緑茶風少年   作:アユムーン

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それぞれの幼馴染みの形

今日の甘兎庵は

 

「「「AMAUSA☆いえーい」」」

 

なにやらいつもと違ってノリノリな千夜とメグ+エルを含めて営業中です

 

「(注文…ちゃんと伝わってるかな)」

「お待たせしました。ご注文の『世界創世~世界は君の思い通り~』です」

 

盛り上がる三人に注文が通ったのか不安な青山ブルーマウンテン担当の凛にご注文の品を持ってきたのはエリア

 

ちなみに持ってきたのはキツネ、タヌキ、ネコ、牛を模した大福4種セットだ

 

「ありがとうございます。今回エリアさんは通常運転なんですね」

 

「はい、そうしないとお店回らないので」

 

まだイエイイエイと盛り上がっている三人を遠い目で眺めるエリア、今日はあの三人のフォローの為に動き続けている

 

「あはは、それにしてもなにかあったんですか?新しい店員さんも増えていますし」

 

「エルちゃんは助っ人兼研修?みたいな感じです」

 

「研修ですか?」

 

「はい、エルちゃんともう一人双子のナツメちゃんがいるんですけどその二人ブライトバニーのバイトの面接受けたみたいなんですけど落ちちゃって」

 

「そうなんですか」

 

「でも落ちた理由に二人が悪いところはなかったんですよ。単純に募集人数が一人だっただけで」

 

ブラバ側も双子を採用できなくて申し訳ないとフユ経由で聞いた

 

「それは残念ですね」

 

「で、また募集枠が空いた時のためにあの双子のレベルアップの為にこことラパンとラビットハウスで経験値を貯めることになったんです」

 

「なるほど」

 

凛と少し話してからカウンターに戻るその途中で楽しそうに話している千夜が視界に入る

 

「(嬉しそう、同い年の従業員ほしいって言ってたしな)」

 

思えば千夜のお婆ちゃんとお父さん、そして他に従業員はいたとしてもエリアがここにくるまで千夜一人だった

 

そこにエリアが入り、時々ココア達が来て、最近メグが来て、今エルがいる

 

「(人数増えたなって思えるくらいには俺もここに染まってきてるってことか)」

 

エリアにとってここは千夜と二人の場所だった、それが気付けば四人になっていることに感慨深いものを感じる

 

「エリア君フォローお疲れ様!」

 

「うん、メグちゃんにエルちゃんはしゃぐのはいいけど手が空いたら店内の掃除しようね」

 

「「さー!いえっさー!」」

 

優しく指示を出すエリア、その姿を見て

 

「ふふ、もうエリア君も立派な先輩に「千夜は店前の掃除」いえっさー…」

 

エリアの先輩として誇らしかった千夜だったがエリアに掃除を言い渡された

 

そうしてバイト終わり

 

「ふぅ、疲れた~」

 

「お疲れ様、これどうぞ」

 

一息ついたエルの前に栗羊羹と緑茶を置く

 

「!、ありがとうございます!」

 

その様子を少し離れたところで眺めているのは千夜とメグ

 

「ふふっ、懐かしい光景ね」

 

「懐かしい?」

 

「エリア君の初出勤の日にも私が羊羮とお茶を差し入れたの」

 

「へぇ~!」

 

「あの時のエリア君まだまだ笑顔が下手だったわね…」

 

などと昔を思い出していると…

 

「初めてだったけど緊張しなかった?」

 

「少し…けど制服も可愛いし、皆優しかったから楽しかったです!」

 

「そっか、似合ってたよ」

 

「え?」

 

「そういえば前にラパンの写真も見せてもらったけどそれも似合ってたね」

 

「ええ!?」

 

「ラビットハウスの時はバータイムの制服だったね、あれも可愛かったよ」

 

「エリアさん///そのへんで勘弁してー!」

 

という具合でエリアがエルのことを誉めちぎっていた

 

「ふふふふふ…」ゴゴゴ…

 

「ち、千夜さん!落ち着いて!!」

 

「私が服とか髪型とか変えても気付かないのに…ふふふふふ」ゴゴゴ…

 

「あ、それはエリアさんが悪いね」

 

実際のところ後輩として見てるからエルには言えるだけ

 

千夜の変化にエリアは気付いているが照れてるので言えていないだけ

 

「よく考えると俺もラビハとラパンの制服着たことあるな…」

 

「えっ?」

 

甘兎庵→今

 

ラビハ→クリスマスの時にココアからバータイム風の制服作ってもらった

 

