「さぁ!本日はいよいよd4フェス最終日!エキシビジョン・マッチ!」
そして、d4フェス最終日の日が訪れた。会場の観客達も大盛り上がりだ。MC 嘉瀬茉奈が更に会場を盛り上がる。
「最後は皆んなの人気投票によって決められた最強のドリームマッチング!そして、そのメンバーに選ばれだのが…」
「ちょっと待った〜!!」
突然のクソデカ拡声器に、せっかくの茉奈の声がかき消されてしまった。何事だと思い振り向いてみると、そこにはd4フェスを欠席したはずの掃き溜めスターズが現れた。その突然の登場に会場は驚きとどよめきの声が上がっていた。
そんな皆んなを無視するかのように掃き溜めスターズの2人は舞台に向かって歩き出す。途中で警備員に止められそうになるも、上からの時事でd4フェスの運営責任者である三橋 空が通すように言われてため通した。そして、2人は舞台に上がり茉奈の隣に立った。
「どうも皆さん。掃き溜めスターズのペッパーです。突然の乱入申し訳ありません」
そう言ってペッパーは深々と頭を下げる。茉奈と空が顔を見合わせますが、そのまま続けてと指示が出て、茉奈かMCを続ける。
「え〜と、2人はど言ったご要件でこちらに?」
「要件も何も!俺達を抜きで最強のユニットを決めようだなんて!ずるいぜ!見たところ、ピキピキとハピアラが同率1位で本当の一位が決まってないじゃないか、だったらこんなエキシビジョン•マッチ何かしてないで、上位5位の6名のユニットと俺達を入れた7名のユニットで真の1番を決めようぜ!」
それを聞いた瞬間に会場が喝采の声が上がって盛り上がった。
「お前らもまだまだ!コイツらの歌聞きたいよな!?」
うぉー!!と歓喜の声が鳴り止まない。煽りに煽って、引かないお客さん達に、運営の方も引くに引けなくなってしまう。そして、三橋 空は覚悟を決めて、予定を変更して、この対決をする事に決めて宣言した。そして、会場は爆盛り上がりを見せた。
「さぁ、Lyrical Lilyに燐舞曲。それにMerm4idとPhoton Maiden。そして、Peaky P-key。Happy Around!遊ぼうぜ」
「凄い凄い!凄すぎです!」
「いや、凄いよりもヤバいでしょ?」
「本当に恐れ知らずですね。ペッパーさんは」
「でも、こうしてまたこのステージでライブできるのは嬉しいです」
「しかも今度はペッパーさんもご一緒ですしね」
「マジでテンション上がる〜!」
「負けないわ」
などと舞台裏に来れば、皆んながペッパーの元に集まって来ていた。そして、これまでフェスで起きた思い出などをおもむろに話し出して、ペッパーはその話を楽しそうに聴く。そして、そんな話をしている途中で、d4フェスの運営者である三橋 空が来た。
「どうも初めまして、ペッパーさん。お会いできるのを楽しみにしてましたが、本当にやってくれましたね?」
「あ、すみません。怒ってます?」
「えぇ、かなり…。ですが、今会場は物凄く過去一で盛り上がってますので、特別に許しましょう」
「ありがとうごぜいやす!神様仏様運営様!」
「調子がいいですね。まあ、いいでしょう。それよりも順番なんですけど…」
「あ〜、すまないが、俺達に1番をやらせてくれ」
「えっ?いきなりですか?」
「頼む。俺はコイツらに示さなきゃいけないだ」
「……わかりました。それではトップバッターお任せします」
それを聞くとペッパーは深々と頭を下げてありがとうと言う。そして、再び皆んなの方に向かって、今度はペッパーが語り出した。
「いや〜、お前らには本当に驚かれてばかりだよ。全員で上位を独占しちゃうだもんな。本当に凄いよ」
ペッパーに素直に褒められて嬉し恥ずかしいそうに照れる皆んなは、ペッパーさんのおかげですと言う。
