獅子の騎士が現代日本倫理をインストールしたようです   作:飴玉鉛

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繋ぎ回。
感想たくさんありがとです(カタコト)
困った時のマシュ先生――ではなく、別の人に冒頭出演して貰いました。




65,イングランド統一戦争 ⑤

 

 

 

 

 

 

 西暦203■年、某所

 

 

 

 ――あらぁ……時間が余っちゃったね。余ったのは……15分か。……半端な時間だなぁ。こういう半端な時間だとどうするか迷っちゃうんだよ。うーん……どうしよっか。みんなはどうしたい?

 

 ……よし。ここから先は定期試験には全く関係ない、個人的な趣味の解説に宛てよう。

 離席しても咎めないから、興味がなかったら適当に聞き流してもいいし、なんならトイレ休憩に入ったって構わないよ。ただ聞いてても退屈させない事は約束する。フジマル先生を信じて。

 では……コホン。皆様お立ち会い、リツカ・フジマル大先生の歴史薀蓄ぅ〜兼! なんちゃって神話小噺の時間だよぉ〜! ……あ? 「無理すんな三十路越えババア」だと? なになになに、単位落とされたいのキミ。ケルト式折檻術でブチころがすぞ? お?

 好きな人に構ってほしいムーブをするキッズは無視して始めるね。後世の人達には誤解されていることの多い、中世期の戦争事情の一つに『戦術の有無』があるんだけど、みんなは知ってるかな?

 

 史書に詳しかったらまず有り得ないんだけど、多くの人が偏見を持ってるんだよ。『中世ヨーロッパの戦争だと、騎士と騎士の一騎打ちという儀礼を経た後で、両軍が正面から突撃して戦う、前時代的で稚拙な戦闘しかしていないんだ』っていう――そんな誤解をさ。

 

 もちろん、そんな事は有り得ないからね。

 

 戦争っていうのは殺し合いで、他者の財産を奪う略奪行為なんだ。相手に勝ちたい、相手の物を奪いたいという欲望が人間には少なからず備わっていて、実現する為に知恵を絞った結果、戦術が考案されるのは自明でしょ? 戦術とは如何にして相手を出し抜き、上回るかに終始するもので――そこから枝分かれして被害を抑える戦術もあるけども――そうした狡賢さこそが人間の武器なんだ。人間が争う生き物で、欲望を満たすために創意工夫をする習性がある以上、命の掛かった戦争で創意工夫の別名である『戦術』を練らないなんて有り得ないわけなのだよ、諸君。

 

 では何故、中世期のヨーロッパの戦争だと、戦術もクソもないなんて誤解が後世へ広まっているのでしょーか?

 

 一つの答えとして映画や漫画、小説などのサブカルチャーで誤った知識が浸透してしまったというのもある。全員が全員そうだとは限らないけど、創作者はえてして退屈な真実を改竄し、爽快な偽りを語るもので、創作物が多くの人を楽しませる為の物である以上は仕方のない側面もあるね。でも――敢えて他にも答えを挙げるとしたら、中世初期の『騎士王伝説』を取り扱った物語群に原因があると私は思ってる。個人的に。

 

 騎士王伝説。聞いたことはあるでしょ? 今一番ホットな話題なんだしさ。

 簡単に概要をまとめると、それは千五百年の時を跨いでもなお、燦然とその名を輝かせる伝説だ。昨今『実は史実に近い物語なのでは』って、世界中から再注目されてるんだよね。

 あ。勘違いしないでよ? 確かに私の後輩には騎士王伝説フリークがいるけど、私はその子ほどじゃないから。私は神話全般分け隔てなく好きだし。

 

 で、なぜこの伝説によって『中世初期、または中世全期の戦争では、ろくに戦術が練られていない』という誤解が広まってしまったのかというと。この伝説中で語られる戦争シーンのほとんどで、ユーウェイン王指揮下のブリテン軍は正面突撃しかしてないんだ。

