真・仮面ライダー-----終章-----『仮面ライダーワールド序章(プロローグ)』 作:狼と踊る男
新訳版1話『最大の危機!? キュアエコー変身不能!?』
あゆみ・グレル・エンエン「うわああぁぁっ~~!?」
時の狭間を抜けた瞬間、坂上あゆみ達は森の中へ放り出された。
あゆみは背中から地面へ落ち、そのまま尻餅をつく。
あゆみ「いたた……」
全身がじんと痛む。
だが、あゆみはすぐに自分の腕の中を確認した。
グレルとエンエンを抱えていたからだ。
エンエン「あゆみ、大丈夫?」
あゆみ「うん。何とか……二人は?」
エンエン「僕は平気だよ。あゆみが守ってくれたから」
グレル「俺も大丈夫だ!!」
あゆみ「よかったぁ~……」
時の狭間を漂っている間、あゆみはずっと二人を抱きしめていた。
空間から放り出された時も、自分の体で二人を庇った。
そのおかげで、グレルとエンエンに怪我はない。
あゆみは上半身だけを起こし、周囲を見渡した。
そこは森だった。
横浜みなとみらいではない。
さっきまでいた場所でもない。
あゆみ「ここ、どこ……?」
考えをまとめようとした、その時だった。
女性「伏せて!!」
鋭い声が飛んだ。
あゆみ「えっ……?」
反射的に顔を上げる。
そこには一人の女性がいた。
その手には拳銃。
銃口は、あゆみに向けられているように見えた。
あゆみ「拳銃!? きゃあっ!?」
発砲音。
あゆみは思わず頭を抱えて伏せた。
だが、着弾音は背後から聞こえた。
恐る恐る振り返る。
そこには、真っ黒なマントをまとった何者かが立っていた。
手には大鎌。
弾丸を受けたらしい体は、わずかに揺れただけだった。
さらに、その顔を見た瞬間、あゆみ達は凍りつく。
二本の角。
金色がかった骸骨の顔。
あゆみ・グレル・エンエン「骸骨っっっーー!? ヒィィィィッーー!?」
三人はあまりにも不気味な目の前の怪人に叫んだ。
骸骨の怪人は、銃弾が当たった場所をぽりぽりとかく。
まるで蚊にでも刺されたかのようだった。
そして何事もなかったように、大鎌を持ち直す。
あゆみ「うわっ!? ひぃぃっ!?」
骸骨の怪人が鎌を振るう。
まずは頭を狙った横一閃。
あゆみはしゃがんでかわす。
続けて足元を狙う一閃。
あゆみは両膝を曲げるだけの小さなジャンプで避けた。
あゆみ「えいっ!! おっとと!?」
着地と同時に左足を伸ばし、骸骨の腹部へ蹴りを入れる。
命中はした。
だが、相手の体は硬く、反動であゆみの方がバランスを崩しかける。
何とか踏みとどまり、あゆみはエコーデコルに手を伸ばした。
あゆみ「仕方がない!! グレル、エンエン!! 行くよ!!」
グレル「おう!!」
エンエン「うん!!」
あゆみ「ふっ!!」
胸元からエコーデコルを外し、右手に構える。
だが、その瞬間、骸骨の怪人が口を開いた。
スカル魔スター「機能停止ビーム!!」
あゆみ「喋れるの!? うぅっ!?」
黄色い光線が放たれる。
怪人が普通に喋ったことに驚いた一瞬が、命取りになった。
ビームはあゆみに直撃する。
あゆみ「くぅっ……きゃぁっ!?」
体から力が抜けた。
腕にしがみついていたグレルとエンエンが、ずるずると落ちていき、最後は地面へ尻餅をつく。
グレル「おい!? 大丈夫か!?」
エンエン「しっかりして!!」
あゆみ「ぅぅっ……えっ? デコルが……!?」
あゆみの手から落ちたエコーデコル。
それは石のように固まり、輝きを失っていた。
グレル「おいおい!? どうなってるんだよこれ!?」
エンエン「石になってる!?」
この骸骨の怪人の名は、スカル魔スター。
かつてクライシス帝国が、仮面ライダーBLACKの変身機能を封じ、破壊するために用意した機能停止ビームを備えたスカル魔の隊長格である。
南光太郎に対して使われた時、外見には大きな変化がなかった。
