獅子の騎士が現代日本倫理をインストールしたようです   作:飴玉鉛

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お待たせしました。




27,さらなる偉業を成し遂げよ

 

 

 

 

 

 ――試験運転の結果は以上となります。

 

 政務を捌く人形を遠見し、市井を監視し怪魔の気配を探る人形を見る。支配領域の悉くを見聞きして、ウリエンス王を遠くに在るがまま惑わし、己が傍にいるものと錯誤させる。

 報告を聞いた製造者は、一瞥も向けず、働きを労いもせず、傅く監視者に反応しない。黒衣の貴婦人は暫しの間、粛々と毎日の工程を終え、それから手が空くと漸く冷たい眼差しを向ける。

 

「マグラスラック」

「はっ」

 

 礼を尽くして恭しく応じるマグラスラックは、中性的な(かんばせ)の、線の細い人形であった。製造者たる貴婦人は色のない眼差しでその内部に至るまで正確に読み取り、満足げに頷く。

 マグラスラックの稼働に問題はない。急な起動だった為なにがしかのトラブルを抱えている可能性を考慮して呼び寄せたが、内蔵した自動調整の術式だけで事足りる程度。つまりは予想の範疇内だ。

 

「アンブローズの状態はよしとしよう。斯様に貶めれば、自発的に妾の子に尽くすであろうからな。そなたに実装した血の因果の機能も良好、それによる他者の心象も想定通り。ここまではよい」

「………」

「だがアンブローズがエリウの名を出すのはまだ早かったな。なにゆえ阻めなかった」

 

 パチン、と鞭を鳴らす。

 鳴らしただけで、マグラスラックを打ち据えようとはしない。

 そんな癇癪を起こし、モノに当たり散らすような下品さは貴婦人とは無縁であった。

 

「……まあ、よかろう」

 

 沈黙するマグラスラックをよそに、思案を巡らせていた貴婦人は一人頷く。

 

「妾のイヴァンが知るには早いが、どうせ遅かれ早かれ知る事にはなっていたであろうからな。であれば……()()()()()()()()()愛しい妹(モルゴース)めの様子はどうであった?」

「は。()()()()()()()()()。一見どころか目を凝らしても異変の発見能わず」

「よろしい」

 

 モルゴース。それは妖姫モルガンの妹――というのは表向きの話。彼女は、モルガンの端末の一つでしかない。現在はオークニーに在るモルゴースの状態を聞き、ひとまずはよしとする。

 聞かずとも分かるが、敢えて聞いた。この人形の目が正常に機能しているかテストするために。それ以外の意味はなく、仮にモルゴースの状態を見誤るようなら眼球をくり貫き取り替えていた。

 

「そなたは妾のイヴァンに付いて、離れるな。アンブローズめの調律は十全であるが、何事にも不測の事態、イレギュラーは起こり得る。アレが妾の課した禁を万一破るようなら、()()()()()()。妾が手を下すのは容易いが、無駄に骨を折る気にはなれん。解ったのなら行け」

「は」

「ああ、そうだ――」

 

 命じられるや、マグラスラックは即座に立ち上がり退出していく。

 その背中に貴婦人は思い出したように問を投げた。

 

「ニコはいつ出す?」

「――まだ時期尚早と考えます。が、それとなく匂わせるにはよい頃合いかと」

「妾も同じように考える。よいぞ、下がれ」

「は」

 

 不意の質問で思考能力も試し、今度こそ貴婦人は人形の性能に満足する。

 部屋の外で、バキバキ、メキ、という悍しい異音がした。マグラスラックが肉体改造、自己変化の力で己の姿形を変えたのだ。

 一つの真名、二つの性、三つの通称と姿、三つの自我を持つ人形。今頃、己がここにいる所以が解らず首を傾げている事だろう。モルガンにとって実にどうでもよい、設計通りの事柄だった。

 

 ――エリウ。妖精に堕ちた女神。

 