 円卓の騎士を率いての吶喊。ガシッ! ボカッ! 敵は死んだ――っていう流れが結構な頻度であって、ホントに突撃するだけで勝ててしまうぐらい円卓が強かったから笑うしかないよね。

 そのせいでイケイケな空気ができて、特に何も考えないで戦っても騎士は勝つのだ、みたいな風潮ができちゃったんだ。正義に拠って立つ騎士は小細工なんかしなくても勝てるし、なんなら策を弄するのは卑劣な輩のする事だってイメージが、円卓勢の活躍のせいで蔓延したの。

 

 で、それが物語的に凄く映えるのなんのって。

 

 英雄が凄い活躍をする、これは物語で欠かせない盛り上がるシーンだよね? だから後世の創作家が中世をモデルに世界観を練ると、正面からの決戦で敵を倒すというのが王道になったわけで、中世期の戦争は単調でつまんないっていう層も醸成されていったんだ。

 

 そしてここからが私の薀蓄。あんまり知られていない――というか世界中でも現在、知ってるのは私と私の後輩、後は特定の学術機関の人達ぐらいなものなんだけど、特別に教えて上げるとね。

 実は。実はこの『騎士は正々堂々真正面から戦ってなんぼ』という風潮は、ユーウェイン王が意図的に広めたものだというのが判明してるんだ。

 ふっふっふ……どういう事? って興味持ったでしょ。私は本人からその話を聞いたんだよ? なので信憑性は折り紙付きなのだ。……え? 「一気に嘘臭くなった」ぁ? ホントなんだけどなぁ。

 ま、冗談はさておくとして。

 なぜユーウェイン王はそんな風潮を作り上げ、騎士のイメージを固めたのかと言うと……あ、重要史料として保存されてる、王様の日記にも書かれてる事だからね? ホントのホントな話だから。

 

 こほん。

 

 ユーウェイン王がブリテンを治めていた当時の騎士はね、野盗か何かなの? って言いたくなるぐらい野蛮で、下品で、下半身に脳味噌付いてんのかってぐらい盛ってた上に、戦いになったら民衆から物資を略奪するのが当たり前な……時代的にはありふれていても、騎士という存在に相応しくない行為が横行してたんだ。当時のブリテン王国では、主要な戦力が騎士階級だった事もあって、ユーウェイン王は騎士の品行を正す為に『正々堂々とした騎士』というイメージを広めたらしいよ。それが騎士道で、こんにちの紳士思想の根幹になってるっていうのは面白いでしょ。

 騎士とは斯く在るべしと示して、ユーウェイン王は『どうだ? こうした方が格好いいだろ?』てな具合で男心を擽ったんだって。結果ユーウェイン王以後の時代でも、これが格好いい! って影響されちゃって……皆の持ってるだろう騎士のイメージが確立されたわけ。

 

 でも後世の騎士は戦術を練ってます。そりゃ負けると分かってて正面から戦えちゃうおバカ……失敬、脳天気な人ばかりじゃないからね。勝つための作戦を考える人はたくさんいた。

 細かいところは省くけど、騎士王伝説という騎士の花形の物語で、大々的にやらかしてしまっているから、『中世期の戦争で戦術なんか無い!』って多くの人を誤解させてしまったわけなのだ。

 

 でも。ユーウェイン王に関して詳しい人なら知ってると思うけど、そんな騎士像を築き上げた当のユーウェイン王は、意外なほど戦略的かつ戦術的な行動を取り続けていたんだ。

 どこで? って思うかもね。ユーウェイン王ってば円卓の騎士を率いての正面突撃してばかりじゃん、って首を捻っても仕方ない。単純にそれだけで勝てちゃうほど()()()()に強いんだけど、よくよく物語を紐解いていかないと見えてこないんだよ。

 

 分かる人いる? ……いない? ならお教えして進ぜよう!