ラパン→ココアからのお仕置きで着せられた

 

「ここはともかくラビットハウスとラパンも?…そ、そういった趣味があるんですね…」

 

「!?違うよ!?」

 

あらぬ誤解が生じた所に

 

「そうよ~こんな感じで似合ってるのよ~」シュバッ

「千夜!?」

 

すかさず追撃を与える千夜だった

 

「あ、でも本当に似合ってる~」

「だよね!今度甘兎庵の女の子の制服も着てほしいです!」

「嫌だよ!?」

 

結局エリアも騒ぎの中に入っていったのでした

 

そして翌日

 

「これで買うものは全部かな?」

「そうね、早く終わったからどこかに寄っていく?」

「いいね」

 

今日は二人でお婆ちゃんに頼まれて買い物に出掛けていました

 

「ラビットハウスは最近行きすぎてたし、ラパンにしようかな?」

 

「けど今日はシャロちゃんお休みらしいわよ?」

 

「そっか…それならブラバは?」

 

「!、それいいわね。エルちゃんとナツメちゃんを蹴落とした人を見に行きましょう」

 

「だね、見定めてやる」シュッシュッ

 

「そうね」シュッシュッ

 

エルとナツメの不採用の理由は理解しているが、可愛い後輩の仇討ちのためにブライトバニーへ

 

「はい」スッ

「うん」ギュッ

 

二人仲良く手を繋いで向かった

 

そしてそこにいたのは

 

「ユラさん」

 

「あ、エリア君に千夜ちゃんじゃーん」

 

ブライトバニーの制服に身を包んだリゼの家のメイド、狩手ユラがいた

 

「ってことはユラさんがここのバイトに受かったんですか?」

 

「前から気になってたんだ」

 

「メイドのお仕事は?」

 

「大学入って自由時間増えたからね、その辺りは大丈夫」

 

「なるほど…千夜、集合」

「了解」

 

ユラに背を向けて作戦会議を始める

 

「どーする?一発いっとく?」シュッシュッ

「割と好戦的なのねエリア君」

「俺の後輩を落ち込ませる者、家族を悲しませる者、恋人を奪おうとする者は誰であっても許さん」

「やだ素敵…」キュン

 

「キュンキュンしてるところ悪いけどそろそろ注文お願いしてもいい?」

 

「あ、抹茶フラペチーノください」

「私も同じので」

 

「はいはーい、ちょっと座って待っててね」

 

座席に座って待っていると注文の品をフユが持ってきてくれた

 

「お待たせしました」

 

「ありがとう…うん、美味しい」

 

「よかった」

 

「今日はフユちゃんもお店番なのね」

 

「うん、最近新人さん来たから、もっと頑張るよ」

 

「ユラさんのこと?」

 

「う、うん…けどまだ怖い」

 

「分かるよ~」ウンウン

 

ユラに対してまだ苦手意識を残しているエリアが頷く

 

「エリア君に関しては痛いところつかれたことのトラウマでしょ?」

 

「いやー、あの時は我ながら弱かった」

 

「けど、強くなったの?」

 

「色々あったからね、大丈夫フユちゃんもすぐに強くなれるよ」ナデナデ

 

「そうかな…えへへ」

 

「!エリア君!私も撫でて!!」

 

「これは妹専用だよ」

「そんな!」  

 

などと談笑しているとユラがやってきた

 

「私を省いてなんの話ー?」ヒョコッ

「ひっ」サッ

「あらら」

 

それに驚いてエリアの後ろにフユが隠れる

 

「あちゃ~やっぱりなんか怖がられてる?」

 

「人見知りだから警戒してるのね」

 

「大丈夫だよフユちゃん怖くないよ」

 

「エリア君にえらく懐いてるんだね」

 

「二人は幼馴染みなのよ」

 

「なるほど、私とリゼみたいな?」

 

「そうそう私とシャロちゃんみたいな」

 

「「…」」

 

「ん?」←リゼとは昔から同じ家に住んでいるがどちらかといえば主従関係という微妙な関係

 

「なにかしら?」←昔からずっと一緒+家が隣と典型的な幼馴染みではあるがどちらかといえば(千夜が)振り回し(シャロが)振り回される関係

 

「一緒にしないでほしい」

「私と、エリア兄は、そんなんじゃない」

「「なっ!?」」

 

「そんなに言うなら二人はどんな感じだったの?」

 

「普通…だよね?」

「うん、一緒に遊んだり」

「ご飯食べたり」

「学校行ったり」

「お泊まりしたり」 

 

