真・仮面ライダー-----終章-----『仮面ライダーワールド序章(プロローグ)』   作:狼と踊る男

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新訳版2話『苦しみの再来……『仮面ライダーZO』登場!!』

 

 

場所は、のどか達が落ちた森とは少し離れた別の森。

 

時間は、ほんの少し前に遡る。

 

沢泉ちゆ、平光ひなた、ペギタン、ニャトランは、気を失った状態で地面に倒れていた。

 

最初に目を覚ましたのは、ちゆだった。

 

ちゆ「……んっ……ここは……?」

 

ちゆはゆっくりと上体を起こし、周囲を見渡した。

 

森の中。

 

それ以外に、すぐ分かることはない。

 

ちゆ「ひなた、起きて。ペギタン、ニャトランも」

 

ひなた「んぁ……? なに……もう朝……?」

 

ニャトラン「いてて……何がどうなったんだ?」

 

ペギタン「ここ、どこペェ……?」

 

ようやく全員が起き上がる。

 

しかし、すぐにちゆは大きな異変に気づいた。

 

ちゆ「のどかがいない!?」

 

ペギタン「ラテ様もラビリンもいないペェ!?」

 

ニャトラン「おいおい!? こんな時にあいつら何処行った!?」

 

ひなた「えっ、ちょっと待って!? まさか、はぐれた!?」

 

その時だった。

 

森の奥から、男女の悲鳴が響いた。

 

ひなた「びっくりした!? 何、今の悲鳴!?」

 

ちゆ「行きましょう!!」

 

四人は悲鳴の方角へ走った。

 

木々の間を抜けると、ほどなくして現場が見えてくる。

 

そこにいたのは、一組の男女。

 

そして、その二人を追い詰めている女王蜘蛛のような怪人だった。

 

男性「な、なんだお前は!?」

 

蜘蛛女「シィィッ~~……」

 

怪人は、細長い足を不気味に動かしながら、ゆっくりと男女へ迫っている。

 

ひなた「何あれ!? メガビョウゲン!?」

 

ペギタン「何だか、いつもと違う気がするペェ」

 

ニャトラン「しっかし、気持ちわりぃなぁ!?」

 

ちゆ「考えるのは後よ。とにかく助けましょう!!」

 

ひなた「うん!!」

 

ペギタン・ニャトラン「スタァァートォォー!!」

 

ちゆ・ひなた「プリキュア!! オペレーション!!」

 

ペギタン・ニャトラン「ヒーリングレベル上昇ペェ!!・ニャァ!!」

 

ペギタン「キュン!!」

 

フォンテーヌ・ペギタン「交わる二つの流れ!!」

 

フォンテーヌ「キュアフォンテーヌ!!」

 

ペギタン「ペェ!!」

 

ニャトラン「キュン!!」

 

スパークル・ニャトラン「融け合う二つの光!!」

 

スパークル「キュアスパークル!!」

 

ニャトラン「ニャー!!」

 

変身を終えた二人は、ほぼ同時に地を蹴った。

 

フォンテーヌ「はあぁぁー!!」

 

スパークル「だあぁぁー!!」

 

左右から放たれた跳び蹴りが、蜘蛛女の胴体へ叩き込まれる。

 

蜘蛛女「シィィッ~~!?」

 

怪人の体は森の奥へ吹き飛んだ。

 

フォンテーヌはすぐに男女へ駆け寄る。

 

フォンテーヌ「大丈夫ですか!?」

 

男性「あ、はい……!」

 

フォンテーヌ「今のうちに逃げてください!!」

 

男性「あぁ!!」

 

男女は慌ててその場から走り去っていった。

 

そしてこの男女はそう遠くないうちに、再び再生怪人達に襲われてしまうのだが、それはまた別の話・・・

 

二人の背中が見えなくなるまで確認し、フォンテーヌとスパークルは蜘蛛女が吹き飛んだ方向へ向き直る。

 

