「ウィンタースポーツ フェス。Snow Light Festival?なんだそれ?」
「スキーも楽しめる冬の野外フェスでござる。久しぶりに一緒にスキーしに行かないでござるか?」
本日の大輝は、またまた英雄家にお邪魔しております。
「別に行ってもいいが、嫁とは行かないのか?」
「みゆきはママ友と高級旅館の食べ放題ツアーに行くでござる」
「何それ、絶対にそっちの方がいいじゃん」
「うん。拙者もそう思うでござる」
と言うわけで、スキー場に来たわけだが…。
「え〜、皆さん。今からスキーの指導しますので、ちゃんと話を聞くようにお願いしますね」
「は〜い(一同)」
なぜかリンク達にスキー教室を開く事になった。
何でこうなった!?
アレはさかのぼる事数時間前である。
「どひゃ〜、見事な白銀世界だな」
「いや〜、久々でござるな。大学以来でござるか?」
「そうだな。しかし、お前その大学の頃より丸くなった身体でできるのか?」
「フッ、拙者を舐めないでほしいでござる!実は拙者!嫁に言われてジムに通ってるでござるよ!一週間くらい前に」
「つい最近じゃねえか」
「まあ、大丈夫でござろう」
「そうだな。滑っているうちに思いだ…
「うぁあ!?と、止まんないよ〜!?」
…ごはぁ!?」
話していたら突然と俺の背骨をへし折りそうな勢いで何かが襲った。おそらく滑ったのは良いものも止まれなくなって、運悪く俺に衝突したのであろう。物凄く痛い。死ぬ…。
「イタタタ、す、すみません…。あれ?先生?」
「あ…?あ、愛本さん!?どうしてここに!?」
「リンク〜!大丈夫!?」
「あれ?ぶつかった人ってもしかして、太刀川先生ですか!?」
などと話していたら、上から続々とスキー板を抱えて、見覚えのある顔がきた。ハピアラのメンバーに、ピキピキとフォトメンメイデン。我が校が誇る実力あるユニットが勢揃いだ。
「皆さん。どうしてここに?」
「実は私達このフェスのイベントに呼ばれまして」
「えっ!?それじゃあ皆さんは今日ここでライブをするんですか!?」
「はい。それでリンクがスキーやった事ないと言い出したら、出番まで遊んでていいと運営の方が言ってくださったですけど、皆んな経験のない初心者でして…」
はぁ〜、普段は学園しかライブしてるの見たことなかったが、こうしてイベントにお呼ばれされるほど、彼女達は人気があるんだな。しかし、皆んな初心者と来たか、ちょっと今の殺人タックル食らったから不安だな。ライブ前に怪我されても困るしな。
「そうでしたか、なら、よろしければ先生が教えましょうか?こう見えて先生スキー上手なんですよ」
「えっ!?良いですか!?」
「はい。もちろんですよ。と言うわけで英雄。悪いだけど教えるの手伝っ…。アレ?」
英雄に手伝うようにお願いしょうしたが、すでにこの場に英雄の姿がなくなっていた。そして、ピロリン!と携帯がなって、英雄からメッセージが届いていた。そして、内容は任せたの一言だった。
逃げやがったなアイツ…。
「ひゃっほー!」
「気持ちいい!!」
「楽しいね!」
うわ〜、凄い。ものの数分で滑れるようになってるよ。やっぱり若いと学習も早いだな。それに比べて…。
「リンク!絶対に手!離さないでね!」
「わかってるよ〜。ムニちゃん」
「もう無理…」
「お〜い。まだ数分も経ってないぞ絵空」
「ふぎゃ!」
「大丈夫ですか?乙和さん」
「えへへ、また転んじゃった」
大鳴門。清水。花巻。この3人は全く滑れるようになる気配がない。明石と新島。それと笹子はすぐに滑れるようになって、3人はもう上級者コースをバリバリ滑ってるしな。
「太刀川先生」
「どうかしましたか?」
「いえ、由香達が帰って来てなくて…」
何やら不安そうな顔をして山手さんが、訪ねて来たと思ったら、どうやらすでに滑れるようになった。明石チームの心配をしているようだ。
「何か心配事ですか?あの3人なら、もう上手に滑れてるから大丈夫だと思いますが…」
「そうなんですけど、なんか嫌な直感を感じて、電話もここでは圏外ですし…」
「直感ですか…、わかりました。あの3人は上級者コースに行くと言ってましたね。ちょっと様子を見て来ますので、山手さんは皆さんを頼みますね」
たしかにあまりほっとくのも心配だったしな。俺は明石さん達の様子を見に探しに向かった。
「君ハピアラのマホちゃんだよね?」
「こっちは、由香ちゃんに衣舞紀ちゃんだぜ!めちゃ可愛い〜」
「なぁ、これからお兄さん達と一緒に遊ばない?」
「いえ、申し訳ありませんが友達を待たせてるので…」
