それではご一読ください!この物語を!
こんにちは皆さん、これからまたまた始まる物語…よろしければコーヒー、もしくは緑茶、ハーブティーを片手にお楽しみください♪
お飲み物は御用意できましたか?
それでは僭越ながら小説家である私からお話しさせていただきますね?それではまずはこれまでのお話からいきましょう
オホン、『記憶を失い、違法研究所で人体実験を受けていた名もなき少年が先生と出会い…』あ、いけません間違えました。これはまた別のお話ですね
帰る場所も行きたい道も見えなくなっていた少年『
そんな彼は後の恩師からの勧めで木組みと石畳の街へとやってきました
その街に向かう列車の中で同じ街に向かう途中の少女、保登心愛さんと出会いこの物語は始まりました。
…真面目にお名前を呼ぶと照れちゃいますね///
ここからはいつもの呼び方で呼ばせていただきますね?
和田上凛彩ことエリアさんは木組みの街で様々な人と出会い、様々なことを経験し、成長し進化してきました
それはエリアさんに限った話ではなく、エリアさんに関わる人たちもまた同じ…遊び、学び、喧嘩もして彼らは家族と言える繋がりで結ばれました
あ!いけません、この物語を語る上でもう一人紹介しなければならない方がいますね
その方はエリアさんの下宿先である喫茶店『甘兎庵』の看板娘の宇治松千夜さん
千夜さんとエリアさんの出会いは兎の衝突事故から始まり…それから紆余曲折あり二人は恋仲となりました
ざっくりしすぎ?それは申し訳ありません…ですがこの二人のことを語るとなるとざっと90話くらいかかるのでそこは各々でご参照ください
様々な試練を乗り越えたエリアさんと千夜さん、最近は破局の危機があったそうですがそれもなんとか乗り越えたそうです
とにかく高校三年生に進級し、エリアさんの妹分であるフユさん、そしてエリアさんのお母様のことを知るナツメさんとエルさんを新たに加えてこの物語は一度栞を挟みました
ですが、どうやらその物語をもう一度開く時がきたようです
お手元の飲み物は飲み終わりましたか?もしよければおかわりを注いで次のページへと進んでみてください
そこはいつでも皆さんを歓迎する喫茶店の入り口…コーヒーに紅茶にハーブティー、そして素敵な音楽が流れるそんな喫茶店です
それではまた後々お会いしましょう!
あ、それからエリアさん!
そろそろおはようの時間ですよ?
後はよろしくお願いします♪
…
パチッ
夢に現れた小説家の呼び掛け通りに瞳を開く、目前に広がる景色はは見慣れた天井
ムクッ
あくびをこぼしながら起き上がる
次の景色はここ数ヵ月で揃えた楽器と机に散らばる楽譜の山
昨夜はご飯を食べて、お風呂にはいってから宿題と楽器を少し触ってから寝た
…ブルッ、サスサス
身震いをひとつし、それから腕をさする
もう夏だというのに少し肌寒さを感じたのはとなりにいるはずの彼女がいないから
これからはいつも一緒だと思っていた
たとえ将来どんな道に進んだって一緒だと思っていた
それがまさかあの一言からこんなことになるなんて思いもよらなかった
「…ハァ」
物思いに浸っていても現実は変わらないので顔を洗うために立ち上がり、部屋を出る
洗面所に向かう途中いい匂いがした
花とか、香水とかのいい匂いではなく朝御飯の匂いを嗅ぐと共に胃が動き出し、足も少しだけ急ぎ足、顔を洗わなくては朝御飯にはありつけないのだから少し急ぐ
なんてたって今日の朝御飯は彼女の当番だ
急いで顔を洗い、居間の扉を開く
目前に広がるのは…美味しそうな朝御飯と
「エリア君おはよう!もう朝御飯できてるわよ」
愛しい彼女が待っていた
…
「いただきまーす」
挨拶をしてから早速朝御飯を一口、うん美味しい
あ、どうも和田上凛彩ことエリアです
お久しぶりの方はお久しぶりです
青山さんが語る変な夢を見た気がしましたけど、朝御飯を食べた瞬間吹っ飛びました
色々とあった春を終えて暑い季節となり、今は比較的落ち着いた毎日をおくっています
学業も真面目に頑張ってますし、音楽科の方も好調でこの間もマラカスによる新たな「エリア君?」おっと、考え事をしながら朝御飯を食べていたせいで隣にいる千夜が不信に感じたようです
