真・仮面ライダー-----終章-----『仮面ライダーワールド序章(プロローグ)』   作:狼と踊る男

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~新訳版4章~『7大ヒーロー対怪人大軍団』
新訳版1話『決戦!! 怪人大軍団!!』


 

 

 

 

シンを中心に、七人の戦士が並び立つ。

 

仮面ライダーシン。

 

仮面ライダーZO。

 

仮面ライダーJ。

 

キュアグレース。

 

キュアフォンテーヌ。

 

キュアスパークル。

 

そして、キュアエコー。

 

その視線の先には、風祭新を取り込んだネオ生命体――ドラスがいた。

 

ドラス「……ヴァッ!!」

 

ドラスの周囲に、緑色の雷が降り注ぐ。

 

雷が地面を穿つたびに、怪人達が次々と現れた。

 

蜘蛛女。

 

コウモリ男。

 

スカル魔スター。

 

さらに、ゴルゴムのクモ怪人、コウモリ怪人、そしてスカル魔の群れ。

 

異なる組織、異なる時代の怪人達が入り混じった混合軍団が、ドラスの前に集結する。

 

ドラス「ヴァ!」

 

号令と同時に、怪人軍団が一斉に駆け出した。

 

シン達もまた、地を蹴る。

 

正面からぶつかる二つの勢力。

 

その直前、ドラスが先手を打った。

 

ドラス「……ヴァッ!!」

 

胸部から放たれたビームが地面をえぐる。

 

一発、二発。

 

だが、誰にも当たらない。

 

最後の一撃だけは違った。

 

ドラスは一際大きなエネルギーを込め、七人の進路上へ撃ち込んだ。

 

大爆発。

 

爆炎が七人の姿を覆い隠す。

 

だが、次の瞬間。

 

炎の中から、戦士達が飛び出した。

 

先頭はJ。

 

続いてZO。

 

その後ろからシン。

 

最後にエコーが宙へ舞う。

 

J「ライダーキィィック!!」

 

ZO「とおっ!!」

 

シン「!!」

 

エコー「はあっ!!」

 

四つのキックが、クモ怪人、コウモリ怪人、スカル魔の群れへ叩き込まれる。

 

怪人達が爆発と砂煙の中へ吹き飛んだ。

 

その一方で、グレース達もそれぞれの戦いへ入っていた。

 

スカル魔A「ウゥ!!」

 

グレース「ふっ!!」

 

鎌が斜めに振り下ろされる。

 

グレースはしゃがんでかわし、近くへ踏み込んできたクモ怪人の腹部へ蹴りを入れた。

 

クモ怪人A「ギュォッ!?」

 

グレース「実りのエレメント!!」

 

ヒーリングステッキに実りのエレメントボトルをセットする。

 

ステッキの先に光が走り、エネルギーの剣が形作られた。

 

スカル魔B「ウゥ!!」

 

振り下ろされた鎌を、グレースはステッキで受け止める。

 

火花が散った。

 

グレース「はあっ!!」

 

鎌を跳ね上げ、そのまま上段からバットを振るようにステッキを叩き込む。

 

スカル魔B「ウゥ!?」

 

スカル魔が後方へ弾かれた。

 

 

 

 

 

別の場所では、フォンテーヌが二体のクモ怪人と向き合っていた。

 

クモ怪人A「ギュォッ!!」

 

クモ怪人B「ギュォッ!!」

 

口から毒針が飛ぶ。

 

フォンテーヌ「ふっ!!」

 

フォンテーヌは地面を左右へ転がり、毒針をかわす。

 

すぐに跳び上がり、右足を突き出した。

 

フォンテーヌ「はあぁぁっ!!」

 

二体まとめて蹴り飛ばす。

 

だが、すぐにスカル魔とコウモリ怪人が続く。

 

スカル魔A「ウゥ!!」

 

コウモリ怪人A「ウゥッゥ~!!」

 

スカル魔の鎌が横一閃に振るわれる。

 

フォンテーヌは宙へ跳んでかわした。

 

そのまま、後方から飛んでくるコウモリ怪人が一直線に迫る。

 

フォンテーヌ「……ここっ!!」

 

空中で体をひねる。

 

コウモリ怪人の突進を紙一重でかわすと同時に、ヒーリングステッキをその背中へ突き立てた。

 

