獅子の騎士が現代日本倫理をインストールしたようです   作:飴玉鉛

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41,黒獅子の誓いは終身雇用

 

 

 

 

 最初からいけ好かない奴だとは思っていた。

 だが明確に嫌悪感を覚えたのは、男が溢した台詞を聞き咎めた時である。

 

「うーん。希望を示すならリーリウムで良いんだろうけど、過酷な嵐の中で道標になり得るのはオルタナティブだ。けれど、どうもその二つの性質は自前で持ち合わせてしまっているし……やはり在り方として救済と守護に秀でたアルトリアを立てた方が良さげかな? ならオルタナティブとリーリウムのどちらを回そうか。二人のジャンルを見るなら……オルタナティブの方が適格かもしれない」

 

 いつも視られている。いつも、比べられている。

 虫みたいに感情(いろ)のない眼で視られるのが不愉快で、私は『花のお兄さん』を自称する男を小指の先ほども信用せず、機会を見て本性を暴いてやろうと思っていた。

 

「――敵わないな。優秀な妹を持った兄の辛さだ。白状する、私は確かに人でなしだよ。けど少し前までは君もこちら側だっただろう? 宗旨替えをした後に詰るのは卑怯だと思わないか? 私たち夢魔にとって人の心は栄養源だ。嗜好品として甘味を求め、恋患う女の子を贔屓するのはそこまでおかしな話じゃないだろう」

 

 だが、まさか本当に虫みたいな男だとは思いもしなかった。女好きの恋多き男というのが客観的な印象だったのだが、今はハッキリ違うと断じられる。奴は人よりも虫に近い。

 夜、物陰で何者かと会っていたマーリンの声を聞いた。奴の出自であるらしい、夢魔という性質を知り得たのはその時である。他ならぬマーリン自身が語っていたのだ。虚偽ではあるまい。

 女を好むのは、女の生じさせる感情――恋というエネルギーが夢魔にとって『甘い』からなのだという。自分にとっての生きる糧を得るついでに、女が自分へ恋をするように仕向ければ、新鮮な感情を食べられるから恋を演出している。恥ずかしげもなくそう白状した男を私は軽蔑した。

 

「――忠告しておこう。個人に執着してしまった時点で君の物語は完結してしまった。終わりが見えてしまっている、それも最悪に近い形でね。君にはもう彼の行く末を見守る術がない。今の内に手を切る事をお勧めしておくよ。……それが嫌なら芽を遺すんだ、いいね」

 

 何を比べているのか私には分からない。アルトリア達は私の分身に等しい姉妹だ、奴らも私と同じ様に比べられている事へ気づいているだろう。そうした勘の良さは本当に分身じみている。

 私達の明確な違いは、性格だ。バカ真面目で公正なアルトリア、時折ふらりと訪ねてくる魔女に師事する脳天気なリリィ、そして私。性格を除けば私達の能力は概ね類似しているだろう。

 アルトリアは基本的に人の汚いところを見ない。他者の美点に注目する。

 リリィは人の良し悪しよりも自身の感性を優先する。

 故にマーリンの本性へ気づいた様子はなかった。私自身も奴が白状するまで気づきもしなかったのだから無理もない。マーリンの本性を私だけは知ってしまったが、奴の狙いは読めないままだ。

 

 何を比べている? 私やアルトリアに剣術を教え、リリィにだけ名も知らない魔女が魔術を教えているのはなぜだ? 何か大きな流れの中に置かれている気がする。姉妹に相談する気にもなれなかった。

 

 ティンタジェルは、田舎だ。何もないが、平和で長閑な村である。だが私は気づいた。魔術師への猜疑心と嫌悪感が神経を尖らせて、奴の狙いがなんなのかと考えていたから気づいたのだろう。

 何もない田舎……なのに、村の外の情勢に纏わる噂がよく流れてくる。商人や旅人、詩人を通して。――なぜだ? 情報が詳細過ぎる。近隣諸国の王や領主、人々の営み、サクソン人達の脅威、平和が長く続かないだろうという戦争の機運。英雄の武勇譚、偉業……。

