「ふふ、それはとても素敵な体験でしたね」
「いや、もう素敵どころじゃないよ。もう突然すぎてびっくりしちゃったんだから」
どこぞのお嬢様と、メイド姿の日高 さおり。桜田家にアルバイトで家庭教師兼メイドとして働いている。そして、先ほど言ったこのお嬢様は桜田 美夢。そして、彼女はお嬢様学校で知られる有栖川学院の生徒で、Lyrical Lilyを結成して、DJユニット。通称「リリリリ」。として活動している。
「まあでも、一生忘れられない楽しい時間になったかな」
「フフ、本当に羨ましいです。私そう言うところに行かせてもらえませんので…」
「みゆうちゃん…」
「あ、そうだ!今度クラブハウスに掃き溜めスターズのお二方をお呼びするんですよね?」
「えっ?うん。そうだけど…」
「私行ってみたいです!クラブハウスと言うものに、そうすれば掃き溜めスターズの方々にもお会いできます」
「…えっ…えっ、だ、ダメダメ!」
「どうしてもダメ出すか?さおりお姉様?」
「そ、そんな目で見たって!ダメなんだから!」
「お姉様…」
「だ、ダメったらダメー!」
いつも静かな屋敷から、珍しく大声がこだまする。
『へぇ〜、Lyrical Lilyのみゆうちゃんねぇ』
「はい。ですのでせめて声だけでも聞かせてほしいですが、大丈夫でしょうか?」
あの後、お酒やら何やらあるクラブハウスには美夢ちゃんを連れて行けないので、せめて声だけでも聞かせようと、ペッパーに電話をしたさおりであったのだ。
『いや、別に構わないよ。それにしても有栖川学院って、確か由緒正しい学校超お嬢様学校で有名なところだみろ?よくDJ活動なんてできたな?』
「えぇ、まあ、本人達も色々と苦労があったみたいですけど、今では学院でも公式にDJ活動を認められてるみたいです」
『へぇ〜、ずいぶんと破天荒な子達だね。いいよ。興味出てきたしお話しさせてよ』
「ありがとうございます…。みゆうちゃん。ペッパーさん。話してくれるって」
そして、美夢はありがとうございますと言って、電話を受け取ってでる。
「もしもし。初めまして、私桜田 美夢と申します」
『これはご丁寧にどうも、ペッパーって言います。みゆちゃんって呼んでもいいかな?』
「はい。もちろんです」
『良かった。それで、俺とお話がしたかったて?』
「はい!私最近DJ活動を始めてから、いろんな方のパフォーマンスを拝見させていただいてるですが、その中でもペッパーさんのパフォーマンスは、皆んなで何回も見ました」
『それは嬉しいね。でも、俺が歌う曲って高低差が激しくって高音がうるさかったりしない?その、俺の勝手な偏見なんだけど、上品なお嬢様達の好みに合うのかなって、ちょっと不安なんだけど…』
「そんなことありません。ペッパーさんの音楽は私も含めて、皆さんを楽しませてます。それがどんな音楽でも、みんなで音楽を楽しむことは絶対に悪いことじゃありませんから。だから私はペッパーさんの歌とても好きです」
『嬉しいな。いいこと言ってくれるね。みゆちゃんはええ子やな』
「いえ、そんなことありませんよ。私はただ思ったことを言っただけですので」
『はは、そっか、ありがとう…。そう言えば、クラブハウスに行けなくって、電話したんだよね?』
「えっ?はい。そうですけど…」
『おっしゃ!おじさんに任せておきなさい』
「?」
「それて、この新人DJユニット強化イベントにウチのLyrical Lilyを呼びたいと?そう言うことかい?太刀川さん。いや、ペッパーさんとお呼びした方がいいかい?」
「はい。どちらでもかまいません。どうかよろしくお願いします。理事長先生」
翌日に大輝は何とか今持っている教師の立場をフル活用して、何とか数日かけて有栖川学院の理事長先生にコンタクトが取れて、今日は訪れて来たのだ。
本日は若き才能のあるユニット達を直接に指導すると言う企画を説明しに来たのだ。その関係上自分がペッパーだと言うことを明かさないといけない。幸いこの場にいる人が理事長先生だけだと言うのが救いだな。まあ、この理事長先生が周りにバラしたら終わりだけどな。
「動画を見させてもらいましたが、彼女達は才能があります。歌もダンスも技術も水準以上に高いです。ですがそれは技術だけで、パフォーマンスとしてはやはり少し弱いです。もっといろんなDJユニットのパフォーマンスを見て、目を養う必要があります。そこで、いろんなDJユニット達を呼んで、そこでそれぞれパフォーマンスをして、互いに高めようと言う強化合宿みたいなものです。合宿と言っても、実際には宿泊はいたしませんし。夜遅くなるかもしれませんが、私が責任持って送迎をさせてもらいます」