 島の古名『エリン』を過去のものとして、アイルランド島という名と、その文化にケルトという名を付けて広めたのはモルガンである。

 そうする事でエリンの語源となったエリウという神霊の力を削ぎ、自らの力で支配したのだ。

 嘗てであれば、こうも容易くはいかなかった。しかし時の流れは残酷だ。嘗ては隆盛を誇った強大な神格も、人理が強力に構築された現在では殆どの神霊が落魄れてしまうか、世界の裏側に去ってしまった。

 女神エリウも世界の裏側に去ろうとしていた。それを阻んだのは、手駒とするのに申し分のない存在であったからだ。モルガンはエリウを囚え、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 九姉妹。三とは聖なる数字であり、三が三つ連なった九は究極の数字だ。零落したエリウにモルガンへ抗える力はなく――今のエリウを括りつける肉体、()()()()()として支配されている。

 

 モルガンが鋳造した肉の器に押し込められた、堕ちた神霊にもはや自我は無い。

 エリウ――モルゴースは神核の残滓に成り果てた女神の亡骸だ。

 

(妾の手によるものとはいえ、堕ちる処まで堕ちたものよな、エリウ……だがこれは、そなたの掴んだ妾の慈悲である。悔やむのなら、妾の手を取るのではなかったな)

 

 同じ地の神格であった時の記憶が、彼女を憐れませる。

 しかしこの仕打ちは慈悲なのだ。それはエリウの性格と性質を知るが故のもの。

 アレは真実、女王だった。女神だった。

 アイルランド島……エリン――ケルトを愛していたのだ。それらになんら益を成せず、アングロ・サクソンの跳梁を赦してしまう己の無力を呪い、失意のまま星の表層世界を去ろうとしたのである。

 

 故に手を差し伸べ、囁いた。妾の傀儡として骸となれ、と。対価にそなたの堕ちた力を以て最後の恵みを民らへ還そう、と。旧き女神エリウは喜々として契約に応じた。

 

 そう、契約だ。同じ女神として結んだ、違えようのない契約である。

 

 モルガンはそれを反故にするつもりはない。

 偽りなく真実、民の益とするように動くつもりでいるし既に動いてもいた。

 ――ただし。エリウの尊厳を地に落とすが、それは彼の女神も承知の上だろう。

 モルガンとは、そういう『(おんな)』だと解っていたはずなのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

  †  †  †  †  †  †  †  †

 

 

 

 

 

 

 

 

 練兵場。騎士甲冑を着せ、騎士剣を括り付けた案山子を設置する。

 

 三日月状の片刃の長剣を手に案山子の前に立って説いた。

 

 ――まずは自身の太刀筋の理想を描く。

 どう振れば振るい易いか、どう振るえば太刀筋が綺麗になるか。

 刃の通る軌道を直線に、力を最小に、神経を最大にして、振る。

 刃が対象に接触した瞬間に押すのではなく引いて、切るのではなく斬る。

 こうすると無駄な力は不要だ。

 

 ずんばらりん、と。騎士剣が半ばから断たれ、騎士甲冑ごと案山子を袈裟に両断する。無残な金属音を立てて剣と甲冑の残骸が地面を転がった。ユーウェインは一切の力みもなく振り返り、言う。

 

「さあ、やれ」

「出来るかァァァァ――ッ!!」

 

 騎士剣を握る少年、ケイが叫ぶ。

 それに対してユーウェインは眉を顰めた。

 

「試す前から無理だと投げ出すのは怠慢だぞ」

 

 教え子のケイの態度を咎める。

 ウリエンスに帰還したユーウェインは、潮騒のティンタジェル――彼の故郷で結んだいつぞやの約束を果たす為に、エクター卿の子息へ剣を教えようとしていた。ベルセルクル騎士団の面々がウリエンスに到達していない今が、ちょうど手が空いていて纏まった時間を取れるのだ。

 これを活かさない道理はないと思ったのである。

 