 

 ユーウェイン王がブリテン王になってから初の戦争は、ブリテン統一戦争です。ブリテン人の陣営を統一する為、自身に歯向かう諸王を討伐する為に起こした戦争だね。

 この時の総大将は大剣の騎士シェラン卿――以後の戦争では影が薄いけど、公爵な上に畜産関連の重要人物なんで仕方ないね。当時のブリテン王国の食糧事情的に生命線だったわけだし。

 本人は滅茶苦茶強くて頼りになる人だったらしくて、おまけに地味に指揮官としても優秀ではあったみたい。彼の活躍で電撃的にブリテン人の統一は成されたわけなんだけど……実はこの時、王様から何度も指示が飛ばされているんだ。伝説内の書簡の遣り取りも隠喩に富んでいて、読み解くのは楽しいんだけど、一々講釈垂れてる時間はないから簡単に説明するとね――

 

『Aを攻撃したらBに移動し、Bを素通りしてCからDの国に侵入、Bの背後に回れるからBを軽く攻撃。そうするとAとBは混乱するから、戦力で劣るDを先に倒してしまえ。Cは腰抜けだから静観してくるだろう、故に無視しろ。Dを倒したらAとBを纏めて倒せ。その後にCだ、静観し勝利した側に付こうとする風見鶏は縊り殺せ』

 

 ――と、そんな具合。かなり要約したけど。

 

 注釈するとAを誘引して、ブリテン王がAと戦うものだと思って油断していたBの所に雪崩込み、AとBを敵同士と誤認させ同士討ちさせた。そうしてその隣のCを素通りしてDを打倒し、AとBが弱っている内に両方を倒したの。Cに関しては完全に消化試合なんだけど、全ての戦いでシェラン卿は攻撃時には正面突撃しかしてない。だけど突撃するに至る過程で、必ず自分達が勝てるタイミングを作ってるんだ。ユーウェイン王が指示して、完璧に実行したシェラン・アッシュトン卿の勝利にはそういう背景がある。これって戦略だよね? 戦術行動をきっちり取ってる。脳死戦法なんか取ってないんだ。

 そしてその次のイングランド統一戦争――これに関しては小細工抜きの正面決戦になっていて、騎士王伝説の大一番の一つに数えられているね。この戦いが余りに映えたものだから、騎士の戦いという物への偏見が深まってしまったんだけど……ユーウェイン王の手記からとんでもない事実が明らかになったんだ。

 

 ずばり、イングランド統一戦争は、完全にプロレスだったんだよ。

 

 ブリテン王国とウェセックス王国は、密約を結んでルールを決めていた。会戦でどちらかの勝利が決定的になるまで戦って、敗けた側が相手に土地を譲り渡すってシナリオもね。

 ブリテンが勝てばウェセックスはブリテン島から退去。ウェセックスが勝てばブリテンは降伏、もしくは退去。敗戦時には国民を誘導する為の数を用意する為に、互いの動員力は制限されていた。今の時代だと信じられないけど、当時ならできなくはないってルールだね。

 それでも相当無茶なルールなんだけど、どうしてこんなルールを結んだのかに関してはウェセックス王国側――サクソン人側がユーウェイン王に対して、言葉は悪いけどビビってたみたいなんだ。

 けどなんでユーウェイン王にビビっていたのかに関しては、まだよく分かっていないみたい。伝説内だとユーウェイン王の武勇に恐れをなしていたとは記述されているけどね。真相は闇の中、まだまだ謎の多い当時の歴史だけど、イングランド統一戦争の後も戦いは続いてる。

 

 そろそろ時間だし、今回の薀蓄はここまでにするけど、次があればイングランド統一戦争後の事について触れていきたいなって思うよ。……え? イングランド統一戦争での目玉の戦い?