 まるでこの村の人と触れ合えば知りたいことはなんでも知れるかのような、そんな雰囲気がある。しかしそれはマーリンが来てから徐々に形になった空気感だ。

 

 そうしてそんな環境だからこそ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()事に気づいてしまった。

 ティンタジェルは――コーンウォールの付近にある。ブリテン王の領地、ブリテン人達の心の拠り所であるコーンウォールの付近にある村がどうして田舎なのだ。

 一度気づいたらもう止められない。

 私は自身の置かれた環境が不自然さの塊である事を悟り、そしてある時旅の騎士に教えられて漠然とした直感を抱いた。旅の騎士に名乗った私に騎士は言ったのだ、『オルタナティブとはまた酷い名前を付けたものだ。それは代案という意味なんだよ』と。

 

 代案。私の名、オルタナティブの意味。

 ティンタジェルではまるで禁忌のように誰も話題にしなかった名前。私は、私が誰かの代案として存在する事を知った。誰の代案なのか? そんなものは自明だろう。――アルトリア以外の誰がいる。

 私は途端に息苦しくなった。ティンタジェルにいてはならない。私はマーリンの寝込みを襲い養父の剣を突きつけ恫喝した。私の名を言えと。するとマーリンはすんなり告げた。

 

「君の真名はオルタナティブ・()()()()()()だ」

 

 ペンドラゴン。その意味を知らないほど世間知らずではない。

 私は養父の剣を取り落とし、逃げるように村を出た。アルトリア達にとにかく此処へ居てはいけないと急き立て、愛犬と共に連れて出たのだ。だが――村を出た私の傍にアルトリア達はいなかった。

 マーリンだ。マーリンの幻術に惑わされたのである。恐らく私は最初からアルトリア達に接触できていなかったのだろう。つまりマーリンはアルトリア達を村から出させるつもりはないという事で――そして私は村に戻る事が何故かできなかった。どれだけティンタジェルの地を踏もうにも、その周囲を彷徨くだけだったのだ。

 

 察してしまう。

 

 ()()()()()()()()()()のだと。

 

 身の危険を感じた私は何も持たずに遁走した。一度も村を出た事のない純粋培養の身で、外の世界に着の身着のまま飛び出すのに不安を覚えなかったと言えば嘘になる。だが弱音を吐くのは嫌だった。

 寧ろよくもやってくれたなと怒りを燃やす。怒りの火で不安を燃やした。いつか目にもの見せてやると決意を固め、意趣返しをする為に気炎を懐く。そうする事で竦みそうな脚に活を入れたのだ。

 宛もなく彷徨うほど私は痴愚ではない。義理の兄の縁を頼ってウリエンスを目指す。付き合いとしてはマーリンの方が遥かに長いのだが、七日そこら共に過ごしただけの王子の方が信頼できたからだ。

 

 他に打算がなかったとは言わない。しかし頼るとしたらあの方だろう。

 

 道中は危険に溢れていた。十歳の小娘が生きていられるほど優しい世界ではなく、魔獣や野盗などが私を狙う事が多々あったのだ。だが私とてただの小娘ではない。守りの面ではアルトリアに譲るが、攻撃という一点に於いては私に軍配が上がる。武器がなくても無限に溢れる魔力を用いて襲い掛かってくる輩を殴り蹴り、撃退していった。

 

 幸いだったのは、私がティンタジェルから出ようとした時に連れていた愛犬カヴァスだけは幻ではなかった事だ。カヴァスはマーリンが来る前にティンタジェルへ迷い込んできた魔獣であり、当時まだ子犬だったカヴァスはアルトリア達よりも私に懐いてくれた可愛い奴である。

 今や私よりも大きな体躯に成長したカヴァスは、私が乗っても問題なく、言うこともよく聞く上に、そこらの魔獣よりもよっぽど強い。私はカヴァスに騎乗して一路ウリエンスへと向かっていく。

