緑茶風少年   作:アユムーン

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その日の朝食は珍しくパンケーキでした

飛び乗った列車に乗客はおらず、エリアが乗ると共にドアが閉まり動き出した

 

どうやらこの列車は空を飛んでいるようだが今さらそんなことに驚くわけもなく、とりあえず列車内を歩いてみる

 

「……ん?」

 

隣の車両に入るとそこには鍔の長い帽子を被った女性がいた 

 

どこかで見たような気がする女性、その女性は鍔で表情は見えないがどうやらエリアに気付いたようで会釈してくれた

 

「あ、どうも」

「……」スクッ、スタスタスタ

 

会釈を返すとそのままエリアの近くにやって来た

 

「えっとどうかしましたか?」

 

「……」スッ

 

「!?」

 

女性が突然エリアの耳の横に手を伸ばしたかと思えばパチンッという音と共に

 

「へっ?飴玉?」

 

「!」ドヤー

 

女性の手から飴玉がたくさん出てきた

 

突然のマジックに驚いたが……このマジックには見覚えがある

 

「あれ?この手品ってココアの……もしかして貴女がココアに教えたんですか?」

 

「……」コクッ

 

「そうなんですね。俺とかそれからチノちゃんっていう女の子に何回もそのマジックをしてくれたんです。

 

その度にハロウィンの時に不思議なお姉さんに教えてもらったって言って、貴女だったんですね」

 

等と話していると……

 

「……」クイクイッ

 

「?なぜ突然かかってこいと?」

 

アクション映画でよく見る指でかかってこいと挑発するジェスチャーをしてきた女性に身構えるエリア

 

「!」アワアワ

 

「あ、普通に着いてきてほしかっただけなんですね。もしかして貴女が俺を呼んでたんですか?」

 

慌てた様子から誤解だと判断、気になっていたことを質問する

 

「……」ブンブン

 

「あ、違うんですね。もしかして俺を呼んでる人のところに案内してくれるんですか?」

 

「!」コクコク

 

「!、ありがとうございます……けどやっぱり貴女のこと見たことある気がするんですよね……会ったことあります?」

 

「……」フフッ

 

「嘲笑された……ないんですね?」

 

「……」シーッ

 

「秘密なんですか……あ、もしかして名前を言っちゃいけないとか?」

 

「!」ピンポーン!

 

「よし!……けどやっぱりどこかで見たような……帽子脱いでもらってもいいですか?」

 

「!!」ガシッ!ブンブンッ!!

 

「あ、ダメなんですね。ごめんなさい」

 

そして女性の後ろに続いて進んでいき、ついに先頭車両に着きました

 

向こう側には誰もいない運転席あってそこから前方の景色が見えます

 

そして先程から見落としていたけど窓からはたくさんの星が見えてとっても綺麗

 

「なんか昔国語の授業で勉強したやつみたいだな」

 

「……」クイクイッ

 

「あぁごめんなさい、着いていきますね」

 

景色に見惚れている所を袖を引かれて更に前に進みます

 

といってももうこの先には進めないはずだった……だけど

 

「……」ピタッ

「?ここで止まるんです……!!!」

 

運転席のすぐ近くの席で女性が止まり、エリアも止まる

 

そしてそこに一人の乗客がいた

 

ここに来るまでにその女性に気付かなかったのは小柄で座席に隠れていたから見えなかったから

 

そこにいたのはあのハロウィンと同じ服と赤い頭巾を着けた……

 

「母さ「!」あ、ごめん」

 

思わず名前を言いそうになった所を慌てて止められた、その拍子に被っていた頭巾が下り、そうして日に照らされた綺麗なエリアと同じ色の髪が広がった

 

それは間違いなく今目の前にいるのはエリアの母……芹彩である証だ

 

「!」プンプン!