スパークル「倒した……?」

 

フォンテーヌ「油断しないで。姿が見えないわ」

 

森は静かだった。

 

だが、その静けさが逆に不気味だった。

 

次の瞬間、二人の体に白い影が巻きついた。

 

フォンテーヌ「しまっ……!?」

 

スパークル「うわっ!? 何これ!?」

 

それは蜘蛛の糸だった。

 

幅広く広がった粘糸が、二人の腕と胴体に絡みつき、そのまま近くの木へ縛りつける。

 

フォンテーヌ「油断した……!」

 

蜘蛛女「シィィッ~~!!」

 

声は上から聞こえた。

 

蜘蛛女は木の上に潜んでいたのだ。

 

怪人は枝からゆらりと飛び降りると、縛られた二人の目の前へ顔を近づける。

 

その口元から漏れる奇声が、森の中に濁った音で響いた。

 

蜘蛛女「シイィィッ~~!!」

 

スパークル・ニャトラン「ひぃぃっ~!?」

 

ペギタン「怖いペェ!?」

 

フォンテーヌ「くっ……! 糸がちぎれない……!」

 

蜘蛛女が足の一本を高く振り上げた。

 

鋭い刃のような足先が、二人を切り裂こうと振り下ろされる。

 

その直前。

 

エンジン音が森を裂いた。

 

蜘蛛女「シィッ!?」

 

一台のオートバイが横合いから突っ込み、蜘蛛女を吹き飛ばした。

 

怪人の体はオートバイによる衝撃により宙に浮き、木々の少ない開けた場所へ叩き出される。

 

バイクに乗っていた者は、ゆっくりと停車した。

 

無言。

 

だが、その姿には明らかに人間とは違う力が宿っていた。

 

フォンテーヌ「あなたは……?」

 

その外見は、仮面ライダーJに酷似していた。

 

しかし、彼はJではない。

 

Jの先輩にあたる戦士。

 

麻生勝。

 

仮面ライダーZOである。

 

ZOは倒れた蜘蛛女を睨む。

 

そして一度、フォンテーヌ達へ背を向けると、二人を縛っていた糸を力任せに引きちぎった。

 

ZO「早く逃げろ」

 

スパークル「えっ、でも……」

 

ZOはそれ以上言わず、再び蜘蛛女へ向かう。

 

蜘蛛女「シイィィッ~~!!」

 

蜘蛛女は口から糸を吐いた。

 

ZOは地面を左右に転がり、糸を紙一重でかわす。

 

すぐに距離を詰めた蜘蛛女は、無数の足を振るい、連続で斬りつけてきた。

 

ZO「……!」

 

右、左、上、下。

 

多すぎる手数に、ZOは防戦を強いられる。

 

そして、二本の足がついにZOの両脇腹を捕らえた。

 

ZO「うぉっ!?」

 

蜘蛛女「シイィィッ~~!!」

 

さらに別の足が、ZOの頭上から振り下ろされる。

 

フォンテーヌ「はあっ!!」

 

青い光線が足を弾いた。

 

スパークル「どりゃっ!!」

 

続けて、スパークルの急降下キックが、ZOを捕らえていた足へ命中する。

 

蜘蛛女「シイィィッ~~!?」

 

足が折れたように曲がり、ZOの体が自由になる。

 

ZO「おっ……んんんっ~~……オオツッッーー!!」

 

ZOは右拳を引き、左手を前に突き出した。

 

一瞬、全身に力が集まる。

 

次の瞬間、右拳が蜘蛛女の胴体へ叩き込まれた。

 

蜘蛛女「シイィィッ~~!?」

 

怪人は後方へ吹き飛び、背中から地面へ強打する。

 

そのまま一回転し、前のめりに倒れた。

 

スパークル「良し!! もう一押し!!」

 

フォンテーヌ「えぇ!!」

 

だが、ZOだけは別の気配に気づいていた。

 