だが、プリキュアの場合は違う。
変身の鍵であるエコーデコルそのものが石化してしまった。
この状態では、キュアエコーへ変身することなどできない。
あゆみ「これじゃあ、変身できない……ぁっ!?」
スカル魔スター「ウゥッ!!」
大鎌が唐竹割りの要領で振り下ろされる。
あゆみは間一髪、体を転がしてかわした。
だが、その刃は地面に落ちたエコーデコルを捉えていた。
石化したデコルが、真っ二つに割れる。
あゆみ「あっ!?」
声が漏れた。
しかし、悲しむ暇もない。
スカル魔スターは何度も鎌を振り下ろし、あゆみは転がって避け続ける。
やがて、スカル魔スターが一度跳んだ。
そして、あゆみをまたぐように着地する。
両肩を足で挟まれ、あゆみは動けなくなった。
スカル魔スター「ウゥウゥ!!」
あゆみ「ふっ!! うぅっ!?」
頭部を狙って鎌が落ちる。
あゆみは首を左右に振り、かろうじてかわした。
女性「ふっ!!」
拳銃を持った女性が再び発砲する。
弾丸はスカル魔スターへ命中した。
だが、やはり効いていない。
スカル魔スターは一瞬だけ女性を見ると、すぐにあゆみへ向き直る。
鎌が高く掲げられた。
グレル「止めろぉぉーー!!」
エンエン「やめてぇぇーー!!」
あゆみ「うぅっ!?」
あゆみは強く目を閉じた。
死を覚悟した。
その時だった。
何かが森を裂くように飛び込んできた。
一瞬で距離を詰め、スカル魔スターへ体当たりする。
スカル魔スター「ウゥッ!?」
怪人の体が吹き飛ぶ。
あゆみを挟んでいた足が外れ、あゆみはようやく自由になった。
あゆみ「何……?」
あゆみは吹き飛ばされたスカル魔スターを目で追う。
その視線の中に、もう一つの異形が立っていた。
後ろ姿だけでも、人間ではないと分かる。
緑の体。
骨を思わせる輪郭。
バッタの特徴を持った、骸骨のような戦士。
骸骨が死神なら、こちらはバッタの骸骨。
だが、不思議とあゆみは恐怖を感じなかった。
助けられたからだけではない。
その背中からは、敵意よりも、守ろうとする意思が伝わってきた。
緑の異形は、頭だけを動かしてあゆみを見る。
そして、腕で「行け」と示した。
あゆみ「……分かった」
あゆみはグレルとエンエンを抱きかかえ、拳銃の女性の方へ走った。
女性はあゆみを自分の後ろへ庇い、銃を構えたまま怪人達を見据える。
女性「大丈夫?」
あゆみ「はい……あれは一体……?」
女性「真……やっぱり生きてたのね」
あゆみ「しん……?」
女性の名は、セーラ・深町。
CIAのコマンドリーダーを務めていた女性である。
二年前、財団の日本支部であるISSが壊滅した後、彼女は風祭真の行方を追っていた。
そして今、その真を見つけた。
ただし、人間の姿ではない。
怪人体――改造兵士(サイボーグソルジャー)として。
セーラがこの地へ来た理由は、つい最近起きた事件にあった。
緑の巨人と巨大怪獣が現れたという異常事態。
仮面ライダーJとフォッグ・マザーの戦い。
その事件が、風祭真の行方を掴む手がかりになるかもしれないと踏み、彼女は日本へやって来ていたのだ。
スカル魔スター「何者だ?」
シン「……」
スカル魔スター「ウゥウゥ!!」
スカル魔スターが大鎌を振るう。
頭部を狙う横一閃。
シンはしゃがんでかわす。
足元を狙う一閃。
今度は跳んでかわす。
三発目の横一閃を、シンは腕で受け止めた。
そして、そのままスカル魔スターの顔面へ拳を叩き込む。
スカル魔スター「ウゥッ!?」
骸骨の怪人が後方へ吹き飛び、地面へ倒れ込んだ。
スカル魔スター「機能停止ビーム!!」
黄色い光線がシンへ直撃する。
シン「!?」
動きが止まる。
その隙を逃さず、スカル魔スターは大鎌を振り下ろした。
刃がシンの胸部を斬り裂く。
深い傷。
普通の人間なら致命傷になりかねない一撃だった。
