GGOでパイロットを活躍させたかっただけの話   作:EDFからあげT

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うじうじと構成考えるくらいなら書きたいところだけ書けばいいじゃないということでそうすることにしました!
イエーーーーッ!(定型文)


第一回BoB 前編

 波乱万丈の予選を超え、ついにたどり着いた第一回BoB本戦。

 

 予選でマークされるわけにもいかず普段使わない店売りの武器装備で挑んだがなかなかに辛い戦いであった。

 

 パイロットたるものどのような武器でも使いこなせるようにならなければなと反省した。

 

 閑話休題。

 

 そう。本戦、本戦である。

 

 自主的に封じてきた装備も武器も開放し戦士たちに私の強さを見せつけようではないか。

 

 負ける気はない。目指すは優勝のみ。

 

 慈悲もない、手加減もなし。

 

 ただ只管に勝利を求めるだけである。

 

 さあ、往こう。戦場へ。強者蔓延る彼の地へ。

 命を掛けた熱く尊き戦いを。

 それを制し遥か遠くにある気高き勝利を求めて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くぞTF!」

 

『了解。追従します』

 

 本戦が始まり私は早速アイテムポーチからTFを取り出し駆け出した。

 

 余談だがTFはアイテム扱いなのでポーチにしまうことができるのだ。

 

 マップは広大で地形にも富んでいる。

 隠れ場所も多く、かつ高台や射線を一方的に切れる場所も多い。

 

 そのため序盤にそういった〈強ポジ〉と呼ばれる場所を取るための戦いが起こることはかなり多い。

 

 それで更にその戦闘音を聞いてやってくる他のプレイヤーもいる。漁夫の利だ。

 

 戦ってるということはお互いにヘルスや弾薬など消耗している。

 そこを狙うことで楽に、かつ安全に勝つことができるのだ。

 

 ここまで説明して私が何を狙っているかわからない人はいないだろう。

 

 そう。私は漁夫の利をする。それも他プレイヤーよりも圧倒的に優れる武器と装備。相棒とだ。

 

 観戦者にはズルいだセコいだなんだかんだと言われるだろうが勝てば官軍負ければ賊軍だ。負けた方が悪いということで。

 

 私とTFが走る近くで銃声が鳴り響く。

 

 数は3つ、かち合ったのだろうか、ほぼ同時に鳴り響き始めた。

 

 BoBNにはキル数によるボーナスや報酬はないがこれは私のエゴだ。

 

 遠慮なく殺させてもらおう。

 

「TF!俺を投げて“トーンロードアウト”に切り替えて援護しろ!」

 

『了解。それではパイロット。私の手に』

 

 TFの手に乗り握り込まれる。

 そのまま振りかぶって…。

 

『風向この位置より7時、風速2ノット、方位修正…パイロット、行けますか?』

 

「あぁ。思いっきりぶん投げてくれ」

 

『分かりました。ご武運を!』

 

 ゴォッ!

 

 凄まじい速度で空を切って飛んでいく。

 風の音が耳元で鳴り響いているような感覚に襲われながらも今だに鳴り続く銃声の元へ降り立つ。

 ナイスシュート。敵はこちらに気づいていないようだ。

 都合よく敵の相手からの射線も切れている。

 

 パイロット装備の一つ、クロークを発動し一気に音の元に距離を詰める。

 

「ッ!?どこにいやがる!」

 

 敵が足音に気付くが私は見えない。クロークとは姿を消す光学迷彩だからだ。

 

 詳しい原理は知らない。

 少なくとも高レベルダンジョンに存在するという姿を消せるカモよりは優秀であろう。

 

「クソッ!クソッったれぇぇぇぇ!!うわぁぁぁぁぁぁぁああああ!!」

 

 見えないが足音は確かに近付いてくるという状況で恐怖に負けたのか手に持ったアサルトライフルを乱射し始めた敵。

 

 一周回って好都合だ。

 銃声に隠れて更に足音が聞こえなくなると何故分からないのか疑問に思いつつも、広げっぱなしの股ぐらをくぐり抜け、後ろから一発強烈な拳を叩き込む。

 

「ぐぁっ!?なんで…」

 

 どうもVITにかなりステータスを振っていたようでヒットポイントバーが3割くらい残っている。

 だがしかし。

 

 敵はこちらに振り返るがクロークの効果は切れていない。

 

「チェックメイトだ」

 

 煽りも兼ねて耳元でそう囁いたあとしっかり勢いの乗せた渾身のパンチを顔面にお見舞いしてやる。

 

 敵は何が起こったか分からないような顔をしながら倒れていった。

 