「いや、俺は何もしてないよ。俺が教えるほどないくらい。元々お前らのレベルも高かったし。もう免許皆伝みたいな物で、俺とお前達は同等のライバルみたいなもんだ。だからコレが俺が最後に教えられるライブだ」
ペッパーがそう言うと、皆んなは元気よく返事をする。皆んなこの時は知りもしなかった。それがどう言う意味か、単純に先生とした最後とかそう言う意味合いかと思っていた。
「…本当にこれが最後だ…」
そして、舞台に立ち上がると、暗闇のステージ裏から出ると眩しい日の光に照らされて、観客達の喝采の声が聞こえる。体験したこない大勢の観客の熱狂で外なのに蒸し返すほど暑い。そして、心臓のドキドキが止まらない。
(俺は緊張しているのか?それともこのドキドキは…)
歌ったら声を失ってしまう。歌を歌えなくなる。何よりも大好きな歌が歌えなくなる。そんな恐怖がペッパーを襲う。覚悟を決めたはずなのに、覚悟が揺らいでしまう。恐怖に呑み込まれそうになる。
「ペッパーさん!頑張ってください!」
その時、観客の無数の喝采の声の中から、舞台裏から少女達の声が聞こえた。リンク達だ。皆んなしてタイキ達の応援をする。その姿を見て、恐怖で揺らいでいた覚悟が消えた。そして、タイキ紙袋中でふと笑いマイクを強く握りしめた。
「おめえら!盛り上がっていくぞぉおおおお!!!」
そして、会場にペッパーの歌声が響き渡る。その絶対強者たるその歌声は誰もが心が動く。初めから前回という感じで、全力で歌い盛り上げる。そして、会場もそれに応えるように盛り上がる。
しかしその盛り上がりの中で、1人だけ不安に襲われているものがいた。タイキの事情を知ってる英雄達だ。もういつ声が出てくなってもおかしくない。そして、その英雄達の心配は予想通り、タイキに悪い異変が起きていた。
「〜♪(く、苦しい!?)」
数曲を歌ってタイキの喉はもう限界だった。もう喉が掠れそうで、それでも振り絞って出すと苦しくなる。だが、それでもタイキは歌をやめない。
「〜 (頼む!あともう少し!もう少しだけ!せめてアイツらのスタートラインになるまでは!持ってくれ!)」
苦しいのを我慢して必死に歌う。本当にここで気を抜いたら、もう絶対に声が出ないと思い。ライブが最後まで駆け抜ける。だが、そんな思いとは裏腹に、最後の曲に入ろうとした時だった。
「…っ…(こ、声が出ない?だ、ダメだ)」
『〜♪〜♪』
(!?)
歌い出しに入れなかったタイキだったか、代わりに何者かが代わりに入ってきた。それは、少し機械ぽく可愛らしい女の子声だった。タイキはその声に聞き覚えがあった。自分が初めて聞いたその歌と声、その姿に心を奪われた物。その子と何年も何十年も一緒に音楽をして来た。
(ミク…どうして…)
それ歌声は初音ミクだ。突然と何故か初音ミクが起動して歌い出したのだ。タイキの音楽は初音ミクと共に育った。曲を作るたびに、まずは必ずミクに歌わせていた。もちろん今まで歌ってきた曲もミクに歌わせて、今はお守りみたいにパソコンに入れてある。だが、なぜ突然とミクが起動したのか?英雄もミクのソフトに触れないのに、勝手に起動した。少し動揺したが、それではミクがつなげてくれた。観客も突然のミクの登場に驚いていた。
「…(何してやがる俺!?ミクが繋げてくれたんだ!最後なんだ!声出しやがれ!)〜 〜♪」
そして、ここから初音ミクとタイキのデュエットが突如はじまり。ニコニコ動画で育ってきた生き様を観客に見せつける。そして、予期せぬことに観客達は大盛り上がりをした。そして、最後まで歌いきり観客達を沸かせた。
「凄かったです!」
「流石でした!」
「……」