 途上で立ち寄った湖で歓待してくれた貴婦人には感謝したものだが、その売女がマーリンと縁深い事を知ると、宝剣と指輪を盗んで逃げ出してやった。大魔術師マーリン様への貢物として頂いていく! という捨て台詞を残して。

 

 意外と手に馴染む()()()()は使い潰してやるつもりでいた。指輪の方には、何やら身に着けた者に随意の姿へ偽る力があるらしい事に気づくと、小娘のままだと野盗に襲ってくれと言っているも同然である為、舐められないように獅子の幻を纏った。

 獅子を選択した理由は、単に私が獅子を好んでいるからである。以前私が風邪で寝込んだ時、義兄が木彫りの獅子を彫って見舞いに来てくれたのが、獅子を好むようになった切っ掛けだったと思う。

 お蔭で変身の指輪を手に入れてからは野盗に絡まれる事もなくなった。

 カヴァスに乗った自分が獅子になっていると思うと興奮してしまったのは、我ながら単純過ぎたかもしれない。目的の地に近づいたところで――強大な竜種と遭遇し、興奮したまま物は試しとばかりに挑んでみたはいいものの、大いに苦戦してしまったのは不覚だった。

 

 そんな折に駆けつけてくれたのは、まさかの尋ね人のユーウェイン殿下である。

 砦に匹敵する巨躯の竜種を、どう見ても尺の足りない異邦の剣で、一撃の下に切り裂いてのけた殿下に私は驚嘆した。強大な竜をも屠った太刀筋は、五年前に手本として示されたものよりも格段に美々しく成り(おお)せており、技の極限が私の目に焼き付いてしまった。

 まるで害獣を始末しただけのように、なんの感慨もなく獅子へと変じているはずの私に向き直った殿下は、胡乱な表情で問いかけてくる。――何をしている、オルタ、と。

 殿下は変身の指輪の幻惑も見抜いてしまったらしい。居た堪れない気分で目を逸らしてしまう。例えるなら別人になりすまし()()()()()いたら、あっさり正体を見抜かれたような気まずさである。

 だが元々殿下を頼って旅して来たのだ。ここに来るまでの経緯を話し、彼に事態の解決を依頼するべきだろうと考え事情を説明する。そうしながら私は殿下の姿を観察した。

 

 私が成長したように、殿下もまた逞しく、しかして端麗な容姿へと成長している。

 背中に垂らされた白髪を鉄輪で括っている様は流麗であり、バルティックアンバーのような琥珀色の瞳は魔性の煌めきを宿している。白皙の甘いマスクはしかし冷たい印象があり、すらりと伸びた四肢は肉食獣の様に靭やかで、嵐の如き激情を凪いだ心で塞いでいるようだ。

 黒太子と渾名されている通りに、金糸の刺繍が施された黒衣を纏い、貴人らしい気品がある。年若い身でありながら呑まれそうな風格を醸しており、肌の白さと正反対の黒衣を身に纏っているからか、全体の清潔さが強調されているようでもあった。

 

 腰に提げている優美な曲線を描いた剣の鞘――装飾はない武骨な拵えなのに風雅な印象が際立ち、殿下の佩剣として相応しい格のようなものを感じる。そうした全体を見渡し、総括した印象は、まさしく世の人間が思い描く理想の貴公子そのものであると言えるだろう。

 美男子の類いに心動かされた事のない私ですら、正視するのは難しい。噂に聞く殿下の事績と功績の数々や、五年前に知った殿下の人柄。まさしく完璧超人としか言い様のない、王になるために生まれたような御人なのだと痛切に感じさせられてしまう。

 

 そうして、私はカヴァスと旅していた理由を説明し終わる。

 すると殿下はこれみよがしに嘆息して、動きは遅いのに反応できないでいた私の頭に拳骨を落としてきた。

 

「――物は試しで竜に挑む奴があるか」

 

 視界に火花が散って、堪らず涙目になる。……なぜ拳骨を落とされねばならない。理不尽だ、義父にも叩かれた事はないのに。と言うより五年前の初対面時を思い出してしまった。

 あの時は私が粗相をしてしまい、殿下に折檻されてしまった気がする。あの時の焼き増しのような光景に、なぜか――頬が緩む。

 

