真・仮面ライダー-----終章-----『仮面ライダーワールド序章(プロローグ)』   作:狼と踊る男

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~新訳版2章~『ヒーリングっど♡プリキュア』
新訳版1話『やってきた世界……敵は仮面ライダー!?』


 

のどか「うわぁっ~~!? ふあっ!? いったたた……」

 

まばゆい光に飲み込まれたと思った次の瞬間、花寺のどかは背中から地面に落ちていた。

 

柔らかな草の上だったことが幸いしたのか、痛みはあるものの大きな怪我はない。

 

ラビリン「のどか! ラテ様! 大丈夫ラビ!?」

 

のどか「うん。私は何とか……ラテは?」

 

のどかは慌てて腕の中のラテを見る。

 

ラテは小さく体を震わせた直後、苦しそうにくしゃみをした。

 

ラテ「くしゅん!?」

 

のどか「ラテ!?」

 

ラビリン「この症状は、メガビョウゲンが現れた時の症状ラビ!?」

 

のどか「また!? とにかく聴診器を……!」

 

のどかが聴診器をラテに当てる。

 

すると、ラテの心の声がかすかに聞こえてきた。

 

ラテ「……あっちで、大きなバッタさんが苦しんでいる……」

 

のどか「大きなバッタさん?」

 

ラビリン「のどか!!」

 

のどか「うん。考えるのは後だよね。行こう!!」

 

のどかはラテを抱き直すと、ラテが示した方角へ走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少しだけ遡る。

 

のどか達が現れた場所から、そう離れていない森の中。

 

そこに一人の青年がいた。

 

青年の名は、『瀬川 耕司』(せがわ こうじ)。

 

自然を愛する男であり、今はこの山の生態を調査するため、カメラを構えて木々や草花を撮影していた。

 

???「J!!」

 

突然、耕司へ声がかかった。

 

声の主は人間ではない。

 

耕司の肩へ飛び乗ったのは、一匹のバッタだった。

 

耕司「ベリー!!」

 

ベリー「久しぶりだ、J」

 

耕司「怪我はもういいのか?」

 

ベリー「もう平気さ。心配をかけた」

 

このバッタの名は、ベリー。

 

地上と地空人の世界を行き来できる、不思議な存在である。

 

耕司にとってはただのバッタではない。共に地球を守る戦いを知る、大切な友だった。

 

二人が再会を喜んでいた、その時だった。

 

何の前触れもなく、一人の少年が森の中に現れた。

 

少年「……」

 

耕司「子供……?」

 

ベリー「J。油断しない方がいい。彼からは邪悪な気配を感じる」

 

少年「へぇ。やっぱり分かるんだ? 流石に地空人の使者だな」

 

ベリー「何故そのことを知っている!? お前は誰だ!?」

 

少年は薄く笑った。

 

ダルイゼン「俺はダルイゼン。ビョウゲンズって言えば分かるよな?」

 

ベリー「何!? ビョウゲンズ!?」

 

耕司「ビョウゲンズ? ベリー、彼は一体……」

 

ダルイゼンの視線が、耕司へ向く。

 

ダルイゼン「ひょっとして、そいつがJ? だったら丁度いいや」

 

少年はゆっくりと手を上げた。

 

ダルイゼン「進化しろ。ナノビョウゲン」

 

黒い病の粒子が耕司へ放たれる。

 

それは避ける間もなく耕司の体へ入り込んだ。

 

耕司「ぐっ……うあぁぁっ!?」

 

ベリー「J!!」

 

耕司の体が苦しげに震え、次第に巨大化していく。

 

人間の姿は歪み、黒みを帯びた緑色の巨人へと変貌した。

 

大きさは四、五メートルほど。

 

姿は仮面ライダーJに似ていた。

 

だが、口元はギザギザに裂け、常に口を開いているような異形へ変わっている。

 

それは、Jの力を取り込んだメガビョウゲン。

 

仮に名付けるならば、Jメガビョウゲン。

 

Jメガビョウゲン「メガァァ……」

 

その口から、赤黒い光線が放たれた。

 

光線が地面へ直撃すると、草木が一瞬で黒ずみ、腐敗していく。

 

ベリー「森が……大地が……地球が死んでいく……やめてくれ、J!!」

 