 

いきなり台無しにするつもりかーっ!と怒る芹彩

 

「ごめんごめん、いやけど本当に驚いて……次会えるのは俺が死んだ時だと思ってたんだ」

 

「……」コクコク

 

どうやら本人そのつもりだったらしい

 

「父さんはいないの?」

 

「」コクリ

 

父の名前はセーフらしい

 

「そっか……けどまた会えて嬉しい」

 

「……」クスッ……バッ

 

芹彩は少し微笑んでから両腕を広げた

 

「?あぁ、そういうことね」

 

それが分からないわけがないのでそのまま近づいて抱き締める

 

小柄な芹彩を成長したエリアが包み込むように抱き締める

 

今回は抱き締める力が消えていくことはない、互いの存在を確かめ合う今だけの許された時間を堪能する

 

「♪~」ギュー

「……それでなんで俺を呼んでたの?」

「!」ポンッ

 

ご機嫌でエリアを抱き締めていたが用件を思い出したのかすぐに離れた

 

そしてエリアの持ってきたフルートとギターを指差し、最後にエリアを指差した

 

「えっとどっちか選べってこと?」

 

「!」コクッ

 

「あー、じゃあギターで」

 

「!」オッケー

 

エリアが選ばなかったフルートを手に取った芹彩……そして早速 

 

「えっ?そっちとるの?」

 

♪~♪~♪~

 

和田家の絆を表す曲であるうさぎの歌を演奏し始めた

 

最初はそれを聴いていたが芹彩はチラリとエリアに目配せする

 

「……なるほど」

 

♪~♪~

 

エリアに選ばせたのはエリア自身に弾かせる楽器の選択だったらしい

 

その期待に応えてエリアも演奏を始める  

 

今まで二人で演奏したことはないが当たり前のように息が合う

 

芹彩が急に自由に弾きたいと感じるタイミングとエリアが好きに弾きたいタイミングどちらも手に取るように分かる

 

けどどちらも譲る気はなくきっと滅茶苦茶だけど、それが複雑に絡み合い音楽になる

 

芹彩の夢が叶った瞬間であった……そして

 

「……」チラッ

 

次に芹彩が目配せしたのは先程から傍観していた帽子を被った女性

 

その目が早く早くっ!と遊ぶのを待ちきれない子どもの目と同じで思わずエリアと帽子の女性が微笑んだ

 

そして

 

「♪~♪~♪~」

 

何も話さなかった時から一変、とても綺麗な歌声で歌い始めた

 

どうやら歌うことはできるようだがそんなことはどうでもいい

 

「(楽しいっ!)」

 

今まで誰かと演奏したことのないエリアにとって初めての体験、体に流れる音色と歌声が心地よい

 

まだ少しあと少しと願うが曲は最後のサビを終わった

 

「ふぅ……ねぇもう一曲「!!!」!ありがとう!!」

 

自らアンコールを申し出そうとしたところで芹彩がフルートを振り回しながらまた早く早くと催促している

 

それに答える為に再びギターを構えた

 

それからエリアと芹彩の思い出の曲を、

エリアが新しく覚えた曲を、

エリアの知らない芹彩と女性の歌を、

 

楽器を変えて、時に二人で時に三人で歌う

 

時間なんて気にならなくなるほどに音楽に没頭し、列車がステージとなっていく

 

そしてエリアは芹彩の本当の目的に気付く

 

「(母さんの音楽を教えてくれてるんだね)」

 

きっとこれが最後の時間

それを最後まで楽しむために全力を注ぐ

 

「(それでちゃんと俺とお別れするためにまた来てくれたんだ)」

 

視界が涙で滲む

あぁ嫌だ、やっぱり終わらないでほしい

 

「(分かってる。一緒にはいけないことも、今回が最後だってことも分かってるよ)」

 

だけど手だけは止めることはできない

 

この曲を最後まで弾ききりたい、教わるだけじゃなくて自分の音楽を母に聴かせたい

 

そうして遂に最後の曲が終わってしまった

 

待っていたかと言わんばかりに列車の速度が落ちていく

 

それはこの時間の終わりを知らせていた

自分はこの舞台から下りなければならない

 

気を遣ってくれたのか女性が隣の車両に移ってくれた……そして

 

「……大丈夫、分かってるよ」

 