「それって、他のメンバーの子達も来てるって事!?」
「マジ!?めっちゃテンション上がるじゃん!案内してよ」
「そ、それはちょっと…」
明石さん達は、変な輩達に絡まれていた。
「はい。そこまでです。やめてください」
「太刀川先生(一同)」
「あ?何だお前?」
「その子達の学校の教師です」
「センコウかよ」
うわ、その呼ばれ方久しぶりだな。今時珍しいね。
「まあ、いいや。それよりさぁ、早くみんなの所に…
「えっ!?嘘!先生が来たんだよ!?普通ここら辺で退散するのがふつうじゃないの!?」
…うるせえな。そんなの知るかよ。おい。そいつ黙らせておけ」
「へへ、悪く思うな、よっ!」
「先生!」
1人の男が俺に向かって腹パンをして来た。男はしてやったりと満足そうな顔をするが、その顔はすぐに苦痛の顔色に変わる。
「か、硬えっ…」
素人がいたらいっぱいに殴って、手首を痛めてたようだ。実は言うと俺の腹筋はバキバキに割れている。なんでかって?それはあんな激しい歌を歌って踊ってるんだから、嫌でもEXILE並みになるよ。
「お前よくもやりやがった!?」
「えっ!?理不尽じゃない!?殴られたの俺なんだけど!?」
「うるせぇ!」
「はい。ズドーンでござる」
再び殴りかかろうとする男達、そこに今までどこに、いたのかわからなかった英雄が助けに来て来れた。英雄の放漫なボディーにタックルされて、吹き飛ぶ男達。
「助太刀するでござるよ」
「な、何だお前!?」
「ただの助っ人でござる。これ以上やるって言うなら、拙者も相手になるでござるよ」
「このデブが、イキリやがって!」
「フッ、デブでオタクだからって舐めたら痛い目にあうでござるよ」
「オタクは言ってないぞ」
「拙者の中国四千年の拳法が火を吹くでござるよ」
「1ヶ月で辞めたけどね」
「大輝殿。いちいち茶々を入れないでほしいでござるよ。それにアレは、華々しい二次元の世界と現実の地味で単調な武術の世界のギャップやられて、しょうがなく辞めたでござる」
「いや、それはしょうもない理由だろ」
「この野郎!俺を舐めやがって!こっちは3人いるんだ!ボコボコにしてやる!」
「そこまでよ!」
再び男達が殴りかかろうとした時だった。そこに明石さんが止めに入ってスマホで動画を撮っていた。
「今の一部始終を動画で撮りました!これ以上やると言うなら、これを持って警察に行きますよ!」
「っ、くそ!行くぞお前ら」
そして、何とかこの場を乗り切った一同、ホッと息を撫で下ろした。しかし、山手の直感は当たったな。まさかナンパされてるとは思わなかった。
「いや〜、良かったです。怪我はありませんか?」
「私達は大丈夫ですけど、先生こそ大丈夫何ですか!?お腹殴られましたよね?」
「大丈夫。大丈夫。先生意外と腹筋硬いですよ」
「本当ですか?ならちょっと触らせてもらって良いですか?」
「えっ?まあ、良いですけど」
何そのならって、ぜんぜん話繋がってなくない?
「お、由香の腹筋ソムリエチェックが入ったわね」
何そのソムリエ?聞いた事ないだけど。
「うわ〜!本当に硬い!2人も触らせてもらったら、これはきっとご利益があるわよ〜」
「いや、何のご利益ですか?」
「筋肉のご利益よ。私も触らせてもらおう〜」
「い、衣舞紀さんまで!?」
そして、ペタペタと俺の腹筋を触る2人、男なら誰しもが羨ましがるシチュエーションだな。
「大輝殿。鼻の下伸びてるでござる」
「そんなわけないだろ。相手は生徒だぞ」
「てか、松村さんと先生って知り合いなんですか?」
「そうだけど、あれ?笹子さん。英雄と知り合いなんですか?」
「それはウチのジムに通ってるでお客様なので」
「よく覚えてるでござるな。まだ一回しか来てないのに」
「それはもちろんですよ。お話もさせてもらいましたし」
実はのところ、この前に尾行した時には、すでに顔だけは知っていて、その人がジムに来た時に、由香は思わず話しかけてしまったことを俺たち2人は知らなかった。
「ふ〜ん。まあ、いいや、とりあえず皆んなの所に帰りますから、ちゃんとついて来てくださいね」
「は〜い(一同)」
そして、この後は先生の引率のもと無事に帰って来れた一同は、楽しい楽しいスキー教室を終えて、ライブのフェスに向かったのだが…。
「あの〜、お久しぶりですね…。何ですか姫神さん。そんなに見つめて…」
「いや、実はだな。たった今出演者の1人がスキーで怪我をしてしまい。代わりの人を探してて困ってるんだが…」
などと言って、楽しそうに笑う姫神。この時の俺彼女の笑顔が悪魔に見えたのは内緒の話だ。