ZO「……んっ!?」

 

横から飛びかかってきた影を、ZOは反射的に受け止める。

 

それは人間大の蜘蛛怪人だった。

 

蜘蛛女とは違い、二足歩行の姿。頭部には髪の毛のようなものまで揺れている。

 

さらに二体。

 

合計三体のクモ怪人が、木々の間から姿を現した。

 

フォンテーヌ「まだいるの!?」

 

スパークル「もう、次から次へと!!」

 

三人は知らない。

 

このクモ怪人達は蜘蛛女が生み出した配下ではない。

 

かつて全滅したはずの暗黒結社ゴルゴムの怪人達である。

 

その隙に、蜘蛛女は森の奥へと身を引いた。

 

スパークル「あっ!? 逃げられた!?」

 

ZO「とおっ!!」

 

ZOは目の前のクモ怪人を拳でなぎ倒し、逃げた蜘蛛女を追おうとする。

 

だが、その前に一人の少年が立ちはだかった。

 

フォンテーヌ「ダルイゼン!?」

 

スパークル「やっぱりあいつらの仕業だったんだ!!」

 

ZO「君は……?」

 

ダルイゼン「お前がZO? 話には聞いてたけど、ほんとJに似てるわ」

 

ZO「J……?」

 

フォンテーヌ「下がってください!!」

 

スパークル「こいつはあたし達が!!」

 

二人がZOの前に出ようとした瞬間、左右から新たなクモ怪人が飛びかかった。

 

フォンテーヌ「くっ!?」

 

スパークル「邪魔っ!!」

 

二人はZOから引き離される。

 

ZOは再び、ダルイゼンと向かい合うことになった。

 

ネオ生命体とも、蜘蛛の怪人とも違う。

 

目の前の少年からは、別種の異質さが漂っていた。

 

ZOは決して油断しない。

 

しかし、ダルイゼンは気にする様子もなかった。

 

ダルイゼン「プリキュアの二人はクモ怪人達が相手してるし、今度はお前で蝕ませてもらうよ」

 

ダルイゼンは手をかざす。

 

ダルイゼン「進化しろ、ナノビョウゲン」

 

ZO「ぅっ!?」

 

黒い病の粒子がZOへ入り込む。

 

Jの時と同じように、ZOの体が苦しみながら変化していく。

 

現れたのは、ZOの姿を歪めた巨大なメガビョウゲン。

 

その形は、先ほどのJメガビョウゲンによく似ていた。

 

スパークル「嘘でしょ!?」

 

フォンテーヌ「早く浄化しないと!!」

 

スパークル「でも、この蜘蛛達が邪魔!?」

 

フォンテーヌ「スパークル!! こっちの五体は私が引き受けるわ!! その隙にメガビョウゲンを!!」

 

スパークル「OK!!」

 

クモ怪人A「ギュォッ!!」

 

フォンテーヌ「ふんっ!! はあっ!!」

 

フォンテーヌは迫るクモ怪人をかわし、背後へ光線を撃つ。

 

スパークルへ飛びかかろうとした一体が撃ち落とされた。

 

フォンテーヌはスパークルの背中を守るように立ち、五体のクモ怪人と正面から向かい合う。

 

スパークル「ちょっと待ったぁぁー!!」

 

ダルイゼン「しつこ……メガビョウゲン」

 

ZOメガビョウゲン「メガッ!!」

 

ZOメガビョウゲンがスパークルへ拳を放つ。

 

スパークルは地面を蹴って跳躍し、拳をかわすと、そのまま頭上へ回った。

 

スパークル「でやっ!!」

 

空中で一回転し、かかと落としを叩き込む。

 

ZOメガビョウゲン「メガァァッ!!」

 

スパークル「うわっ!?」

 

当たった。

 

だが、効いていない。

 

それどころか、跳ね上がったZOメガビョウゲンの頭部がスパークルを弾き飛ばした。

 