舞台裏にも戻ると、リンク達が絶賛の言葉を送ってきました。タイキはそれを聞いて、頷いてリンク達の頭を撫でてその場を無語で去って行きました。その様子にどうしたんだろうと頭を傾げるが、すぐに次の出番が来てしまったため、皆んなは準備に入った。
そして、誰もいない会場の裏で、タイキは立っていた。そして、スタージが終わって一言も喋らなかったが、ここで声を出そうと歌おうとするが…。
「……」
声が手をない代わりに、空気が漏れ出ような。息だけを吐き出す声しか出てこない。そして自分は本当にもう声が出たいということを理解した。タイキは今までの思い出がフラッシュバックして号泣した。しかし、どんなに泣き叫びようとも、声場でなくって空気だけが漏れ出る音だけが聞こえる。どんなに力一杯泣き叫びようたも自分の声ばもう出ない。泣けば泣くほど、その悲しい現実が叩きつけられて、より悲しくなり涙が止まらなかった。
『…〜♪〜♪』
「…!」
だが泣き続けるタイキの涙をある歌声が止めた。皆んなの歌声が聞こえて、その素晴らしい歌に観客の喝采の声も聞こえる。その声に耳を傾けて、ようやくタイキの気持ちが落ち着いた。そして、その場に座り込みタイキは彼女達の歌を聞く。
「…(いい曲だな)」
そして、本当に最後のd4フェスが終了した。
そして、審査発表が行われた。皆んながステージに集まって結果発表する中で、1人だけタイキだけが、その場にいなかった。審査は会場又はネットで投票される視聴者が1人1ポイントで、特別審査員達が1人100点で審査される。そして、優勝候補であった掃き溜めスターズが最下位になった。まさかの結果に驚く物達が多かったが、特別審査員の採点が低かったのだ。その理由はタイキが最後の歌で、歌い出しが歌えなかったからだ。初音ミクが代わりに歌って、観客達はタイキがボカロ作家のためそう言う演出だと思ったのだが、レジェンドと言われるプロ達の目には誤魔化せなかった。最前列で見てたからこそ、歌い出しが歌えず動揺する姿を見逃さなかった。
「納得いかない!」
しかし、それに1人だけ納得できいないものがいた。英雄だけがその結果に否を唱え続ける。その必死で今にも泣き出しそうな声の英雄に会場の人達や審査員もリンク達も戸惑う。
「一位じゃないとダメなんだ!アレが俺達の人生最高のライブだったんだ!そうじゃないと!アイツが…っ!?お前!」
その時だった。後ろから英雄の頭をノートパソコンで叩く者がいた。それはタイキだ。今までいなかったタイキに皆が驚く。そして、MCである茉奈がタイキに今までどこに行ってたですかと質問する。
「ビックリしましたよ。今の今までどこに行ってたですか」
「…ッ…ッ~…」
差し出されたマイクからは空気が漏れ出たような音しかしない。この場にいる全員が謎の音に困惑する。そして、英雄が焦ったようにタイキの両肩を掴む。
「おまえ!まさか!?」
「……」コク
さして、タイキがそっと頷くと、英雄は膝からくすみれ落ちて、泣き出してしまい。その勢いで被っていたバケツが取れて英雄の姿があらわになる。その顔はアザでボロボロでクシャクシャに泣き崩れていた。そして、何度も何度もバカヤロウと言う。
「バカヤロウ、本当にバカヤロウだよ」
「貴方…」
「兄ちゃん」
そこに英雄の妻とみゆきと弟の勇気が現れて、泣き崩れる英雄を連れ去っていく。そして、勇気達と顔を見合わせたタイキはもう一度頷いて、勇気が持って来てくれた机にパソコンを置いた。いきなりの状況に全員が騒然とする中で、更に追い討ちをかけるように、タイキが被っていた紙袋を取って、そのアザだらけの素顔があらわになった。そして、その素顔を見て1番驚いたのはリンク達だった。ペッパーの正体が、自分達がよく知る学校の先生だったからだ。観客達も突然に明らかになったペッパーの素顔に驚き声が上がる。そして、タイキはおもむろにパソコンを開いて、何かをし始めた。