 だが、どうだ。せっかく見本を見せたのに、肝心のケイは出来ないと言う。基本中の基本である斬撃なのに。はっきり言ってこれが出来ないなら何も教えられない。出来て当然の基本でしかないから。

 ユーウェインは腰に手を当てて嘆息する。彼に師はいない……昔、指導役の騎士が付いていた事はあるが、その騎士に教えられた何もかもを捨てている。役に立たないと思ったからだ。

 何を以って役に立たない教えだと断じたのか。それは、一般的な騎士の剣技は身体能力に物を言わせたものであり、剣を鈍器として叩きつけ、対象を破壊する力技だったからである。端的に言うと「勿体ない」のだ。それではすぐにユーウェインの腕力で剣の方が壊れてしまう。

 故に我流である。如何に剣を節約するかを追い求めたのだ。剣を折らず、刃を欠かさず、潰さずに長い間使い続ける為に工夫した。いつしか傍から見ると病的な凝り性を発揮してしまっただけの事。

 振るい易い太刀筋を探求し、後は戦いの中で磨いた。今はあの有限の不死者たる堕ちた神霊との死闘で得た手応えを、なんとか再現しようとしている段階であり、まだ己は未熟であると捉えている。

 

「いいか、ケイ。ポイントはたったの三つだ。振るい易く体を動かし、剣の軌道を直線にし、インパクトの瞬間に対象を引き斬るだけだろう。難しく考える必要はない。いきなりやれと言われて困るなら、何度か素振りして自分に合った剣の振り方を探求してみろ」

「いや師匠(センセイ)、どう見ても普通出来ねえからな、それ。師匠は出来て当然みたいな面してるが、最適な剣の振り方って奴は父に教わって身に着けてる。その上で、アンタの剣はおかしいって言ってるんだ」

 

 エクター卿から剣技の基礎を教わっているケイは、ユーウェインの指導に物申す。

 彼の観点からすると、絶対に自分が正しいのだ。師の言っている理屈は分かる……振りやすく剣を振る、道理だ。太刀筋を直線にする、これも道理。剣が当たる瞬間に引いて、引き斬る。これも実例を見せられたら納得するしかない。引き斬ればなるほど、確かに斬りやすいのかもしれないな、と。

 だが待って欲しい。普通の騎士剣の刃は、鈍らだ。頑丈であればそれでいいという程度。引いたら斬れるような刃ではない。そも刃という物は、引いて斬れるものではない。圧して、押し斬るものだ。

 

 それが騎士というものが扱う剣なのだ。

 

 ユーウェインの得物が特別なだけなのかというと、そうでもない。普段の彼は宝具の曲剣を用いているが、今は独特な形をしているだけの長い曲剣を握っている。片刃の剣であるが、刃の造りは同じだ。

 なのに何故斬れる。なまじ剣技を齧っているからこそ疑問なのだ。意味が分からない。理屈は合っていても道理が合わない――理が違う。根本的に、生きている世界(ジャンル)が違う気がした。

 

「………」

 

 言われ、ユーウェインは考えた。

 彼に人を指導した経験は無い。アルトリアやオルタ、リリィにしたのは剣技の見本を見せた事と、剣の振り方を教えた程度。あれは指導とは言えない、とユーウェインは思う。

 故に考えた。彼は感覚派の理論型という、破綻しているようで成立しているタイプの天才肌だ。しかしユーウェインの根っこにあるのは凡人の感性であり、才能に依存しない努力の積み方を知っている。

 

 ――例えば。もし仮に、ユーウェインの精神が異形ではなかった場合、もし仮に、モルガンに愛されずに生きたと仮定してみよう。

 その仮定を踏まえても、ユーウェインは獅子の騎士と渾名される高名な騎士になっていた。

 凡人の身で、だ。

 おつむの弱い、愚直さだけが取り柄の努力家として生き、努力だけで一角の武力を身に着けていた。そう、ユーウェインはこの世にありふれた精神の、モルガンに改造されていない肉体で、最終的には()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ほどの武勇を身に着ける。