「ごめんごめん、ちょっと考え事」
「そうなの?朝御飯が美味しくないのかと思っちゃったわ」
「千夜の料理はいつだって美味しいよ」
「もうエリア君たらっ!」バシィッ
「痛っ!?」
照れ隠しになんで千夜はこういう時の力は強いんだろうか
「それで?考え事って?」
「あーそれは」
向こうの方々へのご挨さ…ゴホンゴホン、変な夢の話なんてできない
かといって誤魔化すと千夜が更に不信に思い、皆に話し、俺を見守り隊?とやらが動くのでもうひとつの悩みごとを話す
「朝起きた時に肌寒くてさ」
「!、それは」
最近の悩みごとはこれ、毎朝一瞬だけど肌寒さに襲われている
これからもっと暑くなったとしても、原因をなんとかしないと解決しない悩みなのだ
と、その悩みを打ち明けると千夜が目を伏せて落ち込んでしまった、これはいけない
「ううん、理由は分かってる…こればっかりはしょうがないよ」
「…ごめんなさい」
「千夜が悪いわけじゃないし俺も悪くない…仕方ないよ」
「えぇ…でもいつか必ず」
「うん、約束ね」
などと話していると千夜のおばあちゃんこと店主さんから『惚気る暇あるなら早くしな!!』という怒声と共に二人で家を飛び出した
…
登校途中でいつもの二人と合流した
「千夜ちゃん!エリア君!おはよー!」バッ
「おはようございます」ババッ
「おはようココアちゃん、チノちゃん」シュバッ
「おはよう」ザババッ
ココア、チノちゃんと合流すると共に両手を上げてパチンッとハイタッチをかわす
ここのところは朝の挨拶と共にこれをしています
「うん!今日もバッチリ!」
「もうチノちゃんに言うことはないわ!」
「慣れてきている自分が怖いです…」
「はははっ、その恐怖すら慣れてくるよ」
「(エリアさんの目が笑ってない!?)」
そこから談笑しながら通学路を進む
「それでこの間チノちゃんが年下の子を案内しててね!」
「へぇ、すごいねチノちゃん」
今日の話題はこの間の休日にココアとチノちゃんが散歩してた時のこと
観光に来て迷っていた子をチノちゃんが案内をしてあげたらしいです
「そ、そんなことないです」
「それこそそんなことはないわ、しっかりお姉ちゃんの背中を見て育ってるのね」
「やっぱりそうかな!?あの時のまほうつかいさんのお陰かな」
「まほうつかいさん?」
「うん、昔この街に来て迷子になった時に助けてくれたまほうつかいのお姉さんがいたんだ」
「ん?なんか似たような話を聞いたような」
「それでね!最近そのお姉さんの夢をみたんだ。わくわくするきっかけをくれたお姉さんが私に魔法をかけてくれたの!」
「素敵なお話ね。どんな魔法なの?」
「んー、それは忘れちゃって」
「えぇ!?」
「あ、けどそのお姉さんが言ってたんだ」
「?なにを言っていたんですか?」
「素敵なパン屋さんと音楽家が揃えば完璧だって!」
「なにが完璧なんだ…?」
全く話が見えないけど、ココアは嬉しげだ
相変わらずココアのこの顔を見ると癒される
「けどそれならココアちゃんもう揃ってるわね?」
「そうですね、図らずもです」
「?、あっ、そっかー!」
「?なにが?」
「パン屋さんはココアちゃんが兼ねるとしてここにいるじゃない、素敵な音楽家が」
「?どこ?」
「「「ここ/です」」」
三人が一斉に俺に向かって指を指す…つまり
「俺!?」
「ぴんぽーん!というわけでエリア君!私の弟になれ!!」
「でたー!パン屋さん兼お姉ちゃん兼魔法使いのココアちゃんの弟コンボよ!」
「これはもう諦めるしかありませんね」
「あぁ、このやりとりをやり直したい、やり直したい…」
などと話ながら通学路を進み、分かれ道に差し掛かった
「それじゃ、またね」
「はい、またお店で」
「気をつけていくんだよー!」
「知らない人についていっちゃだめよー!」
「俺小学生だと思われてる?」
ココア達と分かれて自分の学校に向かう
通常授業なんかはかわりないので割愛して6時間目、この学校の特色で6時間目は各コースの授業で俺は音楽を専攻