『皆さん。改めてまして、私はペッパーで、本名が太刀川 大輝と言います』
その一言に会場が騒然とする。今まで謎だったペッパーの正体が自らの手で暴露したからだ。そして、何より疑問だったのが、なぜ初音ミクのソフトを使ってわざわざ代わりに喋らせているのか疑問だった。
『まずは皆さん。英雄がお騒がせして申し訳ありませんでした』
『ちょっと感情が荒ぶっていたようでして、申し訳ありませんがお許しをお願いします』
『さて、世の中をいろいろ騒がせてご迷惑をおかけしてます』
『始まりは乱入ライブで一時的に復活をした次には引退発表して、騒がせて、結局は今の今まで続けさていただきました』
『そして、今日で本当に掃き溜めスターズの事実上の解散となります』
その発表の観客も含めリンク達も驚愕の驚きを隠せない。それもうだ。音楽続けると言ってくれたのにまたしても引退すると言い出したからだ。リンク達はビックリしたが!なぜですかと喉まで出かけた時だった。
『私はもう歌うどころか喋ることもで気なくなりました』
その一言にリンク達の頭が真っ白になった。理解できなかった。理解したくなかった。しかし、これでようやく英雄の涙の理由を理解した。
『私はカナリア病と言うものになって、もう喋ることができません。だからもう引退します』
突然の真実に騒然と静まり返る会場で、我慢できずにリンク達が声を上げた。嘘ですよね。とか冗談ですよね。と戸惑い認めたくない現実に泣き出す子まで出る。しかし、タイキは首を横に振って嘘じゃないと言う。
『泣くなよ。どうせ歌えない人生なんだ。最後にお前達とこの大舞台で歌えてとても楽しかったぜ。もう悔いはない。コレからのお前達の活動見守らせてくれ』
タイキの問いかけにリンク達が、俯いて不服そうにしていたが、タイキはそれを見て苦笑いする。
『本当はこんな話はしらけそうだから、しない方が良かったのかなって思ったが、このまま黙って消える方が良かったのかなと思ったりしたが、やはりケジメをつけようと思ってこの舞台を立たせてもらった。俺はこうして終わるが、彼女達の歌はまだまだ続く。彼女達の歌は冷めきった俺の心に再び火をつけてくれた素晴らしい歌だ。だからコレまでだってどんなに無茶な事をしても助けて来た。それはこの子達の歌にそれほどの価値があるからだ。彼女達は音楽DJ界を背負って行く人材になる。どうかこの子達を応援してください。それが俺からの最後のお願いです。そして、最後に俺から皆んなに感謝を込めて作った曲がネットにアップします。良かったら聞いてください』
そして、自分のチャンネルに今までの感謝の気持ちを込めて作った曲をアップしようパソコンを操作する。そして、投稿と言う文字にカーソルを合わせてクリックすれば投稿される。
(…ごめんなミク。こんな歌を歌わせて、本当は俺が歌うべきなんだが…)
ー大丈夫。私マスターの歌好きだからー
(……ミク!?)
後ろからミクに抱きつかれたように感じたタイキ。初音ミクは仮想の人物で存在するはずもないのに、ミクに励まされた背中を押された。そんなはずないはずなのに、なぜかそう感じた。
(…ありがとう。ミク)
そして、動画がアップされた。そして皆んなのスマホに通知が鳴る。皆んなは一斉にスマホでその曲を各々聴き出した。それはタイキがこの今までの物語を語ったかのような歌で感謝の気持ちを表したような歌を初音ミクが歌った最後の動画だった。
最後まで読んでくださりありがとうございました。感想などお待ちしてます。
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