スパークルは空中で体勢を立て直し、何とか着地する。

 

ZOメガビョウゲン「メガッ!!」

 

両手を組み合わせた一撃が、地面へ振り下ろされる。

 

スパークル「ふっ!! ふっ!! やあっー!!」

 

スパークルは地面を蹴り、巨体の足の間を滑るようにくぐり抜けた。

 

そのまま背後を取り、反転ジャンプ。

 

ドロップキックが背中へ命中する。

 

ZOメガビョウゲンは大きくバランスを崩し、前のめりに倒れた。

 

ニャトラン「今だぜ!!」

 

スパークル「OK!!」

 

スパークル・ニャトラン「キュアスキャン!!」

 

ニャトラン「見つけたぜ!!」

 

スパークル「あの人って、メガビョウゲンになるってことは、やっぱエレメントさんな訳?」

 

フォンテーヌ「詮索は後にしましょう!! 今は浄化が先よ!!」

 

スパークル「分かった!!」

 

スパークルはステッキを構える。

 

スパークル「エレメントチャージ!!」

 

ニャトラン「キュンキュンキュン!! ヒーリングゲージ上昇!!」

 

スパークル「プリキュア!! ヒーリングゥゥッ~~フラァァッシュ!!」

 

光がZOメガビョウゲンを包む。

 

ZOメガビョウゲン「メガッ!?」

 

スパークル「効いてる!! あとちょい!!」

 

だが、次の瞬間。

 

ZOメガビョウゲン「メェェガァァァッ~~!!」

 

光が弾き返された。

 

スパークル「嘘ぉぉっ!?」

 

フォンテーヌ「スパークルの技が弾かれた!?」

 

ダルイゼン「へぇ~、やるじゃん? 流石に仮面ライダーを使ったのが効いたみたいだな」

 

ペギタン「あのメガビョウゲン、強いペェ!?」

 

フォンテーヌ「一人じゃ勝てない……でも、こっちも手が離せない!」

 

その一瞬だった。

 

クモ怪人A「ギュォッ!!」

 

クモ怪人B「ギュォッ!!」

 

二体のクモ怪人が口から糸を吐き出した。

 

粘ついた糸がフォンテーヌの両手首へ絡みつき、左右から強く引っ張る。

 

フォンテーヌ「しまった!?」

 

ペギタン「まずいペェ!?」

 

フォンテーヌは動きを封じられた。

 

その前へ、残った三体のクモ怪人がゆっくりと歩み寄ってくる。

 

爪を振り上げ、今にも襲いかかろうとする。

 

その時。

 

再びエンジン音が響いた。

 

一台のオートバイが横から突っ込み、三体のクモ怪人をまとめてなぎ倒す。

 

フォンテーヌ「えっ!?」

 

バイクの主は、仮面ライダーJだった。

 

そして、その直前に空へ跳んでいたグレースが、フォンテーヌを拘束する糸へ光線を放つ。

 

グレース「はあぁぁっー!!」

 

クモ怪人A「ギュォッ!?」

 

続けて、急降下キックでクモ怪人Bを吹き飛ばした。

 

グレース「フォンテーヌ、大丈夫?」

 

フォンテーヌ「えぇ、大丈夫よ。それに、あの人は?」

 

グレース「あの人はJ!! 味方だよ」

 

フォンテーヌは残った糸を引きちぎる。

 

グレースは倒れているZOメガビョウゲンへ目を向けた。

 

グレース「それにしても、大きいバッタさん……ラテが言ってた通りだった」

 

フォンテーヌ「ラテはそっちにいたのね。よかった」

 

グレース「あのメガビョウゲンは、きっと一人じゃ勝てない!! フォンテーヌ、行って!! この怪人達は私とJが引き受ける!!」

 

フォンテーヌ「分かった!!」

 

フォンテーヌはスパークルのもとへ走る。

 