青いエネルギーが弾ける。

 

コウモリ怪人はスカル魔へ激突し、二体まとめて砂煙の中へ転がった。

 

フォンテーヌは静かに着地し、すぐに次の敵へ向かう。

 

 

 

 

 

一方、スパークルは真正面から怪人の群れへ突っ込んでいた。

 

スパークル「どりゃっ!!」

 

飛びかかってきたコウモリ怪人三体を、腕でガードしながら押し返す。

 

その背後から、クモ怪人とスカル魔が迫る。

 

スパークル「よっ!! ホイップ!!」

 

クモ怪人の肩を踏み台にする。

 

スパークル「ステップ!!」

 

続けて、スカル魔の肩へ飛び移る。

 

スパークル「ジャァァッ~ン!!」

 

最後にコウモリ怪人へ跳ぼうとした。

 

だが、相手は空中でさっと横へ逃げる。

 

スパークル「あっ」

 

足場が消えた。

 

スパークルはそのまま顔面から地面へ突っ込んだ。

 

スパークル「ブッッ!? ……あ痛たたた、何でこうなる訳ぇ~……」

 

ニャトラン「締まらねぇなぁ!?」

 

だが、怪人軍団は待ってくれない。

 

クモ怪人、コウモリ怪人、スカル魔が再び迫る。

 

スパークル「うわぁっ!? 来た!?」

 

スパークルはすぐさま後方へ大きく跳び、距離を取った。

 

ヒーリングステッキを向ける。

 

スパークル「はあぁっ!!」

 

光線が放たれ、迫る怪人達をまとめて転倒させた。

 

 

 

 

 

シンの戦いは、さらに荒々しかった。

 

クモ怪人A「ギュォッ!!」

 

コウモリ怪人A「ウゥッゥ!?」

 

シン「!!」

 

シンは迫る二体の首を左右の手で掴む。

 

数秒、締め上げる。

 

そして離した直後、うなじへ拳を叩き落とした。

 

二体が地面へ崩れる。

 

休む間もなく、スカル魔二体が同時に鎌を振り下ろす。

 

シン「……!!」

 

シンは鎌の持ち手を掴み、力ずくで押し返した。

 

背後には崖。

 

そのままスカル魔二体ごと、シンは崖を飛び降りる。

 

スカル魔A・B「ウゥ!?」

 

スカル魔達は受け身を取れず、地面に背中を打ちつけた。

 

その隙に、シンは左右の手でそれぞれの頭部を打ち払う。

 

スカル魔達が転がり、距離が空いた。

 

シンはすぐに構え直し、次の敵へ向かう。

 

 

 

 

 

 

Jは力で押し切っていた。

 

クモ怪人の腹部へ拳を打ち込み、続くコウモリ怪人をもう一方の拳で殴り倒す。

 

さらに背後から迫るスカル魔の鎌を受け止めた。

 

J「ふんっ!!」

 

腹部へ膝蹴りを二発。

 

頭部へチョップ。

 

最後に右ストレートを腹部へ叩き込む。

 

スカル魔B「ウゥ!?」

 

スカル魔は宙へ浮くほどの衝撃を受け、背中から地面へ叩きつけられた。

 

 

 

 

 

ZOは、より端正な動きで怪人軍団へ突撃する。

 

ZO「とおぉっっ!!」

 

ライダーキックが、迫る軍団六体へ炸裂した。

 

クモ怪人、コウモリ怪人、スカル魔が一斉に吹き飛ぶ。

 

ZOは着地し、静かに構える。

 

左からスカル魔が鎌を振るう。

 

ZOは左腕で受け止め、右正拳突きを顔面へ叩き込む。

 

続いて右から迫るクモ怪人へ、右蹴り。

 

二体が続けて倒れた。

 

 

 

 

 

エコーは、下り坂を進みながら戦っていた。

 

クモ怪人A「ギュォッ!?」

 

エコー「ふっ!!」

 

クモ怪人B「ギュォッ!?」

 

エコー「ふっ!!」

 

スカル魔A「ウゥ!?」

 

エコー「ふっ!!」

 

スカル魔B「ウゥ!?」

 

エコー「ふっ!!」

 

迫ってくる敵を、一体ずつ確実に拳で倒していく。

 