スカル魔スターは勝ち誇るように笑う。
だが、次の瞬間、その余裕は消えた。
シンの胸の傷が、みるみる塞がっていく。
スカル魔スター「ウゥッ!?」
シン「……!!」
機能停止ビームの拘束を、シンは力ずくで破った。
このビームは、変身機能や機械的な力を封じるもの。
しかし、シンは違う。
彼の体は、細胞レベルで改造されている。
機械や変身アイテムを封じる力では、完全には止められない。
数秒の硬直。
それだけだった。
シン「!! !! ……!!」
シンは左右の手で、引っかくようなビンタをスカル魔スターの頭部へ叩き込む。
一発、二発。
最後に右手へ力を込め、張り手のような一撃を顔面へ放つ。
スカル魔スターの体が後ろへ吹き飛ぶ。
だが、怪人は踏みとどまり、壊れかけた鎌を中段に構え直した。
シン「……!!」
シンの右腕から、のこぎりのような刃が生える。
スパイン・カッター。
低空ジャンプで一気に距離を詰める。
右手刀。
スパイン・カッターをまとった空手チョップが、鎌の柄を真っ二つに斬り裂いた。
そのままスカル魔スターの体まで切り裂く。
スカル魔スター「ウゥウゥ!?」
あゆみ「すごい……」
スカル魔スターは割れた鎌を捨て、よろめきながら構えた。
シンがゆっくり歩み寄る。
その両者の間に、一人の少年が割って入った。
ダルイゼンだった。
セーラ「あの子供は……?」
ダルイゼン「ボロボロじゃん、お前」
スカル魔スター「ウゥッ!?」
ダルイゼン「戻ったら? 後は俺がやっとく」
スカル魔スター「……」
スカル魔スターは不服そうに動きを止めた。
だが、ダルイゼンの言葉には逆らわず、煙のように姿を消す。
ダルイゼンはシンへ向き直った。
ダルイゼン「こいつが財団とかいうところの改造人間レベル3? いや、サイボーグソルジャーレベル3だっけ? 聞いてた通り、ほぼ怪人じゃん」
シン「ゥゥゥッ……」
ダルイゼン「ま、どうでもいいけど。俺がすることには変わりないし」
ダルイゼンが手をかざす。
ダルイゼン「進化しろ。ナノビョウ――」
グレース「そうはさせない!!」
上空から声が響いた。
キュアグレースが急降下キックを放つ。
ダルイゼンは咄嗟にナノビョウゲンの具現化を中断し、後ろへ跳んでかわした。
グレースは地面へ着地し、ダルイゼンと向き合う。
ダルイゼン「プリキュア……また来たの?」
あゆみ「プリキュア!? あの子が!?」
セーラ「あなた、あの子のこと知ってるの?」
あゆみ「知ってるけど、知らない子です」
セーラ「意味が分からないわ」
グレース「って、今度は怪人?」
シン「ゥゥゥッ……」
フォンテーヌ「グレース!!」
グレース「皆!!」
スパークル「お待たせ!!」
さらに、JとZOも駆けつける。
J「おぉっ!?」
ZO「むっ!?」
ダルイゼン「ぞろぞろ来ちゃったか」
グレース「今度はメガビョウゲンを生ませない!!」
ダルイゼン「はぁ……流石に今度は試せそうにないし、だるいからもう帰る。じゃあ」
あっさりと、ダルイゼンは引き下がった。
そのまま瞬間移動で姿を消す。
JやZOの時と比べ、あまりに早い撤退だった。
しかし、今はそれを追うよりも、目の前のシンの方が問題だった。
シンもまた、得体の知れない少女達と二人の仮面ライダーを警戒し、構えを解かない。
スパークル「何あれ!? めっちゃ怖いんですけど!?」
フォンテーヌ「でも、心なしかさっきのクモの怪人達よりはマシな気がする」
グレース「あれって、新しいビョウゲンズ?」
ラビリン「分からないラビ……」
シンが一歩前へ出る。
グレース達も反射的に身構えた。
その間へ、あゆみが飛び込む。
あゆみ「待って!!」
シン「!?」
グレース「えっ?」
スパークル「何あの子!?」
フォンテーヌ「危ない!! すぐ離れて!!」