グレースはJと並び、クモ怪人達へ向き直った。

 

一方、スパークルはZOメガビョウゲンの光線をプニシールドで受け止めていた。

 

スパークル・ニャトラン「プニシールド!!」

 

ZOメガビョウゲン「メガァァ!!」

 

スパークル「ぅぅっ……力つよ!?」

 

シールドが押される。

 

そこへ、フォンテーヌが滑り込むように跳んだ。

 

フォンテーヌ「てやっ!!」

 

蹴りがZOメガビョウゲンの顎へ命中する。

 

ガチッ、と大きな音が鳴った。

 

強制的に口を閉じさせられたことで、光線が止まる。

 

スパークル「フォンテーヌ!!」

 

フォンテーヌ「もう一度浄化してみましょう!!」

 

スパークル「えぇっ!? でもさっきは駄目だったし……」

 

フォンテーヌ「一人じゃ無理でも、二人なら!!」

 

スパークル「あっ、そっか!! よぉぉ~し!!」

 

二人は並び立った。

 

フォンテーヌ・スパークル「エレメントチャージ!!」

 

ペギタン・ニャトラン「キュンキュンキュン!! ヒーリングゲージ上昇!!」

 

フォンテーヌ「プリキュア!! ヒーリングゥゥッ~~!! ストリィィッーーム!!」

 

スパークル「プリキュア!! ヒーリングゥゥッ~~!! フラァァッシュ!!」

 

二つの光が重なり、ZOメガビョウゲンを包み込む。

 

ZOメガビョウゲンは両腕を突き出し、抵抗した。

 

しかし、今度は押し返せない。

 

ZOメガビョウゲン「メッ……メガ……ァァ……」

 

光の中から、仮面ライダーZOの姿が解放される。

 

ZOメガビョウゲン「ヒーリングッバイ……」

 

『お大事に……』

 

光がZOを優しく地面へ降ろした。

 

ダルイゼン「またやられたの? あっけな」

 

グレース「やった!!」

 

しかし、その一瞬の隙を、クモ怪人Cが狙った。

 

クモ怪人C「ギュォッ!!」

 

グレースへ爪が突き出される。

 

グレース「ふっ!! ふぅぅ~ん!!」

 

グレースは左手でその腕を掴むと、力任せに持ち上げた。

 

そのまま半円を描くように振り回し、地面へ叩きつける。

 

クモ怪人C「ギュォッ!?」

 

背中を強打したクモ怪人はすぐに起き上がる。

 

だが、次の瞬間、後方へ大きく跳び、木々の奥へ姿を消した。

 

残りのクモ怪人達も、いつの間にか消えている。

 

ダルイゼンもまた、すでに姿をくらましていた。

 

グレースのもとへスパークルが駆け寄る。

 

倒れたZOのそばには、フォンテーヌが膝をついていた。

 

グレース「スパークル!!」

 

スパークル「グレース!! 無事でよかった~!!」

 

フォンテーヌ「こっちも大丈夫みたい!!」

 

スパークル「本当!? 良かったぁ~!!」

 

フォンテーヌ「んっ? ……これは……ボトル?」

 

ZOの近くに、緑色のヒーリングボトルが落ちていた。

 

フォンテーヌはそれを拾い上げる。

 

そこには『ZO』の文字が刻まれている。

 

グレース「フォンテーヌ、どうかしたの?」

 

フォンテーヌ「見て。新しいボトルみたいなんだけど」

 

グレース「これって、Jのボトルと同じ……」

 

スパークル「何それ? 新しいボトル? フォンテーヌのは『2O』で、グレースのは『J』?」

 

フォンテーヌ「多分これは『ZO』って刻まれていると思うわ」

 

スパークル「そうなの?」

 

フォンテーヌ「よく見て。斜めの線に一本線が入っているでしょう? こういう場合は『2』と『Z』の区別をつけやすくするために線を入れることがあるの」

 