 

 未だに存在自体が謎なピクト人の王様と、ユーウェイン王の一騎打ちかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  †  †  †  †  †  †  †  †

 

 

 

 

 

 

 

 

西暦203■年、某所

 


 

西暦485年、ベイドン山の戦い

 

 

 

 

 

 

 

 

  †  †  †  †  †  †  †  †

 

 

 

 

 

 

 

 

 雨が降っている。

 遠方に水の暗幕を垂らしているかのような、先が見通せない土砂降りだ。

 

 ――ローマ帝国時代の城壁である、ハドリアヌスの長城付近にあるベイドン山の麓。後の世ではボウデン丘と呼称される事になる地にて、両軍は雨天にも関わらず対峙していた。

 

 緑の肌の傭兵達の肌を雨粒が叩く度に、微かに蒸気が立ち昇っているのは、彼らの体温の高さが異常な域にあるのを物語り、ピクト人の傭兵らは王の号令を今が今かと待ち構えていた。

 対し、サクソンの兵の面構えは、硬く厳しい。瞳に恐れはあれど、目の光は死んでいなかった。ほう――と感心したように、聞こえるはずのない吐息を溢したのはブリテン軍の首領である。

 

『驚いたな……よもや士気を保っていようとは。守護神である白竜を失えば、サクソンの男どもは腑抜けに堕ちるものと思っていたのだが』

 

 叛逆の騎士――否、竜騎士アンジェラは天の頂から落ちてきたような声に、唇を引き結ぶ。

 

 恐るべき神代の魔王よ、終わりゆく幻想の総決算よ。鎮火する寸前の蝋燭の火の如く燃え上がった、神秘の窮極たる末世の君――能うならば今すぐ尻尾を巻いて逃散してしまいたい。

 だが、為らない。それだけは、しては為らない。

 王族に生まれ、姫と持て囃され、愛され、敬われ、民の汗と涙の結晶たる税で育まれた。高貴なる者の義務を背負い、しかして女の身でありながら武人として鍛錬を積めたのは、父なる白竜の威光があったからであり、アンジェラは一切の錯誤なくそれを理解していた。

 好きに生きてきた。望むままに振る舞ってきた。女らしさを捨て、男勝りの騎士のように。家庭を作るよりも手に豆を作って、子を産み血脈を繋ぐよりも敵の血を流した。そしてそんな己を、民は、戦士は、兵は――そして従兄である王は愛し、認めてくれた。

 

 報恩の時である。アンジェラという人間が、アンジェラで在るままに生きられた、満たされた人生に誇りと義理を通す為に、決して逃げてはならぬと覚悟していた。――地球という惑星に発生した幻想という巨星を打ち落とす為に、打算ありきで交わった男を想う。

 フアイルよ。ただただ理解の埒外に棲む理外の獣よ。俺という女は、お前の暴を利用する。アンジェラは密やかに独白し、そして絆されて愛してしまった男を、獣から人にした罪過から目を逸らした。

 上空に浮かぶ魔王の城。撃ち落とせるのは己や卑王、そしてフアイルのみ。だが易々と落とさせてはもらえまい。死力を尽くしてやっと可能性が見えてくるかもしれない、そんな絶望の具現だ。

 

「――侮っていたらしいな、俺達サクソン人を。ならそのまま侮っていてくれないか? 頼むよ、強壮なるブリテンの王様。俺のような手弱女が総大将なんだ、少しは手心を加えてくれ。そしてそのまま、俺たちを舐めたまま死んでくれ……なあ、ブリテン王ユーウェイン!」

 

 精一杯の虚勢を張る。皮肉ぶって嗤う。

 大胆不敵に嘲笑い、アンジェラは腹の底から大音声を張り上げた。

 すると、愉快げな笑い声が木霊する。辺り一帯を圧する、重力が倍増したかのような威の重圧であった。黒王が、笑って称賛しているのだ。サクソンを、そしてアンジェラを。

 強さという基準で一定以上の武を具えた者のみが知覚できる、物理的な圧力は。アンジェラの肩を上から押さえつけ、跪かせようとしているかのような錯覚となって襲い掛かってくる。

 さながら神霊を前にしたかの如き、畏怖と戦慄、感動と信仰に似た心地だ。気を抜けば腰砕けになりそうな威圧感を、満身の気合で耐え抜いて。アンジェラは毅然と上を見る。

 

