第一話。大人になって俺達は、再び…。
「あ、あの〜、皆さん。じゅ、授業に…」
「あぁ?文句あるのか?」
「ひぃ〜!ごめんなさい!ありません!」
俺の名前は太刀川 大輝。しがない高校教師です。騒ぐ生徒達を注意できないできなくってビビり散らかしている。情けない教師だ。でもしょうがなくない?皆んな金髪で怖いんだもん。不良だよ、不良、何でこんな高校に来ちゃったのかな〜(泣)
「あ〜、胃が痛い」
「大丈夫でごさるか?大輝氏どの」
「英雄〜。聞いとくれよ〜」
「聞かないでござる。どうせいつものように生徒達が話を聞いてくれないと言うだけだろ。もう聞き飽きたでござる。そんなことより早く昼ごはんを食べるでござる」
何とか無事に授業を終えることができた俺は所員室で休んでいた。この語尾にござる。とかつける変わった喋り方をするふくよかな男は松村 英雄。昔からの親友で数少ないオタク友達である。少しは俺の話を聞いてくれてもいいと思うだが、まあ、生徒にビビるなんて、いい大人が情けないな。しょうもない話だから、まあ、言っててもしょうがないし飯食って元気出そう。
「お、愛妻弁当か羨ましいな」
「ふっ、これを見てもいえるでござるか?」
あ、ちなみに英雄は結婚してなかなか美人な奥さんを持っている。ちなみに俺は独身だぞ。そう言って英雄がお弁当の蓋を開けると野菜がたんまり入っていた。いや、むしろ野菜しか入ってなかった。
「…痩せろって?」
「うん…」
英雄も苦労しているな。学校では生徒達にK3と言われて、家では痩せろと言われ。コイツが心を休める時間はあるのか?奥さんがいて羨ましいと思っていたが、コイツを見ていると嫁はいない方が良いじゃないかと思っちゃうな。やはり俺の嫁は2次元にかぎるな。
「も〜!ストレスでハゲになりそうでござる!」
「ちょっ!ここ職員室!皆んな見てるから叫ばないで!」
教室でも白い目で見られて職員室でも白い目で見られる。いったい俺らの居場所はどこにあるんだ。
「こうなったら行くでござるよ!大輝氏!」
「どこに?」
「ピキピキのライブでござる!やっと2枚チケットをゲットできたでござるよ!」
「ピキピキって、この前言ってた。DJパフォーマーだっけ?俺3次元には興味ない。行くなら初音ミクのライブに行きたいだが…」
Peaky P-key。通称ピキピキとして親しみられている。陽葉学園に通う今人気の高校生ユニットであり、今では学園の外を飛び出していろんな所でパフォーマンスをしているらしい。俺は知らんけど。そして、英雄がそれにすっかりハマってしまい。やたらと俺にすすめてくる。
「みなず嫌いは良くないでござる!絶対にハマるでござるよ!」
「そんな、俺が今更3次元の女なんかに…
「うぉ〜!!ピキピキー!愛してるぞ〜!」
「見事なフラグ回収でござるな」
うん。自分でも驚くくらいにハマってしまった。
「いや〜!マジで最高だった!」
「見事な手のひら返しでござるな」
「いや〜。悪い悪い」
ライブが終わって、今までのストレスが嘘みたいに無くなった。彼女達のライブを見て嫌なことを忘れて元気になれた。
「にしてもDJパフォーマーか、何か懐かしいな」
「そうでござるな…。拙者達も歌ってみたとかでブイブイ言わせていた時代もあったでごぞるな」
俺達も高校生の頃に似たような事をしていた。歌ってみた。とか踊ってみたの動画やいろんな動画を投稿をしていた。俺達がまだ学生だった頃、ニコニコ全盛期とも呼ばれていた時代だ。当時の俺達はさまざまな物に影響を受けやすいオタクだった。アニメけいおん。でギターを始めたり。ニコ動を見て歌やダンスをしたり、初音ミクで作詞作曲したり。本当に動画やアニメで流行った物には全て手を出した。
「…なあ、久しぶりにやらない?動画」
「…いいでござるな!掃き溜めスターズの復活でござるか!」