「!」

 

唯一言葉を述べることのできるエリアが口を開く

 

「二人の所に行こうとしたり、着いていこうとしたりはもうしないよ」

 

過去にしてしまった過ちを繰り返すわけにはいかない

 

それをしてしまったら今目の前にいる母も、今も自分を遠くから見守ってくれている父も、自分が一緒にいたいと願った家族達も皆を悲しませることになるから

 

「今度二人の所に行くとすればそれはずっと先だよ。その時にはもう俺はおじいちゃんになってるけど……待っててくれる?」

 

「……」コクッ

 

「ありがとう」

 

なんとか気丈に振る舞ってギターをケースに仕舞って背負う

 

「!」バッ

 

芹彩が慌てて自分が持ったままのフルートを渡そうとしたが

 

「ううん、それは持ってて。ピアノもギターもマラカスも全部好きだけど俺はやっぱりフルートが一番好きなんだ、だからそれはに持っててほしい」

 

「……」コクッ

 

芹彩の頷きと共に列車が止まった、早く下りないといけない

 

もうしばらく会うことはできない

 

だから伝えないと、なにか伝えないと

 

心配しないで……違う

またね……それも違う

いってきます……これも違う

 

もう何を言っても間違っているように感じてしまう

 

……だってなにを言っても悲しいから

 

とにかくなにか伝えなくてはと、口を開こうとするけど開かない

 

……だって口を開けば涙が溢れそうになるから

 

さっきまであげられていた顔が上げられない

 

……だって悲しい顔を見せられないから

 

「……ッ!」ダッ

 

そして遂に堪えきれず、走り出して、開いている扉を抜けて外に飛び出した

 

そこには

 

「!?エリアさん!?」

 

なぜかティッピーと共に青山がいた

 

冷静になれない頭でも青山とティッピーがいることからここがラビットハウスの屋上だということは分かった

 

階段を下りて、列車に背を向けて屋上に立つ

 

「え、エリアさん?もしかしてこれに乗ってきたんですか?大丈夫ですか?」

 

青山がこちらを気遣ってくれるが今は少し答えられず、溢れる感情を抑えていると……ガタンッ

 

背後から音が聞こえた、振り返るとそこには息を切らした芹彩がいる

 

追いかけてきてくれたのだ、けど階段を下りることはできない

 

だけどエリアが心配だから不安そうな表情浮かべながらこちらを見ている、大事な我が子に手が届かないことに悔しくて涙を浮かべている

 

そんな顔させたくなかったのに、させてしまった

 

もうすぐ扉は閉じて、列車は天に昇っていくのだろう

 

もう本当に時間はない

 

「さん……」

 

堪えきれずに逃げてしまったけど

 

後悔の残る別れは嫌だ

なにも伝えられずに別れるのは……もう嫌だ!!

 

泣きそうな顔を上げて、凛と立ち……叫ぶ

 

「母さん!!」

「!!」

 

もう名前を呼んでもいいだろう

 

それに呼ばずに今からの気持ちを伝えることはできない

 

「いつか俺がそっちに行く時は迎えに来て!今度は父さんと一緒に!!」

 

「!」コクッ

 

「その時まで俺頑張るから!色んなこと経験して、成長して、幸せになって……彩りのある人生にしてみせるから!」

 

「!」コクッコクッ

 

涙を流しながら叫ぶ

 

夜だとか、悲しい顔を見せたくないだとか、もう気にする暇がない

 

芹彩も同じくらいに涙を流しながら、エリアの言葉に答えてくれている

 

最後にもう一度涙を拭って止めて……伝える

 

「だから、だから……見てて!!また会える時までずっと、ずっと見ていて!!」

 

「!」グシグシ……コクッ

 

プシュー……バタンッ

 

扉が閉じた、ゆっくりと列車が昇っていく

 

「ッ……」

 

目を閉じてグッと悲しみを噛み締める

 

言いたいことは言えた

きっと父にも届いた……もう後悔はない

 