 念の為にと思いヒットポイントバーを見るも全損。確実に死んだ。

 

 随分と呆気ないものだ、と悪態を付きながらせめて次の獲物は歯応えがあるといいななんて思いつつ、移動を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんなんだあいつは!あんなの予選にいなかったじゃないか!!」

 

 同刻。

 

 パイロットが仕留めた敵と戦っていた同じくアサルトライフル使いは相対していた敵があっという間にヒットポイントバーを真っ黒に染められた光景を見て全力でその場から逃げ出した。

 

『敵を発見。ソナーパルスを射出。40mmトラッカーキャノン射撃開始』

 

 運悪くタイタンの方へ、という前提は付くが。

 

「ひ、ひぇ…」

 

 不気味に輝くモノアイ、鋼鉄よりも遥かに硬いであろう数々のパーツ。

 

 何よりも。こちらを向いている自分がもつ銃よりも遥かに大きいキャノン。

 

 どうやったら勝てるビジョンが見えるだろうか。どうあがいても負ける未来しか見えない。

 

 そんな中、彼が取れた行動は…。

 

「こ、降参だ!降参する!だから…殺さないでくれ!」

 

 降伏することだった。

 

 あまりの恐怖にゲームの中だということを忘れて命を惜しんで降伏してしまったのだ。

 

『降参、降参ですか。…パイロットに指示を仰ぎます。その場で待機を。不自然な動きを見せれば遠慮はしません』

 

 抑揚を感じられない音声で一時凌ぎとはいえ延命を約束され。

 安心したのか脱力する彼。

 しかし。

 

「うっ…!?」

 

 もう一人。いたことを忘れていた。

 

 よくよく考えてみればチャンスではないか。

 

 片方は通信中。片方は武器を降ろし不用心にも座り込んでいた。

 

 ヒットポイントバーはどんどん黒く染まっていく。

 

 首元を撃ち抜かれ出血のデメリットバフ…デバフが発生している。

 

 どうあがいても死。

 視界も霞む。

 いやだ!まだ諦めたくない!

 

 しかしこの世界の身体は“意思”だけでは動いてくれない。

 

 そのまま彼は苦悶の表情を浮かべたまま自分のヒットポイントバーが真っ黒に染まり続け、終いには色が抜け落ちるまで睨みつけていた。

 

 

 

 

   〜残りプレイヤー数 82/100〜

 

 

 

 

 

「降参だと?」

 

『はい。戦闘の意思も感じられず本当に降伏するようです』

 

 まさか歯応えどころが自主的に割けるような奴だったなんて。

 失望の念を隠せないままに。

 

「構わん。殺れ」

 

『了解。対象を…対象の死亡を確認。私は何もしていません。他プレイヤーによる狙撃で死亡しました』

 

 なんて奴だ。獲物を奪う奴がいるなんて。

 

 彼は歓喜した。

 

 TFが推測するには2000m先からの狙撃で死亡したとのこと。

 

 2000m先から出血のデバフが発生する首元に命中させるなんて!

 

 すごい腕前じゃないか!

 

 彼は歓喜した。

 

 こんな序盤から強者と戦えるなんて!

 

 狙撃手がどのような戦い方をするかは不明だが確実に強者である。

 

 ああ!どれだけ私を苦しめてくれるだろう!どれだけ楽しませてくれるのだろう!

 

「TF、行くぞ!」

 

『了解。マップに位置を表示。合流地点を設定しました。合流後に標的の位置に移動しましょう』

 

 もう我慢ができそうもない。

 早く合流して早くあのプレイヤーと戦いたい。

 私に滾る戦いを。手に汗握るような熱く、泥臭い闘いを!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜観戦者たちの集まる酒場にて〜

 

「おぉぉ!いいぞ!そのまま勝てぇぇぇ!」

 

「避けろ!避けろぉぉ!俺の賭けた金を増やせぇぇぇぇ!うわぁぁぁぁぁ!!」

 

 あちこちで絶叫や悲鳴の聞こえる酒場の一角でただ只管に同じプレイヤーを見続ける者がいた。

 

 そう。最近パイロットの住処に居候し始めた彼女である。

 

 彼女は求める強さを持つ彼に執着を見せていた。

 お互いに鈍感であるため気付くことはお互いにないが。

 

 彼女は彼に依存していた。

 ありのままの自分を受け入れてくれる彼の優しさに。

 彼女は彼を好いていた。

 いつかこの想いを彼に。“現実”で伝えようと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時は遠くはないであろうと確信しながら。




投稿!
ウマ娘始めたらハマった。
楽しい!でも難しい!

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