 腕力に頼らない立ち回り、研鑽の積み方というものに、理解が持てる感性はもともと具えているのである。故にユーウェインの指導は後に、極めて分かりやすいものとして好評に博すのだ。

 

 ただし、彼の剣技は誰もが理解不能と口を揃えたが。

 

「ケイ。お前は水泳が得意だったな」

「あ、ああ、得意だが……それがどうかしたのかよ」

 

 ユーウェインは人に合わせて指導の方法を柔軟に変えた。ケイの場合は、その変態的なまでの水泳の才能に着目している。

 この少年の泳ぎの技は驚異的だ。身体能力で言えば小指の先でねじ伏せる格差がこの師弟にはあるのに、ユーウェインは潮騒のティンタジェルで何度も競泳して、一度もケイに勝てた試しがないのだ。

 六日間水中に潜っていられると豪語するケイに脱帽して、ユーウェインは興味本位に問い掛けたものである。どうすればそこまで巧みに泳げるのか、と。するとケイは言った。

 

「――水の隙間を泳ぐ、水を掻く時に隙間に手を差し込み、水に逆らわず体を運ぶ。確かそう言っていたはずだな」

 

 改めて思うがそちらの方が意味不明ではないかとユーウェインは思う。こちらの剣技の方がよほどに理解が容易いはずである。だがまあ、人によっては理解の容易いものと困難なものは分かれるものだ。

 ユーウェインはそのように自分を納得させ、ケイに合わせた説明をした。

 

「ここを水中だと思えばいい」

「……は?」

「ここを水の中だと思えと言った」

「……いや、無理だろ。水なんかないじゃねえか」

()()()()()()()

 

 呆れて肩を竦めるケイ少年に断言する。

 ユーウェインの優れた――人の域を超えた感覚の鋭さは、空気にも水気があるのを感じ取っていた。世界に水が満ちているのだと。故に空気が乾燥している地帯は危険なのだ。人を容易く枯れさせる。

 かなりの暴論だが、人もまた魚のように常に水の中で生きているのだ。水気の多寡ぐらいしか生きる世界に違いはないのである。――暴論だが。

 

「ケイ、感覚を研ぎ澄ませ。空気にも水はある。それを感じろ」

「……どうやってだ」

「ふむ……とりあえず、もっと水気を増やしてみるとしよう」

 

 言って、懐から取り出したるは無銘の短剣。有翼の不審者の加護を物質化させた、聖なる湧き水を発生させる神秘の塊。それを用いて地面から大量に噴水させ、仰天するケイを尻目に水の柱を見る。

 そろそろだな、と思ったぐらいで湧き水を止めると、地面は水浸しで、空気も湿ってしまっていた。ユーウェインははっきりと肌に感じる水気に頷き、ケイに向き直る。

 

「どうだ? 空気に水気がある……それは分かるだろう」

「そ、そりゃこんだけトンデモナイ事したら水気もあるだろ……」

「減らず口を叩くな。良いから集中して目を凝らせ。空気中の水の流れだ。お前は泳ぐだけでいい。剣を手の代わりに、お前の言う水の隙間とやらをなぞって斬撃を繰り出してみろ」

 

 ケイは訳が分からないといった貌で、言われるがままなんとなく剣を振る。

 すると、どうだ。なんらかの手応えを得たのか、信じられないように目を見開いた。

 

「……な、なんだ……今の……」

 

 泳ぐように腕を動かし、体を動かし、剣を動かした。

 それだけなのに、嘗て無いほど流麗な斬撃が繰り出されたのを感じ、ケイは瞠目して自分の手を見下ろす。――これまでにない会心の手応えだったのだ。

 