その先にスカル魔が立ちはだかった。

 

スカル魔C「ウゥ!!」

 

鎌が振り上げられる。

 

エコーは踏み込み、その柄を掴んだ。

 

エコー「やあぁっー!!」

 

背負い投げの要領で投げ飛ばす。

 

スカル魔は十メートル以上も飛ばされ、背中から地面へ落ちた。

 

 

 

 

 

爆発、土煙、怪人の悲鳴。

 

七人の戦士は、それぞれの戦い方で怪人大軍団を切り崩していった。

 

 

 

 

 

グレースはエネルギーの剣を振るい、三百六十度から迫るクモ怪人とスカル魔を斬り払う。

 

最後に下から上へ切り上げると、怪人達が後方へのけぞった。

 

グレース「やあぁぁっ!!」

 

再び駆け出す。

 

スカル魔の鎌を受け止め、左蹴りを脇腹へ入れる。

 

そこへコウモリ怪人が飛んできた。

 

グレースは二メートルほど跳び、一回転。

 

遠心力を乗せた回転上段斬りを放つ。

 

コウモリ怪人A「ウゥッゥ~!?」

 

コウモリ怪人は真っ二つになり、グレースの背後で爆発した。

 

 

 

 

 

 

ZOは二体のスカル魔を相手にしていた。

 

左右から振るわれる鎌を、鎌の柄ごと掴み、X字に重ねて止める。

 

そのまま押し返し、振り払う。

 

左拳で右側のスカル魔を殴り、右拳で左側のスカル魔を打つ。

 

続けて跳びかかってきたクモ怪人へ、踏み込んで右拳を突き出した。

 

ZO「とおぉぉっー!!」

 

腹部に拳がめり込み、クモ怪人は後方へ吹き飛ぶ。

 

 

 

 

 

 

フォンテーヌは、氷上を滑るように戦う。

 

スカル魔の横一閃を、ほんの少し早く跳んでかわす。

 

空中で一回転し、着地と同時に右足を突き出した。

 

スカル魔B「ウゥ!?」

 

さらに、アイススケートのように回転ジャンプ。

 

側面から迫るクモ怪人へ回し蹴りを叩き込む。

 

クモ怪人A「ギュォッ!?」

 

怪人が地面へ倒れた。

 

 

 

 

 

Jは背後からコウモリ怪人の突進を受け、正面から倒された。

 

すかさずスカル魔が鎌を振り下ろす。

 

Jは横へ転がって避け、すぐに立ち上がった。

 

J「とぉっ!!」

 

スカル魔の背中へ蹴りを叩き込み、前方へ押し出す。

 

振り返ると、コウモリ怪人が再び飛んでくる。

 

J「……ふっ!! とおぉっー!!」

 

その場で跳び、力を込めたライダーパンチを顔面へ叩き込む。

 

コウモリ怪人は空中でバランスを崩し、不時着した。

 

 

 

 

 

スパークルは、真正面から飛翔してくるコウモリ怪人を跳び箱のように飛び越えた。

 

両手を背中につき、くるりと越える。

 

着地は、やや得意げだった。

 

スパークル「よっと!!」

 

直後、クモ怪人の頭部へチョップ。

 

クモ怪人が頭を抱えてもだえる。

 

そこへスカル魔二体が鎌を振るってきた。

 

ニャトラン「プニシールド!!」

 

光の盾が二つの鎌を受け止める。

 

一秒。

 

二秒。

 

そのわずかな膠着のあと、スパークルは後ろへ跳び退いた。

 

急に支えを失ったスカル魔達は体勢を崩す。

 

スパークル「てやっ!!」

 

跳び蹴りで一体を倒す。

 

スパークル「はぁ!!」

 

続けて裏拳をもう一体へ叩き込んだ。

 

 

 

 

 

 

シンはスカル魔の鎌をバック転でかわしていた。

 

一撃、二撃、三撃。

 

着地と同時に跳び上がり、空中で一回転。

 

スパインカッターの生えた右腕を力いっぱい振り下ろす。

 

スカル魔A「ウゥ!?」

 

火花が散り、スカル魔が後退する。

 

背後からコウモリ怪人が飛翔してきた。

 

シン「!?」

 

シンは咄嗟に背中を地面へ倒す。

 