「過ちを犯した子供を叱るのは大人の義務だ。どんな理由があれ軽率に危険を犯すものではない。ましてや歓待してくれた相手の物を盗んだ挙げ句、他人に罪を被せるとは何事だ」

 

 呆れたふうに言った殿下が腰に手を当てる。

 思い出の人に叱られてしまった。言われてみれば当然の正論にぐうの音も出ない。

 生まれて初めて村から出たばかりで、しかも外の世界を旅している高揚と不安で気にする余裕はなかったのだが、盗人に身を窶してしまったのは痛恨である。ここは素直に猛省しよう。

 しかし情状酌量の余地はあるのではないだろうか。

 

「本当に反省しているのか……? しかもその剣――五年前、俺が手放した古人の魔剣(ライヴロデズ)を元に鍛え直した代物だな。オルタの話の通りだとするなら、湖の貴婦人(ニート)共の手に渡っていたのか。銘がなんであるかは聞いているか? ……聞いていない? それもそうか」

 

 どうやら殿下はこの聖剣に見覚えがあるらしい。魔剣から聖剣に転じるとはなかなか数奇な運命を辿っている。というより、殿下のお言葉が正しければ、私は殿下のお古を持っていたようだ。

 意外なほど、悪い気はしない。

 

「ともあれ、無事で良かった。よく俺を頼ってくれたな、その点に関しては嬉しく思う」

「む……」

 

 くしゃりと頭を撫でられて、十歳年上の殿方を見上げる。擽ったくなるほどの慈しみを込められているのが分かるのだが、義父や義兄――それに村の人間にはされた事のない行為に赤面してしまう。思わず視線を泳がせて唇を尖らせてしまった。

 らしくない子供じみた仕草に自覚はなく。微笑ましげにしていた殿下だったが、不意に真面目な表情になって膝を折る。私と目線の高さを合わせてくれた殿下が、私に対して真摯に言った。

 

「お前が村に戻れなくなった理由は()()()。俺もオルタを帰してやりたい。だが間が悪かったな……俺はこれから父上の許へ向かい、王位をお譲り頂く事になっている」

「――殿下は王になるのか? あ、いや……なるのですか?」

「ああ。流石に戴冠の儀を放ったらかしにして、お前を優先してやる事はできない。悪いが暫く俺の許に身を寄せろ。何者も手出しできぬように保護し、暇が出来次第、()()()()()()()()話を付けてやる」

「……分かりました」

「うん、素直でよろしい」

 

 甘く笑む殿下の顔を直視できず俯くと、殿下は立ち上がって背後を振り向いた。

 ご自身で斬り捨てた竜の残骸を見遣り、それからなんでもないように呟く。

 

「――今宵のメインディッシュはドラゴンステーキだな」

 

 涎が出た。はしたないと思うも、仕方ないだろう。

 殿下に美食を振る舞われて以来、渇望していた望みの一つ――殿下の料理をまた食べたいという思いが叶うのだ。しかもステーキ……私の舌にも合う極上の味わいである事だろう。

 殿下も私の味覚と似通っていると以前言っていた。なら、期待値は最高だ。

 

(悪いなアルトリア。殿下の手料理――この私が先に頂く……! 抜け駆けのような形になったが不可抗力だ。恨むなよ……!)

 

 リリィに対しては、少しも悪いとは思わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  †  †  †  †  †  †  †  †

 

 

 

 

 

 

 

 

 ばちぱちと薪が鳴る。

 

 勇猛で以て鳴らすベルセルクル騎士団の面々が、殿下の指示の下で竜を解体し、余った肉や骨、内臓や鱗などを殿下が亜空間に仕舞い込んでいく。その亜空間から大きな鉄板や材料を取り出し、殿下が袖を捲って調理を開始した。竜の尾身を使ったステーキだ――その宣言に騎士団が湧く。