だからこれ以上目を逸らさずに見送ろうと列車に目を移した……その時

 

……「……リア……ぁ!!!」……

 

「……!」

 

確かに聞こえた

 

『エリアぁぁぁ!!!』

 

大好きだったあの声が聞こえた

 

『ずっと見守ってる!!!!』

「!!」

 

『お父さんと一緒に見守ってるからぁぁぁ!!!!』

 

その声を最後にもう列車は見えなくなってしまった、それでもエリアは暫く列車に変わって輝く天の川を眺め続けた

 

きっと今あの川を超えて母は帰っているのだろう

 

一緒にいたあの女性のことは最後まで思い出せなかったけど、きっと母にとって大切な人……自分にとってのココアのような存在なのだろう

 

だとしたら泣いている母のことを抱き締めてくれる人だ……心配はない

 

「エリアさん……今のはもしかして……」

 

「……母さんです」

 

青山が恐る恐る尋ねてきたことに答える

 

「そうですか……やはりあの列車は「でも母さんは俺を迎えに来たんじゃないんです」!」

 

列車のことを察している青山の言葉を遮る

 

本来ならあの列車はこちら側にいる人を迎えにいくために乗る列車なのだろう

 

けど母は違う

 

「俺を迎えに来たんじゃなくて、少しだけ一緒に音楽ができる時間をくれたんです」

 

きっと迷う母の背中を父が押したのだろう

 

素敵な夢のような奇跡の時間だった

 

あの日置いてきた後悔を取り戻すこともできた

 

「そうでしたか……エリアさんのお話通り優しいお方ですね」

 

「はい、自慢の母なんです……音楽が好きで、料理が上手で、いつも明るくて、お父さんのことが大好きで……それで……それから……」

 

言葉が詰まる、好きなところや良いところをたくさん話したいことはあるのに声がうまく出せない

 

だってさっき無理矢理拭って止めた涙がまた出てきたから涙が溢れないように空を見上げた

 

「それから……エリアさんのことが大好きなお母様なんですね」

 

「!……はいっ」

 

その言葉を青山が続けてくれた

 

その青山の腕に抱かれていたティッピーがぴょんと跳んでエリアの頭上に乗って無理矢理上げていた顔を下げさせてくれた

 

そうして地面に水滴が落ちていく

 

「……もう、列車見えませんよね」

 

「はい」

 

「ココアとチノちゃんは寝てますか?」

 

「もう深夜ですので、恐らくは」

 

「今からの俺のことは皆に黙っててくれますか?」

 

「今夜は星が綺麗ですから私は星空を見るために上を向いています……だからエリアさんのことは見えませんよ」

 

エリアの隣に立った青山、俯いているエリアに青山の顔は見えないがきっと上を向いてくれているだろう

 

だけどその手は優しくエリアの背を撫でてくれていた

 

「今だけ泣き虫は見逃しますから、私のことは気にしないでくださいね」

 

「ありがとう……ございます」

 

堪える理由はもうない

 

溢れ出す涙を堪えることをやめたのだった

 

……

 

それからひとしきり泣いてから、エリアと青山はラビットハウスの店前に移動した

 

「本当に大丈夫ですか?今からでもココアさん達に事情を話して泊めてもらいませんか?」

 

「ありがとう青山さん……けど帰らないといけないんです。俺の帰る家に」

 

「……そうですか」

 

「それに千夜と約束したんです。どこかに行っても絶対に帰ってくるって」

 

「それは守らないといけませんね」

 

「はい、だから帰ります」

 

それじゃあ、と手を振って帰路を進もうとしたが「エリアさんっ」

 

「?はい?」

 

青山に止められた

 

「まだ貴方にちゃんと話していないことがあるんです」

 

「?、俺に?」

 

「それから今日一日私色々悩んでいたんです。私の小説や発想は全て皆さんのお世話になっているだけなんじゃないか、私自身の体験や発想ではないんじゃないかって」

 

「!、けど俺はそんな青山さんの物語が好きですよ。いつもワクワクドキドキしてます」

 