Jメガビョウゲン「メガッ!!」

 

放たれた衝撃波がベリーの近くへ着弾した。

 

軽い体は簡単に吹き飛ばされてしまう。

 

ベリー「うわぁっ!?」

 

そのベリーが転がった先に、ちょうどのどかが駆け込んできた。

 

のどか「見つけた!! メガビョウゲン!! うわぁっ!? びっくりした!? ……バッタ?」

 

足元に転がってきたバッタが、弱々しく顔を上げる。

 

ベリー「君は……?」

 

のどか「しゃ、喋った!?」

 

ラビリン達と出会っているのどかでも、さすがに喋るバッタには一瞬驚いた。

 

だが、視線の先で暴れているJメガビョウゲンを見た瞬間、その表情は引き締まる。

 

ベリー「逃げろ!!」

 

のどか「逃げないよ!!」

 

のどかはラテを木の根元にそっと下ろし、ベリーもそのそばへ移した。

 

そして、Jメガビョウゲンへ向かって走り出す。

 

ラビリン「スタァートォ!!」

 

のどか「プリキュア!! オペレーション!!」

 

ラビリン「エレメントレベル!! 上昇ラビィ!!」

 

『重なる二つの花!!』

 

グレース「キュアグレース!!」

 

ラビリン「ラビィィ!!」

 

ベリー「プリキュア!? まさか、あの伝説の……?」

 

キュアグレースはJメガビョウゲンの前に立った。

 

その瞬間、Jメガビョウゲンが巨体に似合わぬ速さで距離を詰める。

 

振り下ろされた拳が地面を叩き、白い砂煙が舞った。

 

だが、グレースはその煙の中から飛び出していた。

 

Jメガビョウゲンの右腕を足場にして空中へ跳ぶ。

 

グレース「はあっー!!」

 

空中からピンクの光線を放つ。

 

しかしJメガビョウゲンは左腕でそれを受け止めた。効いている様子はない。

 

グレース「だったら……!」

 

着地と同時に、Jメガビョウゲンの左、右と続く拳をかわし、再び跳躍する。

 

グレース「はあぁー!!」

 

急降下キック。

 

さらに空中で体をひねり、続けて拳と蹴りを叩き込む。

 

だが、Jメガビョウゲンはびくともしない。

 

今まで戦ってきたメガビョウゲンとは、明らかに強さが違っていた。

 

Jメガビョウゲン「メガ!!」

 

グレース「ふっ!!」

 

Jメガビョウゲン「メガァァ!!」

 

グレース「うわぁっ!? がはっ!?」

 

宙にいたグレースへ、Jメガビョウゲンの左腕が叩きつけられる。

 

プニシールドを張る間もなかった。

 

グレースは背中から地面へ叩き落とされ、小さなクレーターを作る。

 

ダルイゼン「今回のメガビョウゲン、メチャ強いじゃん。いいよ。そのまま止めさしちゃって」

 

Jメガビョウゲン「メェェェッ~!!」

 

Jメガビョウゲンは倒れたグレースへ拳を振り上げた。

 

グレース「ぅぅっ……」

 

避けられない。

 

咄嗟に目を閉じる。

 

だが、拳はグレースの体を砕かなかった。

 

グレース「……ぇっ?」

 

恐る恐る目を開ける。

 

Jメガビョウゲンの拳は、グレースのすぐ横の地面に突き刺さっていた。

 

自分を狙っていたはずの攻撃が、わずかに外れていた。

 

一同が唖然とする中、Jメガビョウゲンが頭を抱えて苦しみ出す。

 

Jメガビョウゲン「メ、メガァ……!」

 

グレース「どうなってるの……?」

 

ラビリン「グレース!! 今の内に!!」

 

グレース「分かった!!」

 

『キュアスキャン!!』

 

グレース「……見つけた!! ……あれ?」

 

ラビリン「エレメントさんじゃないラビ?」

 

グレース「でもこれって、人間でもなさそうな……」

 

その時、ベリーが必死に叫んだ。

 

ベリー「プリキュア!!」

 

グレース「えっ?」

 

ベリー「お願いだ!! 早くJを救ってくれ!!」

 

グレース「J?」

 