まだ入ってそんなに経っていませんが同じ授業をとっているクラスの友達も増えて毎日楽しいのですが…
「和田君、そろそろ決まったのかしら?」
「いや決まったってなにがですか」
いつも通りピアノを弾いていたら音楽の先生になんの脈絡もなく声をかけられた
この先生かなりおもしろいけど変わった先生で校内でも色々と噂されてる先生なんです
その授業形態は自由で音楽の基礎から知りたい人はそこから教えてくれるし、好きな楽器があるのならそれを教えてくれる先生
で、そんな先生からなんの話があるのかというと
「そろそろ貴方のメインを決めるべきじゃないかと思ったのよ」
「メイン?」
「メインの楽器ね。貴方ピアノだけじゃなくてギター、それからフルートもできるでしょう?」
「?はい」
「どれが得意なの?」
「強いて言うならピアノでしょうか?」
「けど一度貴方のギターを聴いたけど捨てるには勿体ないわよ」
「えっと、全部じゃダメなんで「ダメよ」えぇー…」
即答された
「貴方の担任から聞いたけど将来は音楽に関する仕事に就きたいそうね」
「はい」
「となると進路は音楽大学ということになる」
「そうなりますね」
「音楽大学に挑むのなら貴方の持ち味と長所をしっかりと見極めないといけないのよ」
「持ち味と長所?」
「そう、全部できるのも確かに長所よ。だけどそれは逆に言えば秀でたものがないということ」
「!」
「それに貴方にはもうひとつ可能性がある」
「可能性?」
「それよ」
先生の指先が俺を指す…その先には
「首?」
「声よ。その天然ボケ貴方私に似てるわね」
「はぁ…それで声?とは?」
「三年生になって初めてのテスト、正直貴方にはまだ期待していなかった。まだまだ発展途上だと思っていたわ。だけど貴方はその予想を越えて見せた」
「越えて見せたって…そんな大袈裟な」
「大袈裟ではないわ。あのギリギリの状態であの発想、思い浮かんだとしてもまずやらない」
「そんなこと言われましても」
「いや、あり得ないのよ。貴方本当に初心者?なにを思ってやったの?」
「んー…なんか楽しい方がいいかなって」
家族に引っ張られたというのはあるけど、少なくとも自分は楽しいと思ったからその道を選んだ
その結果があぁなっただけで、白けたとしてもそれはそれでと、思ったと思う
「昔貴方と同じことを言う音楽家がいたわ」
「へ?」
「その人も色んな楽器を演奏することができ、全てを完璧にこなした…貴方にそうなる覚悟があるの?」
「か、覚悟って…俺はただ楽しく音楽がやりたくて」
それでいつか父さんと母さんを越えたいと思っているだけ
そしてその音楽を家族と共に楽しめたらいい…それだけなんだ
「だけど周りはそうはいかない」
「え?」
「断言できる。いずれ貴方が望まずとも貴方の音楽を求める人が現れる。ただそれは聴きたいためだけじゃない、それを磨きたい者、それを得たい者、それを妬む者もいる」
「ッ…」
冗談だろうと笑おうとしたけど、先生の真剣な瞳を見て笑えなくなった
そして秋になった時に本気で笑えなくなるけど…それはまた別のお話
「私としてもそんな道は歩んでほしくない…だけどただ音楽をやりたいという当然の理由だけでこの先の道は進めない
自分はなにをしたいのか、なにを極めるのか、どこに向かうのか…音楽に触れ日が浅い貴方にはまだ難しいかもしれないけど、もうそれを定めないといけない時期にある」
「…はい」
「難しい話はこのへんで、そろそろ次の子のところへ行ってくる」
「ありがとうございました」
それから少し考えたけど、今の夢を思い出してとにかく課題曲の楽譜へと目を向け直した
…
それから放課後、バイトもないのでフラフラしていたら…
「あ、エリア兄だ」
「!、フユちゃん」
俺の妹分フユちゃんと会った
「今日は甘兎おやすみ?」
「うん、フユちゃんも?」
「うん、だからこの間ココ姉がおすすめしてたジェラートのお店に行こうと思って」
「ジェラートか、いいな」
「エリア兄もいく?」
「!、いいの?」
「一人で行くところだったから、寧ろ嬉しい」
「そっか、なら行こう」