「出来ぬと思うよりもまずは自信を持て。根拠など要らん。過程にどれほど時を掛ける事になろうとも、成し遂げねばならないものなら、どうあれ立ち止まるわけにはいかないものだろう。自信を持って数を熟せ、今は出来ずともいつかは出来ると楽観しろ。物事の反復を『鍛』とし、日常的に続ける事を『錬』とする。このルーチンを人は『鍛錬』というのだからな」

 

 ユーウェインの言葉に、ケイは頷いた。

 剣を振り始める少年から離れ、腕を組みそれを眺める。なんだか師匠っぽい事をしている自分が可笑しくて、堪らず小さな照れ笑いを溢してしまった。

 

 騎士としての師ならばもっとスパルタに教え込むのも一つの姿勢なのだろうが――ユーウェインは噂に伝え聞く、影の国の女王の指導スタンスには反発し、ギリシャの賢者の指導方法に感じ入る性質だ。

 前者の場合ユーウェインはそもそも弟子入りも望まず、後者の場合は望んで弟子入りしていたかもしれない。そう呟くと――両者ともが、教え甲斐のない弟子として早々にユーウェインを放逐するだろうと、傍らに寄ってきたガニエダが言う。

 

 そちらには目を向けず、まるで見てきたように言うのだなと皮肉ると、ガニエダは肩を竦め宣った。互いに知覚してたんだから見てきたようなものさ、と。

 

 聞けばスカサハも、ケイローンも、未来を視れるのだという。その力と共鳴して、ガニエダは彼女と彼を識っているのだとか。千里眼を封じられた今は、もう感じられなくなっているらしいが。

 

「――殿下っ! こちらにおられましたか!」

 

 慌ただしい気配と、足音。

 甲冑の擦れる音を鳴らしながら、練兵場に騎士が駆け込んでくる。

 そちらを一瞥して、ユーウェインは煩わしげな目をしてしまう。ケイの修練の邪魔だ。

 だが追い払うわけにもいかない。溜め息を吐きたくなるのをグッと堪えて騎士に問う。

 

「騒々しい。何事だ?」

「お聞き下さい、妖魔が――妖魔シーレーンが、半年後にウリエンスを襲うと予告して参りました!」

「……はぁ?」

 

 齎された報告に、ユーウェインは間の抜けた声を漏らしてしまう。

 妖魔シーレーン。聞いたこともない名だ。そんなものが、わざわざ襲撃の予告をしてきた?

 ガニエダを見ると、彼女も目を丸くしている。

 気を取り直して騎士に仔細を訊ねると、彼は興奮気味に語った。

 

「妖魔は半年以内に自分が満足する音楽を聞かせろと要求しています。さもなければ半年後にウリエンスに自分の歌を響き渡らせ、人々に狂気を振りまくと……殿下、討伐隊の編成を!」

 

 妖魔の要求の意味不明さ、突拍子のなさに呆れる。

 ユーウェインは堪え切れずに嘆息した。面倒臭かったからだ。功績に飢えた騎士が、ではなく。唐突な要求を突き付けてきた妖魔が、でもなく。……面白そうに目を輝かせるガニエダが面倒だ。

 

「面白そうだね! ユーウェインく――もといユーウェイン殿下、ボクとデュエットをしよう! ボクたちの美声で妖魔をメロメロにしてしまうんだ!」

 

 騎士の目があるのを思い出し殿下と呼び直したのは良い。

 だがその要求のせいで台無しである。

 

「断る」

「えー……? いいじゃないか、減るものじゃないんだし」

 

 ガニエダの微笑ましい要求を考慮もせずに切って捨てた。

 彼とて普通の催しなら考えなくもなかったかもしれない。しかし二つの意味で却下せざるを得ないのだ。一つは、妖魔などに構ってやる義理はない事。そしてもう一つの理由が――

 

「俺は音痴だ」

 

 ――半年では補い切れない、致命的な音痴の悲しい現実だった。

 

 

 

 

 

 

 

 




モルガン「シーレーン…?今回のこれに妾は関わってないぞ(困惑)」

モルガンPのアイドルマスタープロデュースが始まる…!

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