「ありがとうございます。皆さんのお話を聞いて、凛ちゃんにもそう言われて……そう言ってくれる読者の皆さんの為に頑張らなくてはと思いました」

 

「そうですか……それで俺に話していないことって?」

 

「はい、前々からエリアさんにお願いしたいことと思っていて、今改めて思ったので言いますね?」

 

「?はい」

 

「言います……言いますよ?」

 

「ど、どうぞ?」

 

スーハーと、息を整えてから告げる

 

「よしっ……いつか貴方をモデルに物語を書かせてください!」バッ

 

頭を下げて頼み込む

 

「え?」

 

「もちろんエリアさんの触れてほしくない部分や個人情報などのその他諸々は公開しないとお約束します!」

 

「それは青山さんなら心配してませんけど……えっとなんで俺?そんなすごい人生歩んでませんよ?」

 

「え?むしろエリアさんの人生が平凡というなら大体の人は平凡以下とということになりますよ?」

 

「え?」

 

「とにかく私はエリアさん、貴方の物語を書きたいんです。優しくて暖かくて少し悲しいことがあっても必ず笑顔になれる……そんな物語を」

 

「!……分かりました」

 

「!」

 

「俺でよかったら好きに書いてください。青山さんになら構いません」

 

「エリアさん」

 

「俺の話でよかったらいつでも話します

 

もう昔みたいに話せないことはありません

 

悲しいかったことも嬉しかったことも……全て含めて自分であると今なら話せますから」

 

「!、ありがとうございます!」

 

「それじゃあ今度ちゃんとお話ししましょうね!!また明日!!」

 

「はい!また明日っ」

 

そうして青山に手を振って少し駆け足ぎみに白み始めた空の下を進む……目指す場所は甘兎庵(エリアの家)

 

……

 

朝日が昇って、エリアの部屋に日が差した

 

「んん……朝……」

 

エリアの布団で千夜が目を覚ました

 

「ほらエリア君朝よ……あら?」

 

隣にはいつも通りエリアがいる

けどなんだか……少し違う

 

目元が少し赤くなっているし、いつもなら声をかけたらすぐに起きるのに今日はかなり深く寝入っている

 

「(これはなにかあったわね)」

 

昨日あんな話をしたからなにかあったということはすぐに分かる

 

起きたらちゃんと話を聞かなくてはと朝から気合いを入れる千夜……だけどまぁ……ちゃんと約束を守って帰ってきたのだから

 

「もう少し寝かせてあげましょ」

 

最近お弁当当番を変わってくれたのもあるので今日の朝御飯とお弁当当番は自分が変わってあげるとしよう

 

そうすればもう少し寝かせてあげることができる

 

そうと決まれば身支度を済ませなければと立ち上がり、そのままドアに手を掛けて開ける

 

部屋を出るその前に一度振り返り眠っているエリアの顔を見て

 

「おはよう、それからおかえりなさいエリア君」

 

そう告げてエリアが目覚めた時にとびっきり美味しいごはんを振る舞うために……少しだけ急いで自室へ向かうのだった




喫茶店こそこそばな・・・ザッザザッ!! 

あの列車にて

「ちゃんとお別れできたのね」

「うん」

「伝えたかったことは?」

「音楽は演奏を通して…言葉はむしろもらっちゃった、返すので精一杯だったよ」

「貴女にしては珍しい」

「うん、いつの間にか私が振り回されるようになっちゃった…これも成長なのかな」

「そうかもね」

「もうすぐあっち側についちゃうかな?」

「そうね、セリの旦那様も待ってるわ」

「…だったらそれまでに泣き止めばいいよね」

「そうね…いらっしゃい」

「うん…ありがと」ポスッ

「大丈夫、エリア君は貴女そっくりだもの。それにあの子を支えてくれる子達がたくさんいる」

「チノちゃんにもね?」

「ふふっ、そうね」

「これからも見守っていくよ。私たちの大切な子達がどんな道に進むのか…どんな幸せを掴むのか」

「そしてまたいつか…ね?」

「…うんっ」
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