そして、通り過ぎようとしたコウモリ怪人の腹部へ両足を叩き込んだ。

 

コウモリ怪人が不時着する。

 

シンはすぐに飛びかかり、背後からその頭部を掴んだ。

 

力任せに、首を曲げる。

 

鈍い音。

 

コウモリ怪人は動かなくなった。

 

 

 

 

 

 

エコーは怪人達に包囲されていた。

 

だが、慌てない。

 

正面のスカル魔へ右正拳突き。

 

背後のスカル魔へ右肘。

 

左のクモ怪人へ右フック。

 

右のクモ怪人へ左フック。

 

四体が次々に崩れる。

 

正面から、さらにスカル魔が走り込んできた。

 

足元を狙う横一閃。

 

エコーは軽く駆け出し、一メートルほど跳んでかわす。

 

エコー「はあっ!!」

 

背を向けたまま左足を突き出し、鎌を蹴り落とす。

 

武器を失ったスカル魔の頭部へ、左右のフックを連続で叩き込む。

 

最後に、腕と胴体を掴んだ。

 

エコー「やあっ!!」

 

高く放り投げる。

 

スカル魔は背中から地面へ叩きつけられた。

 

 

 

 

 

J「ZO!!」

 

ZO「J!!」

 

二人の仮面ライダーが合流する。

 

迫る怪人軍団へ向け、二人は同時に駆け出した。

 

ZOはラリアットで道を開く。

 

Jは跳び蹴りで敵を弾き飛ばす。

 

二人は怪人達の集団を潜り抜け、同時に振り返った。

 

それぞれの構え。

 

そして、同時に跳ぶ。

 

J・ZO「ライダァァーーキィィック!!」

 

空中で一回転し、二つの足が突き出される。

 

それはまるで、かつての仮面ライダー1号と2号によるライダーダブルキックのようだった。

 

二つのキックが怪人軍団へ突き刺さる。

 

次の瞬間、怪人達は爆炎の中で消し飛んだ。

 

JとZOは着地し、爆発を背に静かに立った。

 

 

 

 

 

同じ頃、シンはさらに深く敵陣へ踏み込んでいた。

 

右腕のスパインカッターが通常よりも長く伸び、鋭さを増す。

 

スカル魔が鎌を振り下ろす。

 

だが、それよりも早く、シンの刃が走った。

 

クモ怪人が糸を吐く。

 

シンは糸ごと怪人を切り裂く。

 

コウモリ怪人が飛ぶ。

 

シンは一メートルほど跳び、空中で一回転しながら腕を振り下ろした。

 

三体の怪人が続けて倒れ、血しぶきと火花を散らして絶命する。

 

さらにスカル魔が足元を狙って鎌を振るう。

 

シンは二メートルほど跳んでかわし、着地と同時に再び跳躍。

 

空中で百八十度体を回転させ、裏拳の要領でチョップを放つ。

 

その一撃は、スカル魔の首を捉えた。

 

頭部と胴体が離れ、怪人は地面へ崩れ落ちる。

 

 

 

 

 

一方、合流した四人のプリキュアは、コウモリ男、蜘蛛女、スカル魔スターと対峙していた。

 

コウモリ男「クエェェッッ~~!!」

 

コウモリ男が翼を広げ、強風を起こす。

 

四人は思わず後ずさった。

 

蜘蛛女「シイィィィ~~!!」

 

スカル魔スター「ウゥウゥ!!」

 

その隙を突き、蜘蛛女とスカル魔スターが風に乗って飛びかかる。

 

鋭い足と大鎌が振り下ろされた。

 

グレース達は左右へ飛んで何とかかわす。

 

だが、強風に耐え切れず、体勢を崩して転倒した。

 

そこへ、聞き覚えのある声が響く。

 

セーラ「皆!! これを使いなさい!!」

 

姿を消していたセーラとベリーが現れた。

 

セーラは四つのボトルを投げ渡す。

 

グレース達はそれぞれ受け取った。

 

形はヒーリングボトルによく似ている。

 

だが、宿っている気配が違う。

 

グレース「ヒーリングボトル? 何でセーラさんが?」

 

セーラ「バッタ君に頼まれたの。地空人の所に行って、それをもらって来たわ」

 

エコー「このボトル……顔が描かれてる?」

 

スパークル「こっちはなんかロボットみたい?」

 

