「ふ〜ん。大学でゼミのパーティーね。コレに俺達が出て欲しいと?」
「そうなんです!頼む!兄貴達!」
「そうだな。勇気にはこの前お世話になったし。俺はいいぞ、英雄は?」
「拙者もいいでござるよ。ちょうどこの日は休みでござるし」
大輝は珍しく英雄の弟、勇気からお願いがあると言って家に来ていた。内容はゼミのパァーティーが開かれるのだが、盛り上げるために俺たち掃き溜めスターズに出演をお願いしに来たよ言うことだ。
「サンキュー!兄貴達!」
「椿さん!今度ゼミの俺主催のパーティーにぜひ参加してください!」
「えっ!?困るわ。私燐舞曲の活動で忙しいし」
そして、翌日には勇気は片思いしている同じ大学でゼミの青柳 椿を誘っていた。彼女は燐舞曲のヴォーカル担当で、クラブハウスALTER-EGOでは有名人で、その認知度は着々と外に広まりつつある。今人気が出て来てるユニットだ。
「そこを何とか!あの掃き溜めスターズのお二方が来てくれますし!ユニットのメンバーも連れて来ていいので、きっと燐舞曲にいい刺激になると思います!それじゃあ!待ってますので!」
「あっ…!行っちゃった」
椿はこう言う打ち上げのパーティーには参加したことなく、好きな人とどうしてもお近づきになりたい勇気は、強引に招待状を送りつけて、その場を去ってしまった。
「と言うわけで、コレもらっただけど…」
あの後椿は、燐舞曲メンバー達に相談していた。
「…とても信じられないな。椿。本当にその彼は掃き溜めスターズが来るって言ったのかい?」
このボーイッシュの長身の彼女は三宅 葵依。クラブALTER-EGOの専属DJを務める。またその中性的なルックスからファンも多い。
「そうだけど、有名な人?」
「うん。元々はニコニコのレジェンド動画配信者だっただけど、最近になって突然とDJユニットとして復活を遂げて、テレビでも話題になってるんだ」
「すでに数々の芸能プロダクションが彼らを必死になって探しているのよ」
この母性あふれる魅力的な彼女は矢野 緋彩。燐舞曲のVJ担当している。
「そんなに凄い人たちなの!?」
「凄いってもんじゃねぇ!あのしのぶをも打ち負かしたユニットなんだぜ!」
そして、最後にロック好きなギタリスト。そして、ピキピキの犬寄しのぶ。の従姉で、名前が月見山 渚。以上彼ら4人が燐舞曲メンバーである。
「しのぶって、確かピキピキの子だったわよね?」
「そうだぜ!てか、椿もその動画見ただろ?」
「あ〜、この前皆んなで見た動画の凄い人たちね」
「そう、だから信じられないんだ。そんな凄い人が、大学のゼミのパーティーに出席するなんて正直に考えられない。どの業界も彼らを呼びたくて必死に探してるのに、学生が呼べるなんて…」
「それじゃあ、嘘なのか?」
「う〜ん。正直にわからないや」
「わからないのかい!」
「でもまあ、実際に行ってみたらわかるんじゃないかな。真実かどうかは」
「それじゃあ行ってみようぜ!その掃き溜めスターズを見に!」
そして、燐舞曲達はパーティーに行くことにした。そして、パーティー当日。
「スゲー!マジモンじゃん!」
「驚いたな…」
「あの歌声は間違いなく本物だわ」
最初に出て来た時は被り物だけを真似た偽物かと思ったが、会場を一瞬にして魅了してしまう歌声に、誰もが本物だと理解した。
「…凄い」
そして、普段強気の椿も素直に彼ら掃き溜めスターズのパフォーマンスに凄いと口に出してしまう。そして、会場は大いに盛り上がった。
「いや〜、マジで凄かったな!」
「うん。バケッツさんのDJプレイ物凄く勉強になったよ」
「VJも面白かったわね。なんか曲に合わせてストーリーが凄かったわ」
「そうね。あの高音が脳にガンガン響いたと思ったら、今度も重低音でドシンとなって忙しなかったわ」
そのパーティーの帰り燐舞曲のメンバーは、圧感のパフォーマンスに話が盛り上がっていた。そして、ふと渚の視界にある人物が目に入った。
「どうしたの渚ちゃん?」
「いや、今勇気さんがビルの路地裏に入って行くのを見たような…」
「えっ?本当かい?」
「あぁ、間違いねぇ。そう言えば、勇気さんって掃き溜めスターズとどう言う関係なんだ?」
「さぁ?」
「…そうだ!ちょっと聞いてみようぜ!」
好奇心を抑えられない渚は勇気だと思われる人影を追って路地裏に入って行った。そして、勇気を追いかけて見てみると、そこにはなぜか掃き溜めスターズの2人がいて、燐舞曲メンバーは驚いて、思わず隠れてしまった。
(あれ?何で僕達は隠れてるんだろうか?)
(いや、思わず…)
(アレって掃き溜めスターズの2人よね?どうしてこんなところに?)
(あ!待って!紙袋に手をかけたわ!)
(……嘘!?)
(アレって勇気さんだよな!?どうして!?)
(どうしてって、そう言うことなんじゃないかな?ペッパーの正体が勇気さんだったってこと)
(でも、あの時勇気さんは司会進行役として…あれ?いたっけ?)
(…そ言えば、いなかったかもしれないわね)
(て事はウチらとんでもない。物を目撃しちゃったじゃないか?)
(そ、そうみたいね…。どうする?)
(とりあえず、この場を去るのはどうだろうか?一度皆んなで落ち着いて話し会おう)
葵依の提案に皆んなは賛成して、一同はこの場から離れることにした。
「兄貴達、よくこんな見えにくい被り物で、あんな激しいパフォーマンスできるよな?」
真実はただ単に勇気は被って遊んでいただけである。そして、勇気は実際に会場にはいた。ただし裏で作業をしていた。皆んなパフォーマンスに夢中で気づかなかっただけである。
「いや〜、スッキリした」
「あ、おかえりなさい。はいコレ」
「おっ、悪いな持ってもらって…」
そして、何でこんな所にいるかと言うと、大輝がお手洗いに行きたくて我慢できずに、近くのコンビニのトイレを借りたからだ。会場では、ゼミのファン達にもみくちゃにされて、それどころじゃなかったから、早めに退散したと言う事だ。その時、勇気は影武者となって気を引いて逃げたと言うわけだ。
「いや〜、兄貴達のおかげで、すげ〜盛り上がったよ。改めてありがとうな」
「ふ、気にするなでござるよ」
「そうそう、勇気君にはいつも助けられてるからね。コレくらいはお安い御用だ」
「しかし、案外バレないモンですよね。皆んな俺がペッパーだと思って追いかけてくるし」
「そうだな。まあ、そのおかげで俺達が裏からこっそりと逃げやすいけどな。でも、お前がその被り物したまま、仮面を剥がされたら、お前がペッパーだって勘違いされるかもな!」
「いやいや、流石にそんな事はないですよ」
「それもそうだな!」
「は!はハハハ!(一同)」
今まさにそれが起きている事に気づいてない一同は、これから先もっともっとややこしい展開になる事を知りもしなかった。
「そう言えば、お前椿ちゃんとか言う子には話しかけられたのか?」
「…いや、椿さん。葵依さんの隣から離れなくって、話しかけられなかったすっ…」
「oh...」