スパークル「あぁ~、なるほど。んで、これって何のボトル?」

 

ベリー「それは、仮面ライダーJと仮面ライダーZOの力が込められているヒーリングボトルだ」

 

スパークル「へぇ~……んっ? 今喋ったの誰?」

 

ベリー「僕だ」

 

フォンテーヌ「ば、バッタが喋った!?」

 

スパークル「うっそぉぉっ!?」

 

グレース「あぁ、この子はベリーって言うんだって。私も最初はびっくりしちゃった」

 

ベリー「グレース。そのボトルをラテの首に」

 

グレース「うん」

 

グレースがZOボトルをラテの首に取り付ける。

 

すると、ラテは元気を取り戻し、嬉しそうに鳴いた。

 

ラテ「わふぅぅ~~ん!!」

 

騒ぎで意識が戻ったのか、ZOがゆっくりと立ち上がる。

 

フォンテーヌ「大丈夫ですか?」

 

ZO「あぁ。大丈夫だ」

 

そう答えながら、ZOは正面に立つJを見つめた。

 

Jもまた、ZOをじっと見ている。

 

初めて会うはずだった。

 

それなのに、どこか他人とは思えない。

 

しばらく沈黙が流れた。

 

ZO「君は一体……?」

 

J「俺は仮面ライダーJ。君の方こそ一体……?」

 

ZO「俺は……」

 

ベリー「J。彼は麻生勝。仮面ライダーZOだ」

 

J「仮面ライダーZO?」

 

ZOはベリーへ視線を向けた。

 

ZO「君は確か、あの時のミュータントバッタか?」

 

ベリー「残念だが、僕は君とは面識がない。君が言っているのは僕の兄だ」

 

ZO「兄……?」

 

ベリー「そうだ。兄は君のことを気にかけていた。山から下りた後も、ずっと君を見守っていた。ただ、君が旅立った後、寿命ですぐに死んでしまったけれどね」

 

ZO「そうか……」

 

静かな声だった。

 

だが、その一言には、確かな重みがあった。

 

グレース「ねぇベリー。一つ聞きたいんだけど、仮面ライダーって何なの?」

 

ベリー「仮面ライダー……人類を、そしてこの地球を守る戦士の名さ」

 

フォンテーヌ「地球を守る戦士……」

 

スパークル「仮面ライダーか……なんかかっこいいじゃん!!」

 

グレース「私達プリキュアの他にも、地球のために戦っている人達がいたんだね」

 

ZO「プリキュア……? そういえば君達は一体……うぅっ!?」

 

J「ZO? うぅっ!?」

 

突然、JとZOが頭を抱えた。

 

グレース「大丈夫ですか!?」

 

スパークル「えぇ、何々!? 急にどうしちゃった訳!?」

 

フォンテーヌ「待って。何かつぶやいてる」

 

JとZO。

 

そしてベリーの脳裏に、ひとつの光景が流れ込んできた。

 

少し離れた場所。

 

茶髪のツインテールの少女。

 

その少女へ向かって、何者かが大鎌を振り下ろそうとしている。

 

ZO「誰だ……? 俺にテレパシーを送っているのは……?」

 

J「この子は誰だ……?」

 

ベリー「J!! ZO!! 今の光景は、ここからそう離れていない!! あの少女が危ない!!」

 

J「分かった!!」

 

ZO「あぁ!!」

 

グレース「私達も行きます!! もしかしたら、またビョウゲンズが出たのかも!!」

 

フォンテーヌ「急ぎましょう」

 

スパークル「よし、次行くよ!!」

 

JとZO、そしてプリキュア達は、テレパシーで見た場所へ急行した。

 

そこに待っている少女が、やがて彼らの戦いに大きく関わることになるとは、まだ誰も知らない。

 

 

 




~新訳版3章~『復活の戦士達』

新訳版1話『最大の危機!? キュアエコー変身不能!?』へ続く
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