ベリー「あの怪物の中で、JがJパワーを放出して怪物の力を押さえ込んでいるんだ!! Jの力がなくなってしまう前に早く!!」

 

ラビリン「グレース!!」

 

グレース「うん!!」

 

Jメガビョウゲン「メガッ!? ……」

 

グレース「待ってて!! 今、助けます!!」

 

グレースはヒーリングステッキを構える。

 

グレース「エレメントチャージ!!」

 

ラビリン「キュンキュンキュン!! ヒーリングゲージ上昇!!」

 

グレース「プリキュア!! ヒーリング!! フラワァァーー!!」

 

花の光がJメガビョウゲンを包み込む。

 

苦しげな巨体の中から、何かが解き放たれていく。

 

Jメガビョウゲン「ヒーリングッバイ……」

 

『お大事に』

 

浄化の光が収まると、巨人の姿は消えていた。

 

代わりに、光に包まれた耕司がゆっくりと地面へ降りてくる。

 

光が晴れるのと同時に、ベリーが耕司の胸へ飛び込んだ。

 

ベリー「J!!」

 

耕司「ベリー!!」

 

ベリー「無事で良かった!!」

 

耕司「心配かけたな……」

 

グレース「人間……?」

 

耕司はグレースへ向き直った。

 

耕司「君が助けてくれたのか?」

 

グレース「あっ、いえ!! 私も助けられたみたいですし……」

 

少しだけ和らいだ空気。

 

しかし、それを見ていたダルイゼンはつまらなそうに肩をすくめた。

 

ダルイゼン「何だ? またやられたのか? いいメガビョウゲンだったんだけど……ん?」

 

ふと、ダルイゼンが別の方角を見る。

 

それはベリーとラビリンも同じだった。

 

空から、黒い影が猛スピードで迫ってくる。

 

影は奇声を上げながらグレースへ襲いかかった。

 

コウモリ男「クェェェッッ~~!!」

 

耕司「危ない!!」

 

耕司が咄嗟にグレースを押し倒す。

 

黒い影は二人の上をかすめるように通り過ぎ、地面へ降り立った。

 

それは、人間ほどの大きさを持つ黒いコウモリの怪人だった。

 

ダルイゼン「あいつは確か……コウモリ男だっけ? まぁいいか。後はあいつに任せるか」

 

何故かその正体を知っているような口ぶりで、ダルイゼンはそう呟いた。

 

そして、瞬間移動でその場から消える。

 

グレース「あれもメガビョウゲン!?」

 

ラビリン「あれは違うと思うラビ」

 

グレース「やっぱり? でも、やるしかなさそうだね……」

 

グレースが再び構える。

 

だが、耕司がそれを止めた。

 

耕司「待て!!」

 

グレース「止めないでください!! あれは普通じゃないんです!!」

 

耕司「分かってる。だからこそ、今度は俺に任せてくれ」

 

グレース「えっ? あなたに……?」

 

耕司「あぁ」

 

コウモリ男「クェェ~~!! クェクェ!!」

 

耕司は一歩前へ出た。

 

そして、静かに構えを取る。

 

耕司「変身!!」

 

その体がまばゆい光に包まれた。

 

次の瞬間、そこに立っていたのは、先ほどメガビョウゲンの中に見えた姿。

 

耕司のもう一つの姿。

 

J「仮面ライダーJ!!」

 

Jは右手で「J」の形を作り、コウモリ男へ構えた。

 

グレース「変身した……? それにあの姿、キュアスキャンで見た時の……一体どうなってるの?」

 

Jは答えず、ただコウモリ男へ歩み出した。

 

最初はゆっくりと。

 

そして数歩進んだところで速度を上げる。

 

低空ジャンプで一気に距離を詰めると、コウモリ男と組み合った。

 

J「……とおっ!!」

 

右ストレートがコウモリ男の腹部へ突き刺さる。

 

コウモリ男「ヒィィ~~!?」

 

J「ふんんん~~……とおっ!!」

 

続いて、力を込めた左ストレートがコウモリ男の顔面を撃ち抜いた。

 

コウモリ男は後方へ吹き飛ばされ、背中から地面へ叩きつけられる。

 

Jは構えを解かず、立ち上がろうとする相手を見据えた。

 

その瞬間。

 

J「んっ!? ……うぅっ!?」

 