 材料は宣言通りの竜の尾身と、竜の皮の脂、()()と岩塩にワイン、石のように固いパンである。大きな鉄板に火を通して竜の脂を引き、鍋に入れたワインを沸かしてアルコールを抜いた後、竜の尾身を浸して味を吸わせ、鉄板に乗せて焼き始める。

 固いパンの表面には、別の鍋で湯がいていた竜の骨で出汁を取ったスープを吸わせて味と水を滲ませる。そうして焼き上がった肉をスライスして、火から上げてスープを抜いた空の鍋の中に寝かせる。時間にして百八十秒ほどだ。このインターバルを挟めばよりジューシーな味わいになるらしい。そうして寝かせた肉をパンに挟めば出来上がりである。簡素だがドラゴンステーキサンドという立派な料理だ。

 

 全員に『ドラゴンステーキのサンド』と麦酒が行き渡ったのを見た殿下が、乾杯! と合図を出す。すると騎士達は各々に歓声を上げてサンドに食らいつき、堪らんっ! と感動を味わう。

 私の手元に麦酒はないが、純度百%の真水というだけでも飲料水としては上等極まる。寧ろこれほどおいしい水は飲んだ事がない。サンドを口に運ぶ。口を開いて、噛み付く。――途端に広がるジューシーな肉汁、芳醇な肉の味わいに私は目を見開いた。

 

「旨いっ!!」

 

 ギョッとする騎士の面々に気づく事なく私はドラゴンステーキに舌鼓を打った。

 

 傍から見ると黒獅子が急に人語で叫んだように聞こえたのかもしれない。だがそんな些事に気を配る余裕はなかった。待望の瞬間なのだ、全ての神経は味覚に傾けられている。

 すぐ傍で肉を貪るカヴァスと同じように、私ははしたなくサンドを食らう。殿下も私の健啖ぶりを覚えていてくれたのか、皿には山のようにサンドが積まれていた。平らげる度に更に手を伸ばし、次々とサンドを胃に収めていく。

 竜の肉をたらふく食った魔犬カヴァスの魔力が肥大していく。だがそれがなんだというのか。全く以てどうでもいい。沢山食べて大きくなれよと思うだけで、私は無尽蔵の感謝を殿下に捧げた。

 私は思った。もう故郷に帰らなくてもいいのではないか、と。たまに気が向いた時だけ帰郷するに留めて、殿下に奉公する形で仕えればいい。侍女だろうが近衛騎士だろうが殿下の傍にいたい。

 

 美味しいご飯がお腹いっぱいに食べられる――これほどの幸福があるだろうか?

 

 しかも殿下の許で働けば、それだけ早く平和が訪れるだろう。世のため人のためになるとなれば、彼に仕える事に抵抗はまるでない。加えて言うと、殿下ほどの剣の使い手も他に知らないのだ。彼に師事すれば私は誰よりも強くなれる気がしてならない。

 強くなれる、世のためになる、人のためにもなる、ご飯も美味しい。更に殿下ご自身のお人柄も大変好ましいと感じていた。考えれば考えるほど殿下に仕えないという選択肢はなくなっていく。

 

「殿下! 私は決めたぞっ!」

 

 サンドを一つ残さず完食した私は、久しく覚えていなかった満腹感に満たされつつ、宴会で馬鹿騒ぎをしている騎士団を尻目に月見などをしている殿下の許へ駆け寄った。

 岩の上に座っていた殿下に、私は宣言する。

 

「殿下のお傍に終身雇用を希望する! 末永くよろしく頼みたい!」

 

 それに。殿下は失笑気味に鼻を鳴らした。

 

「大人になって出直せ、小娘」

 

 

 

 

 

 

 

 




面白い、続きが気になると思っていただけたなら、感想評価等宜しくお願い致します。

ちなみに本作に適用するかはともかく、一応皆さんの好みな傾向を知っておきたいと思ったのでアンケートをば。
アンケートという形ですが、本作に適用されるかは未定です。ので、お気軽にお答えくださいませ。こちらも併せて宜しくお願い致します。

オルタの姿はどちらがお好みです?

  • 聖剣の黒王
  • 聖槍の下乳上
  • どっちも好き!優劣はない!

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