あゆみ「攻撃しないで!! この人はきっとプリキュアの敵じゃない!!」
フォンテーヌ「えっ!?」
グレース「今、あの子『プリキュア』って言った?」
スパークル「ちょっとどうなってるの? プリキュアのことって秘密じゃなかったの!?」
あゆみはシンの前に立ち、両手を広げた。
グレルとエンエンもその足元に並び、同じようにシンを庇う。
グレル「俺達だって黙ってないぞ!!」
エンエン「僕達が守る!!」
ニャトラン「おいおい!? 妖精じゃないか!?」
ペギタン「ということは、あの子ってまさか!?」
ラビリン「プリキュアの関係者ラビ!?」
グレース「あの子も、もしかして……プリキュア?」
あゆみ「この人は、私を骸骨の怪人から助けてくれた!! あなた達の敵には思えない!! だから私はこの人を守る!! 例え相手がプリキュアでも!!」
シン「……」
グレース「……」
その時、ベリーが口を開こうとした。
ベリー「皆!! 彼は――」
ラテ「あんっ!!」
ラテの声が、偶然にもベリーの言葉を遮った。
ラテはとことことシンの方へ歩き出す。
グレース「ラテ!?」
ラビリン「ラテ様!?」
シンをまだ警戒しているグレース達は呼び止めた。
だが、ラテは止まらない。
あゆみも止めなかった。
ラテはあゆみとシンの前で一度立ち止まる。
そして、尻尾を振りながら、シンの足元へ近づいた。
ラテ「わふ……」
頬をシンの足へすり寄せる。
シン「……?」
シンが戸惑ったように足を引く。
するとラテは、また一歩寄って、再びすり寄った。
その光景に、全員が言葉を失った。
グレース「……」
やがて、グレースは静かに変身を解いた。
花寺のどかの姿へ戻る。
フォンテーヌ「グレース!?」
スパークル「何で!?」
のどか「きっと大丈夫。だって、ラテがあんなに懐いてるんだもん」
フォンテーヌとスパークルは、ラテとシンを見た。
シンはラテを傷つけようと思えば、いくらでもできる距離にいる。
それでも、ただ戸惑っているだけだった。
フォンテーヌ「……うん」
スパークル「分かった」
二人も変身を解いた。
ちゆとひなたに戻り、戦う意思がないことを示す。
ベリー「J、ZO。君達も変身を解こう。彼はきっと僕達の味方だ」
耕司と勝も変身を解いた。
それを見て、あゆみとグレル、エンエンも構えを解く。
最後に、シンの体がゆっくりと人間の姿へ戻っていった。
風祭真。
普通の青年の姿になったことで、あゆみ達は改めて驚く。
ラテ「くぅぅ~ん」
真「……」
のどか「抱いてあげてくれませんか? その子もきっと喜びます」
真は困惑していた。
だが、ラテは目で「抱っこ」をねだっている。
あゆみは咄嗟にラテを抱き上げると、真へ差し出した。
あゆみ「はい!!」
真「えっ……」
半ば強引に渡され、真は反射的にラテを抱きかかえる。
落とさないように、しっかりと腕で支えた。
ラテ「わふぅぅ~ん!!」
ラテは満足そうに鳴いた。
その様子を見て、一同の緊張はようやく少しずつ解けていった。
それから、全員は簡単に自己紹介をし、情報を整理することになった。
のどか、ちゆ、ひなたは、ヒーリングっど♡プリキュアのこと、そしてビョウゲンズとダルイゼンのことを説明する。
あゆみ「ビョウゲンズ?」
のどか「うん。さっきの男の子、ダルイゼンって言うんだけど、地球を病気にしちゃう悪い人達の一人なの」
次に、耕司と勝は仮面ライダーについて語った。
ネオ生命体。
フォッグ・マザー。
そして、仮面ライダーZOと仮面ライダーJの意外な接点。
ちゆ「ネオ生命体……?」
勝「あぁ。バッタの遺伝子を組み込まれた俺は、宏君を守るために奴と戦った」
ひなた「じゃあ、テーブルマナーってのと戦ったのが耕司さんの仮面ライダーJな訳?」
耕司「あぁ。それと、フォグ・マザーだ」