Jの周囲に、緑色の雷が降り注いだ。

 

雷は次々と地面を穿つ。

 

Jは何とか避けるが、その数も勢いも凄まじい。

 

グレースは迷わず走った。

 

Jのそばへ飛び込み、ヒーリングステッキを高く掲げる。

 

ラビリン「プニシールド!!」

 

ピンク色の半透明の光が、Jとグレースを包み込む。

 

雷が数発、シールドへ直撃した。

 

それでもシールドは砕けず、二人を守り抜く。

 

やがて雷が止む。

 

空は晴れ、あたりは静かになった。

 

グレースがシールドを解くと、近くにいたはずのコウモリ男の姿は消えていた。

 

グレース「逃げられたみたいですね」

 

J「あぁ……」

 

グレース「ん?」

 

足元に何かが当たった。

 

グレースが拾い上げると、それは見たことのないヒーリングボトルだった。

 

黄緑色のボトル。

 

そこには「J」の文字が刻まれている。

 

グレース「このボトル、いつの間に?」

 

ベリー「それは恐らく、Jの力が秘められたエレメントボトルだ」

 

グレース「Jさんの?」

 

ベリー「さっき君がJを浄化してくれた時、一緒に生成されたのだろう」

 

その時、ラテが弱々しく鳴いた。

 

ラテ「くぅ~ん……」

 

グレース「ラテ!? まだ具合が……」

 

ベリー「グレース。さっきのJのエレメントボトルを使ってみてくれ」

 

グレース「分かった。ラテ、これで元気になって」

 

グレースはJのボトルをラテの首に取り付けた。

 

ラテ「わっふぅぅ~ん!!」

 

グレース「ラテ!! 良かったぁ~」

 

その後、グレースとJは変身を解いた。

 

花寺のどかと瀬川耕司。

 

二人は簡単に自己紹介を済ませる。

 

のどかは、耕司とベリーに仮面ライダーJについて尋ねていた。

 

のどか「仮面ライダーJ?」

 

耕司「あぁ。俺はこの力で、さっきのような怪人と戦ってきたんだ」

 

のどか「へぇ~……なんかかっこいいですね。特撮のヒーローみたい」

 

耕司「俺からも聞かせてくれ。君のあの力は一体?」

 

のどか「あぁ~、その……あれは……」

 

ラテ「くちゅん!!」

 

のどか「ラテ!?」

 

ラビリン「ラテ様!?」

 

のどか「どうして? メガビョウゲンも浄化して、ボトルから力も分けてもらえたのに……」

 

ラビリン「のどか!! とにかくもう一度、聴診器を!!」

 

のどか「うん!!」

 

のどかが再び聴診器を当てる。

 

同時に、ベリーも何かを感じ取った。

 

ベリー「んっ!? この気配は……!?」

 

耕司「どうかしたのか?」

 

ラテの心の声が聞こえる。

 

ラテ「向こうで、大きなバッタさんが苦しんでる……」

 

のどか「えっ!? また大きなバッタさん? でも耕司さんなら今、元気にしてて……」

 

ベリー「J!! グレース!! 僕について来てくれ!!」

 

のどか「ベリー。他に大きなバッタさんの心当たりがあるの!?」

 

ベリー「ある。J、君にとっても関わりのある者がいるはずだ」

 

耕司「俺に関わりのある者?」

 

ベリー「とにかく時間が無い。急いで!!」

 

耕司「よし!!」

 

のどか「うん!!」

 

耕司はオートバイへ駆け寄った。

 

のどかはラテを抱き、ベリーは先導するように飛び上がる。

 

こうして二人は、ラテとベリーが感知したもう一人の「大きなバッタさん」の元へ急行するのだった・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・・・・・

 

のどかと耕司がこの場を離れた本の数秒後・・・

 

『ソレ』はガチャン!ガチャン!と独特の重い足音を鳴らしながら森から姿を見せた・・・

 

銀色のソレの手には、先ほどJとグレースを襲った緑色の雷と同じ緑色の電流がわずかに流れていた。

 

二人が走り去った方角を見つめた後、独特の重い足音を立てながら、その銀色の影は去っていった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 






新訳版第2話『苦しみの再来……『仮面ライダーZO』登場!!』へ続く
         
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