから連絡、フユちゃんのことはなんとかしたって」

 

「流石ココア、フユちゃんのことは俺たちじゃできないから」

 

「お礼を言いにいきましょう。エリア君はどうだったの?」

 

「久しぶりにシャロとたくさん話して、仲直りしてきた」

 

「これで本当に元通りね」

 

「うん、本当によかった」

 

ズズッ、お茶を一口飲み一息つく

 

ようやく一息つけた気がする

 

「そういえば最近音楽の方はどうなの?」

 

「最近はちょっと集中できてなかったから今日からリスタート」

 

「楽しみに待ってるわね」

 

「うん、待ってて」

 

なんてことないいつもの会話、隣には千夜がいる

 

なんとなく湯呑みを置いた手で千夜の手を握った

 

自分より小さく華奢な手だ

守りたくて、ずっと繋いでいたい手

 

「これからもこうしていたいね」

「私もそう思うわ、こうして隣でね」

 

そう言って今度は千夜がエリアの方にもたれかかる

 

二年前はそこまで差がなかったのに、いつの間にか身長も伸びて大きくなったエリア

 

固いけど不思議と離れたくないと思う頼もしい、そして愛おしい男の子

 

「ねぇエリア君」

「ん?・・・んっ」

 

呼び掛けに答えて二人の顔が近づき、距離が0になる

 

「いきなりどうしたの?」

 

「あら、もう慌てたりしないのね」

 

「慌ててほしい?」

 

「初心な姿が可愛いもの・・・なんてね、エリア君が強くなってるのは知ってるわ」

 

「だろうね、隣にいてくれたんだから」

 

「そうね、けど義務じゃないわ、私が隣にいたくていたのよ」

 

「!、ありがとう」

 

「それでそれはこれからもいっしょ、私はここにいる・・・もうエリア君を信じることを疑いたくない」

 

「うん、けど俺が間違ってると思ったらその時は怒ってくれていいよ。ただちゃんと話そう」

 

「えぇ、なにが嫌なのかをちゃんと話し合いましょう」

 

色々と傷ついた分、前よりも固く強く絆を結んで・・・新しい約束を交わす

 

「俺達二人ともが間違ってたら、誰かが助けてくれるよ」

 

「そうね・・・ウィーアーファミリーだものね」

 

困った時は皆に任せよう、絶対に助けてくれる

 

「ねぇエリア君?」

 

「今度は何?」

 

「今日一緒に寝てもいい?」

 

「いいよ、じゃあ布団持ってこないと「違うの」ん?」

 

週2、3日程度で同じ部屋で寝る二人

 

千夜の布団をエリアの部屋に持ってきて眠るのがいつも通りなのだが・・・

 

「同じ布団で、隣で寝たいの・・・ダメ?」

 

「・・・」

 

「え、エリア君?」

 

衝撃のあまり黙ってしまったエリアが口を開いた

 

「あのさ、千夜」

 

「な、なに?」

 

「それ結構酷なこと言ってる自覚ある?」

 

「へっ!?」

 

「絶対に外で言わないでね」

 

「い、言わないわ!?それにこんなこと言うのはエリア君しかいないわ」

 

「ッ!」カァッ

 

顔が熱くなる・・・全く先ほど強くなったと話したばかりだというのに

 

「はぁ・・・きっと一生俺は千夜に叶わないんだろうなぁ」

 

「私だって日々進化しているもの・・・それで?一緒に寝てもいいのかしら?」

 

そうして手をエリアの肩に乗せて、耳元に口を近づけ・・・囁く

 

「それに、別になにかしても構わないのよ?」

 

「ッ!?んなっ!?」

 

「据え膳食わぬはなんとやらって言うけど・・・どうする?」

 

からかうような口調だが・・・千夜の顔も赤い、言ってて恥ずかしくなっているのだろう

 

きっと自分達はまだまだ大人になれない

 

子どもと大人の間の中途半端な位置にいる

 

「責任とれないうちはそういうことはしないよ」

 

だけどそんな位置がいい

 

「大切にしたいからしない」

 

「!、エリア君の意気地無し」

 

「意地があるから、しないの」

 

そんな時間を楽しみたい

 

「はぁ・・・もういいわ布団とって「待った」え?」

 

「・・・一緒に寝ないとは言ってない」

 

目を逸らして、顔を更に赤めながら千夜を止めたエリア

 

「ぷっ、ふふっ」

「くっ・・・ふふっ」 

 

そうして一緒に笑いだす

 

きっと明日はいい朝になる

 

だって目が覚めたら目の前に愛しい人がいるのだから

 




喫茶店こそこそ話

当たり前ですが次の日エリアは寝不足でした!!
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