 黒王は、笑いながら言った。

 

 

 

『自らを手弱女と称するには勇猛が過ぎるな、サクソンの竜公よ。私の騎士は貴公の武勇を、先の戦いで存分に堪能したと聞く。――返礼を贈ろう、白竜の遺児アンジェラ。此度の戦では我が騎士らの刃鋼(はがね)を味わうといい。遠慮は無用だ。貴公らの死後の世界(ヴァルハラ)へ旅立つ前に喰らえば、鋼の硬さも存外味わい深いと感ぜられるやもしれん』

 

「ハッ……請われてしまったのなら仕方ない。遠慮を知る奥ゆかしい俺だが、今回ばかりは馳走になるとしよう。ご自慢の騎士様達を、一人残らず平らげてやるさ」

 

『がめつさを前面に出すようでは、当国の社交界に参じる資格はないが……結構。痩せ犬の如き粗略さに免じ、多少の無礼を特に赦す。私は寛大だ、恩赦を与えよう――我が国土を荒らす夷狄共よ、昏々と屍を晒せ。ゆるりと眠る安寧のみが、私から贈れる唯一の餞と知るがいい』

 

 

 

 ブリテン軍の兵力は、僅かに250名ほど。しかしてその陣頭に立つのは、誰をとっても一騎当千の強者たる円卓の騎士である。

 金髪碧眼の小柄な少女王を中心に。両脇を漆黒の騎士と、純白の魔術師が固め。その背後に夢魔の魔術師が控えている。左右に広がるのは聖匣の騎士ベイリンと、魔槍の騎士ラモラックだ。騎士隊を率いる円卓の王らの下に、日輪の騎士アイアンサイドや、太陽の騎士ガウェインなど、錚々たる顔触れが揃い踏みとなっている。

 

 アンジェラは目を細めた。羨ましくなるぐらい、味方なら頼りになる戦力だろう。こちらも負けてはいないと思うものの、不公平ではないかと内心毒吐きたくなった。

 

 数瞬、空を仰ぐ。チクショウ、死にたくないな――覚悟はしていても、怖いものは怖い。微かな震えが四肢から力を奪う。

 だが、アンジェラの肩に、大きな手が置かれた。

 フアイルだ。黒王に匹敵し得る、もう一つの巨星。男は女を見る事もせず、ただ前を見て戦意を溜めていた。この男らしくもない静けさで、一歩女の前に出ると、断頭刃を天高く掲げた。

 

「オレ、任セロ。アンジェ、オレ、守ル」

「――ああ。頼りにしている。だから、頼むよ」

 

 公人としては、騎士王と相討って死んでくれと思う。もし運良くブリテンとの戦いで勝てたとするなら、後々の統治でピクト人のような存在は邪魔にしかならない。

 だが私人としては――憎めない。死ねとは思えない。

 複雑な想いを胸に、アンジェラは微笑んだ。強き男が傍らにいてくれる事の頼もしさは、弱気になりかけていたアンジェラに大いなる勇気を与えた。

 

 前と同じだ。とにかく敵軍の英雄級を狩り殺す。それだけでいい。――並び立つ雌雄一対の猛者達の前に、鎖に繋がれて引っ立てられて来ていた老人が今、戒めを解かれた。

 

 老人は古王ウーサーの弟であるヴォーティガーンだ。老人は自棄になったように叫び、魔竜へと変身する。それを目の前にしながら、願った。

 

(神よ。ヴォーティガーンが討たれるまでに、俺に充分な時間をくれ――俺が敵を殺し尽くせるだけの時間を――)

 

 アンジェラには分かっていた。

 騎士王が最も先に殺す対象として、魔竜に狙いを付けるだろう事が。

 故に、強大なはずの魔竜を、アンジェラは囮として用いる事にしたのだ。

 時間制限以内に、どれだけ削れるか。そこに全てが掛かっている。

 

 

 

 

 

 

 

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