「そんなの私たちだって…ってお泊まり!?」

 

驚愕の千夜

 

「うん、エリア兄のお母さんが泊まっていきなさいってコンサートしてくれた」

「俺もフユちゃんのお家に遊びに行って遅くなって何度か」

 

「へぇーそれで?」ニヤニヤ

 

「それでって、普通にご飯食べて」

「お風呂入って」

「夜遅くまでお話ししてから寝ます」

 

「それ全部一緒に?」

 

「そりゃまぁ幼馴染みなので」

「けどエリア兄のお母さんも一緒だったよ?」

「あー、二人だけ楽しんでズルいっ!とか言ってたね…」

「それをお父さんが邪魔しないって引きずって連れていってた」

 

などと幼馴染みトークをしていると

 

「エリア君…」ユラァ

「!?千夜!?」

 

ガシッ、エリアの襟元を掴み上げる…が身長差でちっとも浮いていない

 

「私というものがありながらー!」ブンブンッ

「いや小学生の時の話だよ!?」ガックンガックン

「だとしてもよ!」ブンブンッ

 

「っていうか今二人は同棲してるんだよね?」

「なにげにお泊まりよりすごいことしてるのに…」

 

「もう!今日は私も全部一緒にする!」

「今とあんまり変わらないでしょうに」

「ならお風呂も一緒に…一緒…に」シュウゥゥ

「想像して顔赤くなるならやめなよ。寝巻きとか大胆にこれるくせに」カァァ

「あ、あれはなんというか…それよりエリア君だって…」カァァ

 

「そこー店内で惚気ないでくれるー?」

「二人ともお水どうぞ」

「「あ、ありがとう」」

  

フユからもらった水を飲んで熱を冷ます二人

 

「でもさー、幼馴染みってついからかっちゃうんだよね」

 

「あるあるだわ」

 

「千夜ちゃん話わかる~」

 

「?、なんかあったんですか?」

 

「さっきリゼがシャロちゃんと来てたんだけどさ。なんか先輩として頑張ろうとしてたから、からかっちゃった」

 

「なにをやってるの、リゼさん可哀想」

 

「私もよくシャロちゃんのお山のことをイジっちゃうわ~、でもちゃんとフォローとして牛乳を差し入れてるのよ?」

 

「煽りにしかなってないよ」

 

などとのたまうユラと千夜に呆れた目を向けるフユとエリア

 

「けどちゃんと言い過ぎたから反省してるんだよ?」

「そうそう大切な幼馴染みだもの~」

 

「はぁ…フユちゃん多分今おんなじこと考えてるよ」

「だね、せーのっ」

 

「「謝るなら本人に言え」」

 

「「ごもっとも~」」

 

そんな1日を過ごし、いつも通り床についたエリアと千夜

 

今日は隣に布団を敷いて同じ部屋で寝ている真夜中のこと

 

「…」パチッ

 

目覚めたエリア、目が覚めた理由は…

 

「(あ、千夜)」

 

いつの間にか同じ布団に千夜が潜り込んできたから

 

「(まぁいつも通りか)」

 

…ではないようだ

 

「…」ガラガラッ

 

千夜を起こさないように立ち上がり窓を開け空を眺める

 

「おかしいな、なにか光った気がしたんだけど」

 

窓から眩しい光が差した気がしてそれで目が覚めたのだ

 

外はなにも変わったことはない

 

「ふわぁ…もっかい寝よ」

 

欠伸を溢してから窓を閉める

 

布団に戻って目蓋を閉じればすぐにまた微睡み始める…

 

「(なんか呼ばれた…気がしたんだけどなぁ…)」

 

そんなことを考えながら完全に眠りについたのだった




喫茶店こそこそ話

とある列車の中

???「まだ一瞬しか見えなかったけど貴女と同じ髪なのね」

???「そうよ、私の息子だもん」

「けどもうすぐもっと近くに行けそうだけど、まさか迎えに行くつもりなの?」

「ううん、前はへんな形で別れちゃったから今度はちゃんと聞かせておいでって旦那様が背中を押してくれたの」

「そうだったのね。それにしてもチノもだったけど近くに来るとなんとなく分かるみたいね」

「けどエリアは特にそういうのが見えちゃうみたい」

「前に貴女に会った時のがきっかけ?」

「多分…けどそれがあるからもうすぐ会える」

「そうね、ちゃんとお別れしないとね?」

「うん、これが最後だから」
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