のどか「それにしても、お二人の姿ってよく似てましたよね。どうしてですか?」
ベリー「Jは、ZOを参考にして改造されたからだ」
耕司「そうなのか!?」
ベリー「あぁ。そもそもZOが山で彷徨っていたところを、僕と兄が森の精霊達に呼びかけ、体を休ませるために眠りにつかせたんだ。来るべきフォグとの戦いに備えてね」
勝「だが俺は、そうとも知らずに望月博士のテレパシーで目覚め、ネオ生命体との戦いの後、旅に出てしまった……」
耕司「そうだったのか……」
あゆみは、自分がキュアエコーに変身できること。
そして、その力を得るまでの経緯を語った。
ひなた「あゆみっちもプリキュアなんだ?」
あゆみ「うん。でも、デコルが骸骨の怪人に壊されて、もう変身できないけどね……」
ちゆ「それにしても驚いたわ。私達の他にも、そんなに大勢のプリキュアがいたなんて……ねぇ、のどか?」
のどか「えっ? ……あぁ、うん。そうだね……」
のどかは少しだけ考え込む。
以前、夢の中で会ったような気がするプリキュア。
キュアスター。
あれは本当に存在するプリキュアだったのかもしれない。
最後に、真の話になった。
だが真は、多くを語ろうとしなかった。
代わりに、セーラが知る限りの事情を大まかに説明する。
財団。
CIA。
改造兵士。
そして、真が奪われたもの。
あゆみ「財団……そんなひどいことをする人達がいたなんて……」
真はセーラへ視線を向ける。
真「あんたがまた俺の前に現れるとは思ってもみなかった。……また俺を殺しに来たのか?」
セーラ「どうなのかしらね。自分でも分からない。ただ、気になっていただけだったのかもしれないわ」
真「俺は財団も、あんた達CIAも許さない。愛は財団に……父さんはあんた達CIAに殺されたようなものだ」
セーラ「……」
空気が一気に張り詰める。
誰も言葉を挟めない。
その時だった。
ぐぅぅぅぅぅ。
のどか、ちゆ、ひなた。
三人のお腹が、ほぼ同時に鳴った。
一同「……」
張り詰めていた空気が、音を立てて崩れた。
ひなた「うぅ……そういえば、お昼まだだった……」
のどか「私も……」
ちゆ「戦闘続きだったものね……」
この時代へ来る直前、三人はまだ昼食を取っていなかった。
その上で戦闘が続き、体力も尽きかけている。
耕司は小さく息を吐いた。
耕司「一度、食事にしよう。俺のキャンプが近くにある。そこでなら少しは落ち着けるはずだ」
こうして話はいったん中断され、一同は耕司のキャンプへ向かうことになった。
どこか分からない、黒い空間。
床は白い煙で満たされている。
そこに、ダルイゼンが姿を現した。
ダルイゼン「今帰った」
彼の前に立っているのは、銀色の体をした者。
ベルトの中心には、緑色の石のようなものが埋め込まれている。
その姿は、どこか王のようでもあり、怪人のようでもあった。
ダルイゼン「プリキュアが邪魔してきて、頼まれてた三人目をメガビョウゲンにして力を調べるの、失敗した」
銀色の者「構わん。その必要もなくなった」
ダルイゼン「ふ~ん……何でまた?」
銀色の者「あの小僧が、もう例の三人目に決めたからだ」
ダルイゼン「ふ~~ん。だったら俺、行かなくてもよかったんじゃない?」
銀色の者「お前が出ていった後にそう言っていたんだ。仕方がないだろう」
ダルイゼン「あっそう? それで、次に俺はどうすればいい訳?」
銀色の者「船へ向かい、あの小僧と合流しろ。あいつもそろそろ動き出すつもりのようだからな」
ダルイゼン「へいへい……ったく、人使い荒……」
ダルイゼンの声が、白い煙の中へ消えていく。
銀色の者は、何も言わずに闇の奥を見つめていた。
J。
ZO。
そして『風祭 真』。
そう遠くない未来、三人の男達に再び危機が訪れようとしていた……
~3章~『復活の戦士達』
新訳版2話『出現!! ネオ生命体!!』へ続く