フォンテーヌ「私のは青い……」

 

ベリー「そのボトルには、J達とは別の四人の仮面ライダーの力が宿っているんだ!!」

 

グレースが手にしたのは、黒に近い緑のボトル。

 

キュアフォンテーヌの手には、青いボトル。

 

キュアスパークルの手には、オレンジ色のボトル。

 

そして、キュアエコーの手には、真っ黒なボトル。

 

それぞれに宿る力は――

 

エコーには、仮面ライダーBLACK。

 

グレースには、仮面ライダーBLACK RX。

 

フォンテーヌには、バイオライダー。

 

スパークルには、ロボライダー。

 

グレース「行こう!! 皆!!」

 

フォンテーヌ「えぇ!!」

 

スパークル「うん!!」

 

エコー「はい!!」

 

グレース「RXのエレメント!!」

 

フォンテーヌ「バイオライダーのエレメント!!」

 

スパークル「ロボライダーのエレメント!!」

 

エコー「BLACKのエレメント!!」

 

四人がボトルをセットした瞬間、脳裏に映像が流れ込む。

 

仮面ライダーBLACK。

 

仮面ライダーBLACK RX。

 

ロボライダー。

 

バイオライダー。

 

四人の戦士が、怪人軍団の中を駆け抜けていく。

 

拳。

 

蹴り。

 

剣。

 

銃。

 

それぞれの戦い方が、記憶として流れ込んでくる。

 

グレース(これが……四人の仮面ライダー……)

 

フォンテーヌ(すごい戦いがあったのね)

 

スパークル(頭の中に、色んなことがすぅ~っと入ってくる……)

 

エコー(分かる……このボトルに込められた力の使い方が……)

 

グレース「行くよ、ラビリン!!」

 

ラビリン「分かったラビ!!」

 

フォンテーヌ「ペギタン!!」

 

スパークル「ニャトラン!!」

 

ペギタン「分かったペェ!!」

 

ニャトラン「おうっ!!」

 

肉球が二度、光を鳴らす。

 

グレースのステッキに、白く輝く杖状の光が宿る。

 

グレース「リボルケイン!!」

 

フォンテーヌのステッキには、青い刃が伸びた。

 

フォンテーヌ「バイオブレード!!」

 

スパークルのヒーリングステッキは、拳銃のような形へ変化する。

 

スパークル「ボルティックシューター!!」

 

ステッキにあったニャトランの顔と肉球は小さくなり、銃の側面に収まっていた。

 

三人はまるで、RX、バイオライダー、ロボライダーの力をまとったような感覚を覚える。

 

スカル魔スター「ウゥウゥ!!」

 

スカル魔スターが駆け出した。

 

大鎌を振るい、グレースへ襲いかかる。

 

グレース「ふっ!! はあっ!!」

 

リボルケインで鎌を受け止め、弾き返す。

 

横一閃の反撃が、スカル魔スターを後退させた。

 

その時、エコーがグレースの加勢へ向かおうとする。

 

だが、側面からコウモリ怪人が飛びついてきた。

 

エコー「うわっ!?」

 

フォンテーヌ「エコー!?」

 

スパークル「こっちも来た!!」

 

コウモリ男と蜘蛛女が、フォンテーヌとスパークルへ襲いかかる。

 

戦いは三つに分かれた。

 

フォンテーヌの前には、コウモリ男。

 

コウモリ男「アアァァッ~~!!」

 

羽をしまい、伸びた爪でビンタのような攻撃を連発する。

 

フォンテーヌはバイオブレードで受け流す。

 

だが、突然コウモリ男がしがみつき、体の自由を奪った。

 

フォンテーヌ「くぅっ……!」

 

ペギタン「プニシールド!!」

 

コウモリ男「アアァァッ~~!?」

 

光の盾が弾け、コウモリ男を吹き飛ばす。

 

フォンテーヌは距離を取り、ステッキを構え直した。

 

コウモリ男は立ち上がると、再び翼を広げる。

 

地上で翼を羽ばたかせ、威嚇するように唸った。

 

フォンテーヌ「はあ!!」

 

光線を放つ。

 

だが、コウモリ男は飛び上がり、難なくかわした。

 

そのまま高速で突っ込んでくる。

 