色々あったけどこうしてまた兄妹に戻れて本当によかったと思う
そうしてジェラートの店でそれぞれ購入
「ん、美味しい」
「流石ココ姉…エリア兄のも頂戴」
「いーよ、フユちゃんのも頂戴」
それぞれスプーンで一口ずつシェアする
「けど千夜姉に黙ってきたけどいいのかな」
「?なんで千夜?」
「いや、その…」
「あー…いいよ。気遣ったらかえって拗れる」
「そうなの?」
「そうそう、あーけどあれかなシャロとリゼさんに見つかったらめんどくさいかも」
日頃千夜と俺とココアに振り回されてるからかこういった俺をからかえるネタをみつけると振り回され隊は中々に厄介で…
「え、エリア兄…そのへんにしといた方が…」
「特にシャロはちゃんと千夜のこと見なさいとか、音楽はいいけど勉強ちゃんとしてるの?とか色々言ってくれてありがたいけどさ~…「へぇ?ありがたいけどなに?」へ?」
ポンッと背後から右肩に手が置かれた
「ついでに私のことも聞いておこうか?」
次は左肩に手が置かれ、聞こえる声は振りかえるまでもなく知っている声
片や千夜の幼馴染みのシャロ
もう片や先輩のリゼがいる
そして二人とも多分…いや確実に怒ってらっしゃる
「あのー弁明を、聞いていただくことは?」
震えながら許しを乞うたけど…
「判決はシャロに任せよう」
「
とりつく島はなかったらしい、肩にあった手が両耳に移り…グイィィ!!!
「痛だだだっ!?」
「エリア兄の耳がッ!」
…
「で?なにか言うことは?」
「す、すみませんでした」
「エリア兄…大丈夫?」
「俺の耳はもうダメだ」
「大袈裟ね、ちょっと引っ張っただけよ」
「まぁジェラートもご馳走してもらったし許してやらんこともないかな」
「うぅ、給料日前なのに…」
「ならいつでもラパンにバイトに来なさいよ、折角制服もあるんだし」
そうしてシャロが向ける携帯の画面には前にココア達によって着せられたフルールドラパンの制服の俺が写っていた
「シャロッ!!」
「はははっ、何度見ても傑作だな」
「エリア兄可愛い…」
「う、うぐぅ…」
「さて、エリアをからかうのはこの辺にして…エリア、アンタ最近千夜となにかあったでしょ」
「!」
「ん?なにかあったのか?」
「ケンカしたの?」
「今回はケンカではないみたいだから安心して?ただ千夜からちょっと悩みがあるから相談にのってほしいって言われたんです」
「なるほど、で?エリアお前なにやらかしたんだ?」
「なんで俺がやらかした前提なんですか!」
「そんなのお前が大体の事件の発端…いや、お前らに限ってそれはないか」
ほらー、と心の中だけでも反論していると
「で?心当たりくらいあるんでしょ?」
「え?あー…うん」
「どうせこの後千夜から聞くんだけら今のうちに言っちゃいなさいよ」
「そうだな、乗りかかった船だ。私も聞こう」
「わ、私も!」
「え、えぇ結構恥ずかしいんだけど」
「今さらそんなこと気にする間柄じゃないでしょ?」
「だな、ほらキリキリ吐け」
「エリア兄、聞かせて?」
これはもう逃げられないようだ…仕方ない腹をくくろう
「あれは…そう、掛け布団と寝巻きを変えた頃のこと」
「?布団?」
「寝巻き?」
「その日は気温が少し上がっていたそうです。俺も少し寝苦しくて、夜中に目が覚めたんです」
「これ怖い話、ですか?」
「まだ分からない聞いてみよう」
「その時隣で寝ていた千夜が魘されてたんです」
「もう一緒に寝てることはツッコまないわよ。それで?」
「千夜が…魘されながら…あの一言を」
「「「…」」」ゴクリ
そう忘れられないあの一言
「『暑い』って」
ドスッ!×2
ペシッ
…
「ま、まだ痛い…」
シャロ、リゼさん、フユちゃんから無言の攻撃を受けその場で蹲ってたら置いて帰られた、なので長くなった日暮れの中を一人で甘兎庵に帰ってきた
「エリアくんおいたわしい…」
「ね、ひどいよね?」
「それは自業自得かと思うわ」
「ちょっと!?」
向かえてくれた千夜と並んで座り、お茶を飲む。いつもならこういう時は温かい緑茶だけど最近は冷たい麦茶になった
本当に暑くなったのだ