「それは、とても魅力的な企画だねぇ。じゃが…」
「……」
「それは私が決める事じゃないね。直接彼女達に聞いてご覧なさい」
「…あ、ありがとうございます!」
「そんなかしこまらんでもよい。今彼女達を呼ぶのでな…」
「あ、すみません。紙袋被らせてもらっても良いですか?正体不明で売っていますし、教師の立場上バレたらまずいので…」
「あんた。よくそんな危険な橋を渡ろうとしたね。それに、私に正体がバレたけど良いのかい?」
「えぇ、それほど危険を犯すほどの価値が彼女達にあると思いましたので、これで正体をバラされても後悔はありません」
「そうかい。大した男だよ。音楽バカだった若い頃の兄さんにそっくりだ。安心しなさい。誰にも言わんさ。その被り物も被っていいよ」
「ありがとうございます」
そして、大輝は紙袋をかぶって、理事長先生はLyrical Lilyのメンバー達を呼んだ。
「失礼します。理事長先生。私達にお客様が来てると言う…ペッパーさん!?」
「えっ!?えっ!?ほ、本物!?」
「どう言う事なのー!?」
「理事長先生。こ、コレはどう言う事なんですか?」
Lyrical Lilyのメンバーは、ずっと動画で見ていた有名人ペッパーとの突然の遭遇にビックリしていた。
「どう言う事も何も、彼がそのお客さんだよ。ちゃんとご本人様で私の知り合いだから安心しなさい」
「えっ〜!?理事長先生とペッパーさんが知り合い!?(一同)」
(悪いね。そう言うことにしてくれるかい?そうした方が彼女達も安心できるだろうし)
(いえ、むしろ助かります。ありがとうございます)
「あ、あの、ほ、本当にペッパーさんなんですか?」
「そうだよ。この前の電話ありがとうね。今度さおりちゃんにもお礼言っといて」
俺がこの前の電話のことを言うと、美夢は確信が持てたそうで、すぐに嬉しそうな顔をした。
「いえ!こちらこそ、お忙しいのにお電話させていただいてありがとうございます」
「どう言うことなの?」
「ふふ、実はこの前にペッパーさんと電話で話す機会があってその時にお話をさせていただきましたの」
「えっ〜!?美夢ちゃんばかりズルい!」
「そうなの!そうなの!私達だってペッパーさんと話したいなの!具体的に紙袋の下の素顔とか!」
「こら!いけません!た、確かに気になりますけど、そんな事はしちゃいけません」
「えっ〜(みいこ&くるみ)」
「えっ〜。じゃありません!良いですか…
などと春奈のお説教が始まろうとしたが、ペッパーと理事長先生の前だとすぐに思い出して、失礼しましたと言って、恥ずかしそうにして引っ込んでしまった。それにしても面白いメンバーだな。
桜田 美夢。メインボーカルのこで、電話の印象から優しく、品行方正で思いやりの心を持つ女の子だ。
次に春日 春奈。DJ担当で、まずか数ヶ月ながらもかなりレベルも高く才能あふれている。そして、今の感じだと真面目な女の子だな。
そして、VJ担当の白鳥 胡桃。と竹下 みいこ。何と言うかこの2人には要注意だな。何か第一印象から変わるようにいたずら子達だ。下手したら紙袋を取られてしまうかもしれない。気をつけよう。
「それて、ペッパーさん。私達に用事だと言うのは…」
「実は…
そして、俺は理事長先生に説明した話を彼女達にも話した。
「はいはい!私!絶対に参加したい!」
「みーこもなの!」
「貴方達と言いたいところですけど、わたくしも参加したいです」
「それは良かった。みゆうちゃんは?」
「私は…」
「みゆうさん?」
「どうしたなの?」
「もしかして、参加したくないとか?」
「ううん。私も参加したい!もっといろんな人のパフォーマンスを!動画だけじゃなくって、実際に感じてみたい!」
「そっか、それじゃあ皆んな。来てくれるかな?」
「はい!(一同)」
「あ、そこは、いいとも〜。的なノリが…」
「??(一同)」
「今の子達にはからないわよ」
「嘘〜!?何かジェネレーションギャップ」
「時代を感じるわよね」
「そうですね」
「?(一同)」
今時の子達には鉄板の笑っていいとも!のネタが通じないか。なんだか、本当に時代を感じるな。