フォンテーヌは側転し、地面を転がり、ぎりぎりで避け続けた。

 

しかし、空を自由に飛ぶ相手に対し、反撃の隙がつかめない。

 

フォンテーヌ「ふっ!! ……はあぁぁっ!!」

 

フォンテーヌは自ら跳んだ。

 

空中で体勢を整え、キックを放つ。

 

だが、コウモリ男は空中で止まり、腕を交差させてそれを受け止めた。

 

次の瞬間、翼を力強く広げる。

 

フォンテーヌ「うわっ!? つっ!?」

 

フォンテーヌは吹き飛ばされ、背中を地面へ打ちつけた。

 

ペギタン「フォンテーヌ!?」

 

フォンテーヌ「大丈夫。かすり傷よ……」

 

コウモリ男は空中で羽ばたきながら、あざ笑うように見下ろしている。

 

フォンテーヌ「やっぱり、自由に飛ぶ相手は戦いづらいわね」

 

ペギタン「フォンテーヌ!! バイオライダーの力を使うペェ!!」

 

フォンテーヌ「なるほど。了解!!」

 

ペギタン「キュン!! キュン!!」

 

フォンテーヌ「バイオアタック!!」

 

フォンテーヌの体が青い液体のように変化した。

 

コウモリ男「クエッ!?」

 

液状化したフォンテーヌは一気にコウモリ男へ絡みつく。

 

次の瞬間、その背中に実体化し、両腕でしがみついた。

 

フォンテーヌ「ふんっ!!」

 

コウモリ男「キャャァァッ~~!?」

 

フォンテーヌはそのまま、コウモリ男の片腕をへし折った。

 

自由を失ったコウモリ男は不時着する。

 

フォンテーヌは着地と同時に距離を取り、再び構えた。

 

ペギタン「キュン!! キュン!! キュン!!」

 

ペギタン「ヒーリングゲージ!! 上昇ペン!!」

 

フォンテーヌ「バイオブレード!!」

 

青い刃が、再びステッキに宿る。

 

フォンテーヌはコウモリ男へ駆けた。

 

一歩。

 

二歩。

 

間合いに入る。

 

フォンテーヌ「はあぁっー!!」

 

上段から斬り下ろす。

 

続けて横一閃。

 

コウモリ男「ギャアァァッ~~!?」

 

コウモリ男は断末魔を上げ、ゆっくりと倒れていく。

 

フォンテーヌは背を向け、バイオライダーと同じ決めポーズを取った。

 

その背後で、コウモリ男が爆発した。

 

一方、スパークルは蜘蛛女と向き合っていた。

 

スパークル「こっちも行くよ!!」

 

ニャトラン「おぉ!!」

 

しかし、蜘蛛女は先に動いた。

 

口からまとまった糸を数発吐き出す。

 

スパークル「うわっ!?」

 

糸が両足、胴体、腕へ絡みつき、動きを止める。

 

蜘蛛女「シイィィッ~~!!」

 

その隙を狙い、蜘蛛女が一気に距離を詰めた。

 

何本もの足を密集させ、槍のように突き出してくる。

 

スパークル「こんのぉ……!」

 

スパークルは力任せに腕を広げ、絡みついた糸を引きちぎった。

 

胴体の糸も掴んで引き裂く。

 

蜘蛛女は止まれない。

 

突進の勢いのまま、鋭い足の束を突き出す。

 

ニャトラン「キュン!! キュン!!」

 

スパークル「どぉぉりゃぁぁーー!!」

 

左拳にオレンジのエネルギーが集まる。

 

スパークル「ロボパンチ!!」

 

突き出された足の束へ、左正拳突きを叩き込む。

 

蜘蛛女「シイィィィッ~~!?」

 

足は吹き飛び、衝撃はそのまま蜘蛛女の腹部へ入った。

 

蜘蛛女は後方へ大きく吹き飛ばされる。

 

スパークルの両足に残っていた糸も、拳の反動で引きちぎれていた。

 

自由を取り戻したスパークルは、ボルティックシューターを構える。

 

スパークル「エレメントチャージ!!」

 

ニャトラン「キュン!! キュン!! キュン!!」

 

スパークル・ニャトラン「ヒーリングゲージ!! 上昇!!」

 

銃口にエネルギーが溜まる。

 