千夜が暑いと言ってから少し調べると誰かと一緒に寝ることで熱中症や脱水症状になってしまうということがあるらしい
もしもそうなってしまったら…ということで二人で話し合って一緒に寝ることは控えることにしたのだ
それでもフユちゃんとの一件以来隣の布団と時々一緒の布団で寝ていた千夜がいなくて、朝起きると気温は高くて暑いのになんだか肌寒くて
「人肌恋しいってこういうことをいうんだね…」
「そうね…けどその分今ひっつくのはどう?エアコンもついてるから暑くないわよ?」
そう言ってからひっついてきてくれる千夜
もちろんへんな意味でなく本当に心地がいい
「それはそうだけどさ…」
「やっぱり寂しい?」
「…うん」
ここに来てから千夜と出会って結ばれて
少し離れてしまうことはあったけど…それでも隣にはいつだって千夜がいてくれた
「贅沢になっちゃったのかな」
「贅沢?」
「千夜がいてくれることが幸せだった。ほれでそれが当たり前になってた。
なのに今は少しの間でも離れてるのがなんか寂しい」
「エリア君…」
起きた時隣に千夜がいて、おはようって言ってくれるのが堪らなく幸せだったのにそれが当たり前になっていた
それがなくなって今自分は満足できていない
「贅沢者だね俺は。欲望の塊だよ、仮面○イダーオーズだよ」
「欲望の塊なら今頃もっと先に進んでると思うんだけど…」ボソッ
「ん?なんか言った?」
「なんでもないわ!けどエリア君?」
「なに?」
「幸せになることに際限なんていらないと思うわ」
「!」
「ただ幸せを貰うだけなのはいけないけど、ちゃんとエリア君は勉強も音楽もバイトも頑張ってるわ。私はそれを知ってる…だからもっと欲張ったっていいのよ。
そのための『エリア君と幸せになり隊』なんだから!」
「俺、と?」
「そう!私がエリア君を幸せにして、私もエリア君に幸せにしてもらうのよ」
「俺が幸せに…できてる?」
「バッチリ!」
「よかった」
「だからもっと望んでいいのよ。私もその分エリア君に望んじゃうから!」
「…ありがとう」
「ふふっ、どういたしまして」
そうして笑い合う、こういった時間もまた堪らなく幸せだと感じた
そしてこんな幸せが毎日の日常でもいいんだと、教えてもらった気がした
そうして数日後…の夜
「『今日はシャロちゃんと作戦たてたからまかせて!』って言われたけどどうするんだろ?」
そして言われた通りに自室で待っていたその時
コンコン♪「エリア君、私よ。入っていいかしら?」
「!、うん」
いつもならなにかしてない限りはされない控えめなノックと千夜の声、それに答えると部屋の襖が開かれた
そこにいたのは
「!!?」
「これなら暑くないわよ!!」
いつもの寝間着のヒラヒラした…確かネグリジェ?みたいなものではなく腕やら脚やらの肌が少し多めに見えるパジャマ
その、正直眼福だけど眼に毒なんですけど…
「サイズがちょっと小さいからキツいけど…寝るだけだし気にしなくていいわよね?」
そのままスッと隣に座る千夜
自分が使ってるシャンプーや石鹸とは違ういい香り…千夜の香りがする
接する肌もいつもより柔らかいし、声も心なしかいつもより耳に響く
思わず歯を磨いたばかりの口内に唾液の味が広がる
え?…私今からこの千夜と寝るの?
「きょ、今日は別々の布団で「?折角準備してきたのに?」そ、それは」
くい、と着古して寝間着用にしているシャツの袖を引かれこう言われた
「それに…肌寒いのはエリア君だけじゃないのよ?」
「!!」
「だから、どうかしら?」
なんかもう色んな感情がごっちゃになった
偉大な音楽家達もこんな気持ちを曲にしたりしたんだろうか
生憎まだ自分はその領域に立てないので
「ウン、キョウハイッショニネヨッカー」
思考が停止した
「本当!?なら早速おやすみなさーい」
そう言ってから布団に横になる千夜、続いて俺も寝転ぶ
「…」
その夜はどうなったかって?
肌寒くはなかったけど朝日が寝不足の瞳には痛かったデス☆
喫茶店こそこそ話!
今回のシャロからのパジャマ作戦、シャロ的にはいけるところまでいってこいの意を込めた作戦でしたが…
結果は鋼の理性の勝利ということで☆