スパークル「ボルティック!! ……シューター!!」

 

引き金が引かれる。

 

放たれた銃弾――ハードショットが、蜘蛛女の体を貫いた。

 

蜘蛛女「シイィィィッ~~~!?」

 

断末魔と共に、蜘蛛女が爆発する。

 

スパークルはロボライダーと同じ構えを取り、爆炎を背に立った。

 

そして、グレースはスカル魔スターと戦っていた。

 

グレース「はぁっ!!」

 

スカル魔スター「ウゥウゥ!!」

 

リボルケイン形態のヒーリングステッキと、大鎌がぶつかり合う。

 

鍔迫り合い。

 

互いに一度、武器を弾き上げる。

 

すかさず、スカル魔スターが足元へ鎌を振るう。

 

グレースは狙われた足を一歩引き、紙一重でかわした。

 

スカル魔スター「ウゥウゥ!! ウゥウゥ!!」

 

鎌が左右に振るわれる。

 

一撃目を、グレースは二、三歩後ろへ跳んで避ける。

 

二撃目を、低空の反転ジャンプでかわし、五メートルほど距離を開けた。

 

だが、スカル魔スターの角が光る。

 

スカル魔スター「機能停止ビーム!!」

 

黄色いビームがグレースへ直撃した。

 

グレース「うっ!?」

 

体が動かない。

 

ラビリン「グレース!?」

 

スカル魔スター「ウゥウゥ!!」

 

スカル魔スターが鎌を上段に構え、走り出す。

 

動けないグレースへ、必殺の一撃を振り下ろそうとしていた。

 

『その時、不思議な事が起こった』

 

太陽から、細い光が伸びる。

 

その光は、グレースの持つヒーリングステッキの肉球へまっすぐ照射された。

 

グレースの体がまばゆく輝く。

 

スカル魔スター「ウゥッ!?」

 

怪人は光にひるみ、後ろへ転倒した。

 

次にスカル魔スターが見た時、グレースは自由を取り戻していた。

 

グレース自身も、自分の手と体を見つめている。

 

ラビリン「不思議な事が起こったラビ?」

 

グレース「太陽の力が、ヒーリングステッキを通して私に力を貸してくれたんだと思う」

 

グレースはリボルケインを構え直した。

 

グレース「流石は、太陽の子」

 

RXの力。

 

太陽の力。

 

その二つが、機能停止ビームを跳ね除けたのだ。

 

今のグレースには、むしろ力が湧いていた。

 

ラビリン「あの角からビームを出してたラビ」

 

グレース「うん。だったら、先にあの角を折る!!」

 

グレースは肉球を三度タッチする。

 

ラビリン「キュン!! キュン!! キュン!!」

 

グレース「エレメントチャージ!!」

 

グレースはヒーリングステッキを左手に持ち替え、右手で一度地面を叩いた。

 

そして、低空で反転ジャンプする。

 

両足にピンク色の光が宿った。

 

グレース「RX!! キィィック!!」

 

体を回転させながら、グレースはスカル魔スターへ突撃した。

 

両足の蹴りが、スカル魔スターの角へ直撃する。

 

スカル魔スター「ウゥウゥ!?」

 

角がへし折れた。

 

スカル魔スターは頭を抱え、痛みにもがく。

 

グレースは着地と同時に、再び肉球を三度タッチした。

 

ラビリン「キュン!! キュン!! キュン!!」

 

グレース「リボルケイン!!」

 

ヒーリングステッキが、再びリボルケインの光をまとった。

 

スカル魔スターは残った鎌を構える。

 

グレースは跳んだ。

 

グレース「はあっ!!」

 

リボルケインが鎌を切断する。

 

間髪入れず、グレースは両手でリボルケインを構えた。

 

そのまま、スカル魔スターの腹部へ突き刺す。

 

数秒。

 

光が、怪人の体内へ流れ込む。

 

スカル魔スター「ウゥ!? ウゥウゥ!?」

 

グレース「はあぁっ!!」

 

グレースはリボルケインを引き抜き、RXと同じ決めポーズを取った。

 

背後で、スカル魔スターが火花を散らしながら倒れる。

 

そして、爆発した。

 

爆炎の前に、キュアグレースは静かに立っていた。

 

 

 




新訳版2話『ドラス対シン&エコー』へ続く
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